JPH02289242A

JPH02289242A - 手術用鋸刃およびその製造方法

Info

Publication number: JPH02289242A
Application number: JP2026222A
Authority: JP
Inventors: Thomas D Petersen; トーマス　デー．ピーターソン; Kenneth H Holko; ケネス　エッチ．ホルコ
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1989-02-10
Filing date: 1990-02-07
Publication date: 1990-11-29
Also published as: US5135533A

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は耐摩損手術用鋸刃に関する。整形外科医は手術
中１種々の形状の鋸刃な使用する。かかる鋸刃の一つと
して往復動する鋸刃が知られており、手術の際、骨の組
織を切るため鋸刃の往復運動を誘導する役目を持つ照準
開口部と協調作動するよう設計されている。

（従来技術及び発明が解決しようとする課題）従来より
往復動手術用刃は２つのエツジの各々に複数の歯が付い
ている。これら歯には両種が設けられている。すなわち
連続する歯は交互に異なる方向に曲げられている。公知
の手術用鋸刃にはこのような両種が設けられているので
、歯の両端は刃のそれぞれの側面のそれぞれの平面を越
えて延びている。したがって、照準開口部内に刃を案内
するのは歯のこれらの端部であることが多い。

当然ながらこのことにより歯はすぐに摩耗する結果、外
科医は手術中に鋸刃なかなり頻繁に替えなければならな
い。

サジタルソーブレードとして知られている別のタイプの
鋸刃もある。このタイプの鋸刃は手前側の鋸に係合する
開口部と遠方側の、複数の歯を備えた横方向表面とを有
する平らで細長い刃よりなり、この歯は平らに並んでい
て、すなわち両種になっていない。

これら二側は、本発明の実施態様のほんの一部にすぎな
い。

何らかの理由により摩損した刃の骨組織に対する影響に
ついて種々の研究が行なわれている。

１９８７年３月に関節形成外科第５巻第１号に発表され
たＨ、Ｗ、ライ−バー他による［整形外科用鋸刃に関す
るケーススタデイ」と称する論文では、この問題が論じ
られている。以下はこの論文からの引用である。「これ
らの刃は主に全ピザの関節形成に使用されるので切断用
端と金属テンプレート、または手術に使用される器具と
の直接接触から恐らく損傷が生じたと推定される。この
種の損傷は鋸を作動するのに必要な機械的仕事量に直接
影響していた。Ｊ後に次のように述べられている。「過
度の熱が骨細胞に熱的な損傷を誘導し、壊死ゾーンが顕
微鏡的に認められるゾーンを越えるほど大きく広がって
いる。」更に次のように述べられている。［多孔質のコ
ーティングされた袖彫物内に骨が内部成長する上で、平
滑でかっ正しく表面が切断されることは非常に重要な要
素であると認められている。かかるクリーンな骨の切断
部は人工器官の嵌合及びセツティング力を強化するので
、骨に対する均一な加重支持力が促進され、補形物また
は切断骨の整合が改善される。Ｊ最後に次のように述べ
られている。「テンプレート及び医療機器との好ましく
ない接触による月切断面への損傷は、現在の技術では避
けられないものである。」レイアンバー他著の「骨に対する熱損傷の防止：動力を
使った骨手術に適用される機械加工の原則、文献的批評
」と称する刊行物は従来技術に付随する問題を更に検討
している。ここでは次のように開示されている。［従っ
てなまった工具を用いて切断すると発生する摩擦熱量が
増大し、その大部分は加工片自体に蓄積する。なまった
工具を用いると加工片の表面温度が上昇するだけでなく
切断部はクリーンとはならない、」この刊行物では従来の鋸刃による別の問題が記載されて
いる。特に従来の鋸刃は冷却のため手術場所に水を与え
ること及びソーインク中に発生ずる骨の切断片を除去す
ることが困難な設計となっている。現在の鋸刃の設計で
は「冷却液が切断個所に達することができない。」　「
従ってチップ片を除去でき、冷却液が切断個所及び切断
工具に達することができるようにすることは重要である
。

技術に適当な注意を払えばチップの除去及び冷却液の導
入が可能となり、この結果、健康で生きた骨が容易に回
復する。Ｊ別の態様として本出願人は刃表面を保護し、刃の寿命を
長くする硬質の被膜が接合された手術用鋸刃を提供する
必要性を認識している。

過去において本出願人は商標テフロンとしてよく知られ
ているポリテトラフルオロエチレンを手術用鋸刃にコー
ティングすることを試みた。テフロンをコーティングし
た刃を用いて本出願人が実験したところ、摩損を著しく
効率的に低減できることがわかった。しかしながら照準
開口部内で刃を使用する場合だけでなく、オートクレー
ブ処理の際にも、被膜がはがれることが判明し、更に被
膜の断片が手術個所によく侵入することがわかった。テ
フロン片は患者の組織と生体的な適合性がないことがわ
かっているので、これら被膜の断片は極めて有害なもの
である。

出願人はセラミック被膜、例えばリン酸カルシウム及び
酸化アルミニウムを用いて実験を行った。これら材料に
より手術用鋸刃をコーティングする実験はいくつかの理
由により失敗した。まず第１にセラミックの融点は刃材
料の融点よりも高いのでコーティング処理中に刃の硬度
が破壊されてしまう、更にセラミックがコーティングさ
れた刃は被膜に割れを生じることなく曲げることができ
なかった。

その後、メチルメタクリレートとセラミックの組合せを
用いて実験を行った。これらの組合せはテフロン、リン
酸カルシウム、及び酸化アルミニウムよりも優れている
が、金属刃への付着性が劣っていることがわかった。刃
に、メチルメタクリレート及びセラミックを保持するた
めの溝を切削してもこの問題を満足のいくよう解決する
ことはできなかった。

これらの実験の結果から刃の耐久性を改善し、結果とし
て摩損を防止するには、金属合金を用いた被膜を使用し
なければならないと結論された。

従って使用中の耐久性が良いだけでなく、骨組織に隣接
する部分での熱の発生を低減し、手術個所に冷却及びフ
ラッシング水をアクセスできる手術用鋸刃の開発が望ま
れる。

出願人が知る従来技術は次の通りである。

米国特許番号：アールに対する意匠第３０．４７８号サリす−に対する第８６４．８１２号ハーブに対する第２，３７０．９３９号スビールマンに
対する第３．５１７．６７０号ロープ、ジュニアに対す
る第４．０３６．２３６号アールに対する特許は刃の一
つの面から外方に張出した一つのリブを有するガラス切
断用刃を開示している。もちろん、この発明は、リブの
態様に関しても、以下の点で本発明とは相違している。

すなわち本発明では、両種状に配列した歯が設けられた
刃の対向両面にリブがあり、このリブは刃を照準用開口
部に案内する役割を有している点及び刃は金属被覆が施
されている点である。

本発明は一組に形成された歯を有する刃の対向面サリア
ー特許はいくつかの実施態様でナイフ及びその他の切断
刃を開示している。横断面が示すように、この特許に開
示された各々の刃はその長手方向に沿って場所により断
面の厚さが異なるので、この刃を照準開口部とともに用
いることはできない、更にサリアー特許の実施態様のい
ずれも刃に金属被覆を施すことは教示していない。

ハーブ特許は第４図からよくわかるように、異なる厚さ
に見える複数のリブ状の構造体を有する混合用パドルを
開示している。従ってハーブ特許は切断刃も被膜も開示
していないし、照準用開口部とともに使用するよう設計
されていないので本発明の構成と全く異なる。

スビールマン特許は、−面から張出した２つの長手方向
リブと一端または両端に歯のポイントを有する血液放出
ランセットを開示している０本発明はその一実施態様に
示されているように対向する側面に歯を有する細長い刃
の対向する両面にリブを有し、針歯は両種状に配列され
、更に刃に被膜が設けられているので、スビールマン特
許と異なる。

最後にロープ特許は片側に歯を有し、−面がら外方に張
出した一つの細長い長手方向リブを有する手術用鋸刃の
概念を教示している。ロープ特許の対向面には複数のリ
ブがないので、刃が照準用開口部内を移動するとき刃は
側面から側面へ枢動してしまうので、歯の振りを損傷す
る。

本発明の一実施態様に関連するものとしてこれまで述べ
た従来技術に関しては、上記特許では細長い刃と共にリ
ブが開示されているが、これらリブは単に補強のための
ものとして開示されている０本発明の一実施態様のリブ
は細長い刃を強くするためのものでもあるが、その主た
る目的は照準用開口部内に刃をガイドすることにある。

この点が従来技術と異なっている。

（課題を解決するための手段）本発明は耐摩損手術用鋸刃に関する６本発明は次の相互
に関連する特徴を含む。

ａ）　第１の実施態様では、本発明の鋸刃では２つの対
向する側面と、遠方端と、近接端と、２つの対向する面
とを有する細長い刃よりなる。

ｂ）細長い刃の対向する側面の各々は近接端の近くから
遠方端の近くまで延びる側面上に形成された複数の歯を
有する。各々の場合、これら歯は、隣接する歯が逆方向
に曲がり、歯の両端が対向する面の大部分を画定するそ
れぞれの平面を越えて外方に延びるよう両種状に形成さ
れる。

Ｃ）本発明のこの実施態様では対向する面の各々はそれ
ぞれの面から、外方に張出した複数の長手方向延長リブ
を有する。歯が上記のような両種状に形成されるとき歯
の一つの面から張出したリブの外側終端部から反対面上
のリブの外側終端部までの幅で定義した刃の厚みが、刃
のそれぞれの歯の端部の互いに最も外側に突き出た２点
間の幅よりも大きくなるようにリブの張出し厚さを定め
ている。このようにして細長い刃が照準用開口部内にガ
イドされるとき、刃の歯はガイドスロットの内側表面に
は係合しない。

ｄ）上記照準用開口部はガイドスロットを含み、このガ
イドスロットはリブに摺動自在に嵌合して係合するよう
形成され、上記リブを有する細長い手術用鋸刃を摺動自
在に受は入れるような寸法及び構成になっている。この
ように刃とスロットとの間の係合表面積は小さ（なって
いるので、それぞれのリブの間の空間による摩擦力が小
さくなり、細長い刃なったって照準開口部から水を流す
ことができ、よって水のフラッシング及び冷却効果が大
きくなっている。

ｅ）　本発明の原理によりコーティングできる手術用鋸
刃の別の例としては、サジタルソーブレードとして知ら
れているものかある、かかる鋸刃は鋸の手元側は開口部
と係合し、複数の歯を有する遠方横方向表面に複数の歯
を備えた平らな細長い刃から成り、計画は平面状に配列
されており、すなわち、両種が設けられていない、上記
二種類の鋸刃は本発明のほんの一部を構成するにすぎな
いものであることを強調しなければならない、実際に本
発明は以下述べる方法を適用して、以下述べる金属被膜
により任意の手術用鋸刃をコーティングすることができ
るものである。

ｆ）上記のように本発明は金属被膜により手術用鋸刃を
コーティングせんとするものである。その金属被覆とは
以下のように説明することができるものである。

ｌ）本発明の被膜に用いられる第１成分材料は、微粉末
状のろう付は合金から成り、この合金は１４重量％のク
ロム、０．１重量％のシリコン、０．２重量％の鉄、１
０重量％のリン、及び残部はニッケルから構成される。

かかる合金の一例は、つオールコルモノイ（Ｗａｌｌ　
Ｃｏｌｍｏｎｏｙ）コーポレーションの商標であるニク
ロブレイズ（ＮＩＣＲＯＢＲＡＺ）５０として知られて
いる。

２）本発明の被膜材料は３．５重量％のシリコン、１．
９重量％のホウ素、１．５重量％の鉄及び残部はニッケ
ルから成る微粉末状の別のろう付は合金と、上記ろう付
は合金とを混合することにより製造される。この別のロ
ウ付は合金の例はつオール　コルモノイ社の所有する商
標ニクロブレイズ１３５及びアロイメタルズ　インコー
ボレイションの所有するアムドライ（ＡＭＤＲＹ）７９
０として知られている。

３）最適な結果を得るには、第１のろう付は合金粉末と
第２のろう付は合金粉末を８０％対２０％の比で上言己
２つのろう付は合金を混合する。最適な結果を得るには
上記合金は一３２５メツシュ以下の粒径にしなければな
らない、金属製手術用鋸刃な本発明の方法でコーティン
グするには、鋸刃の表面をまず、清浄化し、次に接着材
料を塗布する０次に表面に被膜材料をふりかけ、接着材
の作用により表面に付着される０次に一連の加熱工程（
好ましくは真空炉内で行う）で被膜材料の融点まで加熱
することにより金属表面に被膜を冶金接合する。

従って本発明の第１の目的は、改良されたコーティング
された済耐摩損手術用鋸刃を提供することにある。

本発明の別の目的は歯を開口部に係合しないよう離間し
ながら、鋸刃な照準用開口部内にガイドするよう設計さ
れた複数の細長いリブを備えた改良されたコーティング
された手術用鋸刃な提供することにある。

本発明の更に別の目的は、リブの使用により手術個所へ
の冷却及びフラッシング水の流れを強化する手術用鋸刃
を提供することにある。

本発明の更に別の目的は遠方端に複数の平らな歯を有す
るサジタルタイプの改良されたコーティングされた手術
用鋸刃を提供することにある。

本発明の更に別の目的は耐久性を改善するよう手術用鋸
刃にコーティングできる被膜材料を提供することにある
。

本発明の更に別の目的は手術用鋸刃に被膜材享」をコー
ティングし、コーティングすべき手術用鋸刃の金属表面
に被膜を冶金接合する方法を提供することにある。

以下添付図面を参照して好ましい実施態様の詳細な説明
を読めば本発明の上記及びそれ以外の目的及び特徴につ
いてより良好に理解できよう。

（好ましい実施態様の説明）第１図および第２図を参照すると本発明の刃の全体を参
照番号１０で示し、両側面１１および１３、対向面１５
ｉ３よび１７、近接端１９、および遠方端２１を含むよ
う示されている。

遠方端１９には柄２３がついていて、この柄は鋸刃１０
を往復動ソー装置（図示せず）のチャック２５に結合す
るのに使用されるようになっている。往復動ソー装置は
当業者に周知のように電気的、液圧的または空圧的に作
動されているモーターを含み、このモーターは刃１０を
制御自在に往復動する。

特に第２図を参照すると、刃１０の各側面１１．１３は
、その上に複数の歯を有し、第２図の各側面には２つの
歯が示されている。刃ＩＯの側面１１の上の２つの歯は
参照番号２７および２９で表示され、側面１３の上の２
つの歯は参照番号３１および３３で表示されている。第
２図から明らかなように、例えば歯２７は上方に曲がり
、歯２９は下方に曲がるよう、それぞれの隣接する歯は
両種状に形成されている。同様に、歯３１は下方に曲が
り、歯３３は上方に曲がっている。

例えば歯３１および３３を考察すると、歯３１は最外尖
端３５を有し、−万歳３３は最外尖端３７を有する。

第２図に最良に示すように、刃１０の各面１５．１７は
、外側に張出した複数のリブを有する。従って、面１５
はこれより外方に張出したリブ３９および４１を有する
が、面７１はこれより外方に張出したリブ４３ｉ３よび
４５を有する。

この実施態様の重要な特徴によれば、一方のリブ３９お
よび４３の最外張出部と、他方のリブ４１ｉ３よび４５
の最外張出部とで定められる刃１０の厚さは歯３１の尖
端点３５ｉ３よび歯３３の点３７の間の距離及び歯２７
ｉ３よび２９上の対応する点までの距離によって定めら
れる歯１０の厚さよりも若干大きくなるように設計され
ている。

第２図は照準用開口部と称せられる開口部５０の構成の
略図であり、刃１０はこの開口部を通って案内される。

刃１０が照準用開口部５０内に収納されるとき、リブ３
９．４１．４３および４５の外側面は開口部５０におけ
る内側面５１゜５３と摺動自在に係合するが、刃１０の
歯は照準用開口部５０の面５１および５３には決して係
合しないという事実を見れば、リブにおける刃】Ｏの厚
さと歯における刃の厚さとの上記関係についてよく理解
されよう、従って照準用開口部５０内に刃１０が収納さ
れるとき、歯と開口部の内側面との係合がなくなるので
、かかる係合があった場合に、生じるはずの歯の早期摩
損が防止されることが理解されよう、別の特徴によれば
、刃１０の上にリブ３９．４１，４：ｌ１５よび４５を
設けたので、刃１０の外面と照準用開口部の内壁５１お
よび５３との間に複数の通路５５．５７．５９゜６１．
６３および６５が構成されることが第２図から理解され
よう、これら通路により水が照準用開口部５０を流れる
ことができ、−刀刃はこの開口部内に挿入され、ガイド
されるので、ソーインク作業中手術の個所を冷却しフラ
ッシングできる。これは従来技術と比較して顕著な利点
である。

リブ３９．４１，４３１よび４５は、適当な手段により
形成できる１例えば、刃をまず平らな刃として形成し、
リブはスタンピング作業により天上に形成できる。これ
とは別の方法で、鋳造品の一部として刃を鋳造すること
もできる。

更に、刃自体は、適当な金属材料から形成できる。これ
まで手術用鋸刃に使用すると有効であることが当業者に
わかっている材料としては、４１０ステンレススチール
がある。

第２図に示すように、リブ３９および４３の外面からの
距離は参照文字Ｘで表示されており、方それぞれの歯３
１および３３の尖端点３５と３７の間の距離は、参照文
字ｙで表示されている。本発明の好ましい実施態様では
、照準用開口部の面５１から５３までの厚さＺは、約１
．０２ｍｍ（０，０４０インチ）であり、寸法Ｘは好ま
しくは約０．９７１１１Ｉｎ　（０，０３８インチ）で
あり、寸法ｙは好ましくは約０．９１ａ＋ｍ　（０，０
３６インチ）である。従って単に参考例としてではある
が好ましい構成として、歯３１および３３の点３５およ
び３７は、それぞれ照準用開口部５０の面５１および５
３から各々約０．２５ｍｍ　（０，旧インチ）だけ空隙
を持つことになる。

第２図に最良に示すように、刃１１の外面には金属被膜
が冶金の技術により接合されている。この被膜の厚さは
、寸法Ｘおよびｙの中に含まれている。この金属被膜に
ついて以下より詳細に説明することにする。

次に第３図および第４図に本発明の原理に従ってコーテ
ィングできる手術用鋸刃の別の例を示す。

第３図はサジタルソーブレード８０を示し、この刃は適
当なソー機構に刃８０を取り付けできるように設計され
たスロット８５を備えた近接端８３を有する細長い本体
８１を含む、更に刃８０は横方向表面を備えた遠方端８
７を有し、この横方向表面に複数の歯８９があり、これ
らの歯は刃８０の中心軸９１を中心に対称に形成されて
いる。第３図では左手の歯は左手方向を向き、右手の歯
は右手方向を向いている。

第４図を参照すると、刃８０の両面には、薄い被膜９３
がコーティングされている。この被覆は刃８０の歯８９
の両側面をも含む刃８０の全長にわたって施されている
。再度このコーティングの特性および刃に被膜をコーテ
ィングする方法について以下詳細に述べる。

上記のようにこの被膜の材料は一３２５メツシュ以下の
極端に細かい粒径の粉末で得られる２つのろう付は合金
から構成される。ニクロブレイズ（ＮＩＣＲＯＢＲＡＺ
）５０としてよく知られる成分Ａは１４重量％のクロム
、０．１重量％のシリコン、０．２重量％の鉄、１０重
量％のリン、および残りはニッケルから成る。ニクロブ
レイズ（ＮＩＣＲＯＢＲＡＺ）１３５またはアムドライ
（ＡＭＤＲＹ）７９０としてよく知られている成分Ｂは
３．５重量％のシリコン、１．９重量％のボロン、１．
５重量％の鉄および残部はニッケルから成る。

好ましい実施態様では、この被膜材料は８０重量％の成
分Ａおよび２０重量％の成分Ｂを混合することによって
形成される。これは本発明の被膜材料を形成するため混
合される成分ＡおよびＢの最適比であるが、実際は５５
重量％〜９０重量％の間の成分Ａｌよびそれに対応して
１０重量％〜４５重量％の成分Ｂを使用できる。

鉄をベースにした金属表面に対する被膜材料の一部とし
て成分Ａを使用することは、硬質で脆弱な化合物を形成
することになるので、特色ある技術である。成分Ａは耐
摩耗性を良好とするため被膜材料の一部として使用され
ている。

以上で被膜材料の好ましい実施態様について述べたので
、次に被膜材料を使用する金属表面、例えば手術用鋸刃
にコーティングする方法について述べる。好ましい工程
は次の通りである。

１）　まずコーティングすべき鋸刃の金属表面を注意深
く清浄にし、先の処理工程または他の汚染源からすべて
のゴミ、グリース、オイル、切削片、酸化物、塗料およ
びその他の残留物を除く、コーティングすべき表面が析
出硬化ステンレススチールまたは３００または４００シ
リーズのステンレススチールから成る場合は、この清浄
化法は、まず被コーテイング面をアセトンを使用して溶
剤清浄化し、その後約２分間室温にて酸浴中に表面を沈
めることから成る。好ましい方法では使用される酸浴は
１２．５〜２５容積％のＨＮＯ，，２，５〜５容積％の
ＨＦ、および残部はＨ２Ｏから成る。酸浴に沈めること
により、酸は被コーテイング材料の表面をエツチングす
るが、酸は少量の材料、通常１ｃ＋ｎの２０００分の１
より薄く表面に汚染物を含む材料をも除去する。

２）　コーティングすべき表面を清浄化した後、表面を
接着材料でコーティングする。この材料は粘着性を維持
するか、または少なくとも数時間乾燥しないものである
。更にこの接着材料は後の処理中に塗布される被膜材料
を汚染するものであってはならない０本発明の原理に従
って使用できる接着材料の一例は、７５容積％のアセト
ンと、２５容積％のセレクロール（Ｃｅｒｅｃｌｏｒ）
４２を含む接着組成物から成る。この接着材料はブラッ
シングするか、または溶液状の接着材料を、圧縮空気を
利用してノズルを通して噴霧するか、またはコーティン
グすべき表面をバイングーの入った容器内に沈漬するこ
とによりコーティングすべき表面上に塗布できる。

３）　その後上記被膜材料はコーティングすべき表面上
の接着材料にふりかけられ、被膜材料は接着付が存在し
ているため表面に付着する。上記のように最適な結果を
得るため被膜材料は一３２５メツシュ以下のきわめて微
細な粉末状態で与えられる。その後被膜は真空炉内で冶
金技術により金属面に接合される。この開力は非金属支
持体、例えばセラミック支持体に支持される。真空炉を
１０−’）−ルの真空レベルで作動させると有効な結果
が得られた０次は被膜材料を刃に冶金技術を使って最適
に接合するのに実施すべき好ましい炉サイクルである。

工程１゜３７０〜４２７℃（７００〜８００丁）まで加熱し、１
５〜２５分維持し、接着材を除く。

工程２゜８１６〜８４３℃（１５００〜１５５０丁）まで加熱し
、炉内の温度が安定するよう１５〜２５分間保持する。

工程３゜８９９〜９１０℃（１６５０〜１６７０丁）まで急速に
加熱し、被膜材料を溶融し、これを刃の金属面に接合す
るよう５〜１０分間保持する。成分Ａおよび成分Ｂの比
が８０％対２０％の好ましい比であるとき、１０１０℃
（１８５０１”）までの温度にて１５分間保持する。

工程４゜炉を冷却する。炉を冷却する１つの方法は不活性ガスを
充填することである。硬化性合金に対しては内部ファン
を利用してコーティングされた部品を急速冷却し、ベー
ス金属の強度が生じるようにしてもよい、非硬化性合金
に対しては、炉冷却ができる。

最適な結果を得るには被膜材料の移動および不均一な累
積を防止するよう炉内で平らな状態に支持しなければな
らない、王妃のように刃は接着を防止するため、他の金
属面に接触しないように支持しなければならない。再度
述べるが、これはセラミック支持体を使用することによ
り達成でき、このセラミックはＡ１．０．またはＡｌ２
Ｏ，とＳｉＯ□の組合せから製造される。

真空炉を使用するのは、被膜および基体の酸化を防止す
るためである。これとは別に、高純度の不活性ガス雰囲
気または例えば水素を含む高純度の還元雰囲気内で加熱
を行ってもよい。

理解すべきことであるが、被膜の溶融および成分表面と
の合金化中は、中間化合物、例えば被膜中にケイ化物、
ホウ化物、リン化物およびカーバイドが形成される。こ
れら化合物は、極端に硬く潤滑性があり、被膜に高硬度
および耐摩耗性を与える。

コーティングは、既に述べた上記コーティング法により
実施される。被膜の厚さが２０００分の１〜１０００分
の１インチであるとき、ＤＰＨマイクロ硬度から換算し
てＲｅ５９までの被膜硬度が得られた。第５図の顕微鏡
写真は、既にコーティングされている金属鋸刃への被膜
の良好な冶金結合状態を示す、第５図に示すように被覆
はきわめて均一で、良好に付着されている。第５図は、
４１０ステンレススチールから成る手術用鋸刃に形成さ
れた被膜を示す。

本発明によりコーティングされた第１〜４図に示したよ
うな鋸刃に対し、摩耗テストをしたところ、被膜は刃の
両側面の摩損を保護できかつその寿命を長くできる。被
膜はステンレススチールの照準用開口部案内装置と摺動
係合させた後も、大きな摩損を生じなかった。摩耗と摩
擦が小さくなったため１手術用刃への加熱が減少し、こ
の結果、切断をしている骨への熱による損傷が小さくな
った。

別の特徴によれば、本発明によりコーティングされた第
５図に示したような手術刃は、被膜の割れを生じること
なく４分の１インチ径のマンドリルのまわり９０°に曲
げることができた。

手術用鋸刃のコーティングの際には、歯が被膜で覆われ
ないようなことがないように、また刃の厚さが過度に大
きくならないよう被覆の量は注意深く制御しなければな
らない、更に刃は、過度の被膜の堆積が生じないよう刃
を真空炉内で焼成中に刃を支持しなければならない。こ
れには、溶融および接合中に被コーテイング面のほんの
一部が刃用支持手段と接触するようにする必要がある。

従って支持手段は、被膜に接合しない薄いアルミニウム
酸化物工具から構成しなければならない。

よって上記のような本発明の目的を満たし、強度が高め
られ、寿命が長くなったコーティングされた鋸刃の実施
態様となり、使用中の骨組織への損傷を低減した好まし
い実施態様により本発明を説明した。

当然ながら当業者であれば本発明の精神および範囲から
逸脱することなく本発明の要旨内で種々の変更、改変お
よび改善を想到できよう１本発明は特許請求の範囲の用
語のみによって限定される。

【図面の簡単な説明】

第１図は１本発明の鋸刃の一実施態様の側面図、第２図は、第１図の２−２線に沿った横断面図、第３図は本発明の要旨に従かった鋸刃の別の実施態様の
側面図、第４図は、第３図の４−４線に沿った横断面図、第５図は、本明細書に開示した方法により本発明の被膜
をコーティングした手術用鋸刃を５００倍に拡大した金
属組織を示す顕微鏡写真である。１０・・・刃　　　　　１１．１３・・・対向側面１５
．１７・・・対向面　　　１９・・・近接端２１−・・
遠方端

Claims

【特許請求の範囲】

（１）平行なガイド面を有する照準用開口部と共に使用
する手術用鋸刃において、ａ）細長い形状を有する該鋸刃本体は第１面および第２
面を有し、第１面および第２面の片方は少なくとも一筋の該面より外側に張出し且つ長手方向に延びるリブを有し、他方は少なくとも二筋の該面より外側に張出し且つ長手方向に延びるリブを有し、しかも該リブは片方の長手方向に延びる少なくとも一筋のリブに対し、側から見て段違い状に配置され、ｂ）前記鋸刃は第１及び第２の面の横幅を画定する２つ
の側面を有し、該側面の少なくとも一面には、前記リブの長手方向に垂直な方向の厚みを規制する複数の歯を有し、ｃ）該歯の幅は、両面の外側に張出した最外面間の幅と
して定義された鋸刃の厚さよりも小さく、したがって鋸刃を前記照準用開口部に挿入したとき、前記平行なガイド面は前記リブのみに係合し、歯はガイド内面から離間した状態に維持されることを特徴とする手術用鋸刃。
（２）前記第１面および第２面が硬質の金属性、耐摩耗
性被膜で覆われていることを特徴とする請求項１に記載
の鋸刃。
（３）前記第１および第２面の片方に少なくとも前記外
側に張出した二筋のリブを有することを特徴とする請求
項１または２に記載の鋸刃。
（４）前記歯が、左右交差のふれを有する歯振状に形成
されていることを特徴とする請求項１または２に記載の
鋸刃。
（５）前記側面の各々が複数の歯を有することを特徴と
する請求項４記載の鋸刃。
（６）前記リブが平面状の最外面を有し、該鋸刃へのス
タンピング処理により形成されていることを特徴とする
請求項１または２に記載の鋸刃。
（７）前記リブが平面状の最外面を有し、該鋸刃が鋳造
により作られる時に共に鋳造されたものであることを特
徴とする請求項１または２に記載の鋸刃。
（８）前記鋸刃がステンレススチールで製作されている
ことを特徴とする請求項１または２に記載の鋸刃。
（９）刃が形成された細長い本体を有し、該本体の少な
くとも一つの表面は刃のガイドと自在に摺動できるよう
係合している手術用鋸刃において、その少なくとも一つ
の表面に滑らかな硬質の耐摩耗性被覆が施されているこ
とを特徴とする手術用鋸刃。
（１０）前記鋸刃本体は工具の柄に係合する近接端と遠
方端と及び相対する２側面を有することを特徴とする請
求項９に記載の鋸刃。
（１１）前記歯が遠方端に形成されていることを特徴と
する請求項１０に記載の鋸刃。
（１２）前記歯が少なくとも該側面の一方に形成されて
いることを特徴とする請求項１０に記載の鋸刃。
（１３）刃が側面の両方に形成されていることを特徴と
する請求項１２に記載の鋸刃。
（１４）該歯が歯振状に配列されていることを特徴とす
る請求項１２に記載の鋸刃。
（１５）前記少なくとも一つの面が両側面の中間に存在
することを特徴とする請求項１０に記載の鋸刃。
（１６）前記少なくとも一つの面が外側に張出した細長
いリブである請求項１５に記載の鋸刃。
（１７）前記少なくとも一つの面が刃の両側面の間に展
開する相対する第１及び第２面より成ることを特徴とす
る請求項１５に記載の鋸刃。
（１８）該第１面は少なくとも一筋の外側に張出したリ
ブを有し、第２面は少なくとも二筋の外側に張出したリ
ブを有することを特徴とする請求項１７に記載の鋸刃。
（１９）該第２面のリブが第１面の少なくとも一筋のリ
ブに対して、段差状に配置されていることを特徴とする
請求項１８に記載の鋸刃。
（２０）前記少なくとも一つの面または前記第１面及び
第２面がニッケルベースの合金であって、少なくともリ
ン１重量％、クロム１重量％、ホウ素０．１重量％を含
む合金により被覆されていることを特徴とする請求項２
または９に記載の鋸刃。
（２１）前記合金は少なくとも７５重量％のニッケルを
含むことを特徴とする請求項２０に記載の鋸刃。
（２２）前記ニッケルベース合金は、第１及び第２合金
を混合して成り、これを該刃に被覆することを特徴とす
る請求項２０に記載の鋸刃。
（２３）前記ニッケルベース合金において、第１合金が
約クロム１４重量％、シリコン０．１重量％、鉄０．２
重量％、リン１０重量％で残部はニッケルであることを
特徴とする請求項２２に記載の鋸刃。
（２４）前記第２合金が約シリコン３．５重量％、鉄１
．５重量％、ホウ素１．９重量％で残部はニッケルであ
ることを特徴とする請求項２３に記載の鋸刃。
（２５）前記ニッケルベース合金が前記第１合金を５５
〜９０％、第２合金を１０〜４５重量％含むものである
ことを特徴とする請求項２４に記載の鋸刃。
（２６）前記ニッケルベース合金が第１合金８０％、第
２合金２０％で構成されることを特徴とする請求項２５
に記載の鋸刃。
（２７）歯が形成された細長い本体を有し、該本体の少
なくとも一つの表面は刃のガイドと自在に摺動できるよ
う係合している手術用鋸刃の該少なくとも一つの表面を
被覆する方法において、ａ）該少なくとも一つの表面を
清浄化することｂ）該表面を接着材で被覆することｃ）接着材被覆面上に金属被覆合金用粉末を振りかける
ことｄ）接着材を除き、合金と表面とが金属的に接合するよ
う加熱することの各工程からなる鋸刃本体表面被覆法。
（２８）前記清浄化工程は前記表面を溶剤で処理し、そ
の後前記表面を酸浴内でエッチングする工程を含む請求
項２７に記載の方法。
（２９）溶剤がアセトンである請求項２８に記載の方法
。
（３０）酸浴がＨＮＯ＿３、ＨＦ及びＨ＿２Ｏ混合液よ
り成る請求項２８に記載の方法。
（３１）前記接着材は、アセトンとセレクロール（Ｃｅ
ｒｅｃｌｏｒ）４２との混合物からなる請求項２７に記
載の方法。
（３２）前記被覆用合金が、−３２５メッシュより大き
くない粒径を有する粉末である請求項２７に記載の方法
。
（３３）前記被覆用合金が２種類のニッケルベース合金
より成り、前記ふりかけ工程はこれら粉末状合金を混合
する工程を含むものである請求項２７に記載の方法。
（３４）前記第１の合金はクロム約１４重量％、シリコ
ン約０．１重量％、鉄約０．２重量％、リン約１０重量
％及び残部はニッケルより構成されたものである請求項
３３に記載の方法。
（３５）前記第２の合金がシリコン約３．５重量％、鉄
約１．５重量％、ホウ素約１．９重量％及び残部はニッ
ケルより構成されたものである請求項３４に記載の方法
。
（３６）前記混合工程が前記第１合金５５〜９０％及び
第２合金１０〜４５％を混合することより成る請求項３
５に記載の方法。
（３７）前記混合工程が第１合金８０％及び第２合金２
０％を混合することより成る請求項３６に記載の方法。
（３８）前記硬質、耐摩耗性被膜がニッケルベース合金
であって、少なくともリン１重量％、クロム１重量％、
ホウ素０．１重量％を含む合金であることを特徴とする
請求項８に記載の鋸刃。