JPH0223325B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は、例えば二液混合速硬化形樹脂におけ
る樹脂主剤と硬化剤の混合吐出等に供される二液
混合装置に関する。

〔発明の技術的背景〕

例えば二液性速硬化形のエポキシ樹脂、シリコ
ーン樹脂、ウレタン樹脂などは、樹脂主剤と硬化
剤をそれぞれ計量して１つの撹拌室に注入し、こ
の撹拌室で撹拌混合したのち排液口より供出され
るようになつている。このような混合に使用され
る混合装置は、従来、実公昭56−46825号公報に
開示されているように、シリンダに撹拌ロータを
収容し、この撹拌ロータの一端に突設した駆動軸
を上記シリンダの一端から導出してこの駆動軸を
介して上記撹拌ロータをシリンダ内で回転させる
ようになつており、シリンダと撹拌ロータの間に
形成した撹拌室にそれぞれ注入管を通じて主剤お
よび硬化剤を導入し、撹拌ロータの回転によりこ
れら二液を撹拌混合し、該混合液を撹拌室に対し
て軸方向に連なる排液口から吐出するように構成
されている。

〔背景技術の問題点〕

しかしながら、従来においては撹拌室が駆動軸
を導く軸受蓋の内面に連接しているため、撹拌室
で混合された混合液が軸受蓋の内面に付着し、撹
拌ロータと軸受蓋の隙間や駆動軸と軸受蓋の隙間
に滞留していつまでも排出されず、ポツトライフ
を超過して硬化するため、撹拌ロータおよび駆動
軸の回転抵抗を生じたり摩擦抵抗の増大を招き、
ついには回転不能になる不具合があつた。

〔発明の目的〕

本発明は上述の事情にもとづきなされたもの
で、その目的とするところは、撹拌室で混合され
た液が駆動軸や撹拌ロータの駆動軸側端面に回り
込んでこれらに付着するのを防止し、撹拌ロータ
や駆動軸の摩擦抵抗が増大することをなくし、こ
れらの回転を円滑かつ長寿命に維持する二液混合
装置を提供しようとするものである。

〔発明の概要〕

上記目的を達成するため本発明は、シリンダ
と、このシリンダに収容され該シリンダの一端か
ら導出された駆動軸を介して回転される撹拌ロー
タと、上記シリンダもしくは撹拌ロータに形成さ
れシリンダ内を軸方向に区画して上記駆動軸側に
導液室、他方に撹拌室を構成する隔壁と、この隔
壁に形成され上記導液室と撹拌室を結ぶ通路と、
これら導液室および撹拌室にそれぞれ連通して
各々異なる種類の混合すべき液を導入する注入管
と、上記撹拌室に連なりこの撹拌室で撹拌された
混合液を排出する排液口とを具備し、撹拌室内で
混合された混合液を導液室の１液により隔離し、
混合液が駆動軸や撹拌ロータの駆動軸側端面に回
り込まないようにしたことを特徴とする。

〔発明の実施例〕

以下本発明を図面に示す一実施例にもとづき説
明する。

図において１は円筒形をなすシリンダであり、
このシリンダ１の軸方向一端にはテフロンなどの
パツキン２を介して軸受蓋３が螺着されていると
ともに、他端には他のパツキン４を介して排出蓋
５が連結されている。排出蓋５には排液口６が開
口されており、この排液口６には吐出通路、本実
施例ではノズル７が接続されている。

シリンダ１内には軸受蓋３と排出蓋５の間に撹
拌ロータ８が収容されている。撹拌ロータ８は第
２図に示すように、一端に駆動軸９を一体に突設
しており、この駆動軸９は上記軸受蓋３を貫通し
てシリンダ１の一端側に導出されている。この駆
動軸９は図示しないモータにより回転され、よつ
て撹拌ロータ８もシリンダ１内で一体に回転され
る。軸受蓋３にはＯリング１０，１１がスペーサ
１２およびナツト１３により取付けられている。
Ｏリング１０，１１は軸方向に互いに離間し、間
にスペーサ１２を挟んで上記ナツト１３により締
付けられている。駆動軸９はこれらＯリング１
０，１１によつてシールされている。

撹拌ロータ８には一端に、軸受蓋３の端面と摺
接する端部壁１４が形成されているとともに、こ
の端部壁１４に対して軸方向に離間して隔壁１５
が形成されている。端部壁１４と隔壁１５および
シリンダ１の内面壁で囲まれた空間には導液室１
６が構成されており、また隔壁１５と排出蓋５お
よびシリンダ１の内面壁で囲まれた空間には撹拌
室１７が構成されている。これら導液室１６と撹
拌室１７は上記隔壁１５に形成した通路、たとえ
ば切欠溝１８…により相互に導通している。

シリンダ１には一対の注入管１９，２０が連結
されている。これら注入管１９，２０は互いにシ
リンダ１の軸方向に変位して配置され、一方の注
入管１９は導液室１６に連通するとともに、他方
の注入管２０は撹拌室１７に開口している。

なお、撹拌室１７内に位置する撹拌ロータ８は
二面幅２１，２２を有し、これら二面幅２１，２
２と直交する周面には螺旋溝２３が形成されてい
る。

このような構成の実施例における二液混合装置
の作用を説明する。

駆動軸９を介して撹拌ロータ８を回転させてい
る間に、一方の注入管１９から計量された樹脂主
剤を供給するとともに、他方の注入管２０より計
量された硬化剤を注入する。一方の注入管１９か
ら注入された樹脂主剤は導液室１６に入り、この
導液室１６を満たして切欠溝１８…より撹拌室１
７に流入する。他方の注入管２０より供給される
硬化剤は直接に撹拌室１７に入る。撹拌室１７に
おいては撹拌ロータ８の回転によりこれら樹脂主
剤と硬化剤を撹拌混合する。この場合、撹拌ロー
タ８は二面幅２１，２２および、これら二面幅２
１，２２と直交する周面に螺旋溝２３を形成して
あるので、二面幅２１，２２により撹拌室１７内
に渦流を発生させ、また螺旋溝２３により一方に
向けてねじりをもつ束流を生じさせるので二液の
混合が促進される。このようにして撹拌室１７で
混合された液は注入管１９，２０から圧送されて
くる主剤および硬化剤の圧力により軸方向の流れ
が発生されるので混合した液は排液口６に向かつ
て押出され、したがつてノズル７より吐出され
る。

このような実施例の場合、撹拌室１７と軸受蓋
３の間は隔壁１５、導液室１６および端部壁１４
により隔離されているので、撹拌室１７内の混合
液が軸受蓋３に達することはなくなる。さらに説
明すると、隔壁１５および端部壁１４はシリンダ
１の内壁面に摺接するのでこれらの摺接面で混合
液の漏洩を阻止するばかりでなく、導液室１６内
に充満された樹脂主剤により混合液が軸受蓋３側
に流れるのを防止する。導液室１６内には１液の
みしか注入されず、よつてこの導液室１６内で液
が硬化する恐れはない。

したがつてこのものによれば、駆動軸９と軸受
蓋３の間に混合液が侵入しないので混合液の硬化
に起因する駆動軸９や撹拌ロータ８と軸受蓋３の
間の摩擦抵抗が増大することがなくなり、かつ駆
動軸９や撹拌ロータ８が回転不能に陥るなどの不
具合が防止され、長期に亙つて円滑な回転が可能
になる。

なお、本発明は上記実施例に制約されるもので
はなく、例えば、導液室１６に充填される１液に
より撹拌室１７の混合液が駆動軸９側に回り込む
のを阻止するので端部壁１４は省略して、軸受蓋
３と隔壁１５により導液室１６を構成してもよ
い。また、隔壁１５に形成する通路は切欠溝１８
に代つて透孔であつてもよい。さらには、隔壁１
５は撹拌ロータ８に形成することに限らず、シリ
ンダ１に形成してもよい。また、一方の注入管１
９から硬化剤、他方の注入管２０から主剤を供給
するようにしてもよい。

〔発明の効果〕

以上述べた通り本発明によると、隔壁により区
画された導液室の１液が撹拌室の混合液をシール
するので、混合液が駆動軸側に侵入することが阻
止され、よつて混合液が駆動軸や撹拌ロータの回
りで硬化することがなくなり、駆動軸の摩擦抵抗
を増大させたり回転を不能にするなどの欠点が解
消されて、長期に亙つて円滑な回転を維持する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示し、第１図は全体
の断面図、第２図は撹拌ロータの側面図である。 １……シリンダ、３……軸受蓋、５……排出
蓋、６……排液口、８……撹拌ロータ、９……駆
動軸、１０，１１……Ｏリング、１４……端部
壁、１５……隔壁、１６……導液室、１７……撹
拌室、１８……切欠溝、１９，２０……注入管。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ シリンダと、このシリンダに収容され該シリ
   ンダの一端から導出された駆動軸を介して回転さ
   れる撹拌ロータと、上記シリンダもしくは撹拌ロ
   ータに形成されシリンダ内を軸方向に区画して上
   記駆動軸側に導液室、他方に撹拌室を構成する隔
   壁と、この隔壁に形成され上記導液室と撹拌室を
   結ぶ通路と、これら導液室および撹拌室にそれぞ
   れ連通して各々異なる種類の混合すべき液を導入
   する注入管と、上記撹拌室に連なりこの撹拌室で
   撹拌された混合液を排出する排液口とを具備した
   ことを特徴とする二液混合装置。