JPH02224849A - 水平連続鋳造用黒鉛鋳型装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は金属の水平鋳造、殊に銅及び銅合金の板状鋳塊
の水平連続鋳造に適した黒鉛鋳型装置に関する。

（従来の技術） 従来、銅及び銅合金の板状鋳塊を製造するためには第２
図にその構造の概要を示す如き水平連続鋳造用黒鉛鋳型
装置が用いられる。

即ち、第２図は従来のこの種の黒鉛鋳型装置の概要を示
すものｉ側断面図であって、１は黒鉛鋳型、２は黒鉛鋳
型１に外接する銅製水冷装置、３は水冷装置を覆いこれ
を保護補強するための鋼製被覆材である。黒鉛鋳型１、
水冷装置２及び被覆材３は前後プレート４．５及び複数
本のアッセンブリーロッド６によって一体に組立てられ
て鋳型装置Ａを形成し、その一方のプレー１〜５を断熱
材７、シール材８を介して黒鉛鋳型１が水平を維持する
ようにして溶湯保持炉Ｂのライニング９に対峙させる。

黒鉛鋳型１は一端が溶湯１１の流入口他端が鋳塊１３の
出口を形成するように両端が開口する中空状をなし、そ
の断面口径は鋳造しようとする鋳塊のそれとほぼ同一寸
法に形成されている。

また一般に黒鉛鋳型１は溶湯入口部付近での溶湯の凝固
が起らないように溶湯入口側で冷却装置２より突出させ
て、その先端が常に溶湯保持炉Ｂ内の溶湯１１に接触す
るように形成しである。

なお、水冷装置２は内部に冷却水を循環させるための通
水路（図示せず）が設けられており、黒鉛鋳型１との密
着性を良くするために、黒鉛鋳型１と多数のボルト（図
示せず）により緊締結合する。鋳型装置Ａと溶湯保持炉
Ｂとの間に介在させる断熱材は施工性などを考慮して一
般にキャスタブル断熱材等が使用されている。

（考案が解決しようとする課題） 従来の連続鋳造用黒鉛鋳型装置は上記したように黒鉛鋳
型１の溶湯入口側を水冷装置２から突出すように構成さ
れているので、鋳造に際して鋳型内に流入した溶湯の凝
固帯域１２は溶湯流人点からかなり鋳型内部に入った位
置（通常溶湯流人点から約７０〜１００ｎ＋ａ）となる
ので、鋳造中に多少の鋳造温度や鋳塊引出し速度等の変
動があって凝固帯域の前後移動を生じても安定した操業
を継続し得る利点があるが、一方において黒鉛鋳型１の
先端が溶湯１１に接触しているために常時保持炉溶湯１
１からの入熱があり、鋳型への熱負荷が増大するために
その分だけ鋳塊引出し速度を低下させねばならないので
生産効率が低下する。

また、黒鉛鋳を１が水冷装置２から突出した構造である
ために鋳型先端の固定が十分でなく、且つ先端部分が常
に高温に曝された状態であるために、熱歪みによって操
業中黒鉛鋳型１に亀裂を生じ易く、また黒鉛鋳型１と断
熱材７との間隙からの空気と反応して局部的に酸化消耗
が進行して鋳型寿命を著しく低下させる欠点もあった。

またさらに鋳型先端から凝固帯域までの距離が長いこと
はこの間において溶湯との直接酸化による鋳型壁の荒れ
を生ずる機会が多くなるために、鋳型新設後短時間で鋳
塊の鋳肌低下が認められ、鋳塊面削量を多くしなければ
ならないなどの問題点を生じた。

（課題を解決するための手段） 本発明は従来の水平連続鋳造用鋳型装置における上記し
た問題点を解決することを目的とするものでおって、従
来水冷装置から溶湯流入口側に突出すことによって、溶
湯に曝されるように形成されている黒鉛鋳型の先端部分
を断熱耐火材によって構成することにより鋳型の熱負荷
を減少させ、これによって鋳造速度を向上させるととも
に鋳型壁の酸化消耗を最小限に抑え、鋳型寿命の向上や
鋳塊の表面品質の改善を計ることの出来るような鋳型装
置を提供するものである。

（作用） 次に本発明による水平連続鋳造用黒鉛鋳型装置の構成の
概要及び作用について述べる。

第１図は本発明の概要説明のために示す装置の側断面で
ある。なお図において示される符号は本発明特有のもの
以外は第２図に示されたものと同じである。

第１図において示されるように、本発明においては鋳型
装置Ａにおける黒鉛鋳型１の溶湯入口側開口端を冷却装
置２から突出すことなく水冷装置２内に収め、これに連
接する溶湯導入部１４を黒鉛鋳型１と同様の中空部断面
口径を有する耐火断熱材１５によって構成した。耐火断
熱材は熱衝撃に強く溶湯に侵食されないものであれば、
通常使用される一般的なものでよい。勿論従来鋳型装置
Ａと溶湯保持炉Ｂとの間に施工されるキャスタブル断熱
材にこのような特性を有するもの、例えばＭ２Ｏ５８６
％含有のハイアルミナキャスタブルのようなものを用い
、この部分を一体的なものにすれば施工性もよくまた空
気遮断性もよいので効果的である。なお、溶湯導入部１
４にこのようなキャスタブル耐火断熱材を使用する場合
にはキャスタブルと黒鉛鋳型１の接触面に完全に隙間が
ないように施工し、また使用前には導入開口部の十分な
予熱を行なうことが必要である。

またこの耐火断熱材１５の厚みは一般には約５０朋程度
が好ましい。保持炉との関係でこれ以上の厚みをとる場
合にはその口径を溶湯流入側に向かってやや拡大するテ
ーパー状にすることが望ましい。

このようにすることによって耐火断熱材１５の中空開口
部内での溶湯への保持炉側からの熱伝達効率を良くし、
中空開口部内での溶湯の凝固が起こらないようにするこ
とが出来る。

なお鋳型装置Ａにおける黒鉛鋳型１と水冷装置２とのボ
ルト締結部を第１図（ａ）　（ｂ）　（ｃ）にその中心
線を示した位置に沿って行ない、水冷装置２の冷却水を
（ｂ）の位置から導入し、（ａ）（Ｃ）の位置付近で排
水するような循環形態をとるようにすれば、黒鉛鋳型１
と水冷装置２との結合が強固に行なわれるとともに黒鉛
鋳型１の冷却を一層効果的にすることが出来る。また、
このように前後に対称的にボルト位置を定めることによ
って、黒鉛鋳型１の研磨再使用に際して、黒鉛鋳型１の
前後を逆転させて水冷装置２にボルト締結することが可
能となるので、従来の如く黒鉛鋳型の１方向のみを常に
熱負荷の高い溶湯流入部分に位置させることなく使用す
ることが出来、その寿命を一段と向上し得る。

またさらに、本発明によるときは黒鉛鋳型１と溶湯導入
部１４間に耐火断熱材１５の帯域が存在するために黒鉛
鋳型１に対する熱負荷が減少し、冷却装置２の冷却容量
を増加することなく大幅に鋳造速度を増大させることが
出来る。

（実施例） 第１図に示したような鋳型装置において、黒鉛鋳型１、
銅製水冷装置２及び鋼製被覆材３の長さを夫々前後方向
に２８０　ｍｍにとって、前後プレート４．５及びアッ
センブリーロッド６を使用して所定の位置に組み上げて
、鋳型装置Ａを製作した。

この際水冷装置２と黒鉛鋳型１との接合は夫々の間隔を
１００ｍｍおいて（ａ＞　、（ｂ）　、（ｃ）位置に沿
って各６か所において行ない、水冷装置２における冷却
水の供給、排水は通水路が（ｂ）から（ａ）　、（Ｃ）
に向かって形成されるようにしな。黒鉛鋳型１の厚みは
３０ＩＩＩＩ１１で、その中空口径の寸法は１８ｎｖｏ
Ｘ４５０閣である。次にこのように形成した鋳型装置Ａ
の一方のプレート５に当接して所定の空間寸法の木型を
設置し、Ａｌ２０３８６％含有のハイアルミナキャスタ
ブルによる耐火断熱材１５をその空間に充当した。この
キャスタブルによる耐火断熱材１５の施工に際してはそ
の溶湯導入開口部の口径が黒鉛鋳型１の溶湯入口開口の
口径と同一寸法に成るように形成び、またキャスタブル
の充当厚さは５０ｍｍとし、また高さはプレート５の高
さとほぼ同一となるようにした。

このようにして組み上げた鋳型装置Ａを乾燥器で約１０
８℃にて８時間の乾燥を行った。乾燥後の鋳型装置Ａを
シール材８を介して保持炉Ｂのライニング９に取り付け
、専用バーナーで約２時間耐火断熱材１５の溶湯導入開
口部を加熱し鋳型装置Ａのセットを完了した。

次に１２００℃に溶解した銅合金溶湯を保持炉にチャー
ジし鋳造を開始した。爾後の鋳造操作は常法によって行
われたが鋳造速度（鋳塊引出し速度）は２４０　ｍｍ／
’ＩＩＩ！ｎであり、従来の鋳型装置による場合の平均
鋳造速度１６０　ｍｍ／’１ｌｌｉｎに比べ約５０％の
速度増加が可能であった。

得られた鋳塊の品質は従来のものと全く同様で何等の欠
陥もなく、実用に供することが出来た。

鋳造後、黒鉛鋳型の中空部内壁を検査したところ、溶湯
凝固部における損傷の度合いは極めて浅く、従来３ｍ程
度の研削が必要であったものが１鵬程度の研削で十分に
再使用可能になった。

従来、黒鉛鋳型の使用寿命は精々３回が限度であったが
、本発明による場合には損傷の度合いが少ないのに加え
て黒鉛鋳型の前後逆転使用可能であるところから、１本
の黒鉛鋳型で６回の鋳造が可能であり鋳型寿命を約２倍
に延長することが出来る。また鋳型の研削加工の工数の
みならず、これにおける付帯作業や交換操作の手数等も
従来に比べ大幅に軽減出来ることが判かった。

なお以上の実施例においては耐火断熱材１５としてハイ
アルミナキャスタブルを使用したものを例示したが耐火
断熱材の素材としてはこれに限られるものでなく、一般
的な耐火断熱材素材を使用し得るものであり、また耐火
断熱材１５とその周囲部を形成する断熱材７とにおける
使用素祠を区分して断熱材７部分をより安価なキャスタ
ブル材料で構成しても良い。

（発明の効果） 以上述べたように本発明によるときは従来鋳型寿命が短
く、効率的でなかった銅合金等の水平連続鋳造用黒鉛鋳
型装置における使用寿命を大幅に改善し、その使用回数
を増加することが出来るとともに、鋳造に際しての鋳造
速度の向上を計ることが出来るので、黒鉛鋳型１本当た
りの総鋳造量を従来の約３倍程度まで増大することが出
来、その上研磨加工や鋳型交換等に要する諸作業を著し
く軽減簡易化することが出来るので、本発明は工業上極
めて優れたものであると云える。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の水平連続鋳造用黒鉛鋳型装置の１実施
態様を示すものｉ概念的側断面図、第２図は従来の水平
連続鋳造装置用黒鉛鋳型装置の概念的側断面図である。 １・・・黒鉛鋳型、２・・・水冷装置、３・・・被覆材
、４．５・・・プレート、６・・・アッセンブリーロッ
ド、７・・・断熱材、８・・・シール材、９・・・ライ
ニング、１０・・・鋳型固定プレート、１１・・・溶湯
、１２・・・凝固帯域、１３・・・鋳塊、１４・・・溶
湯導入部、１５・・・耐火断熱材、Ａ・・・鋳型装置、
Ｂ・・・保持炉 特許出願人　　住友金属鉱山株式会社

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）溶湯入口側及び鋳塊出口側に開口部を有し、鋳塊
   断面とほぼ同一の断面口径を有する水平黒鉛鋳型と、該
   黒鉛鋳型に外接して鋳型を冷却する水冷装置と、水冷装
   置を補強し保護するための被覆材とを一体に組合わせて
   なる黒鉛鋳型装置において、黒鉛鋳型の溶湯入口側開口
   部の端面に連接する溶湯導入部を耐火断熱材によって構
   成したことを特徴とする水平連続鋳造用黒鉛鋳型。
2. （２）耐火断熱材による溶湯導入部は溶湯流入側に向っ
   て拡大するようにテーパー状をなす請求項１記載の水平
   連続鋳造用黒鉛鋳型装置。