JPH02228Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は水中ゲーム玩具、詳しくは受け体を備
えるケース状本体内に水を満たすとともに、この
水中に遊泳片を配し、ボタン操作で動く煽り片に
より水流を起して透視窓を通して上記水中の遊泳
片を受け体上に受け止めさせる水中ゲーム玩具に
関する。

従来、この種の水中ゲーム玩具として、蛇腹の
伸縮により水流を発生させる方式のものが提案さ
れている（例えば実開昭54−66986号及び実開昭
54−66987号）。この方式によれば、玩具本体が比
較的大型の場合は良いが、しかしこれを例えばポ
ケツトに入るような大きさにそのまま小型化して
も、水流が安定せず、また充分な水密を得ること
ができない。したがつて、遊泳片の操作に支障を
きたし、また水漏れ事故が生じやすい。

本考案は上記欠点を解決し、小型化しても安定
した水流及び良好な水密を得ることができ、しか
もゲーム性に富んだ水中ゲーム玩具を提供するこ
とを目的とする。

以下、図面によつて本考案を説明する。

図において、符号１は水中ゲーム玩具本体で、
このゲーム玩具本体１は合成樹脂等からケース状
に形成され、内部に水が封入されている。また本
体１の略中央部には、その一側に透視窓２が形成
され、上記本体１の両側には上記透視窓２側に臨
んで上下に水流出入口２１，２２を開設し、外部
から操作ボタン５，５によつて水流操作が可能な
水流操作室６，６が形成され、さらにこれら操作
室６，６間には複数個の水中遊泳片７が配置され
ている。

これをさらに詳しく述べれば、次の通りであ
る。

水中ゲーム玩具本体１は中央部が上方に突出し
たケース状に形成され、中央部の一側には透視窓
２が、両側上部には比較的長いロツド嵌挿孔１０
が形成され、さらに底部には開閉自在な水入れ口
１１が開設されている。上記透視窓２は、通常の
場合、本体１を透明な合成樹脂から構成するとと
もに、窓２を設け、且つ適宜模様を印刷して成る
シート材を本体１の表面に貼付することによつて
構成すればよい。水は上記水入れ口１１から導入
され、閉栓される。この水入れ口１１は所要に応
じて開栓して内部の水を抜き取り、取替えること
ができる。

上記本体１の透視窓２の反対側の内側には背面
ボード１２が固着されている。この背面ボード１
２は両側及び底部に隔壁１３，１４を備えるとと
もに、中央部に出前持ち人形状受け体８を設けた
もので、受け体８はその裏側に突出したピンを背
面ボード１２に設けられた孔に差込んで回動可能
に取付けられ、両腕に皿８ａを持ち、腕、脚の付
け根、関節等も互いにピン枢着により回動可能に
形成されている。上記両側隔壁１３，１３の上端
１３ａ，１３ａは背面ボード１２の端部に対して
間隔をおいて設けられ、下部１３ｂ，１３ｂは内
側に弯曲し、さらに下端は斜め上方に向いてい
る。これに対して底部隔壁１４の両側部は上記隔
壁１３，１３の下端の傾きに沿つて中央部に向つ
て高く、テーパ状に形成されている。なお、受け
体８は背面ボード１２に固着するものであつても
よい。上記背面ボード１２を固着することによ
り、上記本体１は隔壁１３，１４を介して透視窓
２越しに受け体８を透視できる中央のゲーム室９
とその両側の水流操作室６，６とに分割される。
ゲーム室９及び水流操作室６，６内部の水は両側
隔壁１３，１３の上部２１及び下部２２において
連通し、この水流操作室６，６において、ゲーム
室９内に水流を発生させる。すなわち、上記左右
両側の操作室６，６の嵌挿孔１０には操作ロツド
１５が上下動自在に挿嵌されている。この操作ロ
ツド１５の本体外側上部には操作ボタン５が設け
られ、操作ボタン５と本体１との間にはバネ１６
が介設され、このバネ１６の作用により上記操作
ボタン５の押圧、解放に連動して操作ロツド１５
が上下動する。嵌挿孔１０の内径と操作ロツド１
５の外径とは略等しく形成され、操作ロツド１５
の嵌込み部の周面には、らせん状溝又は等間隔の
環状溝１７が周設され、上記溝１７の内部にはシ
リコン、グリース等のシール材を充填しておく。
これにより、水は完全に本体１内に密封入され、
外部に漏れ出すことはない。このシール性能は、
本体１の大小とは無関係なので、本体１を小型化
しても上記性能はなんら変わらない。上記ロツド
１５の下部にはボス１８が突出し、該ボス１８は
煽り片１９に係合する。煽り片１９，１９の基部
は操作室６，６の下部入隅部に枢支連継され、該
枢支部を中心に弯曲状隔壁部１３ｂ，１３ｂの裏
側で回動可能に構成され、その基部側に長手方向
に沿つて設けられた長孔２０，２０に上記操作ロ
ツド１５のボス１８が係合している。したがつ
て、操作ロツド１５の上下動により煽り片１９は
枢支部を中心として上下方に回動し、下方向に回
動したときは、操作室６，６の煽り片１９，１９
の下部スペースが縮少し、煽り片１９，１９の上
部スペースが拡大する。このため、操作室６，６
内部圧が変化し、下部スペース内の水は下部出入
り口２２からゲーム室９内に押し出され、逆に上
部スペース内の水は上部出入り口２１から操作室
６，６内に入り込み、このときゲーム室９内に上
向きの水流が起る。これに対し、操作ロツド１５
を上動させれば煽り片１９も上方に回動し、上記
と逆に下向きの水流が発生する。したがつて、水
は、上下部の出入り口２１，２２を介してゲーム
室９と操作室６，６との間を可逆的に還流する。
しかし、この際、本体内部の容積はなんら変化し
ないから、本体１の内部圧が増大することはな
い。上記水流は、操作ボタン５の押し加減によつ
て強弱調整を行うことができる。

次に、上記ゲーム室９内には遊泳片７が配置さ
れている。この遊泳片７はゲーム室９内において
受け体８の周囲を自由に遊泳移動することがで
き、水よりもやや比重の重い合成樹脂、金属等の
材料からどんぶり形状に形成され、ゲーム室９内
に水流が発生すると、この水流に沿つて移動す
る。

なお、上記受け体８は本体１に直接装着しても
よく、また隔壁１３，１４も本体１に直接形成し
てもよい。

また、上記図示例の背面ボード（第３図）のよ
うに本体と別体として、隔壁等の複雑な形状を一
対に成形するとともに予め多数の取付け孔２３，
２３，…を穿設しておけば、構造の簡単な本体内
に装着することにより、容易に所定の構成が得ら
れるほか、多種類の揺動体を適当な取付け孔２３
にピン止めできるので、製作が簡略化できる。水
中ゲーム玩具は上記のように構成されているの
で、透視窓２越しに受け体８の姿勢及び遊泳片７
の位置を確認しながら、左右の押しボタン５，５
を押圧、解放して操作ロツド１５を上下動させ且
つ煽り片１９を回動させることにより、ゲーム室
９内に上下いずれかの向きの水流を起して上記遊
泳片７を受け体８の所定の受け部、つまり皿８ａ
の上に導いて受け止めさせて遊ぶことができる。
上記水流には操作ボタン５の押し加減により、強
弱を付与することができるから、遊泳片７の微妙
な操作も可能である。受け体８上に受け止められ
なかつた場合、遊泳片７は隔壁１３，１４の内側
に沿つて下部水流出入り口２２，２２付近に案内
される。下部出入り口２２は斜め上方に開口して
いるから、ここから水流を噴出させることによつ
て遊泳片７は再び上昇することができる。しかも
本体１内の水は上部出入り口２１と下部出入り口
２２を通つてゲーム室９と操作室６，６との間を
還流するので、内部水圧は増減しない。このた
め、特別なシールを必要としないので、本体１の
小型化も可能となり、したがつて安定な水流を得
ることができる。因みに上記図示例の玩具は、ハ
ンデイで扱いやすい約75×110×10（mm）のサイズ
を充分に達成することができた。

なお、背面ボード１２に複数個の孔２３，２
３，２３………を形成しておけば、上記図示例の
ような皿８ａに受け止めさせるゲームだけでな
く、種々のゲームを受け体８を該受け体８から突
出させたピンを差込んで取替えることができ、こ
のような受け体８と遊泳片７とは、上記図示例の
ような皿をもつた出前持ちとどんぶりの例に限定
されず、種々の例を考えることができる。例えば
第４図ａは基部において背面ボードに揺動可能に
取付けられたひまわりを受け体８とし、ひまわり
８の受け部８ａに受け止められる遊泳片７をハチ
とした例であり、同図ｂは、背面ボードに猿２４
を描くとともに、猿２４の対向位置にカニ８を中
心裏側に設けたピンｐを差込んで揺動可能に取付
け、カキ７を遊泳させながら、上記カニ８のハサ
ミ８ａ上に受け止めさせる例であり、また、同図
ｃは背面ボードにピエロ２５を描くとともに、そ
の腕８を肩部裏側に設けたピンｐにより揺動自在
に取付け、手に握つた短剣８ａを受け部とする一
方、リンゴ７を遊泳片とし、リンゴを串差しにさ
せる例で、この例において、リンゴ７の裏側は短
剣の差込み溝７ａが形成されている。次に同図ｄ
は背面ボードにワニ２６のボデイを表示するとと
もに、受け部となるワニ２６の下口８ａを固定す
るとともに、上口８を口元に設けたピンｐにより
開口可能に取付けて受け体とする一方、肉片及び
人形片を遊泳片７とし、２種の遊泳片を選択的に
口８内に受けさせるもので、以上のように受け体
８の一部は背面ボードに表示されていてもよい。
同図ｅは受け体として背面ボードに骸骨８を胸部
裏側に設けたピンｐにより揺動可能に取付ける一
方、鳥、牛、人の頭骨を遊泳片７とし、上記ｄと
同様に遊泳片７を選択的に受け体８上に受け止め
させる例であり、さらに同図ｆは上方に開口し内
部に空間を設けた受け部となるゴミバコ８ａを背
面ボードに固着して蓋８を蓋部に設けたピンｐに
より揺動可能に取付けて受け体を構成する一方、
多数のばい菌状遊泳片７を開蓋時にゴミバコ８ａ
内にいれる例である。ゲーム開始前には玩具本体
を逆さまにして遊泳片７をゴミバコから出してお
く。このように、受け体８の受け部８ａを固定
し、受け部以外の部分を揺動可能として構成して
もよい。もちろん、受け体８と遊泳片７はこれら
の例に限定されず、他にもいろいろな形態を適用
することができる。

なお、背面ボードに複数個の取付け孔を形成し
ておけば、一種類のボード上にいろいろなタイプ
の受け体を簡単に取付けることができるので、便
利である。

以上詳しく説明したように、本考案によれば操
作ボタン及び操作ロツドの上下動操作で煽り片を
上下回動させることにより正逆２方向の水流を発
生させ、しかも水は本体内部を還流するので、安
定した水流を得ることができ、また内部圧が増大
することはないので内部圧の増加による水漏れが
防止されるほか、シールも簡単である。

また、上記水流にはボタンの押し加減により強
弱を付与することができるので遊泳片の微妙なコ
ントロールも可能となり、しかも左右の水流が干
渉し合つて遊泳片が意外な運動をするので、例え
ば一定の運動をするLCDゲームとは異なる面白
味をあじわうことが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る水中玩具の斜視図、第２
図は上記玩具の内部構造の説明図、第３図は背面
ボードの斜視図であり、第４図ａ〜ｆは受け体の
他の例の正面図である。 符号１……水中ゲーム、２……透視窓、５……
操作ボタン、６……水流操作室、７……水中遊泳
片、８……受け体、９……ゲーム室、１２……背
面ボード、１９……煽り片、２１，２２……水流
出入口。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 下記要件から成ることを特徴とする水中ゲーム
   玩具。 (イ) 略ケース状に形成した本体の一側の略中央部
   に透視窓を設けるとともに、該本体内に水を密
   封して成ること。 (ロ) 上記本体の左右両側内に、上記透視窓側に臨
   んで上下に水流入口と出口を開設した水流操作
   室を形成して成ること。 (ハ) 上記左右の操作室間に、水よりもやや比重の
   大きい複数個の遊泳片を配するとともに、上記
   透視窓に面する内側背面に、上記遊泳片を受け
   止め可能な形状をもつ受け体を取付けて成るこ
   と。 (ニ) 上記左右の操作室に、本体の外側上部に突出
   させた操作ボタンに上下動自在に連動させ且つ
   下方に煽り片を連継した水流操作ロツドを配設
   して成ること。