JPH02224864A - 中空エンジンバルブの製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は中空エンジンバルブの製造方法に関し、更に詳
しくは、ステム端から傘部までの軸心部が中空になって
いる中空エンジンバルブをロストワックス精密鋳造法に
よって製造する方法に関する。

（従来の技術） 従来、自動車エンジンのような内燃エンジンのエンジン
バルブは、各種耐熱鋼を鍛造して製造されている。

しかしながら、エンジンの高速化・高出力化の要求に伴
ない、エンジンバルブには耐熱性はもちろんのこと、軽
量であることが強く要求されている。このようなことか
ら、ステム端から傘部までの軸心部を中空にしてエンジ
ンバルブを軽量化するための努力がなされている。

このような軽量化の試みとしては、まず第１に、中実エ
ンジンバルブを鍛造で製造し、ついでその軸心部に細く
長い中空孔を穿設する方法が知られている。

また、第２の方法としては、パイプを素材とし、このパ
イプの内部に捨中子となるインサートを挿入するか、ま
たは芯材となるインサートを挿入接着したのち、全体に
アップセット鍛造および熱間ブレス加工を行なう方法が
知られている（特公昭５１−２９１０６号公報、特公昭
５１−２９５０６号公報参照）、更に第３の方法として
は、中空バルブの傘部と中空ステム部分と軸端部をそれ
ぞれ別体として製造し、これらを互いに溶接して一体の
中空エンジンバルブにする方法も知られている。

また、第２の方法の変形であるが、同じくバイブを素材
とし、この中に炭素、黒鉛等の特定材料の粉末を充填し
たのち全体に熱間押出し加工、熱間ブレス据込加工を順
次施し、前記充填粉末を除去したのち開口部を溶接密栓
するという方法が提案されている（特開昭６３−２０５
４１０号公報参照）。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら、上記した各方法のうち、第１の方法は正
確かつ精密な孔あけ加工が必要であるため、その製造コ
ストは上昇する。

第２の方法の場合には、捨中子になるインサートの切削
除去または腐食酸による溶出除去が必要となり、また芯
体になるインサートの場合はその溶接等が必要となり、
その加工は複雑でかつ困難であるという問題がある。

第３の方法の場合、各部品を別体として製造し、それを
組合ゼ、そして互いに溶接するという工程を必要とする
ので、やはり製造コストの上昇を招かざるを得ない。

そして、最後の方法の場合も、充填粉末の除去、上記し
た熱間加工を２段階で行なうこと、しかも溶接密栓をす
る、などの工程が含まれるため、製造は煩雑でそのコス
ト上昇を招くという問題が避は得ない。

このようなことから、所定鋼種の溶湯を用いた鋳造法で
中空エンジンバルブを製造することが試みられているが
、しかしエンジンバルブは傘部が薄肉でステムが細長く
、しかも中空にした場合はステムも薄肉となるため、製
造時における溶湯の湯廻りが悪くなり、製品の良品率が
著しく悪化するため、工業的に成巧したという例は開示
されていない。

本発明は、鋳造法における上記した不都合を解決し、高
い良品率で、軽量な中空エンジンバルブを製造する方法
の提供を目的とする。

（課題を解決するための手段） 上記した目的を達成するために、本発明においては、内
部がエンジンバルブの形状をし、かつその長手方向軸心
部には１本の中子が貫通して設けられている鋳型をロス
トワックス法で成形し、前記鋳型を減圧容器の中に配置
して、前記鋳型の湯口に通じる湯道の下端部を前記減圧
装置と気密に接続して配置されている金属溶解炉の溶湯
の中に浸漬し、前記減圧容器の中を前記金属溶解炉の中
よりも負圧にして前記金属溶解炉中の溶湯を前記湯道の
下端部から吸いあげて前記鋳型内に注入し、ついで、前
記鋳型内への注入溶湯を凝固させることを特徴とする中
空エンジンバルブの製造方法が提供される。

（作用） 本発明に用いる鋳型は、上記したようにその軸心を１本
の中子が貫通したエンジンバルブ形状の内部空間をもっ
て構成されている。またロストワックス法で成形された
ものであるためそのスタッコ層は通気性を有している。

そして、減圧装置内を金属溶解炉、すなわちそれに連な
る鋳型内部にたいして負圧状態にすることにより、溶湯
は湯道から湯口を通って鋳型内部に吸いあげられ、鋳型
内に充満するようになる。

したがって、鋳型内の溶湯を凝固せしめたのち中子等を
脱型すれば、外形はエンジンバルブ形状をし、ステム端
から傘部に至る軸心部は中空になっている鋳造物（中空
エンジンバルブ）を得ることができる。

（発明の実施例） 以下に、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する
。

本発明においては、まず、第１図に示すような鋳型１が
ロストワックス法で成形される。そのためには、第２図
に示したように、全体の外形は目的とするエンジンバル
ブ形状をし、軸心部には、ステム部２ａの端部２ｂから
傘部２ｃの中心部にまで貫通する孔２ｄを有し、また傘
部２ｃの周縁部の適宜な箇所に湯口になるべき突起２ｅ
を備えているろう模型２を成形する。そして、このろう
模型２は１本のろう製支柱に、常法に従って、所望個数
が組付けられてツリーが形成される。

ついで、このろう模型２のツリーをスラリー中にデイピ
ングしてこのスラリーをろう模型２の表面に付着せしめ
、スラリーが乾燥しないうちに、スラリー表面に所定の
スタッコ粒を付着せしめて全体を乾燥する。このディッ
ピング−スタフコイングー乾燥の湿作を所望回数反復し
て、所望厚みのスタッコ層を形成する。そして、全体を
加熱してろうを溶出除去する。かくして、第１図に示し
たように、ステム相当個所１ａの端部から傘部相当個所
１ｃの中心部にまで至る１本の中子１ｄを有し、また傘
部相当個所ＩＣの周縁部の適当な個所に湯口１ｅを有す
る鋳型１が成形される。そして、ろう模型２が組付けら
れていたツリーの支柱部分のろうも溶出除去されること
になる。

したがって、第３図の一部切欠断面図で示したように、
ツリーの支柱が溶出した後にはその空洞が湯道として形
成され、その湯道３ａの周囲に複数個の鋳型１が樹枝状
に植設されている複合鋳型３が形成される。

これらの各鋳型において、そのスタッコ層１ｆには、ス
タッコイング時に用いるスタッコ粒を選定することによ
り、任意の通気性が付与されている。

ついで、上記した鋳型３は、第４図に一部切欠断面図と
して示したような装置の減圧容器の中にセットされる。

すなわち、本発明に用いる装置は、誘導加熱コイル４ａ
がその周囲に巻回されている金属溶解炉４と、この金属
溶解炉４の上部に気密に接続して設置され、排気管５ａ
が設けられている減圧容器５とから構成されている。

減圧容器５の中に前記した鋳型３を配置し、金Ｓ溶解炉
５の上面を蔽う容器５の底部に形成されている孔５ｂか
ら前記鋳型３の湯道の下端部３ｂを挿入し、この下端部
３ｂを金属溶解炉４内で溶製されている溶湯に浸漬する
。

二の状態で、例えば排気管を真空装置と接続して、減圧
容器５内を所定債の負圧にする。

金属溶解炉４内の溶湯は重力によって、湯道下端部３ｂ
から吸いあげられ、湯道３ａを通り、そこに開口してい
るそれぞれの湯口１ｅから各鋳型１の中に流入する。鋳
型１は通気性を備えているので、流入した溶湯は型内の
隅々にまでいきわたる。

溶湯の型内への注入が完了した時点で真空装置の動作を
停止すれば、金属溶解炉４と減圧容器５内は等圧となり
、その結果、湯道３ａに充満していた溶湯は自重で金属
溶解炉４の中に流下する。

そして、各鋳型１内の溶湯を冷却して凝固せしめたのち
、鋳型３を減圧装置５から取り外し、各鋳型ｌを破壊す
ることにより、中子１ｄの部分は中空で全体がエンジン
バルブ形状をした鋳造物が得られる。

なお、この溶湯注入時に、金属溶解炉４の全体を、加圧
された不活性ガス（Ａｒ、Ｈｅ等）の雰囲気下におけば
、鋳型内において一層良好な湯廻りを実現することがで
きる。

本発明の方法で、ステム径６閣、ステム長９０閣、傘部
径４０−２全長１００閣のバルブであって、軸心部に径
が４閣の中空孔を有する自動車用のエンジンバルブを、
Ａ　Ｍ　Ｓ　５３９１のの耐熱鋼で鋳造した。用いた鋳
型１のスタッコ層は厚み８ｓｍであった。溶湯の温度は
融点＋８０℃であった。減圧容器５内は５０　Ｔｏｒｒ
に維持した。

得られた鋳造品１００個につき、その外形を目視観察し
たところ、いずれも隅々まで湯廻りしていることが確認
された。この中空エンジンバルブは従来の中実バルブに
比べ約３３％軽量になっているにもかかわらず、その機
械的強度は何ら遜色がなかった。

（発明の効果） 以上の説明で明らかなように、本発明方法によれば、軽
量な中空エンジンバルブを高良品率で製造することがで
きる。そして本発明方法は鋳造法であるため、従来の中
空エンジンバルブの製造時のようにその工程は煩雑では
なく、極めて高い生４゜ 産性の実現を可能にする。

また、中空エンジンバルブのステム部は薄肉であるので
軸心部を通る中子の作用により、全体の真直度も優れた
ものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に用いる個々の鋳型の断面図、第２図は
第１図の鋳型を成形するときのろう模型の断面図、第３
図は第１図の鋳型を複数個組付けて成る鋳型の一部切欠
斜視図、第４図は本発明方法を実施する際に用いる鍛造
装置例の一部切欠斜視図である。 １．３・・・鋳型、１ａ・・・ステム相当個所、１ｂ・
・・ステム相当個所の端部、ｌｃ・・・傘部相当個所、
１ｄ・・・中子、１ｅ・・・湯口、３ａ・・・湯道、３
ｂ・・・湯道の下端部、４・・・金属溶解炉、４ａ・・
・誘導加熱コイル、５・・・減圧容器、５ａ・・・排気
管、５ｂ・・・孔。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 内部がエンジンバルブの形状をし、かつその長手方向軸
   心部には１本の中子が貫通して設けられている鋳型をロ
   ストワックス法で成形し、前記鋳型を減圧容器の中に配
   置して、前記鋳型の湯口に通じる湯道の下端部を前記減
   圧装置と気密に接続して配置されている金属溶解炉の溶
   湯の中に浸漬し、前記減圧容器の中を前記金属溶解炉の
   中よりも負圧にして前記金属溶解炉中の溶湯を前記湯道
   の下端部から吸いあげて前記鋳型内に注入し、ついで、
   前記鋳型内への注入溶湯を凝固させることを特徴とする
   中空エンジンバルブの製造方法。