JPH0228904Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、肘、膝、肩など、主として関節部の
患部を支承するための患部支承用自在パツドに関
する。

［従来技術とその問題点］ 一般に四肢関節部の患部を支承するために用い
られるパツドとしては、たとえば患部の大きさに
応じて環状に形成した綿花を包帯で捲回して円座
状のパツドを手作りで構成したり、あるいは既存
の円座をそのまま患部支承用パツドとして使用し
ていた。

しかしながら、これらのものは常に環径が一定
であることと、患者の身体とは別個のものであつ
たため、汎用性に乏しく、患部毎の大きさのパツ
ドを必要とするばかりでなく、寝返りや身体を少
しでも動かし、移動させると、その度毎にパツド
の位置も変更せねばならず、煩瑣であり、かつ患
者の症状によつては患者自身がこのようなパツド
の支承位置の変更ができない場合もあつて、患部
支承用パツドとしては好ましいものではなかつ
た。また、環径が多少変更できる本考案と類似す
るものとして、たとえば実開昭55−19620号公報
に記載されているもののように、内部に通気でき
る通気孔を有するフエルト座の上に、ソバカス入
りの袋を重ねた円形枕において、その一ケ所を分
離し、この分離口をつなぎ布地で脱着自在に連結
した床ずれ防止腰枕があるが、これは腰枕である
ため、腰部を載せるためにある程度の大きさを必
要とし、その分離口を小さく縮めても、踵や肘関
節などの小さな患部支承用パツドとしては大きす
ぎて使用することはできず、円形の一部に分離口
を有するとはいえ、その構成と材質上、円形枕を
渦巻状に捲回して小型にすることができないた
め、患部支承用パツドとしては汎用性がないばか
りでなく、患部に固定する手段もないため、身体
を動かすたびに、枕の位置も動かさねばならず、
患者自身がこのようなパツドの支承位置の変更が
できない場合は、パツドとしての機能が果し得な
い問題点もあつた。また、枕を頭部に固定させる
ために、枕に締着用バンドを設けたものとして
は、実公昭42−8189号公報に記載されているもの
のように、枕の対向位置の両側にそれぞれバンド
が固定されたものがあるが、この締着用バンド
は、非伸縮性の１対のバンドの各一端が枕に固定
され、枕に頭部を固定するときは、バンド相互の
遊離端を結索もしくは圧着して締着するものであ
るから、締着バンドによる頭部への締着圧は一定
で、頭部を移動させたり、回転させた場合におけ
る、頭部とバンドとの締着圧の緩衝は枕内のエア
ー又は水の位置移動によるのみである。したがつ
て、患者が頭部を同じ位置で回転させたような場
合、バンドの締着圧は反回転側で高くなり、頭部
に締着痛を生じさせることになるという問題点が
ある。

［考案の目的と概要］ 本考案は、前記従来品における問題点を解決
し、汎用性があり、かつ患者の身体の動き如何に
かかわらず、使用による疼痛を生じないで常にパ
ツドが患部の所定位置にあるようにした、患部支
承用自在パツドを提供するもので、パイル地など
のループ織からなる布製細長の筒体内に、該筒体
が適宜大きさの環状に折曲げられる範囲で弾褥材
が充填され、該筒体の少なくとも一方の端部に
は、筒体が環状に折曲げられたとき、その端部が
対向する筒体に着脱自在とされるベルベツト式フ
アスナーの一方の鈎状片が設けられると共に、両
端部にベルベツト式フアスナーの一方の鈎状片が
取付けられた伸縮ベルトの両端部が、前記筒体の
適宜位置に着脱自在に取付けられたことを特徴と
する。

［実施例］ 以下、図面に基いて本考案に係る患部支承用自
在パツドの実施例を説明する。

ナイロンパイル、ポリエステルパイルなど、表
面にループが形成されたパイル地からなる布製の
細長い筒体１内に、ポリスチレンビーズのような
発泡性樹脂ビーズからなる充填材２が充填され、
筒体１の両端が閉塞されると共に、筒体１の一方
の内側端部に、多数の鈎状片からなる公知のベル
ベツト式フアスナーの一方３が縫着され、パツド
本体Ａが形成される。ここで、筒体１内への充填
材２の充填量は、筒体１を適宜大きさの環状に折
曲げることができる程度の範囲の量に充填する。

このパツド本体Ａには、上記ベルベツト式フア
スナーの一方３と同様のベルベツト式フアスナー
の一方４が両端部内側に縫着されたゴム帯のよう
な伸縮ベルトＢが、パツド本体Ａの直径方向の適
宜位置に着脱自在に取付けられ、患部支承用自在
パツドＡ，Ｂが構成される。

したがつて、この実施例に示される患部支承用
自在パツドＡ，Ｂの使用に際しては、肘、膝、
肩、踵など、関節部の患部の大きさに応じて、す
なわち患部がパツド本体Ａに直接接触しない大き
さに、パツド本体Ａの環径や形状を定めて折曲
げ、ベルベツト式フアスナーの一方３をパッド本
体Ａの所定位置に固定させる。

つぎに、環状に形成されたパツド本体Ａの中央
空間部に患部が位置するようにパツド本体Ａを関
節部等に当てがい、伸縮ベルトＢの一端部のベル
ベツト式フアスナーの一方４をパツド本体Ａの所
定位置に固定した後、パツド本体Ａと関節部等と
の接触圧に応じて伸縮ベルトＢを伸長させ、その
他端部のベルベツト式フアスナーの他方４をパツ
ド本体Ａの所定位置に固定する。

［効果］ 本考案は、上記のように、筒体がパイル地など
のループ織からなる布製であり、かつ１本の筒体
からなるものであるため、ベルベツト式フアスナ
ーの一方の鈎状片が筒状体のどこにでも容易にに
着脱でき、使用時には患部を有する関節等の大き
さに応じてパツド本体の環径や形状を自在に変更
し得られ、１つのパツドで種々大きさの異なる関
節等の患部支承用パツドとして使用できるので、
汎用性を有すると共に、このパツドの伸縮ベルト
は、その両端部にベルベツト式フアスナーの一方
の鈎状片が取付けられているので、伸縮ベルトに
より患者の四肢等の所定位置に筒状体を所望圧で
常に固定した状態に維持し得られ、寝返りや身体
を動かした場合でも、伸縮ベルトの伸縮と、パツ
ド自体の緩衝性と相俟つて、患部近傍にパツドの
装着痛を生じることはなく、かつ身体を動かす毎
にパツドの位置変更をする手間が省け、使用上至
便であり、特に患者自身がパツドの移動を行なう
ことができないような重症患者の場合には、患部
の保護に役立つこと大である等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る患部支承用自在パツドの実
施例を示すもので、第１図は全体の平面図、第２
図は一部を切欠して示す全体の側面図である。 Ａ……パツド本体、Ｂ……伸縮ベルト、１……
筒体、２……充填材、３，４……ベルベツト式フ
アスナーの一方。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. パイル地などのループ織からなる布製細長の筒
   体内に、該筒体が適宜大きさの環状に折曲げられ
   る範囲で弾褥材が充填され、該筒体の少なくとも
   一方の端部には、筒体が環状に折曲げられたと
   き、その端部が対向する筒体に着脱自在とされる
   ベルベツト式フアスナーの一方の鈎状片が設けら
   れると共に、両端部にベルベツト式フアスナーの
   一方の鈎状片が取付けられた伸縮ベルトの両端部
   が、前記筒体の適宜位置に着脱自在に取付けられ
   たことを特徴とする患部支承用自在パツド。