JPH0226134B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は均圧制御方式によるガス燃焼装置の安
全装置に関する。

従来例の構成とその問題点 従来のガス燃焼制御装置のブロツク図を第１図
に示す。空気側通路１に配設され、送風機２から
送り出された燃焼用空気は空気側絞り３を通り、
混合部４に導びかれる。一方、燃焼用ガスはガス
側通路５に配設されたガス比例制御弁６、ガス側
絞り７を通つて同様に混合部４に導びかれ、均一
になつた混合ガスとして、バーナ８に供給され
る。このバーナ８の上部には、温度検出器９が配
設された熱交換器１０が設けられている。又、空
気側絞り３の上流側と、ガス側絞り７の上流側と
の圧力差を検出する差圧センサ１１が設けられて
いる。温度検出器９の信号は温度設定器１２の信
号と比較され、偏差信号として回転数制御回路１
３で処理されて送風機２を制御する。

一方、差圧センサ１１の信号は差圧センサ検出
回路１４、空燃比調節回路１５を通つてガス比例
制御弁６を制御する。

この構成において、温度設定の変更、または水
量変化による負荷変更があるとまず、送風機の回
転数が制御される。均圧制御方式では空気側絞り
３の上流圧力P₁と、ガス側絞り７の上流圧力P₄
が、常にP₁＝P₄になるように制御する。すなわ
ち、P₁に変化があつてもこれに対応して差圧セ
ンサ１１の信号で、ガス比例制御弁６を制御し、
P₁とP₄が常に均圧になるように制御する。

ところが、例えば家庭用燃焼機器用等に用いら
れている均圧制御用の差圧センサ１１の受圧部
は、センサ感度を良くする為に薄いゴム製のダイ
ヤフラムで構成されており、万が一、燃焼中にこ
のダイヤフラム（一般的に用いられているニトリ
ルゴムNBRは大気中に微量含まれているオゾン
O₃によつて次第に劣化することが知られている）
がが破れた場合には、少なからずバーナの安定燃
焼から逸脱してしまうという傾向にあつた。以下
第１図、第２図、第３図を使つて詳述する。燃焼
中に差圧センサ１１にダイヤフラム破れが発生す
ると、第１図におけける空気側通路１のａ点か
ら、ガス側通路５のｄ点、すなわち圧力導管ａか
らｂ、差圧センサ１１の内部、圧力導管ｃからｄ
を通つて、ガス側通路５（第１図ではｄ点）に空
気が流れ込む。このような状態では、第３図から
明らかなように、均圧に制御すべきａ点の圧力と
ｄ点の圧力、すなわちP₁とP₄に圧力差が生じて
しまう。差圧センサ１１の内部では差圧はないよ
うに（P₂＝P₃）制御しているが、実際には差圧
センサ１１の圧力ポートから、空気及びガスのそ
れぞれの通路まで、圧力を導びくための圧力導管
ａからｂ、及び圧力導管ｃからｄがあり、その為
に空気がａ点からｄ点へ流れることによる圧力損
失がともなうからである。次にこのような場合の
バーナ８の燃焼特性を第２図を用いて説明する。

横軸はバーナ８のインプツト量ｉ、縦軸は空気
過剰率ｍを示し、(1)及び(2)はバーナ８の安定燃焼
上限、及び下限を表わしている。

イ〜ロの破線で示した場合は、燃焼量を可変し
ても空気過剰率ｍがほゞ一定になるダイヤフラム
破れのない正常な状態を示している。

そして、燃焼中にダイヤフラムが破れると、破
れの大きさの程度にもよるが、小さいうちは、ハ
〜ロの実線で、安定燃焼域に入つているが、大き
くなるにしたがい、ニ〜ロ，ホ〜ロになり、完全
に安定燃焼上限値から逸脱しまう。したがつて、
万一の場合を考えると安全性の観点から十分とは
云いがたい点があつた。

発明の目的 本発明はかかる従来の問題点を解消するもので
燃焼中に万が一差圧センサの受圧部に破れが発生
する等の異常が発生した場合でもバーナの安定燃
焼域から逸脱してしまうことのないようにするこ
とを目的とする。

発明の構成 本発明は従来の差圧センサを配設した均圧制御
方式のガス燃焼制御装置に、フレームロツドと、
フレームロツド信号検出回路と、インプツト・フ
レームロツド出力許容域記憶回路と、比較制御回
路と更にガス側通路に設けた電磁弁と電磁弁駆動
回路を付加した構成にしたものである。

この構成によつて、万が一、差圧センサの受圧
部に破れが発生した場合でも、ガス燃焼器として
の安全性を十分な信頼性をもつて確保できる。

実施例の説明 以下本発明の一実施例を第４図、第５図、第６
図、第７図を用いて説明する。

なお、従来と同一構成要素については同一番号
を付し説明は省略する。

１６はガス比例制御弁６の上流側に設けた電磁
弁、１７は電磁弁１６を駆動する電磁弁駆動回
路、１８はバーナ８の燃焼炎にふれるように配設
したフレームロツド、１９はフレームロツド検出
回路、２０は差圧センサ１１の受圧部が破れて燃
焼安定域から逸脱した場合に、電磁弁１６を遮断
する目的で、その時の燃焼量に対応したフレーム
ロツドの出力許容範囲を、比較制御回路２１に出
力するインプツト・フレームロツド許容域記憶回
路である。

また、２２はバーナ８に２次空気を供給する為
の２次空気通路である。

第５図は、横軸に空気過剰率ｍ、縦軸にフレー
ムロツド１８の出力信号Ｖをとつた場合のｍとＶ
の関係を示した図であり、イ′〜ロ′の線は、正常
な均圧制御時における特性で、イ′の点が最小燃
焼時ロ′の点が最大燃焼時の特性値である。そし
て、イ′及びロ′は、第６図におけるイ及びロにそ
れぞれ対応している。

また、第５図におけるi₁，i₂，i₃は、均圧制御
ではなく燃焼量をそれぞれ一定にして燃焼用空気
を変化させた時に示す特性値である。

いま、わかり易くするために第６図における最
小燃焼量i₃におけるｍの変化をとりあげると、従
来例と同様にイは正常な場合であるが、ハ，ニ，
ホと差圧センサ１１の受圧部の破れ程度が大きく
なるほどｍが上昇することを示している。そして
このイ，ハ，ニ，ホは、第５図のイ′，ハ′，ニ′，
ホ′にそれぞれ対応している。

また、第７図は、インプツト・フレームロツド
出力許容域記憶回路の特性を示したもので、横軸
は燃焼量ｉ、縦軸はフレームロツドの出力Ｖを表
わし、ｘ及びｙの線がその特性を示す。

なお、燃焼量ｉは、この場合には比例弁駆動回
路１５からガス比例制御弁６に与える駆動電流値
にほゞ比例しているので、燃焼量に対応した駆動
電流値でもある。ｚの線は正常燃焼の場合のフレ
ームロツド１８の出力を参考までに挿入したもの
である。

また、ｘ及びｙの線で示した特性はあらかじめ
バーナ８の燃焼特性を考慮したうえで、定めて記
憶させておき、燃焼量の大きさに対応して、例え
ば、最小燃焼量i₃の場合には、u₁及びu₂の電気信
号を比較判別回路２１に出力する。

そして、第７図におけるu₁及びu₂は第５図にお
けるu₁′及びu₂′に対応している。

上記構成において、正常燃焼、すなわち、差圧
センサ１１の受圧部が破れた場合におこる空気過
剰率増大現象等が起らない場合には、第６図で、
イ〜ロの線、第５図ではイ′〜ロ′の線に沿つて燃
焼量に対応してそれぞれ変化する。

燃焼量がi₃の時、受圧部が破れたと仮定したと
き少し位の破れであれば、未ハの点であり、安定
燃焼域に入つている。又、フレームロツド１８か
らの電気信号ｕと、インプツト・フレームロツド
出力許容域記憶回路からのi₃に対応した１対の電
気信号u₁とu₂が、比較判定回路２１で比較判定さ
れる。この場合には第７図に示したようにｕはｘ
とｙの線の間にあるので、電磁弁１６には閉止の
信号は出力されず、燃焼はそのまま継続される。
ところが、差圧センサ１１の受圧部の破れが更に
大きくなると、その大きさが増大するのに比例し
て、第６図のニ，ホと順次ｍが増大し、これにと
もない第５図から明らかのように、フレームロツ
ド１８の出力も増大し、ニ′，ホ′の示すように安
定燃焼域の許容限界値u₁′，u₂′から逸脱してしま
う。又、このように比較判別回路２１で判定さ
れ、直ちに、電磁弁１６を閉止するように作用す
る。

以上燃焼量がi₃の場合に固定して説明したが、
燃焼量がi₁，i₂（第５図参照）の場合にも同様であ
る。

発明の効果 以上のように本発明のガス燃焼安全装置によれ
ば、従来の差圧センサを配設した均圧制御方式の
ガス燃焼制御装置に、フレームロツドと、フレー
ムロツド出力許容記憶回路と、比較判定回路を付
加して構成したので、万が一、差圧センサの受圧
部の破れによる空気過剰率の許容値以上の変動、
さらに、ガス圧低下等による同じ変動があつた場
合にも、ガス燃焼機器としての安全性を十分な信
頼性をもつて確保できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のガス燃焼制御装置のブロツク
図、第２図及び第３図は従来の同装置が異常な場
合の特性説明図。第４図は本発明のガス燃焼安全
装置のブロツク図、第５図及び第６図は同装置の
制御特性説明図、第７図はインプツト・フレーム
ロツド出力許容域記憶回路における比例弁電流と
１対の出力との関係図である。 １……空気側通路、２……送風機、３……空気
側絞り、４……混合部、５……ガス側通路、６…
…ガス比例制御弁、７……ガス側絞り、８……バ
ーナ、９……温度検出器、１０……熱交換器、１
１……差圧センサ、１２……温度設定器、１３…
…回転数制御回路、１４……差圧センサ検出回
路、１５……比例弁駆動回路、１６……電磁弁、
１７……電磁弁駆動回路、１８……フレームロツ
ド、１９……フレームロツド検出回路、２０……
インプツト・フレームロツド許容域記憶回路、２
１……比較判別回路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 空気側通路には送風機と空気側絞りを、ガス
   側通路には電磁弁とガス比例制御弁とガス側絞り
   を配設し、それぞれを混合部に導びきバーナで燃
   焼させるとともに、このバーナの近傍には、熱交
   換器と温度検出器とフレームロツドと、前記空気
   側絞り上流側と前記ガス側絞り上流側との圧力差
   を検出する差圧センサとを設け、更に前記温度検
   出器の出力信号と温度設定器との偏差信号によ
   り、前記送風機を制御する回転数制御回路と、前
   記ガス比例制御弁を前記差圧センサの出力信号で
   駆動する為の差圧センサ検出回路と比例弁駆動回
   路と、前記フレームロツドの出力信号を処理する
   フレームロツド信号検出回路とを設け前記差圧セ
   ンサが異常時に、前記電磁弁を閉止、並びに前記
   送風機を停止させる為のインプツト・フレームロ
   ツド出力許容域記憶回路と比較判別回路と電磁弁
   駆動回路とで構成したガス燃焼安全装置。 ２ 混合部をベンチユリー管形状で構成した特許
   請求の範囲第１項記載のガス燃焼安全装置。