JPH0225771Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はコンベアベルトを片持状態で支持され
たローラで受けるようにしたものにおいて、ロー
ラをプラスチツクで製作したベルトコンベア用ロ
ーラに関する。

〔従来技術〕

従来のベルトコンベアに使用されるローラは金
属筒の両端内周に金属製ベアリングのアウタレー
スを嵌合し、そのベアリングのインナーレースの
内周部にコンベア機枠に固着されるガイドシヤフ
トを挿通させた構成であるが、コンベアで運搬す
るものが例えば川底から掘り出した土砂のように
多くの水分を含むものであつたり、或いは土砂以
外の物品でも水分、塩分或いは酸分等を含むもの
では、ベアリングが早期に錆びて回転がスムーズ
でなくなり、ベアリングが摩滅したり、或いは固
着したりする問題があり、このような環境で使用
される場合には、ローラをガイドシヤフトととも
に頻繁に取換える必要があつて取扱いが面倒であ
り、また、ローラ、ベアリング等がいずれも金属
製のために全体の重量も大きくなる欠点がある。
更に、ベアリングのローラが錆付いたまま回転さ
れると火花が生じ、粉塵をともなう場合に、爆発
等の原因となり危険であつた。

〔考案の目的〕

本考案は上記事情に鑑みてなされたものであ
り、その目的は、機枠に片持支持された軸にコン
ベアベルトを案内するローラを設けるものにおい
て、ローラをプラスチツクで形成することによ
り、運搬するものが水分、塩分或いは酸分を含む
ものでも錆発生の虞れがなく、長期に渡つてスム
ーズに回転し且つ摩耗が少なくて長寿命にでき、
しかも全体の重量の軽量化が可能で粉塵をともな
う環境で使用される場合も安全なベルトコンベア
用ローラを提供するにある。

〔考案の要約〕

本考案は機枠に片持状態に支持された軸に、コ
ンベアベルトを案内するためのプラスチツク製ロ
ーラを軸孔を介して回転自在に支持させ、このロ
ーラの軸孔を貫通した前記軸の先端部にローラに
おける軸孔の先端周縁部に当接する鍔部を一体的
に設け、ローラの先端側の端面に内面が前記鍔部
に当接するスラスト受体を装着したことを特徴と
するものである。

〔実施例〕

以下本考案の一実施例を図面を参照しながら説
明する。１はコンベアの機枠で、これの上面中央
部に山形の凸部２を有する支持部材３が基板部３
ａを機枠１の上面にボルト締めすることにより複
数個（１個のみ図示）列設されている。４，４は
凸部２に例えば溶接等で固着された筒部材で、こ
れに金属軸５ａをインサート成形により中心部に
埋設したプラスチツク製の軸５が嵌合され、固定
ボルト６，６によつて固定されている。そして、
軸５の各先端には鍔部５ｂが形成されている。７
はプラスチツク製のローラで、これは中央部に軸
方向へ延び且つ両端が開放された軸孔８を有する
とともに、その軸孔８の周囲に夫々ローラ７の一
端に向けて開放する複数個の材料節約用の肉盗み
孔９を穿設した構成であり、軸５に該軸５の基端
部側（第２図中右側）から軸孔８を回転自在に嵌
合させており、軸孔８の先端周縁部が鍔部５ｂの
一面たる第２図中右側面に当接している。１０は
ローラ７の一端の開放端面を閉塞する如く例えば
超音波圧着により固着されたプラスチツク製のス
ラスト受体で、これの内面中央の凸部１０ａが軸
５の先端における鍔部５ｂの他面たる第２図中左
側面に当接している。尚、肉盗み孔９はローラ７
の他端側において端板部７ａにて閉塞されてい
る。そして、軸５の外周部には、端板部７ａの内
周近傍に接触する例えばゴム製の環状のシール１
１が挿入されている。また、１２はローラ７によ
つて中央が窪んだ状態に案内されつつ移動される
コンベアベルトである。

而して、コンベアベルト１２が図示しないモー
タによつて移動されると、コンベアベルト１２の
移動につれてローラ７が軸５を中心として回転
し、コンベアベルト１２からローラ７に与えられ
るスラスト荷重は鍔部５ｂが形成された軸５の軸
端にスラスト受体１０の凸部１０ａが当接するこ
とにより受け又、ローラ７における軸孔８の先端
周縁部が鍔部５ｂに当接することにより該ローラ
７の抜け止めがなされている。

上記構成によれば、ローラ７及びスラスト受体
１０がいずれもプラスチツク製で、軸５と軸孔８
及びスラスト受体１０の凸部１０ａとの摩擦係数
が小さいから、金属製のベアリングが不要とな
り、運搬するものが水分、塩分或いは酸分を含む
ものであつても錆による影響が全くなくなり、長
期に渡つてローラ７がスムーズに回転し且つ摩耗
が少なくて長寿命にでき、しかも全体の重量の軽
量化も達成できる。また、回転が万一重くなつた
場合でも火花が生ずる虞れは全くない。

また、軸５の先端側がスラスト受体１０によつ
て閉塞されているから、軸５と軸孔８との間に水
とか塵埃が侵入する虞れもほとんどなく、これに
より両者間に摩耗が生ずる虞れが非常に少なくな
り長寿命となる。

尚、上記構成では軸５を金属軸５ａをインサー
ト成形したプラスチツク製としているが、軸５の
全体をプラスチツク製にすれば更に軽量化が可能
であり、また、軸５の全体を金属製とし、その金
属製の軸５の先端に鍔部５ｂを一体に設けても良
い。

〔考案の効果〕

本考案は以上の説明から明らかなように、機枠
に片持支持された軸にコンベアベルトを案内する
ローラを設けるものにおいて、ローラをプラスチ
ツクで形成することにより、運搬するものが水
分、塩分或いは酸分を含むものでも錆発生の虞れ
がなく、長期に渡つてスムーズに回転し且つ摩耗
が少なくて長寿命にでき、しかも全体の重量の軽
量化が可能で粉塵をともなう環境で使用される場
合も安全になし得、又、軸の先端にローラにおけ
る軸孔の先端周縁部に一面が当接する鍔部を設け
ると共に、ローラの開放端面に内面が前記鍔部の
他面に当接するスラスト受体を装着した構成とす
ることにより、ローラにかかるスラスト荷重を受
け得ることは勿論のこと、ローラの抜け止めも十
分に図り得るベルトコンベア用ローラを提供でき
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであり、第
１図は一部を破断して示す側面図、第２図は要部
の拡大断面図、第３図は第２図を方向から見た
側面図である。 図面中、１は機枠、５は軸、５ｂは鍔部、７は
ローラ、８は軸孔、１０はスラスト受体、１２は
コンベアベルトである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中央部に軸方向へ延び且つ両端が開放された軸
   孔を有するように形成されたコンベアベルト案内
   用のプラスチツク製のローラと、機枠に片持支持
   されると共に前記軸孔にこれを貫通するように挿
   通されて前記ローラを回転自在に支持する軸と、
   この軸の先端部に一体的に設けられて前記ローラ
   における軸孔の先端周縁部に当接する鍔部と、前
   記ローラの先端側の端面に装着され内面が前記鍔
   部に当接するスラスト受体とを具備してなるベル
   トコンベア用ローラ。