JPH023045B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は全般的に定速自在継手に関する。さら
に詳しくは本発明はギヤ型式の心合せ装置とブー
ト型シールとを有する定速自在継手に関する。こ
のような自在継手は非直線的配列の部材の間の動
力伝達を要する設備に応用される。特に路上また
は路外車両（on−or off−highway vehicle）に
使用するのに適している。

２つの角度の整合されていない回転軸の間で運
動を伝達するのに使用される普通の自在継手はカ
ルダン継手である。しかし、このような継手が適
しないような応用面が多くある。このような応用
面は均一でないカルダン継手の運動伝達特性が入
力および出力軸の間に許容できない速度の変動を
生ずるような場合である。この問題の典型的な解
決法の１つはこの速度変動を相殺するように適当
に位相を設定された１対のカルダン継手を設ける
ことである。

重量や寸法が最も重要な場合、または場所的関
係が通常の位相の設定を阻止するような場合には
定速または複カルダン自在継手が通常使用され
る。このような自在継手では、組合されたカルダ
ン継手を互に等しい作動角度に保持する心合せ装
置を使用することによつて定速が保証されるので
ある。

自在継手の分野では従来知られている自在継手
よりもさらに小形軽量で、さらに耐久性のある定
速自在継手が要求されている。また充分に封止作
用が良好で潤滑剤を保持し、分配させ、汚損物を
排除して継手の寿命を延ばすような上述の自在継
手の心合せ装置の封止装置すなわちシールが要求
されている。

したがつて、本発明の主な目的は上述の一つま
たはそれ以上の要求に合つた自在継手を提供する
ことである。そのために、１対の補完的ギヤヨー
クが取付けられている対向する軸受ブロツクを有
する１対の放射腕部材すなわちスパイダーを含む
定速自在継手が提供される。ギヤヨークは同一運
動平面（homokinetic plane）内で噛合う同心的
環状ギヤ歯を形成している。この自在継手はまた
スパイダーに組合される他の対向軸受ブロツクに
取付けられた連動ヨークを含んでいる。これらの
ヨークはブートシールの主要部分を支持して遠心
力による半径方向の移動を阻止し、しかも潤滑剤
をギヤ歯の間に強制流動させるこね混ぜ作用を生
ずるのを可能となすようになつている。

その結果本発明によつて改良された心合せ装置
およびブートシールを有する複カルダン継手型の
構造が簡単で耐久性があり、耐摩耗性の定速自在
継手が得られるのである。

本発明の実施態様が特定の具体例を示す図面を
参照して以下に詳述される。

本発明は多くの異なる形態にて具体化できる
が、図面には１つの望ましい具体例が示されてい
る。以下の説明は本発明の原理の例示と考えねば
ならずこの具体例に本発明を制限する意図はな
い。

さて図面を参照し、２つの回転軸１２および１
４を相互連結する定速すなわち複カルダン自在継
手１０が示されている。たの自在継手はそれぞれ
軸１２および１４に固定される第１および第２の
カルダン継手１６および１８を含んでいる。心合
せ装置は連動ヨーク２０を含んでいて、この連動
ヨークがカルダン継手１６および１８を連動させ
て両者の間で捩り荷重を伝達するように働く。こ
の自在継手はまた改良されたブートシール２２を
含んでいる。

それぞれのカルダン継手１６および１８は４つ
の間隔をおかれたトラニオン２６を有するスパイ
ダー２４を含んでいる。対向して対をなすく軸受
組立体２８および３０がそれぞれトラニオン２６
上に取付けられている。このような配列はそれぞ
れのトラニオン２６とこれに組合された軸受組立
体２８または３０との間の相対的回転振動を許
す。軸受組立体２８はそれぞれ軸１２および１４
に取付けられている。連動ヨーク２０は軸受組立
体３０に取付けられている。

連動ヨーク２０は環状の内面３２を形成し、こ
の面に内方に向く環状溝３４が形成されている。
本発明の望ましい形態においては溝３４は同一運
動平面内にあるように配向されている。

第１のギヤヨーク３６はカルダン継手１６の組
合された軸受組立体２８に取付けられている。ヨ
ーク３６は球の１部をなす面の形状の面３８を形
成し、この面から多数の同心的な環状ギヤ歯４０
が伸長している。本発明の望ましい形態において
は歯４０はインボリユートの断面形状を有する。
ヨーク３６はまた環状の外方に向く溝４２を形成
している。

第２のギヤヨーク４４はカルダン継手１８の組
合された軸受組立体２８に取付けられている。ヨ
ーク４４は球の１部をなす面の形状の面４６を形
成し、この面からギヤ歯４０と同様の多数の同心
的な環状ギヤ歯４８が伸長している。本発明の望
ましい形態においては歯４８はインボリユートの
断面形状を有する。ヨーク４４はまた環状の外方
に向く溝５２を形成している。

歯４０および４８のピツチ線は球状で、噛合点
で互に接していて、自在継手１０の関節運動角度
が変化する時にも噛合は円滑で連続的になされ
る。ヨーク３６および４４の間の接触は軸１２お
よび１４の軸線を含む平面内に拘束されている。

改良されたブートシール２２はオゾン老化作用
および潤滑剤の溶媒の作用によつて生ずる破壊に
対抗するように企図された弾性材料により形成さ
れている。ブートシール２２は広い作動温度範囲
内で弾性を保つようになされねばならない。

ブートシール２２は中央部分５４および１対の
ブート部分５６を含む。それぞれのブート部分５
６は外端にＯリングと同様の厚い唇部５８を有す
る。これらの唇部５８はそれぞれヨーク３６の溝
４２およびヨーク４４の溝５２内に保持されて、
これによつて室６０を形成し、この室６０内にて
歯４０および４８が噛合係合を行うようになされ
るのである。所望の場合溝４２および５２内にそ
れぞれ唇部５８を封止保持するのを確実になすよ
うに適当な帯状が設けられることができる。

中央部分５４はＯリングと同様の厚い外側唇部
６４を有する環状ダイヤフラム部分６２により支
持されている。外側唇部６４は溝３４内に保持さ
れる。このダイヤフラム部分６２は充分に剛性と
なされて自在継手１０が関節運動を行う時に曲げ
および回転運動により中央部分５４が横方向に中
心から外れたり、または往復運動を行うのを阻止
するようになつている。このようにしてブート部
分は自在接手が関節運動を行う時にギヤヨークに
沿て同時に撓み、転動運動を行つてギヤ歯の間に
潤滑剤を強制流動させるこね混ぜ運動を行つて摩
耗を防止することが出来るのである。

第１図および第２図に示されるようにブートシ
ール２２のブート部分５６はヨーク３６および４
４の面に沿つて転動作用および同時に撓み作用を
行う。この同時の転動および撓み作用は効果的に
こね混ぜ作用を生じさせて、室６０内の潤滑剤を
ギヤ歯４０および４８の間に強制流動させるので
ある。このことはギヤの適当な潤滑作用を与え
る。

当業者には上述により簡単で、安価で製造の容
易な、しかも滑動面が比較的少なく自在継手の有
効寿命を著しく増大させ得る本発明の定速自在継
手が示されたことが判る。同時にこの自在継手は
全作動範囲で連続的な定速を与えるのである。

この自在継手はギヤ型式の心合せ装置を組込ん
でいる。また定位置に保持され同時に転動および
撓みを行い得るブートシールを組込んでいる。

本発明は例としてこゝに示した特定の自在継手
にその応用面を制限されるものではない。本発明
が相対的に運動する部分の連動を行うことが望ま
れる種々の応用面に利用されることが企図されて
いるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による定速自在継手の具体例の
１部破断および断面とせる立面図。第２図は第１
図と同様の１部断面として関節作動部分を詳しく
示した立面図。第３図は第１図に示した自在継手
の１部断面として関節作動部分を詳しく示した平
面図。第４図は１方のギヤヨークを示す詳細図。
第５図は他方のギヤヨークを示す詳細図。 １０……自在継手、１２，１４……軸、１６，
１８……カルダン継手、２０……連動ヨーク、２
２……ブートシール、２４……スパイダー、２
８，３０……軸受組立体、３４，４２，５２……
溝、３６，４４……ギヤヨーク、４４，４８……
ギヤ歯、５４……中央部分、５６……ブート部
分、５８……唇部、６０……室、６２……ダイヤ
フラム部分。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 第１および第２の回転軸１２，１４を連動さ
   せる定速自在接手１０であつて、それぞれ前記第
   １および第２の回転軸に係合する第１および第２
   のカルダン接手１６，１８と、前記第１および第
   ２のカルダン接手に係合する心合せ装置２０−３
   ６−４４とを含み、前記心合せ装置が前記第１お
   よび第２の軸の軸線の廻りに同心的になされた第
   １および第２の環状ギヤ歯の組４０，４８を形成
   する第１および第２のギヤヨーク３６，４４を含
   み、前記ギヤ歯が同一運動平面内で噛合うように
   構成され、配置されていて、前記心合せ装置がま
   た内方に向く面３２を境界する連動ヨーク２０を
   含んでいるとともに前記自在接手はさらに内側中
   央部分５４、それぞれ前記第１および第２のギヤ
   ヨークと封止係合する第１および第２のブート部
   分５６，５６および前記中央部分に前記第１およ
   び第２のブート部分の間で固定され、前記中央部
   分から外方に伸長して前記内方に向く面に封止係
   合するダイヤフラム部分６２を有するブートシー
   ル２２を含んでいて、前記ブートシールは、前記
   自在接手が関節運動を行う際に前記ブートの諸部
   分が同時に前記ギヤヨークに沿つて撓んで転動運
   動を行うように構成され、配置されている定速自
   在接手。 ２ 前記ブートシール２２は、ダイヤフラム部分
   ６２が前記自在接手が関節運動を行う際に曲げお
   よび回転力により中央部分５４を横方向に動か
   し、および／または往復運動させないように阻止
   するように構成され、配置されている特許請求の
   範囲第１項記載の自在接手。 ３ 前記ダイヤフラム部分６２が前記中央部分５
   ４およびブート部分５６，５６に比して比較的剛
   性になされている特許請求の範囲第２項記載の自
   在接手。 ４ 前記第１および第２のギヤヨーク３６，４４
   がそれぞれ第１および第２の環状の外方に向く溝
   ４２，５２を形成しており、前記連動ヨーク２０
   が同一運動平面内の環状の内方に向く溝３４を形
   成し、前記ブート部分およびダイヤフラム部分の
   端部にそれぞれ前記溝に封止係合する唇部５８，
   ６４を含んでいる特許請求の範囲第３項記載の自
   在接手。 ５ 連動部材および同一運動平面内で係合される
   第１および第２のヨークを有する心合せ装置を含
   む自在接手において内側中央部分５４、前記中央
   部分より伸長してそれぞれ前記第１および第２の
   ヨーク３６，４４に封止係合する第１および第２
   のブート部分５６，５６および前記中央部分５４
   に前記第１および第２のブート部分の間で固定さ
   れて前記中央部分から外方に伸長して前記連動部
   材２０に封止係合するように伸長するダイヤフラ
   ム部分６２を有するブートシール２２を有し、前
   記ブートシール２２は、前記自在接手が関節運動
   を行う際に前記ブート部分５６，５６が撓み、前
   記ヨーク３６，４４上を転動することを特徴とす
   る自在接手。 ６ 前記連動部材２０が環状の内方に向く面３２
   を形成し、前記ダイヤフラム部分６２が前記中央
   部分５４から外方に伸長して前記面３２に封止係
   合するようになつている特許請求の範囲第５項記
   載の自在接手。 ７ 前記ダイヤフラム部分６２が前記同一運動平
   面内にある特許請求の範囲第６項記載の自在接
   手。 ８ 前記ダイヤフラム部分６２は、前記自在接手
   が関節運動する際に前記中央部分５４の横方向お
   よび／または往復運動を拘束するのに充分な剛性
   を有する特許請求の範囲第７項記載の自在接手。