JPH0228711Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、スズメバチ等の害虫の巣中に煙霧殺
虫剤を噴出させて駆除する駆除器に関する。

（従来の技術とその問題点） 例えば人家近くの古木や家屋内にスズメバチが
営巣した場合、そのスズメバチが人畜を攻撃する
ことがあるので、これを駆除する必要がある。従
来、駆除方法の一例として、乳剤を巣に散布する
方法があるが、これでは、巣の近くまで行つて乳
剤を散布、注入しなくてはならず、危険であり、
また乳剤使用量も多く、さらに天井裏等の家屋内
に巣をつくつている場合には、乳剤が家屋を汚す
ので、乳剤処理ができなかつた。

そして、駆除方法の他の例として、防護服を着
て、スズメバチの襲来を受けながら、その巣を取
り除く方法があるが、これでは、防護服を着てい
る作業員には被害が及ばないものの、その周辺の
人々が被害を受けるおそれがあつた。

（考案の目的） 本考案は、上記従来の問題点に鑑み、研究実験
を重ねた結果、煙霧殺虫剤がスズメバチ等の駆除
に効果的で、また家屋等を汚すおそれがないこと
を発見し、この発見に基づいて、離れた位置から
安全かつ効果的にスズメバチ等を駆動することが
できるようにした駆除器を提供することを目的と
するものである。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決するために本考案は、伸縮自
在な竿３の先端に、煙霧殺虫剤を入れるための有
底筒状容器本体４Ａを固着し、該容器本体４Ａに
着脱可能に装着した開閉蓋４Ｂの中央部に、スズ
メバチ等の害虫の巣１中に煙霧殺虫剤を噴出させ
るための巣中挿入ノズル５を突設すると共に、該
開閉蓋４Ｂの上記巣中挿入ノズル５から若干外周
側に離れた位置に、この開閉蓋４Ｂを斜めに貫通
して前記容器本体４Ａ内に連通する空気孔１５を
形成したものである。

（作用） 上記構成において、容器本体４Ａ内に煙霧殺虫
剤８を入れると共に、その煙霧殺虫剤８に着火し
たり、注水して、煙霧を発生させ、次に、長さを
適当に調整した竿３を持つて害虫の巣中にノズル
５を挿入し、該ノズル５から噴出する煙霧によつ
て害虫を駆除するものである。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。この実施例は、第１図に示すように、スズ
メバチの巣１の中に煙霧を噴出させて、その巣１
の中のスズメバチを駆除する駆除器２に関し、そ
の駆除器２は、伸縮自在な竿３の先端に密閉容器
４の容器本体４Ａを固着し、該容器本体４Ａに取
外し自在に配設された開閉蓋４Ｂに煙霧殺虫剤噴
出用のノズル５を突設したものである。

第２図は駆除器２の縦断面図、第３図は同水平
断面図（断面線は第２図の−線に沿う）、第
４図は密閉容器４の容器本体４Ａと、開閉蓋４Ｂ
とを分離した状態の正面図である。

上記各図において、容器本体４Ａは、有底円筒
状であつて、その上端開口部６の内周面に、周方
向に一定間隔ごとに複数（この実施例では３本）
のロツクピン７を突設している。８は容器本体４
Ａ内に入れられた煙霧殺虫剤であつて、例えば、
青酸剤（青酸ソーダ、シアン化カルシウム）、ク
ロルピクル、臭化メチル、二流化炭素、有機リン
剤、カルバメート系殺虫剤等が用いられ、着火ま
たは注水により煙霧を発生させるものである。

開閉蓋４Ｂの下面外周縁に形成した環状溝に、
容器本体Ａの上端開口部６に当接する気密パツキ
ン９を配設し、開閉蓋４Ｂの下面から垂下され
て、容器本体４Ａ内に嵌入する円筒部１０に、各
ロツクピン７に嵌合する切欠部１１を形成し、円
筒部１０の外周面にロツクピン７に係合する鍔１
２を傾斜状態で一体形成している。従つて、各切
欠部１１を各ロツクピン７に嵌合させることによ
つて円筒部１０を開口部６内に挿入した後、開閉
蓋４Ｂを一方向へ回転させると、第３図に示すよ
うに各鍔１２の上面が各ロツクピン７に圧接し、
開閉蓋４Ｂが容器本体４Ａに固定される。また開
閉蓋４Ｂの上面中央に起立する突起部１３の頂点
からこの開閉蓋４Ｂを貫通する貫通孔１４を穿設
し、突起部１３の頂部にノズル５が固着されてい
る。突起部１３の中腹の段部から開閉蓋４Ｂを斜
めに貫通する空気孔１５を形成し、該空気孔１５
を通つて容器本体４Ａ内に流入する旋回空気流に
よつて煙霧の発生を促進するように構成してい
る。

竿３は二段伸縮式であつて、中間握り１６を一
方向へ向すと、伸縮自在となり、それを他方向へ
回すと、伸縮不可能となる。

上記構成の駆除器２を用いてスズメバチを駆除
する場合には、まず、容器本体４Ａ内に煙霧殺虫
剤８を入れると共にそれに着火または注水し、煙
霧を発生させる。次に第４図に示すように、開閉
蓋４Ｂをつかんで容器本体４Ａの開口部６に対向
させ、続いて、切欠部１１をロツクピン７に嵌合
させることにより、円筒部１０を開口部６内に嵌
入させた後、開閉蓋４Ｂを一方向へ回転させて鍔
１２をロツクピン７に圧接させ、開閉蓋４Ｂを容
器本体４Ａに固定する（第２図及び第３図状態）。
次に長さを調整した竿３をつかんで密閉容器４を
持ち上げ、第１図に示すようにノズル５の先端を
巣１の中に差し込む。すると、空気孔１５から密
閉容器４内に旋回空気流が流入すると共にその密
閉容器４内に発生した煙霧がノズル５から巣１の
中に噴出し、その巣１の中のスズメバチを駆除す
るものである。

（考案の効果） 本考案によれば、スズメバチ等の害虫の巣中に
煙霧殺虫剤を噴出させるための巣中挿入ノズルを
設けているから、巣中に潜む害虫を確実に駆除す
ることができる。

またドライな煙霧殺虫剤を巣中に集中的に噴出
させるものであるから、巣の周辺を汚すおそれが
ない。

さらに前記巣中挿入ノズルを突設した開閉蓋の
上記ノズルから若干外周側に離れた位置に、この
開閉蓋を斜めに貫通して容器本体内に連通する空
気孔を形成しているから、該空気孔を通つて上記
容器本体内に流入した空気は、該容器本体の内周
面に沿つて旋回し、そこの旋回空気流によつて煙
霧の発生が促進され、前記ノズルの先端から多量
の煙霧殺虫剤を連続的に噴出させて巣中の害虫を
短時間で効率よく駆除することができる。

さらにまた竿の長さを調整することによつて離
れたところからでも駆除でき、安全である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例たる駆除器によりス
ズメバチを駆除している状態の正面図、第２図は
駆除器の縦断面図、第３図は同水平断面図（断面
線は第２図の−線に沿う）、第４図は密閉容
器の容器本体と開閉蓋とを分離した状態の正面図
である。 ２……駆除器、３……竿、４Ａ……容器本体、
４Ｂ……開閉蓋、５……ノズル（巣中挿入ノズ
ル）、８……煙霧殺虫剤、１５……空気孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 伸縮自在な竿の先端に、煙霧殺虫剤を入れるた
   めの有底筒状容器本体を固着し、該容器本体に着
   脱可能に装着した開閉蓋の中央部に、スズメバチ
   等の害虫の巣中に煙霧殺虫剤を噴出させるための
   巣中挿入ノズルを突設すると共に、該開閉蓋の上
   記巣中挿入ノズルから若干外周側に離れた位置
   に、この開閉蓋を斜めに貫通して前記容器本体内
   に連通する空気孔を形成してなるスズメバチ等の
   害虫の駆除器。