JPH0219182Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、遊園地や遊戯場に設置される遊戯用
乗物装置に関する。

従来の技術及びその問題点 遊園地などにおける遊戯用乗物装置としては、
路上又はレール上を走行するもの、一定の領域内
を自転公転を伴つて回転するものなど多種存在す
る。

これら遊戯用乗物装置には、遊戯性を豊富にす
るために、動物や漫画のキヤラクター、乗物など
を模した装飾部が設けられているものがある。従
来は、前記装飾部がプラスチツク、金属、木材等
の自ら形状を保持する材料で構成されていたた
め、装飾部自体が重く、これに伴つて駆動源も大
きな出力を要するため重くなり、全体の重量が極
めて大きなものとなつていた。また、前記形状保
持材料で構成されていたため、移動や運搬の際に
嵩張ると共に、材料費及び加工費が高価になると
いう欠点があつた。そして、これらの結果とし
て、装飾部の形態を流行や好みの変化に応じて速
やかに変更するのが困難であるという問題があつ
た。また、強風時に大きな風圧を受ける装飾部の
収納や保護が困難であり、破損や搭乗者の危険の
問題もあつた。

上記問題に対処すべく、前記装飾部として例え
ば気球のように、空気、ガス等が密封された膜体
を採用することも考えられる。こうすることによ
り、該装飾部の重量が非常に軽くなり、したがつ
て前記駆動源も小型軽量のものでよく、遊戯用乗
物の重量が極めて軽減される。しかしながら、こ
のような密封性膜体による装飾部は、構成材料及
び該材料間の接合部に極めて高い密封性が要求さ
れるため、制作費用が高価となり、また形状が複
雑になる程十分な密封性をもつて製作することが
困難になるという問題があつた。

本考案は、上記問題点を解決し、軽量にして移
動や運搬が容易であり、製作費用が低廉で好みや
流行の変化に応じ易く、しかも緊急時に速やか
に、装飾部を縮少しうる遊戯用乗物装置を提供す
ることを目的とする。

問題店を解決するための手段 本考案の前記目的は、駆動部により移動体に遊
戯運動を生じさせる遊戯用乗物装置であつて、該
移動体は、人を乗せるための乗載体と、膨脹せし
められることにより立体形状を呈する空気膜構造
の装飾部と、該装飾部の膨脹状態維持に必要な圧
力を前記空気膜構造体内に付与するための送風機
とを備えていることを特徴とする遊戯用乗物装置
により達成される。

実施例 以下に、本考案の実施例を添付図面を参照しつ
つ説明する。

第１図に示す遊戯用乗物装置１は、遊園地など
に設置されたレール２及び内蔵されたモータ（図
示せず）を駆動部６として移動体を走行させるよ
うにされたものである。この移動体は、人が乗る
ことのできる乗載体３と、空気膜構造装飾部５と
を備えている。該装飾部は、乗載体３に垂直に立
てられた支持棒４を有しており、該支持棒４の上
端部に取り付けられている。乗載体３は、プラス
チツク、金属、木材等の自ら形状を保持する材料
で形成されており、移動体に遊戯性運動を生ぜし
めるための駆動部６によつて支持されている。駆
動部６は、上記のように、駆動用モータと、該モ
ータに電力を供給するバツテリ（図示せず）等を
備えたものであり、前記モータは、搭乗者の操作
により作動せしめられるようにされている。実施
例では、乗載体３が自動車の形状にされている
が、人が乗ることのできる動物、漫画のキヤラク
ター等の形状が種々選択される。空気膜構造装飾
部５は、支持棒に結合された支持プレート９を有
している。該支持プレート９及び支持棒４によつ
て装飾部５が乗載体１３の上方に確実に固定され
るようになつている。支持プレート９は、該支持
プレート９の下方に突き出る箱体１０を有してい
る。箱体１０は、多数の通気口１１が設けられて
おり、該箱体１０内に送風機７が設置されてい
る。送風機７は、通気口１１を通して空気を装飾
部５内に送り込み、該装飾部５の立体形状を維持
するようになつており、駆動部６に設けられたバ
ツテリに接続されたスイツチによつて作動せしめ
られる。装飾部５の膜体を構成する材料として
は、布、プラスチツクシート、金属シート及びこ
れらの組合せなど、通常の空気膜構造体に使用さ
れる種々の材料を用いることができる。

上記のように、この乗物１は、送風機７を継続
的に作動させることにより装飾部５の一定の立体
形状を維持し、駆動部６によりレール２上を自走
するため、空気膜構造に基づく軽量な乗物とな
る。移動、運搬及び収納の際は、送風機７を停止
し、装飾部５内の空気を抜けば該装飾部５を極め
て小さくすることができ、便利である。装飾部５
を構成する空気膜は、材料が廉価であり、加工も
容易であるため、製作費用が低廉となる。装飾部
５の形態を変更する場合は、装飾部５、支持プレ
ート９及び支持棒４を一体に取外し、他の形態の
装飾部を同様に取付ければよい。装飾部５と支持
プレート９との結合部、及び装飾部５の継目は、
できるだけ気密性を高めるのが望ましいが、送風
機７の継続的作動により装飾部５内の必要な圧力
が維持されるので多少の漏出は許容される。した
がつて、装飾部の形態が複雑なものであつても、
安価に製作し得る。

なお、実施例では、前記移動体の乗載体３は、
自ら形状を保持する比較的硬質の材料より構成さ
れていたが、空気膜構造の膜体により構成されて
いて、送風機により膨脹せしめられるものであつ
てもよい。また、装飾部は、乗載体の上方に限ら
れず、適宜に選択される。送風機は、装飾部と一
体に設けられてもよく、或いは乗載体と装飾部と
の間に送風機が送り出す空気を通過させる通気筒
を設けて連通させて、該乗載体内に配設されても
よい。

第２図は、気球型乗物装置１２の例を示してい
る。移動体に備えられた乗載体１３は、人が内側
に乗ることのできるかご型形状を有しており、該
乗載体１３の下端部がアーム１４を介して支柱１
５に連結され、駆動部（図示せず）によつて支柱
１５の回りを公転せしめられると共に、回転運
動、上下運動などされるようになつている。前記
移動体は、乗載体１３の上方に球形の空気膜構造
装飾部１６を備えており、装飾部１６は、該装飾
部１６の浮力によつて乗載体１３が空中に浮いて
いる如き印象を与えるように気球形態を有してい
る。装飾部１６は、乗載体１３の上縁部より立設
された複数の支持棒１７によつて支持されてい
る。装飾部１６は、該装飾部１６の下端部に送風
機１８と、該送風機１８に電力を供給するバツテ
リ（図示せず）とが内蔵された箱体１９を有して
いる。送風機１８は、該箱体１９に穿設されてい
る多数の通気口２０を通して空気を装飾部１６内
に送り込み、第１図の例と同様に、装飾部１６の
立体形状を維持するようになつており、前記バツ
テリに接続されたスイツチによつて作動せしめら
れる。

この例においても、装飾部１６の空気膜構造に
基づく軽量なものであり、かつ、支柱１５、アー
ム１４及び前記駆動部を小型化でき、支持構造を
簡易なものとすることができるため、乗物装置全
体を軽量化できる。装飾部１６は、乗載体１３か
ら取り外して他の形態のものと容易に変換でき、
修理も容易に行える。

本考案は、これらの実施例のほか、地上や、空
中における種々の遊戯用乗物装置に適用すること
ができる。

考案の効果 以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば、次の効果を奏する遊戯用乗物装置を提供する
ことができる。すなわち、装飾部は空気構造の軽
いものであり、したがつて、その駆動部も軽量小
型とすることができ、全体として軽量な乗物が得
られ、移動、運搬及び収納の際は膜体内の空気を
抜くことにより装飾部を極めて小さくすることが
でき便利である。該乗物は、材料費及び加工費の
廉価な空気膜構造及びこれに基づく軽量化により
低廉な費用で製作される。また、これらの利点を
有する結果、該装飾部は好みの変化や流行に対応
して迅速容易に形態が変更され得る。緊急時にお
いても、上記のように、速やかに装飾部を縮少し
うるので、移動体の破損等を防止できる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すもので、第１図はレ
ール上を自走する移動体の一部を切り欠いて示す
側面図、第２図は公転運動、上下運動をする移動
体の正面図である。 １，１２……遊戯用乗物装置、３，１３……乗
載体、５，１６……装飾部、６……駆動部、７，
１８……送風機。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 駆動部により移動体に遊戯運動を生じさせる遊
   戯用乗物装置であつて、該移動体は、人を乗せる
   ための乗載体と、膨脹せしめられることにより立
   体形状を呈する空気膜構造の装飾部と、該装飾部
   の膨脹状態維持に必要な圧力を前記空気膜構造体
   内に付与するための送風機とを備えていることを
   特徴とする遊戯用乗物装置。