JPH0231174Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は噴射剤を使用することのない非エアゾ
ールタイプの噴射装置に係るものである。

従来の技術 従来非エアゾールタイプの噴射装置としては、
シリンダーとピストンを用いたデイスペンサー方
式のものが知られているが、デイスペンサー方式
のものは構造が複雑で故障し易いばかりでなく、
高価になるとともに一回当りの吐出量が少なく、
多数回の押圧動作を行わねばならない欠点を有し
ていた。

また特開昭53−7802号公報記載の発明には、シ
リンダーとピストンを用いたデイスペンサー方式
のものではなく、２つのチエツキ弁の間に弾性材
製の導入室を形成した噴射装置が記載されている
が、この発明も構成が複雑で故障し易いばかりで
なく、２つのチエツキ弁を接続する内容物の導出
路を、容器本体の軸方向とは直角に形成し、この
直角に設けた水平部分に弾性材製の導入室を設
け、しかもこれをレバーで押圧して内容物を噴出
するものとしているから、容器本体の直径よりも
外方にノズル、レバー等が大きく突出してしま
い、収納、運搬、展示等に於て不便であるととも
に突出したレバーに接触し易く、不用意な内容物
の噴出を生じる可能性が高いものであつた。

解決しようとする課題 本考案は上述の如き欠点を除去しようとするも
のであつて、内容物の一回当たりの噴出量を多く
するとともに容器本体の直径よりも外方にノズ
ル、レバー等が大きく突出することを防止し、収
納、運搬、展示等に於て支障を生じる事がなく、
また不用意な内容物の噴出が生じる可能性を少な
くしようとするものである。

課題を解決するための手段 本考案は上述のごとき課題を解決するため、内
容物の導出方向にのみ開弁する一方チエツキ弁を
介して内容物と接続するステムを容器本体の軸方
向に設け、このステムの外周に、軟弾性材製の変
形復元可能な材質にて、ステムの導出路と接続す
る導入室を形成し、この導入室に内容物導出方向
にのみ開弁する他方チエツキ弁を介してノズルを
接続してなるものである。

作 用 上述のごとく構成したものに於て、容器本体内
に内容物を充填した後、導入室を外部から指等で
押圧変形させれば、導入室内の気体はステムの導
出路に排出され導出路内を加圧するから、一方チ
エツキ弁を閉止状態とし、他方チエツキ弁を開放
状態にしてノズルから外部に排出される。次に導
入室への押圧を解除すれば、軟弾性材製の導入室
は自己の復元力で復元し、導出路内を減圧するか
ら、他方チエツキ弁は閉止され、ノズルとの連通
を遮断されるとともに一方チエツキ弁は開放状態
となり、デイツプチユーブ、一方チエツキ弁、導
出路を介して、容器本体内の内容物を導入室内に
導入する。この導入時に容器本体内が減圧される
から、チエツキ弁が開放され、外気を容器本体内
に導入する。次に再度、導入室を指で押圧すれ
ば、前述と同様の作用により他方チエツキ弁が開
放され、ノズルから内容物が噴射される。

またステムを、容器本体の軸方向に形成すると
ともに導出路を軸方向に設けたステムの外周に、
軟弾性材製の変形復元可能な材質にて、導出路と
接続する導入室を形成したものであるから、容器
本体の直径よりも外方に、ノズル、レバー等が大
きく突出することを防止し、収納、運搬、展示等
に於て、支障を生じる事がなく、また不用意な内
容物の噴出が生じる可能性を少なくするものであ
る。

実施例 以下本考案の一実施例を図面に於て説明すれ
ば、１は容器本体で、合成樹脂、金属、ガラス等
適宜の材質にて形成し、上端に環状壁２を立ち上
げ形成して設けた開口３には、ガスケツト４を介
して蓋体５を螺着固定している。この蓋体５には
容器本体１内の減圧時にのみ開弁し、容器本体１
内と外気とを接続する、チエツキ弁６を形成する
とともに容器本体１内の内容物と接続する、デイ
ツプチユーブ７を連結突出させたステム８を、容
器本体１の軸方向に挿通固定している。このステ
ム８には、内容物の導出方向にのみ開弁するよ
う、弁座上面にボールを位置して形成した一方チ
エツキ弁１０を介して内容物と接続するとともに
側面には、シリコンゴム、アクリルニトリルブタ
ジエンラバー、ポリエステルエラストマー、ウレ
タンエラストマー、スチレンブタジエンラバー、
天然ゴム、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹
脂、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂等の、軟弾
性材製の変形復元可能な材質にて形成した導入室
１１を、環状の固定壁１２にて固定している。こ
の導入室１１は、容器本体１の軸方向に設けたス
テム８の外周に、導出路１３と連通孔１４を介し
て接続するとともに導出路１３の内容物導出方向
の一端に、内容物導出方向にのみ開弁するよう、
弁座に押圧発条１５でボール１６を押圧して設け
た他方チエツキ弁１７を形成している。またステ
ム８の外端部には、この他方チエツキ弁１７介し
てノズル１８を接続している。

上述の如く構成したものに於て、容器本体１内
に内容物を充填した後、導入室１１を外部から指
２０等で押圧変形させれば、導入室１１内の気体
はステム８の導出路１３に排出され、導出路１３
内を加圧するから、一方チエツキ弁１０を閉止状
態とし、他方チエツキ弁１７を開放状態にして、
ノズル１８から外部に排出される。次に導入室１
１への押圧を解除すれば、軟弾性材製の導入室１
１は自己の復元力で復元し、導出路１３内を減圧
するから、他方チエツキ弁１７は閉止されノズル
１８との連通を遮断されるとともに一方チエツキ
弁１０は開放状態となり、デイツプチユーブ７、
一方チエツキ弁１０、導出路１３、連通孔１４を
介して、容器本体１内の内容物を導入室１１内に
導入する。この導入時に容器本体１内が減圧され
るから、蓋体５に設けたチエツキ弁６が開放され
外気を容器本体１内に導入する。次に再度、導入
室１１を指２０等で押圧すれば、前述と同様の作
用により他方チエツキ弁１７が開放され、ノズル
１８から内容物が噴射される。また他方チエツキ
弁１７を上記実施例の如く、押圧発条１５にて弁
座に常時押圧しておく必要は必ずしもないが、こ
のような構成とすることによつて、導入室１１に
内容物が導入されている状態で容器本体１を傾斜
させたり倒立させた時に、内容物がノズル１８か
ら漏出するのを防止することができる。

また導入室１１はその形状、容積等を使用目的
に応じて任意に決定することができ、第１図に示
す実施例では、断面半円形状に形成したものを一
個設けているが、第２図に示す実施例では、断面
半円形状に形成したものを２個独立して形成して
も良いし、第３図、第４図に示す如くステム８の
外周に環状に形成するものとしても良い。この環
状方式を用いる場合には、導出路１３との連通孔
１４を適宜間隔で複数個設けるのが望ましい。

またステム８を、容器本体１の軸方向に形成す
るとともに導出路１３を軸方向に設けたステム８
の外周に、軟弾性材製の変形復元可能な材質に
て、導出路１３と接続する導入室１１を形成した
ものであるから、容器本体１の直径よりも外方に
ノズル、レバー等が大きく突出することを防止
し、収納、運搬、展示等に於て支障を生じる事が
なく、また不用意な内容物の噴出が生じる可能性
を少なくするものである。

考案の効果 本考案は上述の如く構成したものであるから、
導入室の容量を大きく取ることが可能となり、デ
イスペンサータイプの噴射機構に比し、一回当り
の吐出量を著るしく増大することができ、使用量
の多い内容物に用いる場合好都合なものである。
また構造が簡易であるから故障の原因を少なくす
るとともに廉価な製品を得ることができる。

またステムを、容器本体の軸方向に形成すると
ともに導出路を軸方向に設けたステムの外周に、
軟弾性材製の変形復元可能な材質にて、ステムの
導出路と接続する導入室を形成したものであるか
ら、容器本体の直径よりも外方にノズル、レバ
ー、導入室等が大きく突出することを防止し、収
納、運搬、展示等に於て支障を生じる事がなく、
また不用意な内容物の噴出が生じる可能性を少な
くするものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
断面図、第２図は他の異なる実施例を示す断面
図、第３図は更に異なる実施例を示す断面図、第
４図、第３図のＡ−Ａ線断面図である。 ８……ステム、１０……一方チエツキ弁、１１
……導入室、１３……導出路、１８……ノズル、
１７……他方チエツキ弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内容物の導出方向にのみ開弁する一方チエツキ
   弁を介して内容物を接続するステムを容器本体の
   軸方向に設け、このステムの外周に、軟弾性材製
   の変形復元可能な材質にて、ステムの導出路と接
   続する導入室を形成し、この導入室に内容物導出
   方向にのみ開弁する他方チエツキ弁を介してノズ
   ルを接続したことを特徴とする噴射装置。