JPH0231135Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は車両用エアクリーナの構造改善に関す
る。

〈従来の技術〉 従来、この種のエアクリーナには、サイクロン
によるダスト分離機能を有する例えば実開昭57−
49557号公報に開示されるようなものがあり、そ
の基本的な構成を第２図に基づいて説明する。

エアクリーナのケース１内には、吸入された空
気を旋回流に変える案内板２と羽根３及び空気中
のダストを除去するエレメント４等が収納されて
いる。そして前記エレメント４は、その一端部に
ドーナツ状のエンドプレート５とシールラバー６
を取付け、他端部がエンドプレートを兼ねたエレ
メントサポート７を介して螺子８によつて固定部
材９に締付け固定されることにより、一端部をケ
ース１内壁に押圧しつつ保持される構成である。

その作用は、吸入口１ａから筒状のケース１内
に吸入された空気は、該ケース１内で案内板２と
羽根３との回転により旋回流となり、混在するダ
ストをある程度分離した後に該案内板２の内周側
に取付けられる筒状のエレメント４を介して半径
方向内方に案内されて清浄化され、そして該エレ
メント４の中央空間から図示しないエンジンに供
給される。このように、エレメントに流入する前
の吸入空気を旋回流とするサイクロン方式のもの
では、エレメント全周に亘つて空気清浄化作用を
均一に行わせることができエレメントの効率が良
好にできる利点がある。尚、１０は前述の案内板
２と羽根３とによる遠心分離作用によつて分離さ
れるダストを収容するダストパンであり、図中矢
印は吸入口空気の流れ方向を示す。

〈考案が解決しようとする問題点〉 しかしながら、かかる従来装置にあつては、羽
根３を端部に備えエレメント４の外周側に近接し
て取付けられる案内板２によつてエレメント４の
軸方向長さの大略半分程が取囲まれるので、吸入
空気のエレメント４通過流量がエレメント４の部
分によつて異なり、エレメント４へのダスト付着
量にムラが生じる。即ち、案内板２に取囲まれる
部分には付着量が少なく、反対に取囲まれない部
分には付着量が多い。

このため、エレメント４の使用寿命としては、
ダスト付着量の多いエレメント４の一側半分の使
用寿命と略同じ程度となり、たとえダスト付着量
の少ない他側半分が充分に使用可能な程度にしか
ダストの付着がなくとも、エレメント４全体を交
換しなければならなかつた。

本考案は、このような従来の実情に着目し、エ
レメント全体を有効に使用して、その使用寿命を
延長させることを目的とする。

〈問題点を解決するための手段〉 このため、本考案は、筒状のエレメント本体外
周面とケース内周壁との間に、先端部に前記旋回
流を生じせしめる複数の羽根を有する円筒状の案
内板をエレメントの軸方向長さの略半分を覆うよ
うに延設して配置すると共に、エレメント本体の
両端部それぞれにドーナツ状のエンドプレートと
シール部材とを対称に設け、このエレメント本体
を、一端部をケース内壁に押圧するように他端部
をケース内固定部にエレメントサポートを介して
着脱自由に締付け固定して取付ける構成とした。

〈作用〉 これにより、エレメント本体のどちらの端部を
もケース内壁に押圧でき或いはエレメントサポー
トを介してケース内固定部に締付固定できるよう
にして、エレメント本体のケースへの取付方向の
反転を可能とし、且つ、エレメントの実質的使用
部分を半分づつとすることにより、エレメントの
浄化能力を低下させることなくエレメント本体を
反転使用できるようにしてエレメント全体を有効
利用できるようにした。

〈実施例〉 以下、本考案の一実施例を第１図に基づいて詳
細に説明する。尚、従来例と同一構成部分には同
一符号を付して説明を簡略化する。

エレメント４の両端部それぞれに、ドーナツ状
のエンドプレート５，５と、該エンドプレート
５，５の外側にシール部材としてのシールラバー
６，６が取付けられ、両端部は対称にそれぞれ略
同一形状に形成される。そして、エンドプレート
５とは別体に形成したエレメントサポート７によ
り、筒状のエレメント４を、その筒内中空部に位
置するケース内固定部としての従来と同様に形成
された固定部材９に、螺子８を介してシールラバ
ー６を押さえ付けるようにして締付け固定され
る。このとき、他側のシールラバー６はケース１
内壁に押圧されている。また、ケース１内壁に固
定されたエレメント４外周面とケース１内周壁と
の間には、先端部に旋回流を生じせしめるための
複数の羽根３を有する円筒状の案内板２が従来と
同様にしてエレメント４の軸方向長さの略半分を
覆うように延設配置されている。

一方、エレメント４はエレメントサポート７を
取外すことによつて容易に着脱可能に構成され、
取外したエレメント４を図で左右に反転させ、上
記と同様に螺子８を介して固定部材９に締付け固
定することができる構成である。

このため、使用により、エレメント４の案内板
２に取囲まれていない部分即ち図中右側半分にダ
ストが所定量付着してエアクリーナの浄化能力が
低下したときには、該エレメント４の案内板２に
取囲まれている部分即ち図中左側半分の未だダス
トの付着量が少ないエレメント４側と交換すべ
く、当該エレメント４を反転させて使用すること
により、結果としてエレメント４全体に略均一に
ダストを付着させ得る。

したがつて、部分的に充分に使用に耐え得るに
もかかわらずエレメント４を交換する必要のあつ
た従来構造のものに較べて、エレメント４全体に
亘つて有効に濾紙を使用でき、その使用寿命を延
ばすことができる。

〈考案の効果〉 以上説明したように本考案によれば、エレメン
トの両端部を反転可能に対称に構成し、かつ着脱
自由に構成したので、エレメント全体を有効に使
用できその使用寿命を延ばすことができる。ま
た、エレメントを略半分づつ使用する構成なの
で、エレメントを反転使用してもエレメントの浄
化能力を低下させずにすむ。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す要部の断面
図、第２図は従来例を示す断面構成図である。 １……ケース、２……案内板、３……羽根、４
……エレメント、５……エンドプレート、６……
シールラバー、７……エレメントサポート、８…
…螺子、９……固定部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 筒状のケース内で吸入空気に旋回流を生じせし
   め、エレメントを介して半径方向内方に通過させ
   て該エレメントの中央空間からエンジンに空気を
   送る車両用エアクリーナにおいて、エレメント本
   体外周面とケース内周壁との間に、先端部に前記
   旋回流を生じせしめる複数の羽根を有する円筒状
   の案内板をエレメントの軸方向長さの略半分を覆
   うように延設して配置すると共に、エレメント本
   体の両端部それぞれに、ドーナツ状のエンドプレ
   ートと該エンドプレートの外側にシール部材を対
   称に設け、当該エレメント本体を、一端部をケー
   ス内壁に押圧すべく他端部をエレメントサポート
   を介してケース内固定部に着脱自由に締付け固定
   してケース内に取付ける構成としたことを特徴と
   する車両用エアクリーナ。