JPH0220485B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、歯みがき、化粧料、食品、その他の
ペースト状製品の粘性内容物を充填する容器で、
該容器内に沿つて移動する底蓋によつて内容物を
吐出口より押し出して用いられる容器への内容物
充填包装方法に関するものである。

一般にこの種の底蓋乃至ピストンを容器内に配
備する容器では、その底蓋乃至ピストンが粘性内
容物に対する機能を十分に発揮するためにできる
だけ有利にシールされて充填包装しなければなら
ない。ところが従来では底蓋乃至ピストンの容器
への挿入時には容器内室中に侵入した空気は逃げ
ないで残留シールされ、内容物への品質保証上の
悪影響ばかりでなく配量の不正確さも加わつて高
いポンプ充填度も望めなくなると共に自動製造並
びに充填に著しい不都合が生ずるものであつた。

本発明は、これら従来の欠点を適確に排除しよ
うとするもので、容器の底端部よりそれぞれの製
品を充填する際に容器内に残留する空気を脱気
（底蓋の移動時にも容器内部への空気の侵入ある
いは吸込みも排除）でき、気密性を維持できる容
器充填包装が可能な方法を提供することを目的と
したものである。

本発明は、容器に粘性内容物を充填し、該容器
の内壁と摺動可能な底蓋を投入したのち、この底
蓋をプツシヤにより容器内に押圧挿入して粘性内
容物を密封包装する方法において、前記底蓋の押
圧挿入操作を、前記底蓋が容器内壁に対して間欠
的に移動するように行うことを特徴とする容器充
填包装方法である。

なお、本発明において、「底蓋の押圧挿入操作」
とは、「底蓋を容器に投入したのち、底蓋の押込
開始から押込終了（密封包装終了）に至るまでの
工程」を意味するものとする。また、本発明にお
いて底蓋は容器内壁に対して間欠的に移動するよ
うにプツシヤにより押し込まれるので、前記押圧
挿入の工程は、現に底蓋が押し込まれている（容
器内壁に対して移動している）工程と、底蓋が
押し込まれていない（容器内壁に対して停止して
いる）工程とから成るので、以下、説明上の混
乱を避ける意味から、前記工程を「底蓋の押
込」と記載することにする。

しかして、本発明の実施例を図面を参照しなが
ら説明すると、粘性内容物を筒状の容器１に充填
するため充填機２、底蓋３を容器１に向けて供給
するための底蓋シユータ４、容器１の搬送機構
５、容器１に投入された底蓋３を間欠的に容器１
内に押圧挿入するための押込機構６とから構成し
た容器充填包装装置が配置されている。

前記搬送機構５は略楕円状の軌道に沿つて走行
する無端状のコンベヤであつて、前記容器１を鉛
直に倒達させ、その開口した底部を上方に向けた
状態で保持しつつ間欠的に移動させたものであ
り、前記押込機構６が作動するときはそれぞれ停
止するようになつている。

前記底蓋シユータ４の下方部は樋状の傾斜部材
となつていて、その終端部は、エアシリンダ７に
より作動するプツシヤーチツプ７′を有する底蓋
押出機８の先端部に臨み、該底蓋押出機８の前方
には底蓋３の落下口９が開口されている。

前記押込機構６はそのベースプレート１０に、
複数のプツシヤ１１、前記落下口９の直上に位置
している投入板１２及び押込機構６を同時に作動
させるためのロツド１３を備えており、図示して
いないカムによりロツド１３を介してベースプレ
ート１０ごと往復運動し、搬送される容器１中へ
底蓋３を間欠的に圧挿できるように構成されてい
る。

前記プツシヤ１１は、容器１の底蓋３を押圧す
るチツプ（当片）１４とスプリング１５を備えた
ものであつて、スプリング１５の弾発力に抗して
筒状のガイド１６内をスライドできる構造となつ
ていて、バネ力調節部材例えばストツプカラーを
付設してある。また該ガイド１６は取付片１６′
の長孔１６″でベースプレート１０への取付位置
を調整できるようにボルト止めされている。

さらに各プツシヤ１１のチツプ１４は搬送機構
５上の各容器１の直上に位置することができるよ
うにベースプレート１０の長手方向（容器１の搬
送方向）に沿つて並列に配設され、しかも図に明
示されているように、容器器１の移動進行方向に
従つて容器１側に漸次近接して設けてある。

図中１７はチエーン１８を走行させるための駆
動機構であり、容器１を嵌合倒立させるための保
持体１９はチエーン１８上に付設されている。２
０は取出しピンであつて、その上端部が容器１を
その頭部を押上げることによつて排出シユート２
１上に落下供給することができるものである。

なお、２２はストツパでソレノイド２３（エア
シリンダでもよい）により反転運動して底蓋３の
供給を間欠的に行うためのものであるが必要に応
じ省略することもできる。２４はフレーム、２５
は摺動ガイド、２６，２７はブラケツトであり、
第４図において搬送機構５の手前側が操作側とな
つている。２８は枢着ピン、２９はキヤツプ誘導
用のガイド、３０はスペーサ、３１はストツプカ
ラーでプツシヤ軸に螺着されている。３２はカラ
ー、３３はロツドエンド軸受である。

しかして前記搬送機構５を始動して、チエーン
１８を走行させ、搬送機構５の筒状体１９に手作
業又は自動装填装置により容器１を倒立させる。
筒状体１９の走行は間欠的であつて、隣接するプ
ツシヤ１１，１１間の間隔に相当する距離を移動
するたびに停止し、該停止時間内に充填機２によ
る充填作業、底蓋３の容器１への投入、容器１内
に投入された底蓋３の容器１内への押圧挿入が同
時的に行なわれ、容器１の搬送過程で段階的に底
蓋３の圧挿が順次行われる。

すなわち、ある特定の容器１に注目すると、充
填機２の位置に移動したときに内容物が所定量注
入され、次いで底蓋３の落下口９の直下に位置し
たときにエアシリンダ７の前進と投入板１２の下
降とにより底蓋３が容器１内の内容物上に投入さ
れる。更に進行して第１のプツシヤ１１の直下位
置に移動すると該プツシヤ１１が降下して第１段
目の押圧挿入が行われ、以下同様にして最終段の
第４段目の押圧挿入が行われ、出来上がつた包装
品は前述のようにして排出シユート２１に供給さ
れ、図示されない次の工程へ移送される。この段
数は図示したような４段に限らず、必要に応じ
て、例えば低粘度の場合には少なくてもよく、逆
に高粘度の場合には段数をふやすことも可能であ
る。

ここで、上記押圧挿入の操作について更に詳細
に説明すると、前記底蓋３はそのシールリツプが
容器１の円筒状内壁に当接しながら、かつ該内壁
に案内されながら容器１内に挿入される形状のも
のであつて、該挿入時にそれ自身と内容物との間
に一旦包含された空気は確実に容器１外に脱気排
出される形状となつており、一方容器１の吐出口
にはキヤツプが嵌合されているが、わずかに空気
が流通する程度の気密性が保持されるようになつ
ているために、底蓋３の挿入と共に内容物が吐出
口に向かつて移動すると共に吐出口付近の空気が
吐出口から排出される形状となつている。なお、
容器１の底蓋３との摺動面はわずかな凹凸を有す
る粗面とすることが好ましく、より円滑に脱気を
行うことができる。

本発明は、このような構造の容器内に粘性内容
物を充填するに際して上記脱気作用を与えつつ粘
性内容物の適確な押込充填を可能とするため間欠
的に徐々に底蓋の押圧挿入を行うことを特徴とし
たものである。

また、この押圧挿入操作においては通常、容器
内に仕切られたドーム中の空気（前記吐出口側の
容器内空間）の排出が比較的容易に行われ、次い
で粘性内容物の容器深部にあるドーム中への押込
みと前記底蓋と内容物の間に包含された空気の脱
気とが行われるので、プツシヤの底蓋に対する押
圧力を底蓋の移動に伴つて漸増させることが好ま
しい。前記スプリング１５は、この脱気作用をよ
り適確なものとするために設けたものであつて、
その弾発力により徐々に前記押圧力を増大させよ
うとするものである。

さて、上記実施例では同一のバネ定数を有する
スプリング１５を複数使用すると共に、複数のプ
ツシヤ１１がそのチツプ１４の高さ位置が容器１
の移動進行方向に従つて容器１側に漸次近接して
いるように、共通のベースプレート１０に並列配
備されていたが、バネ定数の異なるスプリングを
用いてもよく、この場合前記チツプ１４の高さを
同一とすることも可能である。

上記実施例は、粘性内容物の容器１への注入、
底蓋３の容器１への投入、前記押圧挿入工程及び
後段工程への充填包装済容器の搬出の全工程にお
いて容器１を間欠的に搬送する一方、プツシヤ１
１を容器１の搬送方向に沿つて複数、上下往復動
のみ可能（容器１の搬送方向に搬送しない）に配
備し、容器１が停止するたびにその搬送方向上流
側のプツシヤからこれと隣接する下流側のプツシ
ヤに入替を行つて底蓋３の押込を間欠的に行うも
のであつたが、本発明は、この実施例に限定され
るものではなく、前述したように底蓋３を間欠的
に押し込む（底蓋３の容器１内壁に対する移動が
間欠的に行われる。すなわち、底蓋３の押込が開
始した時点から押込が終了する時点までの間にお
いて少なくとも一度、底蓋３の容器１内壁に対す
る移動が中止される）ことにより脱気効果を与え
得るものであれば如何なる方法でもよい。

例えば、前記押圧挿入操作を行う間、容器、
プツシヤのいずれも搬送せず（容器は停止したま
ま、プツシヤは上下往復動のみ可能）、したがつ
てプツシヤの入替を行うことなく同一のプツシヤ
により、底蓋の押込を間欠的に行う方法、この場
合、前記押圧挿入操作の前段又は後段の工程にお
いて容器を間欠的、連続的のいずれの方法により
搬送してもよい。押圧挿入操作を行う間、容
器、プツシヤの双方を連続的に搬送し、プツシヤ
の入替を行うことなく底蓋の押込を間欠的に行う
方法、などが可能である。

さらに、本発明においては前記押圧挿入操作
を、プツシヤを降下させず容器を押し上げること
により行うこともできる。

なお、上記各押圧挿入操作を、複数の容器につ
いて同一の操作が同時に行われるように行つても
よい。

例えば、第１図例において、搬送機構５上に容
器をその搬送方向と直角方向に３列配列すると共
に押込機構６を３列、これら３列の容器群の直上
に配設した装置を使用すれば、充填包装の終了し
た容器を同時に３本製造することができる。

以上述べたように本発明の方法は、容器内の内
容物をその底蓋を押すことにより押し出して使用
する容器について、確実な脱気作用下に配量の斑
なく効果的に内容物を充填することができ、気密
性良好で、内容物の押出しを必要とする際には確
実に機能する容器充填包装品が得られ、内容物は
容器内に空気が残留しないために長期間の保存に
耐え、見た目も美しく、包装作業能率も大巾に向
上し、省力化にも貢献できるなど多大の利点を有
するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施に使用する容器充填包装装
置を示し、第１図は概略正面図、第２図はその平
面図、第３図はプツシヤの配設の態様を示す正面
図、第４図はその平面図、第５図は第３図−
線による断面図である。 １……容器、２……充填機、３……底蓋、４…
…底蓋シユータ、５……搬送機構、６……押込機
構、８……底蓋押出機、９……落下口、１０……
ベースプレート、１１……プツシヤ、１２……投
入板、１３……ロツド、１４……チツプ、１５…
…スプリング、１６……ガイド、１８……チエー
ン。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 容器に粘性内容物を充填し、該容器の内壁と
   摺動可能な底蓋を投入したのち、この底蓋をプツ
   シヤにより容器内に押圧挿入して粘性内容物を密
   封包装する方法において、 前記底蓋の押圧挿入操作を、前記底蓋が容器内
   壁に対して間欠的に移動するように行うことを特
   徴とする容器充填包装方法。 ２ 前記底蓋の押圧挿入操作を、前記容器を搬送
   装置により搬送しながら行う特許請求の範囲第１
   項記載の方法。 ３ 前記プツシヤを上下往復動のみ可能なものと
   なすと共に前記容器を間欠的に搬送し、前記底蓋
   の押圧挿入操作における底蓋の押込を前記容器の
   停止中に行う特許請求の範囲第２項記載の方法。 ４ 前記プツシヤを前記容器の搬送方向に複数、
   上下往復動のみ可能に配備し、前記底蓋の押圧挿
   入操作における底蓋の押込を、前記容器が停止す
   るたびに該容器について前記搬送方向上流側のプ
   ツシヤからこれと隣接する下流側のプツシヤに入
   れ替えて行う特許請求の範囲第３項記載の方法。 ５ 前記底蓋の押圧挿入操作における底蓋の押込
   を、前記容器を搬送することなく、かつ該容器に
   ついて前記プツシヤを入れ替えることなく同一の
   プツシヤにより行う特許請求の範囲第１項記載の
   方法。 ６ 前記底蓋の押圧挿入操作を、前記プツシヤの
   底蓋に対する押圧力を該底蓋の移動に伴つて漸増
   させながら行う特許請求の範囲第１項乃至第５項
   のいずれか一つの項記載の方法。