JPH0226109B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、互いに密封されて相対移動可能な２
つの部分の一方に少なくとも１つの密封体が設け
られて、両部分の他方に設けられる通路を越えて
移動可能である、円筒特に切換弁内の圧力媒体用
通路装置に関する。

〔従来の技術〕

弾性密封環を持ち圧力媒体の作用を受ける弁ス
プールが、円筒例えば切換弁に設けられる通路を
越えて通る際、密封環が密封環の取付け空間から
押し出されて通路へ押し込まれるという問題が生
ずる。

その結果密封環が急速に摩耗し、弁スプールと
円筒壁との間に漏れが生じ、場合によつては密封
環が破壊してしまう。これらの難点を回避するた
め、円筒の通路の範囲に多数の小さい孔を持つス
リーブを設けることは公知である（ラスペ社の５
ポート２位置切換弁、カタログ“ラスペ空気圧装
置”29頁、ラスペ社印刷物P14−−77−
30）。

このような手段は、密封環が通路に入り込むの
を防止しかつ密封環の損傷を十分に防止する。し
かしこの構成における欠点は、スリーブに後から
あけられる多数の小さい孔のバリ取りおよび面取
りが、スリーブの内面から行なわれねばならない
ので、かなりの作業費用を必要とし、削り取られ
たバリが円筒内に残留して、密封環の損傷を引き
起こすのを防止できないことである。

〔発明が解決しようとする課題〕

したがつて本発明の課題は、付加的な保護手段
なしに、密封環が通路に入り込むのを防止できる
ように、圧力媒体用の通路装置を構成することで
ある。

〔課題を解決するための手段〕

この課題を解決するため本発明によれば、通路
を持つ部分が円筒状中空体であり、この円筒状中
空体の周囲の少なくとも一部にわたつて延びる通
路が、円筒状中空体の２つの半体の互いに向き合
う端面に設けられる複数の突起と凹所とが間隙を
介して互いに端面歯のようにかみ合うことにより
形成されるジグザグ状スリツトである。

〔発明の効果〕

本発明によれば、円筒状中空体の両方の半体の
端面に通路用突起および凹所が形成されているの
で、これらの加工作業が簡単で、バリ取りや面取
り作業も容易に行なわれるという利点がある。取
られたバリの除去も容易から完全に行なわれる。
したがつて密封体の損傷はおこらない。さらにス
リツトとしての通路はジグザグ状に延びているの
で、周方向にまつすぐ延びる通路に比べて大きい
長さを持ち、したがつてスリツトの幅を大きくす
ることなく、充分な通路断面をとることができ
る。スリツトの幅が大きいことにより密封体がこ
のスリツトへ入り込むおそれも全くない。

〔実施例〕

本発明の実施例を図面により以下に詳細に説明
する。

図は切換弁の断面を示し、この切換弁の円筒状
ハウジングは２つの部分から構成され、これらハ
ウジング部分の互いに向き合う端面に複数の突起
および凹所が形成され、これらの突起と凹所が間
隙を介して互いに端面歯のようにかみ合つて、周
方向に延びるジグザグ状スリツトとしての通路を
形成している。この通路は、ハウジング壁内にあ
る環状通路に連通している。

２つのハウジング部分１および２２から成る弁
ハウジングの壁に、圧力媒体通路３，４，５，６
として用いられる４つの貫通孔が設けられてい
る。圧力媒体通路７として用いられる別の孔が、
弁ハウジング１，２の周方向に延びている環状通
路８へ開口しており、この環状通路は、ハウジン
グ部分１の端面に加工された段部９とハウジング
部分２の端面に加工された段部１０とから形成さ
れている。両ハウジング部分１および２の端面に
加工された別の２つの段部が、密封素子１１を収
納するための溝を形成し、この密封素子は両ハウ
ジング部分１および２の間の継ぎ目を気密に閉鎖
している。

ハウジング部分１および２はハウジング孔１２
を包囲し、このハウジング孔は、両側で圧力媒体
の作用を受けることができる弁スプール１３を収
納するために用いられる。

弁スプール１３は３つの溝を持つており、これ
らの溝に密封体１４，１５および１６が支持され
ている。密封体１４，１５，１６によりハウジン
グ孔１２が４つの室１７，１８，１９および２０
に分割されており、この場合室１８および１９が
環状室として構成され、これらの室はあふれ通路
の機能を持つている。室１７および２０は制御室
として用いられ、圧力媒体通路５および６を介し
て図示してない制御弁とつながつている。室１８
から圧力媒体通路３が大気へ通じている。図示し
てない圧力媒体源とつながつている圧力媒体通路
４が室１９へ通じている。圧力媒体通路７と図示
してない負荷がつながつている。

上述したように、圧力媒体通路７が通路８とつ
ながつており、この通路８は、両ハウジング部分
１および２の互いに向かい合つている端面の段部
９および１０から形成されている。

両ハウジング部分１および２の互いに向き合う
端面の範囲は、一方ではハウジング孔１２を区画
し、他方では通路８を区画している。前述したよ
うにハウジング部分１および２の端面に形成され
る突起と凹所が間隙を介して互いに端面歯のよう
にかみ合つて、周方向に延びるジグザグ状スリツ
トとしての通路２１を形成している。スリツトの
幅したがつてこれらの端面歯の間の間隙の大きさ
は、両ハウジング部分１および２の端面の間にあ
る種々の大きさの間隔片により調節できる。ジグ
ザグの各屈曲頂点は、図示したように鋭角をなす
か、または丸められていてもよい。

分割された弁ハウジングの代りに、分割形のス
リーブが用いられる一体形の弁ハウジングを使用
することができることは当然のことである。

上述した弁の動作を以下に簡単に説明する。

図面において、圧力媒体通路６とつながつてい
る室２０が圧力媒体の作用を受け、弁スプール１
３が左側の終端位置にある。圧力媒体通路４およ
び７が、あふれ通路として用いられる室１９を介
してつながつている。図示してない圧力媒体源か
ら圧力媒体が圧力媒体通路４を通つて室１９へ流
入する。そこから圧力媒体は通路２１を通つて通
路８へ入り、さらに圧力媒体通路７を介して図示
してない負荷に達する。

さて、負荷から排気する場合は、圧力媒体供給
が圧力媒体通路６から圧力媒体通路５に切り換え
られる。制御室として用いられる室１７は今や圧
力媒体の作用を受け、弁スプール１３は右方へ移
動せしめられる。この移動過程において密封体１
５がハウジング１，２の通路２１を通り越す。弁
スプール１３が右側の終端位置に達すると、大気
へ通ずる圧力媒体通路３は、あふれ通路として用
いられる室１８と通路２１と通路８とを介して、
負荷へ通ずる圧力媒体通路７とつながる。

なお通路２１が、２つの部分から構成されて円
筒状ハウジング内に設けられる付加的なスリーブ
に設けられ、また２つの部分から構成される中空
弁スプールの周壁に設けられるようにすることも
できる。

【図面の簡単な説明】

図面は切換弁の断面図である。 １，２……円筒状中空体の半体（ハウジング部
分）、１３……部分（弁スプール）、１５……密封
体、２１……通路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 互いに密封されて相対移動可能な２つの部分
   １，２；１３の一方１３に少なくとも１つの密封
   体１５が設けられて、両部分１，２；１３の他方
   １，２に設けられる通路２１を越えて移動可能で
   あるものにおいて、通路２１を持つ部分１，２が
   円筒状中空体であり、この円筒状中空体の周囲の
   少なくとも一部にわたつて延びる通路２１が、円
   筒状中空体の２つの半体１，２の互いに向き合う
   端面に設けられる複数の突起と凹所とが間隙を介
   して互いに端面歯のようにかみ合うことにより形
   成されるジグザグ状スリツトであることを特徴と
   する、円筒内の圧力媒体用通路装置。 ２ ジグザグの各屈曲頂点が鋭角をなしているこ
   とを特徴とする、特許請求の範囲第１項に記載の
   通路装置。 ３ ジグザグの各屈曲頂点が丸められていること
   を特徴とする、特許請求の範囲第１項に記載の通
   路装置。 ４ 通路が、２つの部分から構成されて円筒状ハ
   ウジング内に設けられる付加的なスリーブに設け
   られていることを特徴とする、特許請求の範囲第
   １項ないし第３項のうち１つに記載の通路装置。 ５ 通路が、２つの部分から構成される中空弁ス
   プールの周壁に設けられていることを特徴とす
   る、特許請求の範囲第１項に記載の通路装置。