JPH0221864Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、苗のせ台に載置したマツト状苗を苗
のせ台底面に沿つて巻回した搬送ベルトによつて
苗取出し側下方に順送りするよう構成した田植機
の苗送り装置に関する。

一般に上記構成の搬送ベルトは苗送り機能を高
めるため表面に突起あるいは突条等が形成されて
いるのが普通である。そして、苗植付作業前のマ
ツト状苗の供給時、あるいは作業途中でのマツト
状苗の補給時には突起あるいは突条によつてマツ
ト状苗の苗取出し部側下方への送り込みが妨げら
れる問題があり、作業開始時にはマツト状苗下縁
が苗取出し部に充分達しないため欠株を生じ、
又、作業途中には以前に供給されたマツト状苗と
補給されたマツト状苗下縁との間に間隙が作られ
るため欠株を生じる場合があつた。

又、搬送ベルトは一般的にゴム等の可撓性部材
が用いられるためベルト中央が垂れ下る問題があ
り、マツト状苗の搬送が充分に為されない場合が
あつた。

本考案は上記問題に鑑みて為されたものであつ
て、苗送り装置の合理的な改造で、苗送り機能は
損うことなく供給時あるいは補給時に於るマツト
状苗の苗取出し部側への送り込みを確実にし、
又、搬送ベルトの垂れ下りを防止する点に目的を
有する。

本考案の特徴とするところは、前記搬送ベルト
の巻回ループ内に、苗搬送経路側のベルト内面に
押圧作用するテンシヨン部材を押圧解除可能に配
設してある点にあり、その作用効果は次の通りで
ある。

つまり、テンシヨン部材が上記の如く配設され
たため、テンシヨン部材でベルト内面を苗搬送経
路側に押圧することで、搬送ベルトは垂れ下るこ
となく緊張しマツト状苗に対し充分な苗送り機能
を発揮する。又、テンシヨン部材の押圧を解除す
ることで搬送ベルトは弛緩し、ベルトの突起ある
いは突条等は苗搬送経路側から退入しマツト状苗
の移動を許容する。

従つて、マツト状苗の供給時あるいは補給時に
於てマツト状苗が妨げられることなく苗取出し部
側に送り込めるためマツト状苗下縁が苗取出し部
に充分達し、又、以前に供給されたマツト状苗と
補給されたマツト状苗下縁が密着し作業時に欠株
を生じることがなくなつた。又、搬送ベルトの垂
れ下りを防止されたため苗送りがより確実になる
と共に、テンシヨン部材が配設されたため苗送装
置を長期間に亘つて使用した場合にも、ベルトの
弛みをテンシヨン部材が吸収し苗送り機能は損れ
る事のないものとなつた。

つまり、上記のようにテンシヨン部材を配設す
る簡単な構成で搬送ベルトの垂れ下りによる搬送
不良が改消されると共に、苗送機構を損うことな
く、しかも苗の送り込みが円滑に行えるようにな
つた。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図乃至第５図に示すように、乗用機体（図
外）から伝動軸１で駆動される伝動ケース２、こ
の伝動ケース２から後方に向けて延設した３つの
植付ケース３……、植付ケース３の後端に夫々２
つ配設された苗植付機構４、植付ケース３……の
上部に取付けられた摺動レール５、これに左右移
動可能に垂せつけられると共にマツト状苗Ｗ載置
可能な苗のせ台６、植付ケース３に揺動自在に取
付けられた３つのフロート７……によつて６条植
苗植付け部が構成され、リンク機構８を介して前
記機体の後部に駆動昇降可能に連結されている。

苗のせ台下部には各条毎に左右２つのベルト
９，９で構成された苗送り装置Ａ……が以下のよ
うに配設されている。

つまり、苗送り装置Ａは上下に並設された支軸
１０、駆動軸１１、支軸１０に遊転支承する上ロ
ーラ１２、駆動軸１１にクラツチ機構１３及び筒
軸１４を介して駆動伝動されるよう取付けられた
下ローラ１５、上下ローラ１２，１５に巻回さ
れ、多数の突条９ａ……を有するゴムベルト９に
よつて構成されている。そして支軸１０には支軸
１０を軸心とし、回動可能にボス部材１６が外嵌
され、このボス部材１６にはベルト毎に２つの板
状テンシヨン部材１７，１７が取付けられ、又、
テンシヨン部材１７，１７は、揺動軸１８に取付
けられたカム部材１９の作用で図中Ｂで示す方向
にベルト１６を内面から押圧する事でベルト１０
を緊張させると共にベルト９の突条９ａ……を苗
のせ台６の苗載置面６ａから、突出可能になつて
いる。又、ボス部材１６は左右のベルト１０，１
０夫々に配設され、又、前記揺動軸１８にはアー
ム２０が固設され、苗のせ台裏面に設けられたブ
ラケツト２１の操作レバー２２によつて各条毎の
ベルト９，９の緊張状態が解除可能に操作レバー
２２と前記アーム２０とがワイヤ２３を介して連
係されている。

又、駆動軸１１にはラチエツト機構２４が配設
されると共に、ラチエツト機構２４はリンク２５
を介して前記伝動ケース２に左右突出状態に配設
された送り軸２６と連係し、苗のせ台６が左右移
動端に達すると送り軸２６の揺動で駆動軸１４が
回動され、苗送り装置Ａ……が駆動されるように
なつている。

前記クラツチ機構１３は２条の苗送り装置Ａ，
Ａの駆動を同時に断続可能なように２つの苗送り
装置Ａ，Ａの中間に配設されると共に、クラツチ
機構１３は入り付勢され、クラツチ機構１３のレ
バー２７を上方に操作する事で駆動が断たれるよ
う構成されている。

又、植付ケース３……の前部には２つの苗植付
機構４，４の駆動を同時に断続する植付クラツチ
２８……が配設されこの植付クラツチ２８……の
断続に連係して、前記苗送り装置Ａ，Ａの駆動が
断たれ端数条値が可能に構成されている。つま
り、植付クラツチ２８……は夫々がワイヤ２９…
…を介して苗のせ台６の裏面に配設された切換レ
バー３０……と連係されると共に、植付ケース３
の前部上面には植付クラツチ２８が切り操作され
ると水平姿勢のままで持ち上るロツド３１が設け
られている。又、このロツド３１の左右長さは苗
のせ台６の左右移動巾と略一致させると共に、ロ
ツド３１が持ち上ると前記クラツチ機構１３のア
ーム２７と接当しクラツチ機構１３を切り操作す
る位置に配設されている。そして、植付クラツチ
２８を断り操作し端数条植作業を行う場合には、
苗のせ台６の位置の如何に拘わらず苗送り装置Ａ
の駆動も断たれるようになつている。

尚、本実施例はテンシヨン部材を板状体で構成
してあるが本考案はこれに代えて回動可能なロー
ラあるいは棒材で構成する事も可能であり、又、
テンシヨン部材は揺動構造以外リンクを用い平行
移動するよう構成しても良い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る田植機の苗送り装置の実施
例を示し、第１図は苗植付部の側面図、第２図は
苗植付部の概略平面図、第３図及び第４図は苗送
り装置の側面図、第５図は第４図の−線断面
図である。 ６……苗のせ台、９……搬送ベルト、１０……
軸心、１２……遊転ローラ、１７……テンシヨン
部材、Ｗ……マツト状苗。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 苗のせ台６に載置したマツト状苗Ｗを苗のせ
   台底面に沿つて巻回した搬送ベルト９によつて
   苗取出し側下方に順送りするよう構成した田植
   機の苗送り装置であつて、前記搬送ベルト９の
   巻回ループ内に、苗搬送経路側のベルト内面に
   押圧作用するテンシヨン部材１７を押圧解除可
   能に配設してある田植機の苗送り装置。 前記テンシヨン部材１７が、前記搬送ベルト
   ９を巻回する上側遊転ローラ１２の軸心１０を
   中心に揺動自在なアーム状に構成されたもので
   ある実用新案登録請求の範囲第項に記載の苗
   送り装置。