JPH0229022Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案はパワーステアリング装置に関する。

＜従来の技術＞ パワーステアリング装置は、操舵力を軽減する
ために倍力装置を備えたステアリングシステムで
あり、油圧式のものは、エンジンによつて駆動さ
れるオイルポンプから油が送られるようになつて
いる。

このようなパワーステアリング装置の従来例を
第３図に示す。

このものは、ラツクピニオン式のものであり、
ピニオン１軸部にコントロールバルブとしてのロ
ータリバルブ２を、ラツク３軸部にパワーシリン
ダ４を設け、ロータリバルブ２とパワーシリンダ
４の間をパイプ５等で結合してある。

ロータリバルブ２は、ステアリングホイール６
により操舵力が伝達される入力軸に連結された図
示しないロータと出力軸に連結されたスリーブと
によつて構成され、ロータがスリーブに対して相
対回転することによりバルブ機能を与えるように
なつている。

そして、オイルポンプ７から送られる油は、運
転者が操舵することによつて作動する前記ロータ
リバルブ２の機能に従つて、右又は左の操作方
向、操作速度に応じた油量、操舵負荷に応じた油
圧が決められアクチユエータとしてのパワーシリ
ンダ４に導かれ、操舵出力を倍力するようになつ
ている。

＜考案が解決しようとする問題点＞ しかしながら、このような従来の油圧式のパワ
ーステアリング装置においては、前記エンジン駆
動のオイルポンプ７が回り放しであるため、エネ
ルギーロスが大なるものであり、エンジンの燃費
にも影響を与えていた。

又、このようなロータリバルブ２等のコントロ
ールバルブを使用したものでは、該ロータリバル
ブ２の動作遅れがあるため、ステアリングホイー
ル６の動作に対して実際の操舵動作が遅れ、ステ
アリングホイール６の操作に不自然な点があつ
た。

本考案はこのような従来の問題点に鑑みなされ
たもので、パワーアシストを専用の歯車ポンプか
らの油圧で行い、この歯車ポンプを駆動するモー
タを操舵条件に従つて制御する構成としたことに
より、エンジンから余分な動力を取り出すことが
なく、操舵フイーリングの優れた構成とすること
のできる等のパワーステアリング装置を提供する
ことを目的とする。

＜問題点を解決するための手段＞ このため本考案は、ピストンにより画成された
２室を有する構成であつて操舵出力を倍力するパ
ワーシリンダと、歯車ポンプと、該歯車ポンプを
駆動するモータと、を備え、該歯車ポンプの２つ
のオイル流通口を、前記パワーシリンダの２室に
夫々連通させ、該パワーシリンダの２室を歯車ポ
ンプを介して結ぶ経路にオイルを充填させる一
方、ステアリングホイールの操作によるステアリ
ングシヤフトの回転トルク、回転方向及び回転速
度を夫々検出する手段と、該回転トルク検出手段
及び回転速度検出手段からの信号に基づき前記歯
車ポンプ駆動用モータをステアリングホイールの
操舵入力及び操舵速度に応じたポンプ吐出量とな
るように回転数制御しかつ前記回転方向検出手段
からの信号に基づき歯車ポンプ駆動用モータをス
テアリングホイールの操舵方向に応じて回転方向
切換制御する制御手段と、を備えて構成する。

＜作 用＞ そして、運転者の操舵に従つて、各検出手段が
回転トルク、回転方向及び回転速度を検出し、こ
の信号に基づいて制御手段が歯車ポンプを制御
し、該パワーシリンダは操舵出力を倍力するよう
に動作される。

＜実施例＞ 以下、本考案の実施例を第１図及び第２図に基
づいて説明する。

第１図において、ステアリングホイール１０の
操作力をステアリングリンケージ１１に伝えるス
テアリングシヤフト１２の先端には、該ステアリ
ングシヤフト１２と一体に回転するピニオン１３
が取り付けられている。ステアリングリンケージ
１１のタイロツド１１Ａには、このピニオン１３
と噛み合うラツク１４が設けられている。尚、ラ
ツク１４軸部とパワーシリンダ１５のピストンロ
ツド１５ａとは、ステアリングリンケージ１１の
タイロツド１１Ａにより構成されるものである。

そして、歯車ポンプ１６と、該歯車ポンプ１６
を駆動するモータ１７と、が設けられている。こ
の歯車ポンプ１６は、第２図に示すように、オイ
ル流通口１６ａ及び１６ｂを有するケーシング１
６Ａ内に密に接した駆動歯車１８と従動歯車１９
とを備え、両歯車１８，１９の歯先空間に満たさ
れたオイルをケーシング１６Ａ内面に沿つて移動
させ、各歯車１８，１９の噛み合い部によつて送
り出すように構成されるものである。そして、か
かる歯車ポンプ１６の２つのオイル流通口１６ａ
及び１６ｂは、前記パワーシリンダ１５の２室１
５Ａ，１５Ｂに夫々パイプ２０，２１を介して連
通れる。該パワーシリンダ１５の２室１５Ａ，１
５Ｂを歯車ポンプ１６を介して結ぶ経路には、オ
イルが充填される。一方、ステアリングホイール
１０の操作によるステアリングシヤフト１２の回
転トルク、回転方向及び回転速度を夫々検出する
手段２３，２４，２５と、該回転トルク検出手段
２３及び回転速度検出手段２５からの信号に基づ
き前記歯車ポンプ駆動用モータ１７をステアリン
グホイール１０の操舵入力及び操舵速度に応じた
ポンプ吐出量となるように回転数制御しかつ前記
回転方向検出手段２４からの信号に基づき歯車ポ
ンプ駆動用モータ１７をステアリングホイール２
２の操舵方向に応じて回転方向切換制御する制御
手段２６と、が設けられている。

かかる構成において、運転者の操舵に従つて、
前記各検出手段２３，２４，２５が回転トルク、
回転方向及び回転速度を夫々検出し、この信号に
基づいて制御手段２６がモータ１７を駆動させ、
検出された回転トルク及び回転速度要するにステ
アリングホイール２２の操舵入力及び操舵速度に
応じた歯車ポンプ１６の吐出流量を得る回転数に
モータ１７を制御すると共に、検出された回転方
向要するにステアリングホイール２２の操舵方向
に応じた歯車ポンプ１６の吐出方向を得る回転方
向にモータ１７を切換制御する。

以上の構成によれば、パワーアシストを専用の
歯車ポンプ１６からの油圧によつて行い、この歯
車ポンプ１６を操舵条件に従つてモータ１７によ
り制御するようにしたからエンジンから余分な動
力を取り出すことのない構成とすることができ、
モータ１７も必要な時に駆動するだけであるか
ら、エンジン駆動のオイルポンプが回り放しであ
る従来のもののように、エネルギーロスが大とな
らずに済み、エンジンの燃費向上等を図ることが
可能となる。

又、この構成のものでは、従来例のように、コ
ントロールバルブによつてパワーシリンダ１５へ
の油圧切換する構成ではないため、ステアリング
ホイール１０の動作に対して実際の操舵動作が遅
れることがなく、ステアリングホイール１０の操
作に不自然な点がない。

＜考案の効果＞ 以上説明したように、本考案によれば、パワー
アシストを専用の歯車ポンプからの油圧で行い、
この歯車ポンプを駆動するモータを操舵条件に従
つて制御する構成としたことにより、エンジンか
ら余分な動力を取り出すことのない構成とするこ
とができ、エネルギーロスを軽減でき、エンジン
の燃費向上等を図ることが可能となると共に、ス
テアリングホイールの動作に対して実際の操舵動
作が遅れることがなく、ステアリングホイールの
操作に不自然な点がないという利点がある等実用
的効果大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係わるパワーステアリング装
置の一実施例を示す概略図、第２図は歯車ポンプ
の構造を示す断面図、第３図は従来例の概略図で
ある。 １０……ステアリングホイール、１１……ステ
アリングリンケージ、１２……ステアリングシヤ
フト、１４……歯車ポンプ、１５……パワーシリ
ンダ、１６……歯車ポンプ、１６ａ，１６ｂ……
オイル流通口、１７……モータ、２０，２１……
パイプ、２３……回転トルク検出手段、２４……
回転方向検出手段、２５……回転速度検出手段、
２６……制御手段。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ピストンにより画成された２室を有する構成で
   あつて操舵出力を倍力するパワーシリンダと、歯
   車ポンプと、該歯車ポンプを駆動するモータと、
   を備え、該歯車ポンプの２つのオイル流通口を、
   前記パワーシリンダの２室に夫々連通させ、該パ
   ワーシリンダの２室を歯車ポンプを介して結ぶ経
   路にオイルを充填させる一方、ステアリングホイ
   ールの操作によるステアリングシヤフトの回転ト
   ルク、回転方向及び回転速度を夫々検出する手段
   と、該回転トルク検出手段及び回転速度検出手段
   からの信号に基づき前記歯車ポンプ駆動用モータ
   をステアリングホイールの操舵入力及び操舵速度
   に応じたポンプ吐出量となるように回転数制御し
   かつ前記回転方向検出手段からの信号に基づき歯
   車ポンプ駆動用モータをステアリングホイールの
   操舵方向に応じて回転方向切換制御する制御手段
   と、を備えて構成されたことを特徴とするパワー
   ステアリング装置。