JPH02274840A - 耐ロウ付け溶接割れ性に優れた深絞り用薄鋼板およびその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はロウ付け溶接等溶接溶融金属による接合にて脆
化割れを生じない深絞り用薄鋼板およびその製造方法に
関する。

（従来の技術） 深絞り用薄鋼板は自動車部品例えばボデーや燃料タンク
等や家電製品等のプレス成形される材料として、広く使
用されている。これらの部品は所定形状に成形加工後に
、他部品とスポット溶接やロウ付け溶接等の接合手段に
より接合され、所望品に製作されるのが殆どである。こ
れら製作時の接合において溶接溶融金属例えばロウ付け
溶接にてなされる部品の接合は、加熱され溶融したロウ
が被接合部品間の狭い隙間に毛管現象で侵入し両部品を
接合するので、複雑で精密な接合や異種金属の接合が容
易等の利点がある。

ところで、深絞り用薄鋼板は深絞り性を高めるために固
溶Ｃや固溶Ｎを減じ、或はこれらＣ１ＮをＴｉやＮｂに
より固定し、いわゆるＩＦ鋼（Ｉｎｔｅｒｓｔｌｔｉａ
ｌ　Ｆｒｅｅ鋼）とされることが多い。

該鋼板のプレス成形性は極めて優れ苛酷な加工ができる
が、圧縮応力の変形を受けたあとに引張応力の加工を行
うと脆性破壊（２次加工割れと称する）を起こすととも
に、所定形状の部品に成形加工後、他部品とロウ付け溶
接等の溶接溶融金属で接合する際も、脆化割れが生じる
。

これまでに、ロウ付け溶接等での脆化割れを生じさせな
い深絞り用冷延鋼板について提案されている。例えば特
開昭６０−９２４５３号公報には、Ｔｉ添加の低炭素Ａ
ｌキルド鋼にＢを含有させることで２次加工やロウ付け
溶接での脆化割れを防止する技術が開示されている。

（発明が解決しようとする課題） これによると其なりの作用効果があるが、しかし、ロウ
付け用金属の溶融温度がかなり高い場合には脆化割れを
生じることがあり、製品の歩留落ち等の支障をきたすこ
ともある。このような条件下での脆化割れの発生を完全
に防止するにはＢの含有量を１０ｐｐｍ以上に管理する
必要性が、その後に明らかとなった。しかし、Ｂ含有量
をこのように高めると、焼鈍での再結晶温度を著しく上
昇させると共に鋼板の機械的性質特に、伸び、深絞り性
が劣化し、非常に苛酷なプレス成形加工に適用できなく
なる。

本発明は、例えば自動車の燃料タンクのように苛酷なプ
レス成形加工をされ、その後、給油用のバイブがロウ付
け溶接等の溶接溶融金属で接合される成形部品の素材と
して、２次加工やロウ付け溶接による脆化割れが生じな
い薄鋼板であって、また優れた深絞り成形能を兼備した
鋼板を提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） 本発明者は深絞り性は十分に優れたまま、特にロウ付け
溶接による接合で脆化割れが発生しない薄鋼板を開発す
べく研究し実験した。その結果、Ｔｌ或はＮｂの単独又
は複合添加の極低炭素Ａ、Ｑキルド鋼に、Ｓｎ或はｓｂ
を添加し、さらにＮｉを添加することにより２次加工や
ロウ付け溶接等の脆化割れが防止でき、またプレス成形
性も十分に優れることを見出した。

本発明はこの新しい知見に基ずいてなされたもので、そ
の要旨は重量％で、Ｃ：０．００８％以下、ｓ　Ｉ：０
．１０％以下、Ｍｎ：０．４０％以下、Ｐ　：０．０２
０％以下、ｓ　：　ｏ、ｏａ％以下、ＡＮ：０．１０％
以下、Ｎ：ｏ、ｏｏｅｏ％以下、Ｎｉ：０．０１以上０
．１５％以下、とＴｉ：０．００５以上０．１５％以下
、Ｎ　ｂｏｏ、００５以上０．０５０％以下のＩＰＪま
たは２種を含有し、さらに、Ｓｎ：０．００５以上０．
０３％以下、Ｓ　ｂ：０．００５以上０．０２５％以下
の１８または２種を含み、残部が鉄および不可避的不純
物からなるロウ付け溶接で脆化割れのない深絞り用薄鋼
板にあり、また、前記化学成分組成からなる鋼片を、仕
上温度８００℃以上、巻取温度５５０℃以上で熱間圧延
し、脱スケール後圧下率６０％以上で冷間圧延し、再結
晶温度以上で焼鈍することを特徴とするロウ付け溶接で
脆化割れのない深絞り用薄鋼板の製造方法にある。

以下に本発明について、詳細に説明する。

まず、鋼の化学成分組成について述べる。

Ｃは多くなるとＴｉＣやＮｂＣ等の微細析出物が多量に
形成され、伸びを著しく劣化させるので、ｏ、ｏｏｇ％
以下とする。Ｃｆ１ｔは少ないほど伸びやプレス性が向
上するので、０．００３％以下が好ましい。

Ｓｉは深絞り性や伸び等の機械的性質また成形の塗装性
を劣化させるので、０．１０％以下とする。

好ましくは０．０２％以下である。

ＭｎはＳによる熱間脆性を防ぐために必要な成分である
が、その含有量が多くなると深絞り性や伸びを劣化させ
るので０．４０％以下とする。

Ｐは結晶粒界に偏析して結晶強度を低下させ、溶融金属
の粒界侵入を起こし易くする。また粒界脆化の防止や機
械的性質の劣化を防ぐ点から、０．０２０％以下とする
。好ましくは０．００５％以下がよい。

Ｓは多いとＭｎＳやＴｉＳが形成され硬質化し、伸びを
劣化させる。また溶融金属接合での脆化割れに有害であ
るので０．０３％以下とする。

ＡＩは溶製時の脱酸のためや、ＮをＡｆＩＮとして固定
プレス成形性のために必要であるが、あまり多くなると
製造コストを高めるので０．１０％以下とする。

Ｎはプレス成形性に有害なため窒化物として固定する必
要があるが、多すぎると多量のＡＩやＴｉが必要となる
のでｏ、ｏｏｅｏ％以下とする。

０．００４０％以下が好ましい。

Ｎｉは本発明で最も重要な構成要件であり、ロウ付け等
の液相金属による粒界脆化割れを防止する作用を新規に
知見した。その機構はまだ明らかではないが、ＮＩが鋼
板表面部分に濃化することによって液相金属の浸入を抑
制するものと推定される。ロウ付け溶接割れを防止する
には０．０１５以上が必要であるが、多すぎると機械的
性質を劣化させ、製造コストも高めるために上限を０．
１５％とする。０．０２〜０．０８％の範囲が好ましい
。

ＮｂはＣをＮｂＣとして固定し深絞り性を高めるために
０．００５％以上含有させる。一方、多（なると再結晶
温度を上昇させ、また硬質化し、伸びが劣化するので０
．０５０％以下とする。

ＴｉはＣやＮをＴｉｃ、ＴｉＮとして固定し深絞り性を
高めるために０．００５％以上必要である。

一方その含有量が多くなると製造コストを高め、また、
その作用は低下し、伸びも劣化するので０．１５％以下
とする。このＴｉはＮｂと複合或はそれぞれを単独添加
し、上記した目的を達成する。

Ｓｎやｓｂは２次加工割れを防止するために含有させる
が、いずれも０．００５％より少ないと防止効果は得ら
れず、一方多すぎると機械的性質を悪化させるのでＳｎ
の上限を０．０３０％、Ｓｂの上限を０．０２５％と規
定する。Ｓｎ、Ｓｂは、それぞれ単独又は複合添加の何
れでもよい。

前記化学成分組成と残部が鉄および不可避的不純物から
なる鋼片は、転炉、電気炉等で溶製され、必要に応じて
真空脱ガス処理の後、連続鋳造成は造塊−分塊圧延によ
り製造される。製造された鋼片は直ちに高温のまま、或
は加熱炉等で再加熱したのち熱間圧延される。

直接に熱間圧延する場合には連続鋳造設備で鋳片切断後
の端面温度の下限を例えば９００℃と管理するとともに
電気ヒータ等の補助加熱によって、鋳片の温度を均一化
することが、一方、再加熱をする場合は１１５０℃以下
の温度で行うことが、深絞り性および耐脆化割れ性を高
める点からそれぞれ好ましい。

熱間圧延は深絞り性を高めるため、またリジングの防止
のために仕上温度を８００℃以上とする。

巻取温度は、ロウ付け溶接等溶融金属で接合における脆
化割れに影響し、耐脆化割れを高めるために５５０℃以
上とする。好ましくは７００℃以上である。また前記温
度では深絞り性、伸びとも優れる。

次いで、脱スケールし、冷間圧延される。該圧延では深
絞り性を確保するために圧下率を８０％以上として行う
。好ましくは８０％以上である。焼鈍は箱焼鈍或は連続
焼鈍のいずれでもよいが、再結晶温度以上で行うことが
深絞り性や伸びの確保のために必要であり、箱焼鈍では
７００〜７８０℃、連続焼鈍では７６０℃以上とするこ
とが好ましい。

その後、必要に応じて調質圧延を行ってもよい。

また、必要に応じて各種の表面処理を行うことができ、
例えば調質圧延のあとに鉛−スズ等のメツキを施したり
、或は冷間圧延後に、連続溶融メツキライン等で亜鉛や
アルミ等をメツキする。

（実　施　例） 第１表に示す化学成分組成の鋼を、同表に示す条件で熱
間圧延し、冷延率８０％で板厚０．８關に冷間圧延した
後、７８０℃の連続焼鈍或は７６０℃の箱焼鈍を行い、
０．８％で調質圧延した。

得られた鋼板を角筒に成形加工し、コーナ一部分に設け
た開口部と別途のパイプを９５０℃以上の温度でロウ付
け溶接した。溶接部における耐脆化割れの調査は、ロウ
の結晶粒界への侵入状況を調べることで行った。ロウの
侵入のない場合は脆化割れはなく、極表層にわずかロウ
の侵入が認められるものは直ちに脆化割れは生じないが
改善の要があるものであり、ロウの侵入がかなりの深さ
まで認められるのは脆化割れが生じる。

また、鋼板の機械的性質および２次加工性も調査した。

２次加工性は、絞り比２．２でカップ成形後、カップの
開口部を円錐ポンチで拡開し、脆性割れの有無で判定し
た。これらの結果を第２表に示す。

この第２表から明らかなように、本発明による調成はロ
ウ付け溶接でロウの結晶粒界への侵入は完全に防止され
ることが実証された。また、２次加工割れも防１にされ
るとともに深絞り性も優れている。

（発明の効果） 本発明によって得られた薄鋼板は、上述したようにロウ
付け溶接等溶融金属で接合した際に脆化割れが生ぜず、
さらに苛酷な深絞り加工ができて２次加工割れも生じな
いという特をの作用効果がある。

復代理人　弁理士　田村弘明

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）重量％で、 Ｃ：０．００８％以下、 Ｓｉ：０．１０％以下、 Ｍｎ：０．４０％以下、 Ｐ：０．０２０％以下、 Ｓ：０．０３％以下、 Ａｌ：０．１０％以下、 Ｎ：０．００６０％以下、 Ｎｉ：０．０１以上０．１５％以下 と Ｔｉ：０．００５以上０．１５％以下、 Ｎｂ：０．００５以上０．０５％以下 の１種または２種を含有し、 さらに Ｓｎ：０．００５以上０．０３０％以下、 Ｓｂ：０．００５以上０．０２５％以下 の１種または２種を含有し、 残部が鉄および不可避的不純物からなることを特徴とす
   る耐ロウ付け溶接割れ性の優れた深絞り用薄鋼板。
2. （２）重量％で、 Ｃ：０．００８％以下、 Ｓｉ：０．１０％以下、 Ｍｎ：０．４０％以下、 Ｐ：０．０２０％以下、 Ｓ：０．０３％以下、 Ａｌ：０．１０％以下、 Ｎ：０．００６０％以下、 Ｎｉ：０．０１以上０．１５％以下 と Ｔｉ：０．００５以上０．１５％以下、 Ｎｂ：０．００５以上０．０５％以下 の１種または２種を含有し、 さらに Ｓｎ：０．００５以上０．０５０％以下、 Ｓｂ：０．００５以上０．０２５％以下 の１種または２種を含有し、 残部が鉄および不可避的不純物からなる鋼片を、仕上温
   度８００℃以上、巻取温度５５０℃以上で熱間圧延し、
   脱スケール後に圧下率６０％以上で冷間圧延し、再結晶
   温度以上で焼鈍することを特徴とする耐ロウ付け溶接割
   れ性に優れた深絞り用薄鋼板の製造方法。