JPH0228470Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は時計用異形プツシユボタン構造に関す
るものである。

〔考案の背景〕

近年、時計用のプツシユボタンは唯単にスイツ
チのためだけでなくデザインの一部となりカラー
化されたものや形状も、異形形状のものが多く登
場して来た。又、同時にプツシユボタン本来の確
実な操作性、誤動作のないプツシユボタン構造の
要求が高まつてきた。

〔従来技術と問題点〕

第１図は従来の時計用プツシユボタン構造の断
面図であり、プツシユボタン２は、時計ケース３
に固着したパイプ４に収容され、軸部２ａの先端
にはＣリング５が係止されている。又、６は防水
リングで、１はコイルバネ１で、プツシユボタン
２の復帰用の戻し力としている。

この構造のプツシユボタン２は頭部２ａが円形
のプツシユボタンには有効であるが、頭部２ａが
軸部２ｂの軸に対して非対称、又は細長い形状の
ものに対しては、プツシユボタンを押すとプツシ
ユボタンが軸に対して斜めに進行し、又平行に戻
らない欠点があり誤動作の恐れがある。更に、頭
部が細長い形状のものの場合、頭部が軸部中心に
対して回転すると、時計ケースに形成したプツシ
ユボタン頭部用の凹部の緑に当接して、プツシユ
ボタンを正しく押せない欠点も生じる。

〔考案の目的〕

本考案は上述した要求に応え、又、誤動作の原
因となる平行に戻らない欠点やプツシユボタン頭
部が回転してしまう欠点をなくし、簡単構造で操
作性の良い時計用異形プツシユボタン構造を提供
することを目的とするものである。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の実施例を図面により詳細に説明
する。

第２図は本考案の一実施例を示す時計用異形プ
ツシユボタンの断面図である。

第３図は時計ケースの異形プツシユボタンの入
る部分即ち異形プツシユボタン廻りの斜視図であ
る。

第４図及び第５図は前記実施例の異形プツシユ
ボタン作動を示す断面図で、第４図は作動前を、
第５図は作動中を、それぞれ示す。

第２図及び第３図において、異形プツシユボタ
ン７は軸部７ａとこの軸部７ａの一方端を穴７ｄ
に固定した異形状、即ち偏平状の頭部７ｂとから
なつており、頭部７ｂの時計ケースに面する側、
即ち裏側には、軸部７ａの両側に２つの凹部７ｃ
が形成されている。この凹部７ｃには、柱状の弾
性部材８が嵌合固定されており、異形プツシユボ
タンと一体化されている。この柱状の弾性部材８
の組込まれた異形プツシユボタン７は、第４図に
示すように、時計ケース１０の切欠部１０ｂの底
面に形成された貫通穴１０ｃに挿通され、Ｃリン
グ９を軸部７ａの先端部に係止することにより、
時計ケース１０に装着される。この時、異形プツ
シユボタン７に組込まれた２つの柱状の弾性部材
８は、貫通穴１０ｃの両側に形成された２つの回
転止め用の凹部１０ａに各々嵌入される。１１
は、第１図の従来例と同じように、防水リングで
ある。また、切欠部１０ｂは異形プツシユボタン
７の頭部７ｂの端面と略同一の形状となつてい
る。

以上の構造となつている異形プツシユボタン７
を押すと、第５図に示すように、柱状の弾性部材
８が圧縮変形されて、異形プツシユボタン７が時
計ケース１０の切欠部１０ｂ内に進行し、所定の
スイツチ機能を果す。そして、押し力を解除する
と、この柱状の弾性部材に復元させることができ
る。特に、軸部７ａの両側に設けた柱状の弾性部
材８により、頭部７ｂが偏平状になつていて、異
形プツシユボタン７が多少、傾いて押されても、
正しい姿勢で押し戻すことができる。

尚、頭部の凹部は２以上形成し、この凹部に柱
状の弾性部材を装着しても良い。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案の時計用異形プツシ
ユボタンは柱状の弾性部材の反発力により、軸に
対して、均一に戻し力が働き、操作性がよく、
又、柱状の弾性部材の先端が時計ケースの凹部に
嵌入していることと、切欠部が異形プツシユボタ
ンの頭部の端面と略同一の形状となつていること
とにより、異形プツシユボタンの頭部が回転せ
ず、時計ケース切欠部に当接したり、切欠部の内
壁に圧設したりせず、異形プツシユボタンの操作
性を著しく向上させる。その上、簡単構造である
ので組込作業性も非常に良く、頭部のデザイン形
状が種々起されたとしても、即対応出来る構造で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、コイルバネを戻し力として使つた従
来からあるプツシユボタン構造の断面図であり、
第２図は、本考案の一実施例を示す時計用異形プ
ツシユボタンの断面図、第３図は本考案の異形プ
ツシユボタンが組込まれる、部分の時計ケースと
異形プツシユボタンの斜視図、第４図及び第５図
は前記実施例の異形プツシユボタンの作動を示す
断面図である。 ７ａ……軸部、７ｂ……頭部、７ｃ……凹部、
７ｄ……穴、７……異形プツシユボタン、８……
弾性部材、９……Ｃリング、１０……時計ケー
ス、１０ａ……凹部、１０ｂ……切欠部、１０ｃ
……貫通穴、１１……防水パツキング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ボタンと時計ケースとの間に弾性部材を配設し
   た時計用プツシユボタン構造において、時刻表示
   切換、修正等を操作する、異形プツシユボタン本
   体は、時計ケースの切欠部の底面に形成した貫通
   穴に装着される軸部と異形状の頭部とからなり、
   前記軸部の両側であつて前記頭部の時計ケースに
   面する側に凹部を２ケ所以上設け、前記凹部に柱
   状の弾性部材を配設させ、一方、前記時計ケース
   の切欠部の底面にも前記柱状の弾性部材の先端が
   収まる回転止め用の凹部を設け、前記柱状の弾性
   部材を圧縮した戻し力で前記異形プツシユボタン
   を回転させずに復帰させることを特徴とする時計
   用異形プツシユボタン構造。