JPH0221469Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はフオルダーグルーア（folder−
gluer：折り畳み−糊付け製函機）等のシート供
給装置におけるシートパイルを加圧するシートパ
イル加圧装置に関する。

〔従来の技術〕

従来知られているフオルダーグルーアでは、被
加工シートがシートパイルの底部に配置された複
数のエンドレス移送ベルトからなる移送手段によ
つて、シート供給部から加工部所まで移送されて
いる。この移送ベルトの上部には、シートパイル
の底部からシートが一度に二枚以上供給されるの
を防止する手段が設けてある。この防止手段は下
端にエツジを有するゲージ又はゲートと呼ばれる
一つ又は複数のフロントストツパである。このゲ
ージは、その下端エツジが一枚のシートの厚さよ
りもやや大きな目の間〓をもつて移送ベルトの上
面から離隔するように配置されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

段ボール紙の加工工程において、シートパイル
の底部から最下部のシート一枚のみを取り出すこ
とはしばしば困難になつている。これは、段ボー
ル紙の厚さに応じてゲージの下端エツジを垂直方
向に調整することが難しいことに起因している。
この調整は、固い板紙やボール紙を加工する場合
には極めて容易であるが、段ボール紙を加工する
場合には、シートの厚さが一定であつても、シー
トが湾曲し平坦でないことがあり、その操作がよ
り困難になつている。しかも過度に湾曲している
段ボール紙の場合、シートの有効厚さが場所によ
つて異なるため上述のように設定したゲージの下
を通つてシートを通過させることが困難になつて
いる。このように、段ボール紙はその供給装置で
問題を起こしている。

段ボール紙の供給に関するこれらの不都合を解
決するために簡潔な複数の解決手段が提案されて
きた。その解決手段の一つは加工機械に供給され
るべきシートのパイル上面に錘を載置する装置の
提案である。この装置はゲージによつて画定され
る面に沿つて下向きに作動しシートパイルを加圧
してシートを平坦化する。その結果、シートパイ
ル内のすべてのシートはゲージ位置において全体
的に同一の有効厚さを有し、湾曲の問題等を解消
することとなる。

上記装置は、ガイドレールに取り付けられた一
又は複数の錘を有している。この錘は、ガイドレ
ールに沿つて自由に動くことができ、シートが加
工機械に供給されるに従つて移送手段としてのエ
ンドレスベルトの方へ下降する。しかして供給装
置に新たにシートパイルを補給しなければならな
くなつた時、この錘は手で持ち上げられなければ
ならない。そして新たなシートパイルを供給装置
に補給している間錘を手でその位置に保持してお
く必要がある。この装置は、高価な備品を要しな
いので非常に経済的ではある。しかし、供給装置
に補給するシートパイルのシートサイズが大きい
場合、その補給作業は困難になる。作業者は、供
給装置に大きなサイズのシートパイルを補給する
には、シートパイルが重く、かつ取扱いが容易で
はないので両手を使用しなければならない。その
結果、作業者は、シートパイルを押圧している錘
を持ち上げかつ保持しつつ、同時に供給装置に新
たなシートパイルを補給する必要があり、現実に
はかかる作業を一人で行なうことはできない。こ
の結果、これまでの装置の操作には作業者として
もう一人要するか、又は供給装置へのシートパイ
ルの補給を数回に分けて行うかの何れかを必要と
する。シートパイルに新たなシートを補給するに
際してのこれらの問題のために、フオルダーグル
ーアによる段ボール箱の生産は効率化をはかるこ
とができなかつた。

この考案は、フオルダーグルーアの作業者に、
新たなシートを補給する際に作業者の手を自由に
しておけるシートパイル加圧装置を提供すること
により、該加圧装置の上記欠点を除去することを
目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

かかる目的を達成するため、本考案では、シー
ト供給装置に新たなシートパイルを補給したとき
に、その補給を検出する手段と、該手段の検出作
用に応答してシートパイルを押圧している加圧手
段を上方へ一時的に退避させ一定時間後再びシー
トパイル上に該加圧手段を作用させる制御手段
と、を設けた。

本考案のボトムフイーダ型シート供給装置のシ
ートパイル加圧装置は、移送手段上に載置された
シートパイルの上面を加圧手段によつて下向きに
加圧して該シートパイルの底部のシートを平坦化
し、該移送手段によつてゲージを通してシートパ
イルの底部から一枚ずつシートを繰り出すもの
で、シートパイル上に新たなシートパイルが積載
補給された場合にその積載補給を検出するために
検出手段を設けた。

〔作用〕

本考案では検出手段が新たなシートパイルの積
載補給を検出すると制御手段を作動して、加圧手
段を新たなシートパイルの上面よりも上方に一時
的に退避させ、一定時間後に再び加圧手段をシー
トパイル上面に降下させシートパイル上面を加圧
し、これにより新たなシートパイルの積載補給を
容易化しかつシートパイル底部からのシートの繰
り出しを行なうことが出来る。

〔実施例〕

この考案の原理は、第１図に１で示すボトムフ
イーダ型シート供給装置におけるシートパイルを
加圧する装置に対して、特に有効である。供給装
置１は、横桁４により並行に配置される側方枠体
２，３を有する。供給装置１は移送手段６（第２
図）を有し、該移送手段６は２つの側方枠体２，
３（第１図）間に配置された複数のエンドレスベ
ルト５からなる。横桁４は複数のレール７を有
し、該レール７はボルト（図示なし）等の固着手
段により横桁４に取り付けられている。これらの
レール７は第２図に示すように、案内溝８，１０
を形成するように配置される。Ｕ字形の支承板１
１が案内溝１０に頭部を係合させたＴ型ボルト１
２により横桁４の上面に調節可能に載置され、該
Ｔ型ボルト１２は押え板１４を挿通しており、押
え板１４と支承板１１との間にはアーム１５が配
置されナツト１３で締め付けられている。アーム
１５は第１図に示すように連結部材１８，１９に
より間隔をおいて配置された２枚の側方板１６，
１７により形成されている。

上下方向に並行に延びた複数の板材からなる支
持部材２０がアーム１５の端部に固定されてお
り、該支持部材２０にはゲージ即ちゲート２１が
取り付けられている。ゲージ２１は調節ねじ２２
により垂直方向に調節できる（第２図）。支持部
材２０を形成する板材の外面には、内側に案内溝
２３ａを形成しているコ字形断面の垂直に延びる
スライドレール２３が取付けられ、該レール２３
の案内溝２３ａ内にはスライダ２７が案内されて
いる。このスライダ２７は加圧キヤリツジ即ち加
圧台２４に取付けられている。キヤリツジ２４は
また案内スライド２５により案内され、該スライ
ド２５はゲージ２１の前面に設けられた溝２６に
係合している。第２図に示されるようにＬ字形の
支持部材２８が、２つのスライドレール２３の各
上端部に設けられている。該支持部材２８は空気
ピストン２９を保持している。該ピストン２９は
加圧キヤリツジ２４に取り付けられた加圧手段３
０を昇降させる。供給装置１はレール７の長手方
向に沿つて位置を調節することができる。

加圧装置３０は概ねレ字形のシートパイル補給
案内部材３１を含み、該案内部材３１はネジ３２
により加圧キヤリツジ２４の前面に取り付けられ
ている。案内部材３１の下方部には加圧部材３３
がネジ３４により取り付けられている。この加圧
部材３３は前記案内スライド２５を有しており、
かつシートパイル５８の頂部シートに係合して該
シートパイル５８の先端部を加圧している。案内
部材３１は軸受３５，３６（第３図）を備えた板
６０を備えている。該軸受３５，３６には２つの
フランジ４０，４１を有するセンサプレート３９
を支持している支軸３７，３８が支持されてい
る。２つの調整可能な停止片４２，４３が該フラ
ンジ４０，４１に設けられており、プレート３９
が反時計方向に揺動するのを制限するよう板６０
の上面に係合している。また停止片４２，４３を
調整することによりプレート３９の静止傾斜角度
を調節することができる。第３図に示すように、
案内部材３１は開口４４及びブロツク４６を有し
ており、該ブロツク４６に設けられたスイツチ４
５が接触ローラ４７（第２図）を備えている。該
ローラ４７の先端の一部は開口４４を通して突出
している。このため、センサプレート３９が案内
部材３１の板６０に対して支軸３７，３８周りに
おいて時計方向に揺動すると、スイツチ４５のロ
ーラ４７がセンサプレート３９と係合する。

案内部材３１の上部には立上り部４８が設けて
あり、該立上り部４８は空気ピストン２９のピス
トンロツド先端部に取り付けられたフオーク部材
４９に係合している。空気ピストン２９はスイツ
チ４５を含む空気回路（第４図参照）により駆動
される。この回路はさらに加圧力を調節可能に設
定する設定手段５１、加圧手段を上下方向に駆動
制御する制御手段５２、及び加圧手段３０の昇降
速度を制御する制御要素５３を含む。

もしシートパイルのシートが横長に作られてい
るならば、供給装置の幅方向に複数の加圧手段を
配設する必要がある。この場合、制御要素は、単
一の加圧空気源で全てのユニツトを作動させるの
に使用できるように、他の加圧手段の制御回路と
接続するために使用される２つの継手５４，５５
を装置の上部に含んでいる。

第４図に示されるように、空気回路は加圧空気
源５６から供給される加圧空気を含んでおり、こ
の空気源５６は逆止弁を介して加圧空気分配器５
７、制御手段５２、及びスイツチ４５へ連通して
いる。次いで加圧空気は空気ピストン２９の作動
を制御するために、分配器５７から種々の要素５
１，５３に分配される。

分配器５７は、スイツチ４５を経て入力される
加圧空気がある場合には、この加圧空気を制御手
段５２からの加圧空気と共に制御要素５３へ送
り、ピストン２９を上昇させる加圧空気P₂とし
て、一方、スイツチ４５を経て入力される加圧空
気がない場合には制御手段５２からの加圧空気を
設定手段５１へ送り、ピストン２９を下降させる
加圧空気P₁として、加圧空気をピストン２９へ
送給し、これによりピストン２９の上下動を制御
している。加圧力設定手段５１はパイル５８に作
用する加圧力が最適値となるように制御し、制御
要素５３はピストン２９の上下動の速度を制御す
る流れ調整器である。制御手段５２は遅延装置で
あり、ピストン２９の戻り動作に時間遅れを与え
る。

次に本考案のボトムフイーダ型シート供給装置
のシートパイル加圧装置の作動について述べる。

本考案においてシートパイル５８が移送手段６
のエンドレスベルト５の上に載置されると、加圧
手段３０のセンサプレート３９が押されてスイツ
チ４５のローラ４７がスイツチ４５を起動する。
スイツチ４５の起動は分配器５７からの加圧空気
P₂により空気ピストン２９を上昇させる。しか
し、スイツチ４５は制御手段５２に連結されてお
り、該制御手段５２はもし適切に調節されるなら
ば、一定時間後、空気ピストン２９に空気圧P₁
を徐々に戻し再度ピストン２９を下降させてパイ
ル５８の上面を加圧する。空気ピストン２９に送
給される空気圧P₁は設定手段５１により調整す
ることができ、これにより設定手段５１はシート
パイル５８の上面を加圧する加圧手段３０の加圧
力を調節することができる。

加圧手段３０はその加圧部材３３により上面シ
ートと係合している。第２図に示されているよう
に通常の操作においては、検出手段のセンサプレ
ート３９はシートパイル５８の上面シートとは係
合せず、スイツチ４５と非接触位置に保持されて
いることに注意されなければならない。すなわ
ち、この位置においては、ピストン２９を下降さ
せるように、空気圧P₁が設定手段５１を介して
ピストン２９へ送給される。

次にシートパイル５８の上に新たに補給された
シートパイル５９の先端がセンサプレート３９に
接触すると、加圧手段３０は上昇し、瞬間的にシ
ートパイル５８の先端部への圧力が解放され、供
給装置１への新たなシートパイル５９の導入を可
能とする。すなわち、加圧手段３０を作動位置か
ら手で取り外さなくても前のパイル５８の上面に
新たなパイル５９の導入を行うことができる。新
たなパイル５９が適切にセツトされると、加圧手
段３０の加圧部材３３は再びその新たなパイル５
９の上面シートに係合しこれを押圧する。もちろ
ん、制御手段５２等の作動を適切に設定すること
により新たなパイルの補給を可能とするほど十分
な間加圧手段３０を上昇できるのである。

〔考案の効果〕

フオルダーグルーアの供給装置１へシートパイ
ルを導入する際、シートパイルへの非加圧時間即
ちシート繰り出し停止時間を出来る限り短くする
ことができる。また、加圧手段を自動的に一時的
に退避させることにより、作業者は、サイズの大
きなシートであつても、他の作業者の助けを借り
ることなく、供給装置１への新たなシートパイル
の補給を簡素化し簡単にかつ迅速に行なうことが
出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は供給装置の概略斜視図、第２図は第１
図の一部破断の断面図であつて支持体へねじ止め
されているレールの下端部を省略した図、第３図
は第２図の一部破断の上面図、第４図はシートパ
イル加圧装置の空気回路の系統図である。 符号の説明、１：シート供給装置、２，３：側
方枠体、４：横桁、５：エンドレスベルト、６：
移送手段、７：レール、８，１０：案内溝、１
１：支承板、１４：押え板、１５：アーム、１
６，１７：側方板、１８，１９：連結部材、２
０：支持部材、２１：ゲージ、２３：スライドレ
ール、２４：加圧キヤリツジ、２５：案内スライ
ド、２６：溝、２７：スライダ、２８：加圧支持
部材、２９：空気ピストン、３０：加圧手段、３
１：シートパイル補給案内部材、３３：加圧部
材、３５，３６：軸受、３７，３８：支軸、３
９：センサプレート、４０，４１：フランジ、４
２，４３：停止片、４５：スイツチ、４７：ロー
ラ、４８：立上り部、５１：設定手段、５２：制
御手段、５３：制御要素、５４，５５：継手、５
６：加圧空気源、５７：加圧空気分配器、５８，
５９：シートパイル。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 移送手段６上に載置されたシートパイル５８
   の上面を加圧手段３０により下向きに加圧して
   該シートパイル５８の底部のシートを平坦化す
   ることにより該移送手段６によつてゲージ２１
   を通して当該シートパイル５８の底部から一枚
   ずつシートを繰り出すボトムフイーダ型シート
   供給装置１のシートパイル加圧装置において、 シートパイル５８上に新たなシートパイル５
   ９が積載補給されたことを検出する検出手段３
   ９，４５と、 該検出手段３９，４５からの検出信号により
   前記加圧手段３０を当該新たなシートパイル５
   ９の上面よりも上方に一時的に退避させ、一定
   時間後再び該加圧手段３０をシートパイル５９
   上面に降下させ該シートパイル上面を加圧させ
   る制御手段５２，５７と、 を備えたことを特徴とするシートパイル加圧装
   置。 (2) 第１項記載のシートパイル加圧装置におい
   て、 前記加圧手段３０が、 シートパイル５８，５９の上面に係合してこ
   れを下向きに加圧する加圧部材３３と、 シートパイル５８，５９をシート供給装置１
   に補給する際の案内をするシートパイル補給案
   内部材３１と、 からなることを特徴とするシートパイル加圧装
   置。 (3) 第２項記載のシートパイル加圧装置におい
   て、 前記検出手段３９，４５が、 前記加圧手段３０のシートパイル補給案内部
   材３１に設けられ、その一端部を支軸３７，３
   ８とし、新たなシートパイル５９が補給された
   とき、該シートパイル５９の先端に接触して揺
   動する接触型の平板状のセンサプレート３９
   と、 前記シートパイル補給案内部材３１に設けら
   れ、該センサプレート３９の揺動を検出するス
   イツチ４５と、 からなることを特徴とするシートパイル加圧装
   置。 (4) 第３項記載のシートパイル加圧装置におい
   て、 前記加圧手段３０の駆動源は、空気ピストン
   ２９であり、前記制御手段５２，５７は、前記
   スイツチ４５を含み、更に加圧手段３０の加圧
   力を調整する設定手段５１と、加圧手段３０の
   垂直駆動を指令している駆動手段５２と、加圧
   手段３０の上昇及び下降速度を制御している制
   御要素５３と、から成る空気回路で構成されて
   いることを特徴とするシートパイル加圧装置。 (5) 第１〜４項のいずれか１項に記載のシートパ
   イル加圧装置において、 ２つの側方枠体２，３間に取付けられた横桁
   ４に沿つて移動可能な支承板１１へ載置された
   アーム１５に、支持部材２０を載置し、該支持
   部材２０にはさらにゲージ２１と加圧手段３０
   とを載置したことを特徴とするシートパイル加
   圧装置。 (6) 第５項記載のシートパイル加圧装置におい
   て、 センサプレート３９が調整可能な停止片４
   ２，４３を備えた２つのフランジ４０，４１を
   有していることを特徴とするシートパイル加圧
   装置。 (7) 第４項記載のシートパイル加圧装置におい
   て、 空気回路が少なくとも２つのシートパイル加
   圧装置に接続するための２つの継手５４，５５
   を有していることを特徴とするシートパイル加
   圧装置。