JPH02279B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は空気浮上式フオークリフトトラツク、
詳しくは台枠の前後部左右にそれぞれ水平方向に
回動可能且つ垂直方向に回転可能に４個の車輪が
支持され、台枠の中央部にそれぞれ互いに反対の
前後方向に移動可能にフオークおよびバツテリ、
ブロアー駆動用モータ等の重量部材が支持されて
おり、さらに台枠の底板とその底板の下面の周縁
に取付けられたラビリンスとによつて囲まれた空
間に加圧空気を送入してトラツク全体を空気浮上
させることができるようにしたフオークリフトト
ラツクに関する。

従来のフオークリフトトラツクは、一般に台枠
の後部左右にそれぞれ操向可能に２個の操向車輪
が支持され、台枠の前後左右にそれぞれ回転駆動
可能に２個の駆動車輪が支持され、台枠の前部に
垂直方向に昇降可能にフオークが支持され、台枠
の後部にカウンターウエイトが固定的に支持され
た型式のものであるので、その場旋回ができず、
通路両側のラツク間に最小旋回半径に応ずる直角
積付通路幅が必要とされるという問題があり、さ
らに車体の安定度が悪く、またトラツク総重量が
大きいため大出力の動力源が必要であり、また操
向が困難であるという問題があつた。

本発明は、前述の問題を解消し、その場旋回が
可能であり、且つ車体の安定性をよくし操向性を
よくするために、底板および補強部材からなる台
枠と、前記台枠の左右前後部にそれぞれ水平方向
に回動可能に支持された４個の車輪支持枠と、前
記車輪支持枠を回動させるため前記台枠と一体の
車輪支持枠支持部材に載設された操舵用モータ
と、前記車輪支持枠にそれぞれ垂直方向に回転可
能に支持された４個の車輪と、前記車輪を回転駆
動させるため前記車輪支持枠に載設された走行用
モータと、前記台枠の中央前部に前後方向に移動
可能に載設されフオーク支持部材が昇降可能に装
着された昇降マストと、前記フオーク支持部材に
支持されたフオークと、バツテリ、ブロアー駆動
用モータ等の機能部品を平衡重量部材として有効
に利用するための前後移動装置と、前記台枠の底
板の下面の周縁に取付けられたラビリンスと、前
記底板および前記ラビリンスによつて囲まれた空
間に加圧空気を送入するためのブロアーとを有す
る空気浮上式という他に例を見ないフオークリフ
トトラツクを提供しようとするものであり、それ
によつて、最小旋回半径が小になつて通路両側の
ラツク間にフオークリフトトラツクが通過し得る
幅があればラツクへの品物の積卸が可能になり、
さらにフオークリフトトラツクの総重量を軽減し
てトラツク全体を空気浮上させることを可能にし
たものである。

以下本発明によるフオークリフトトラツクの実
施例について図面を参照して説明する。

第１図〜第３図において、１は台枠であつてほ
ぼ円板状の底板２の上面の左右両側にそれぞれ補
強部材３が固着され、その補強部材３には前後方
向に全長に亘つて案内みぞ４が設けられている。
５は車輪支持枠であつて、台枠１の左右両側の補
強部材３の前後部にそれぞれ固着された車輪支持
枠支持部材６に水平方向に回動可能に支持されて
いる。７は操舵用モータであつて、台枠１と一体
の車輪支持枠支持部材６に載設され、そのモータ
７の下端に取付けられたピニオン８と車輪支持枠
５に取付けられたギヤ９とが噛合しており、車輪
支持枠５を回動させることができるようになつて
いる。

１０は車輪であつて、車輪支持枠５に車輪軸１
１を介してそれぞれ垂直方向に回転可能に支持さ
れている。１２は走行用モータであつて、車輪支
持枠５に載設され、そのモータ１２の前端に取付
けられたチエーンホイール１３と車輪軸１１の一
端部に取付けられたチエーンホイール１４とがチ
エーン１５を介して直結されており、車輪１０を
回転駆動することができるようになつている。

第４図〜第６図において、１６はハンドルレバ
ー１６ａおよび握り１６ｂを有する操舵用ハンド
ルであつて、「直進」「旋回」用の切換えノツチ１
７が取付けられており、運転座席１９の前方に配
設されている。切換えノツチ１７は押込むと「直
進」に、引抜くと「旋回」に切換えられるように
なつている。また１８は走行用モータの操作レバ
ーであつて、運転座席１９の近くに配設されてい
る。操作レバー１８は前に倒すと前進、後に倒す
と後進に切換えられるようになつている。

上述の操舵用モータ７は、例えば特願昭56―
167928号「走行車両」の明細書に記載のように、
操舵用ハンドル１６の操作によつて前後部左右の
４個の車輪支持枠５をそれぞれ前後方向の軸線に
関して所望の角度だけ左右いずれかの方向に回動
させることができるが、つぎに本実施例の操舵用
ハンドルの操作による車輪支持枠の回動について
第７図を参照して説明する。

前後部左右の各車輪支持枠５を第７図に示すよ
うにＡ・Ｂ・Ｃ・Ｄとし、各車輪支持枠は円周方
向に等間隔に配置されているものとする。操舵用
ハンドル１６のハンドルレバー１６ａは第５図の
YY方向からこれに直角のXX方向まで90゜の間任
意の角度に旋回できる。

切換えノツチ１７を押込んで「直進」としハン
ドルレバー１６ａを所望の方向に回すと、車輪支
持枠はその角度だけ回動して第７図ａ，ｂ，ｃの
如き方向となる。そしてこのとき走行用モータの
操作レバー１８を前進（または後進）の位置に倒
すと、走行用モータが回転してトラツクは車輪支
持枠の方向に前進（または後進）する。切換えノ
ツチ１７を引抜いて「旋回」とすると、Ａ・Ｂ・
Ｃ・Ｄの各車輪支持枠はYY方向に対してそれぞ
れ時計方向に、Ａは45゜，Ｂは135゜，Ｃは315°，Ｄ
は225゜の方向まで回動する。このとき走行用モー
タの操作レバー１８を前進（または後進）の位置
に倒すと車体は時計方向（または反時計方向）に
その場旋回する。また無人運転の場合は通路およ
び倉庫のラツクをセンサーで探知して自動操縦と
することができる。

走行用モータ１２は、アクセルペダルの踏込量
に応じ、または遠隔操縦により４個の車輪１０を
所望の速さで回転させることができるようになつ
ている。上述の操舵用モータ７および走行用モー
タ１２はともに電動モータとして説明したが、油
圧モータにすることができる。

本実施例においては、底板２は円板状であり且
つ各車輪支持枠５は底板の前後部左右に円周方向
に等間隔に配置されたものを例示したが、底板は
楕円板状など任意の形状にすることもでき、また
車輪支持枠は底板の形状に応じた適当な配置にす
ることもできる。

第１図、第２図、第８図および第９図におい
て、２０は昇降マストであり、支持筒２１、昇降
部材２２、フオーク支持部材２３、ねじ棒２４お
よびそのねじ棒の回転駆動装置２５を含むねじジ
ヤツキ式の構造のものである。支持筒２１は台枠
１の中央前部に直立状に配設され、その上端部両
側にそれぞれ固着された支持脚２６の下端部が前
後方向に延びて、台枠１の上面左右両側に設けら
れた案内みぞ４に係合し、そのみぞに沿つて前後
方向に移動可能に載設されている。

支持筒２１の内部に上下方向に摺動可能に昇降
部材２２が挿入され、その上端にシーブ２７が回
転自在に支持され、下端部に雌ねじが設けられて
いる。前記雌ねじにねじ棒２４が螺合され、その
ねじ棒２４は支持筒２１に支持され、ねじ棒の回
転駆動装置２５によつて回転可能になつている。

その回転駆動装置２５は本実施例においては、
ねじ棒２４の下端に固着されたウオームホイール
２８と支持筒２１に回転駆動可能に支持されウオ
ームホイール２８と噛合するウオームギヤ２９と
から成つており、電動モータまたは油圧モータの
駆動によるウオームギヤ２９の回転によつて昇降
部材２２が支持筒２１の内部で昇降するようにな
つている。なお、昇降部材２２とねじ棒２４の螺
合は摩擦抵抗を少なくするためボールを介したボ
ールスクリユーにすることが望ましい。

フオーク支持部材２３は支持筒２１の外側に昇
降可能に装着され、その外側部前方に左右に延び
るフオーク支持板３０が固定されており、一端が
支持筒２１の上端部に固定されたロープ３１がシ
ーブ２７を介して他端がフオーク支持部材２３の
上端部に固定されている。従つて昇降部材２２が
ねじ棒２４の回転によつて昇降されるとき、フオ
ーク支持部材２３は昇降部材２２の昇降の長さの
２倍の長さだけ昇降することになる。

高揚程を必要とする場合は従来のフオークリフ
トのマストの如く支持筒を二重にすることもでき
る。

本実施例においてはねじジヤツキ式昇降マスト
を例示したが、この昇降マストは普通のフオーク
リフトトラツクのように支持枠にフオーク支持部
材を油圧シリンダによつて昇降可能に取付ける構
造のものにすることもできる。

第２図および第１０図において、３２はＬ字型
に形成された２本のフオークであつて、その垂直
部分の上端がそれぞれフオーク支持板３０の左右
両側に相互の間隔が調節自在に支持され、その水
平部分がトラツクの前方に向つて延びており、そ
の水平部分の長さは、昇降マスト２０が最後退の
位置においてはフオークの水平部分の先端が台枠
１の前端より引込んだ状態になるようになつてい
る。

第１図、第２図、第１０図、第１１図におい
て、４０は平衡重量部材であつて、台枠１の中央
後部に配設され、左右に例えばバツテリ、後述す
るブロアー駆動用モータ等の機能部品を主体とす
る重量物を収容することができる収容箱を有し、
左右方向中央部は後述する前後方向移動装置を収
容するための空間となつており、上部に蓋板が取
付けられている。また、下端両側に前後方向に延
びる突起部４１が設けられ、その突起部４１が台
枠１の補強部材３に形成された案内みぞ４に係合
するようになつており、そのみぞ４に沿つて前後
方向に移動可能に載設されている。また有人運転
の場合は蓋板の上面に運転席を設け、運転者の重
量をも有効に利用することもできる。

第１０図、第１１図において、４２は前後移動
装置であつて、台枠１上に載設された前後移動用
モータ４３にねじ棒４４が直結され、そのねじ棒
４４は前後方向に延び前半部と後半部が互いに逆
の右ねじまたは左ねじとなつている。一方昇降マ
スト２０および平衡重量部材４０にはそれぞれね
じ棒４４の左または右ねじに螺合する雌ねじを有
するナツト４５，４６が固定されており、ねじ棒
４４の回転によつて昇降マスト２０および平衡重
量部材４０を互いに反対の前後方向に移動させる
ことができるようになつている。

第１図および第１２図において、５０は複数列
の凸起部を有するラビリンスであつて、台枠１の
底板２の下面の周縁に２列のラビリンス取付部材
５１がダイヤフラム５２を介して懸吊されてお
り、ラビリンス５０はそのそれぞれの取付部材５
１の下面に取付けられており、底板２の下面とラ
ビリンス５０によつて囲まれた空間の圧力空気が
逃げ難いようになつている。なお、ラビリンス取
付金具５１は上方が開放されたチヤンネル形に
し、その中に無端の空気チユーブ５３を装入して
ラビリンスを地面に対して適当な力で押圧させる
ようにすることもできる。

ブロアー５４は第１図に示すように台枠１に載
設され、ブロアー駆動用モータ５５は平衡重量部
材４０に組入れられて前後方向に移動可能になつ
ており、そのブロアー５４によつて空気を底板２
とラビリンス５０によつて囲まれた空間に送入す
ることができるようになつている。

つぎに本発明によるフオークリフトトラツクの
作用について説明する。まずフオークリフトトラ
ツクの前後進、左右操向、その場旋回について
は、台枠１に回動可能に支持された４個の車輪支
持枠５を操舵用モータ７によつて所望の方向に回
動させるとともに、車輪支持枠５に回転可能に支
持された４個の車輪１０を走行用モータ１２によ
つて所望の速さで回転させることによつて、例え
ば、第７図ａの如き縦方向前後進、同ｂの如き斜
方向前後進、同ｃの如き横方向前後進、および同
ｄの如きその場旋回をさせることができる。

つぎにフオーク３２による品物の積卸しについ
て、本発明によるフオークリフトトラツクは、昇
降マスト２０および平衡重量部材４０が前後移動
装置４２によつて台枠１上で互いに反対の前後方
向に移動可能に載設されているため、品物の積卸
しをするときは昇降マスト２０を前進させるとと
もに平衡重量部材４０を昇降マストと逆の方向に
後進させ、従つて昇降マスト２０および品物の重
量と平衡重量部材４０の重量、位置関係を考慮し
て配設することにより前後方向の平衡をよくする
ことができ、安定状態を良好に保つことができ、
カウンタウエイトが不要となる。

また、品物の運搬については、トラツクの移動
時に昇降マスト２０および平衡重量部材４０を台
枠の中央部に位置させるのでトラツクの安定度が
維持される。なおトラツクの走行に際して、ブロ
アーを作動させ底板２とラビリンス５０とによつ
て囲まれた空間に空気を圧送し、その圧力がトラ
ツクの総重量と平衡するまで上昇するとトラツク
が浮上状態になり、極めて僅かの動力によつて走
行可能となる。本発明に係るフオークリフトトラ
ツクの走行はこの浮上状態において行なうものと
し、また停止して荷物の積卸し昇降を行なう際に
は空気の圧送を停止して車台を地面に安置した状
態で行なうものとする。

本発明によるフオークリフトトラツクは、上述
のように構成されているので、通路両側のラツク
間に本トラツクが通過し得る幅があればラツクへ
の品物の積卸しが可能になるとともに本トラツク
の総重量を軽減することが可能となり、従つて倉
庫のスペースを有効に利用することができ、且つ
本トラツクの製造費を低減することができるとい
う効果がある。また重量軽減により走行用モータ
の所要出力、従つてバツテリの容量も小さくする
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるフオークリフトトラツク
の実施例の全体側面図、第２図は第１図の平面
図、第３図は車輪の操向および走行のための車輪
支持枠、支持部材、車輪等を示す斜視図、第４図
は操舵用ハンドルの斜視図、第５図は操舵用ハン
ドルの操作を示す平面図、第６図は走行用モータ
の操作レバーの斜視図、第７図は本トラツクの走
行、旋回等の線図的説明図、第８図は昇降マスト
の構造を示す部分断面側面図、第９図は昇降マス
ト、フオーク等の部分正面図、第１０図は昇降マ
ストおよび平衡重量部材のための前後移動装置の
側面図、第１１図は平衡重量部材、前後移動装置
等の部分背面図、第１２図は底板およびラビリン
スの部分側面図である。 １…台枠、２…底板、３…補強部材、４…案内
みぞ、５…車輪支持枠、６…車輪支持枠支持部
材、７…操舵用モータ、８…ピニオン、９…ギ
ヤ、１０…車輪、１１…車輪軸、１２…走行用モ
ータ、１６…操舵用ハンドル、１７…切換えノツ
チ、１８…走行用モータの操作レバー、１９…運
転座席、２０…昇降マスト、３２…フオーク、４
０…平衡重量部材、４２…前後移動装置、５０…
ラビリンス、５１…ラビリンス取付部材、５２…
ダイヤフラム、５３…空気チユーブ、５４…ブロ
アー、５５…ブロアー駆動用モータ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 底板および補強部材からなる台枠と、前記台
   枠の左右前後部にそれぞれ水平方向に回動可能に
   支持された４個の車輪支持枠と、前記車輪支持枠
   を回動させるため前記台枠と一体の車輪支持枠支
   持部材に載設された操舵用モータと、前記車輪支
   持枠にそれぞれ垂直方向に回転可能に支持された
   ４個の車輪と、前記車輪を回転駆動させるため前
   記車輪支持枠に載設された走行用モータと、前記
   台枠の中央前部に前後方向に移動可能に載設され
   フオーク支持部材が昇降可能に装着された昇降マ
   ストと、前記フオーク支持部材に支持されたフオ
   ークと、前記台枠の中央後部に前後方向に移動可
   能に載設されバツテリ、ブロアー駆動用モータ等
   の機能部品を主体とする平衡重量部材と、前記昇
   降マストおよび前記平衡重量部材を互いに反対の
   前後方向に移動させるため前記台枠に載設された
   前後移動装置と、前記台枠の底板の下面の周縁に
   取付けられたラビリンスと、前記底板および前記
   ラビリンスによつて囲まれた空間に加圧空気を送
   入するためのブロアーとを有することを特徴とす
   る空気浮上式フオークリフトトラツク。