JPH0218893Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は切り換えスイツチ、特にリミツトスイ
ツチ（マイクロスイツチ）などスナツプ式の切り
換え機構を有する２重切り換え機能をもつた切り
換えスイツチに関するものである。

従来のこの種の切り換えスイツチを温度制御装
置などに用い、特に緩慢にアクチユエートする場
合、２つの接点の接触が解除される前にほとんど
接触圧力が０の状態が生じる、という欠点があ
る。そのため、接触抵抗が増大するとともに、チ
ヤタリングや火花が発生する。

この点に鑑みて、ドイツ特許公告公報第
2619837号などでは、いわゆる２重切り換え機構
が採用されており、この切り換えスイツチは接点
圧力が０になる前にスナツプ切り換えを行なうよ
う構成されている。このような改善案は種々提案
されているが、それらはしかしながらスイツチ動
作の際のアクチユエータの動作ストロークが大き
く、また比較的製造コストが高いという問題があ
る。

本考案は以上のような従来の欠点に鑑みて成さ
れたもので、簡単安価に２重切り換え機構を実現
し、緩慢なアクチユエート動作に対しても確実な
スイツチ動作を行なえる切り換えスイツチを提供
することを目的とする。

以下、図面に示す実施例に基づき本考案を詳細
に説明する。

第１図において符号１で示されるのは絶縁材料
から形成されたケースで、このケース１には金属
片２が埋設されている。この金属片２は導電端子
として働くとともに、本来のスナツプ切り換え機
構の支持体としても機能し、このために受金３，
４を有している。この受金３，４は従来の切り換
えスイツチでは第２図に示す板バネ（スナツプ切
り換えバネ）５の支持体の役割も果す。板バネ５
は組み込み前の状態では打ち抜き平板だが、組み
込み時には第２図に示すように切り欠き部３ａ，
４ａが上記の受金３，４に係合し、よく知られて
いるように所望のスナツプ切り換え動作が得られ
る。この板バネ５の自由端はスイツチ接片６とし
て形成され、その接点７は第１の切り換え位置で
は接点部８と接触している。板バネ５のもう一方
の自由端９は第１図中のケース１内に支持された
バネ１０により上方に付勢されている。このバネ
１０はアクチユエータ１１に対しても復帰力を与
えるようになつており、アクチユエータ１１はそ
の長さ方向に移動できるようケース１に収められ
ている。アクチユエータ１１の突起１２は板バネ
５の中央部１３に当接している。板バネ５の中央
部１３は前記のスイツチ接片６と自由端９を結合
している。バネ１０の反発力に抗してアクチユエ
ータ１１をその長さ方向に移動させると、よく知
られているようにスイツチ接片６が反転し、第２
の接点部１４に接触する。両接点部８，１４には
固定接点１５ないし１６が設けられており、電気
端子としてケース１に埋設された金属片１７，１
８をそれぞれ有している。

本考案の２重切り換え動作は、板バネ５および
さらにもうひとつの同様な板バネ１９により行わ
れる。これらの板バネ５，１９は受金３，４の近
傍で直接重ね合わされて受金に挾み込まれ弾性支
持されている。第１図に見るように、板バネ１９
は板バネ５の下側に配置される。

板バネ５のスイツチ接片６と板バネ１９のスイ
ツチ接片２０の外側端部は最小距離ａだけ離され
る。さらに切り換えの際、スイツチ接片６，２０
は相対的に距離ｓだけ互いに離される。この距離
ｓはストツパにより規制されるが、第１図の実施
例ではこのストツパは脚部の長さが異なるＵ字型
に折り曲げられたストツパ２１として示されてお
り、このストツパ２１はスイツチ接片２０の接点
２２と共に板バネ１９に固定されている。このよ
うにすれば、動作の際スイツチ接片６にストツパ
の短い方の脚部が係合するので、２本のスイツチ
接片６，２０は互いに距離ｓだけ離間して切り換
えられる。

接点７，２２は対称的に、すなわち、それぞれ
板バネ５，１９の接点部８，１４に対向する面に
配置され、固定接点１５，１６と協働してスイツ
チ動作を行なう。第１図の実施例の場合、非動作
状態で互いに当接するよう対向して配置された接
点７，２２のリベツト頭によりスイツチ接片６，
２０間の距離ａが形成されている。

第１図の実施例のストツパ２１は第３図に図示
したようにスイツチ接片６，２０の外端部を同じ
ように曲げて形成した舌片２３，２４により構成
することもでき、その場合舌片２３，２４は切り
換え動作時に互いに係合しあう。このようにすれ
ば、対称的に組み合わされる２つの同形状の切り
換えバネを用いることができ、安価な構成とな
る。

さらに第１図、第２図に示した切り換え機構は
次のように構成することもできる。たとえば、板
バネ５，１９の自由端９を固定するようにする。
このようにすれば受金３を省略することができ
る。また、切り換え機構としていわゆるオメガ
（Ω）型のバネを用いることも考えられる。以上
のような実施例はともに２つの板バネを用いる、
本考案の思想に合致するものである。

次に以上の構成における動作につき説明する。

上述のようなスイツチを温度制御装置などに適
用し、アクチユエータ１１をその長さ方向に緩慢
に移動させると、第１図の下側の板バネ１９がま
ず反転する。これは非動作状態においてスイツチ
接片２０がスイツチ接片６よりも距離ａだけ下に
置かれているからである。このスイツチ接片２０
とともにストツパ２１も下方に移動し、ストツパ
２１の短辺が距離ｓだけ移動した後、スイツチ接
片６に当り、これによりスイツチ接片６の接点７
が固定接点１５から離間する。以上のようにして
板バネ５も反転して切り換え動作が行われる。切
り換え方向が逆のときにも同様の動作が行なわれ
るが、その場合には板バネ５の方のスイツチ接片
６が先に移動する。

以上説明したように、本考案では、一方のスイ
ツチ接片がスナツプ動作を行なつて所定距離移動
した後は互いに係合し両スイツチ接片が連動して
移動するので、アクチユエータによる切り換え動
作距離は、一方のスイツチ接片をスナツプ動作さ
せる短い動作距離だけでよく、一方のスイツチ接
片が所定距離移動後は、他方のスイツチ接片を自
動的に連動させて移動させ、確実なスナツプ切り
換えを行なうことができる。また、一方のスイツ
チ接片がスナツプ切り換え動作を行なつても所定
距離移動するまでは、他方のスイツチ接片は移動
しないので、切り換え動作直前に接点圧が零とな
ることを防止することができる。このように、特
別な調整作業も必要とせずに両方向の２重切り換
え動作が行なえ、しかも従来同様アクチユエータ
１１のスイツチング動作距離を短くすることがで
きるとともに既存の部品を用いて非常に安価に構
成することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の切り換えスイツチの縦断面
図、第２図は本考案の切り換えスイツチの切り換
えバネの組み立て前の状態を示す平面図、第３図
は本考案の切り換えスイツチの接点部分の他の実
施例を示す、第１図中のＡ方向矢視図である。 １……ケース、２，１７，１８……金属片、
３，４……受金、５，１９……板バネ、６，２０
……スイツチ接片、７，２２……接点、８，１４
……接点部、１０……バネ、１５，１６……固定
接点。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ スナツプ切り換え動作を行なう２つの同様に
   形成された板バネ５，１９を有する２重切り換
   え動作の切り換えスイツチにおいて、 前記２つの板バネは、受け部３，４の領域で
   直接重ね合わされて弾性的に支持され、またそ
   の各自由端には接点７，２２を取り付けたスイ
   ツチ接片６，２０が形成されており、 また前記２つの板バネは、アクチユエータ１
   １によりスナツプ作動されてその各接点７，２
   ２が対応するいずれかの固定接点１５，１６と
   接触し、 前記スイツチ接片６，２０は、各接点が対応
   する固定接点と接触しているとき互いに離間し
   ており、 更に前記２つの板バネのスイツチ接片６，２
   ０は、一方のスイツチ接片２０がスナツプ動作
   を行なつて所定距離ｓ移動した後、互いに係合
   するように構成されており、それにより他方の
   スイツチ接片６が前記一方のスイツチ接片と連
   動して移動することを特徴とする切り換えスイ
   ツチ。 ２ 前記２つのスイツチ接片の係合はストツパ２
   １を介して行なわれ、そのストツパは脚部の長
   さが不等なＵ字型ストツパ２１であり、このス
   トツパ２１が板バネ１９のスイツチ接片２０の
   接点２２と共に板バネ１９に固定され、その場
   合２つの接点７，２２が板バネ５，１９の対向
   面に設けられることを特徴とする実用新案登録
   請求の範囲第１項に記載の切り換えスイツチ。 ３ 前記２つのスイツチ接片の係合は、板バネ
   ５，１９の両方に設けられ互いに係合し合う舌
   片２３，２４により行なわれることを特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第１項に記載の切り
   換えスイツチ。