JPH02185922A - 高強度高靭性鋼材及びその製法 - Google Patents
高強度高靭性鋼材及びその製法Info
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Landscapes
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野]
本発明は、引張強さにして80Kgf/m111’程度
以上の高強度を有し、且つ靭性にも優れた鋼材及びその
製法に関するものである。
以上の高強度を有し、且つ靭性にも優れた鋼材及びその
製法に関するものである。
[従来の技術]
80 Kg f / mm”程度以上の引張強さを有す
る高強度鋼材を得る方法としては、従来より下記2つの
方法が実施されている。
る高強度鋼材を得る方法としては、従来より下記2つの
方法が実施されている。
(1)JIS G 4051の540Cや550C
といった中炭素鋼よりなる圧延鋼材を、別ラインで再加
熱し焼入れ・焼戻しを行なって所定の強度を得る方法。
といった中炭素鋼よりなる圧延鋼材を、別ラインで再加
熱し焼入れ・焼戻しを行なって所定の強度を得る方法。
(2)調質処理を施さなくとも所定の強度が得られる様
に、Mn、Cr、V、Nb等の強化元素を含有させる方
法。
に、Mn、Cr、V、Nb等の強化元素を含有させる方
法。
しかしこれらの方法には、夫々次の様な問題がある。即
ち上記(1)の方法では、別ラインで熱処理を行なう為
の設備が不可欠であり、設備費が増大する他、工程数が
増えて生産能率も低下してくる。
ち上記(1)の方法では、別ラインで熱処理を行なう為
の設備が不可欠であり、設備費が増大する他、工程数が
増えて生産能率も低下してくる。
また上記(2)の方法では、上記強化元素を多量添加し
なければならず、素材コストはかなり高くなる。また圧
延したままの非調質鋼はフェライト・パーライト組織で
あって、焼入れ・焼戻し材に比べると耐衝撃性(靭性)
が悪いので用途に制約があり、高靭性が要求される部品
には適用できない。
なければならず、素材コストはかなり高くなる。また圧
延したままの非調質鋼はフェライト・パーライト組織で
あって、焼入れ・焼戻し材に比べると耐衝撃性(靭性)
が悪いので用途に制約があり、高靭性が要求される部品
には適用できない。
[発明が解決しようとする課題]
本発明は上記の様な従来技術の問題点に鑑みてなされた
ものであフて、第1の目的は、特定構成の金属組織から
なる高強度高靭性鋼材を提供しようとするものであり、
他の目的は、その様な高強度高靭性鋼材をオンラインで
効率良く製造することのできる方法を提供しようとする
ものである。
ものであフて、第1の目的は、特定構成の金属組織から
なる高強度高靭性鋼材を提供しようとするものであり、
他の目的は、その様な高強度高靭性鋼材をオンラインで
効率良く製造することのできる方法を提供しようとする
ものである。
[課題を解決する為の手段]
上記課題を解決することのできた本発明鋼材の構成は、
表層部が微細パーライト組織を有し、内部がマルテンサ
イト組織を有するものであるところに要旨を有するもの
である。そしてこの様な高強度高靭性の鋼材は、仕上げ
圧延前の鋼材表面をMs点〜550℃に急冷して表層部
を微細パーライト組織とし、次いで10〜40%の仕上
げ圧延を施してから冷却し、内部の未変態オーステナイ
トをマルテンサイトに変態させることによって得ること
ができる。
表層部が微細パーライト組織を有し、内部がマルテンサ
イト組織を有するものであるところに要旨を有するもの
である。そしてこの様な高強度高靭性の鋼材は、仕上げ
圧延前の鋼材表面をMs点〜550℃に急冷して表層部
を微細パーライト組織とし、次いで10〜40%の仕上
げ圧延を施してから冷却し、内部の未変態オーステナイ
トをマルテンサイトに変態させることによって得ること
ができる。
[作用]
本発明の鋼材は、上記の様に表層部が耐衝7性の優れた
微細パーライト組織を示し、内部が高強度のマルテンサ
イト組織を示すものであり、これら2つの組織の複合効
果によって高強度と高靭性を兼備したものとなる。しか
も表層部の微細パーライト組織は軟質性を有するもので
あるから、遅れ破壊の問題も解消される。
微細パーライト組織を示し、内部が高強度のマルテンサ
イト組織を示すものであり、これら2つの組織の複合効
果によって高強度と高靭性を兼備したものとなる。しか
も表層部の微細パーライト組織は軟質性を有するもので
あるから、遅れ破壊の問題も解消される。
尚本発明に係る鋼材は前述の如く金属組織を特定したと
ころに要旨を有するものであり、成分組成は特に限定さ
れないが、その目的に徹すれば下記成分組成が好適であ
ると考えられる。
ころに要旨を有するものであり、成分組成は特に限定さ
れないが、その目的に徹すれば下記成分組成が好適であ
ると考えられる。
C: 0.3 〜0.6 %
強度向上元素として重要な成分であり、引張強さ80K
gf/mm’程度以上といった高強度を確保するにはC
ff1が0.3%程度以上の中炭素鋼を使用することが
望まれる。しかしC量が多過ぎると、硬質化し過ぎるた
め仕上げ圧延時の加工性が低下し、且つ焼入の際に焼割
れを起こすという問題が生じてくるので、0.6%程度
以下に抑えるのがよい。
gf/mm’程度以上といった高強度を確保するにはC
ff1が0.3%程度以上の中炭素鋼を使用することが
望まれる。しかしC量が多過ぎると、硬質化し過ぎるた
め仕上げ圧延時の加工性が低下し、且つ焼入の際に焼割
れを起こすという問題が生じてくるので、0.6%程度
以下に抑えるのがよい。
M n : 0.3〜2.0%
Mnは強度向上成分として作用するばか靭性向上効果も
有しているので、0.3%程度以上含有させるのがよい
。しかし多過ぎると焼入の際に焼割れを起こし易くなる
ので、2.0%程度以下に抑えるのがよい。
有しているので、0.3%程度以上含有させるのがよい
。しかし多過ぎると焼入の際に焼割れを起こし易くなる
ので、2.0%程度以下に抑えるのがよい。
S i : 0.1〜0.5%
脱酸成分として添加されるが、多過ぎると靭性な悪化さ
せるので0.1〜0.5%程度の範囲がよい。
せるので0.1〜0.5%程度の範囲がよい。
Cr : 0.5%以下
強度及び靭性を共に高める作用があるが、多過ぎると素
材コストが高くなり、本発明の趣旨に沿わなくなるので
、0.5%程度以下が望ましい。
材コストが高くなり、本発明の趣旨に沿わなくなるので
、0.5%程度以下が望ましい。
V、Nb:共に0.3%以下
靭性向上に有効な元素であるが、素材コストを高めるの
で0.3%程度以下に抑えるのがよい。
で0.3%程度以下に抑えるのがよい。
残部二Fe及び不可避不純物
不可避不純物としてはP、S、N等があるが、これらは
偏析による物性劣化の原因となるので、できるだけ少な
い方がよい。
偏析による物性劣化の原因となるので、できるだけ少な
い方がよい。
本発明に係る鋼材の好ましい成分組成は上記の通りであ
るが、勿論上記成分組成のものに限定される訳ではなく
、用途や目的に応じて他の様々の元素を少量含有させる
こともでき、それらも上記金属組織の規定要件を満たす
限りすべて本発明の技術的範囲に含まれる。
るが、勿論上記成分組成のものに限定される訳ではなく
、用途や目的に応じて他の様々の元素を少量含有させる
こともでき、それらも上記金属組織の規定要件を満たす
限りすべて本発明の技術的範囲に含まれる。
次に本発明鋼材の製造方法について説明する。
本発明では、中間圧延から仕上げ圧延を含めた連の圧延
工程において、仕上げ圧延前の鋼材表面をMs点〜55
0℃まで急冷することにより表層部を微細パーライト組
織とし、次いで10〜40%の仕上げ圧延を施した後冷
却し、内部の未変態オーステナイト組織をマルテンサイ
ト組織に変態させる方法が採用される。ここで急冷時の
到達温度がMs点未満にまで下がると、表層部がマルテ
ンサイト組織となって硬質化し、仕上げ圧延が困難にな
るばかりでなく、得られる鋼材は全体がマルテンサイト
組織となるため靭性向上の目的が果たせなくなる。一方
550℃を超える高温では、折角急冷された表層部が内
部保有熱によって温度を回復し、再びオーステナイト組
織に戻り、表層部を微細パーライト組織に変えることが
できない。従って表層部を微細パーライト組織に変える
には、仕上げ圧延前の急冷時における表層部の到達温度
をMs点〜550℃にすることが不可欠となる。
工程において、仕上げ圧延前の鋼材表面をMs点〜55
0℃まで急冷することにより表層部を微細パーライト組
織とし、次いで10〜40%の仕上げ圧延を施した後冷
却し、内部の未変態オーステナイト組織をマルテンサイ
ト組織に変態させる方法が採用される。ここで急冷時の
到達温度がMs点未満にまで下がると、表層部がマルテ
ンサイト組織となって硬質化し、仕上げ圧延が困難にな
るばかりでなく、得られる鋼材は全体がマルテンサイト
組織となるため靭性向上の目的が果たせなくなる。一方
550℃を超える高温では、折角急冷された表層部が内
部保有熱によって温度を回復し、再びオーステナイト組
織に戻り、表層部を微細パーライト組織に変えることが
できない。従って表層部を微細パーライト組織に変える
には、仕上げ圧延前の急冷時における表層部の到達温度
をMs点〜550℃にすることが不可欠となる。
急冷により表層部を微細パーライトとした後は、所定の
断面寸法まで仕上げ圧延されるが、このときの加工率は
10〜40%に設定しなければならない。このときの加
工率が10%未満である場合は、加工率不足のため微細
パーライト組織の引き伸ばしが不十分となり、満足のい
く靭性向上効果が得られなくなる。一方加工率が40%
を超えると、表層部の微細パーライト組織が引き伸ばさ
れ過ぎて分断された状態となり、靭性は急激に低下して
くる。
断面寸法まで仕上げ圧延されるが、このときの加工率は
10〜40%に設定しなければならない。このときの加
工率が10%未満である場合は、加工率不足のため微細
パーライト組織の引き伸ばしが不十分となり、満足のい
く靭性向上効果が得られなくなる。一方加工率が40%
を超えると、表層部の微細パーライト組織が引き伸ばさ
れ過ぎて分断された状態となり、靭性は急激に低下して
くる。
尚仕上げ圧延は急冷後直ちに実施してもよいが、好まし
くは1〜10秒程度の保持時間を持たせるのがよい。そ
の理由は、急冷による微細パーライト変態を十分に進行
させるのに必要な時間を置くためであり、1秒未満では
変態不足となって満足のいく物性改善効果が発揮されな
くなることがあり、一方保持時間が10秒を超える場合
は、鋼材の深部まで微細パーライト変態が進み、マルテ
ンサイト組織層の比率が少なくなって高強度化が達成し
難くなるからである。
くは1〜10秒程度の保持時間を持たせるのがよい。そ
の理由は、急冷による微細パーライト変態を十分に進行
させるのに必要な時間を置くためであり、1秒未満では
変態不足となって満足のいく物性改善効果が発揮されな
くなることがあり、一方保持時間が10秒を超える場合
は、鋼材の深部まで微細パーライト変態が進み、マルテ
ンサイト組織層の比率が少なくなって高強度化が達成し
難くなるからである。
仕上げ圧延の後は、水冷等によって冷却し、内部の未変
態オーステナイト組織をマルテンサイト組織に変態させ
ると、芯部が硬質のマルテンサイト組織を有し表層部が
高靭性の微細パーライト組織よりなる鋼材が得られる。
態オーステナイト組織をマルテンサイト組織に変態させ
ると、芯部が硬質のマルテンサイト組織を有し表層部が
高靭性の微細パーライト組織よりなる鋼材が得られる。
尚、冷却後の焼戻しはオフラインで行なってもよいが、
最終の冷却工程で完全冷却せず途中で冷却を止め内部の
自己保有熱でセルフテンパーを行なう方法を採用すれば
、一連の工程を効率良く遂行することができるので好ま
しい。
最終の冷却工程で完全冷却せず途中で冷却を止め内部の
自己保有熱でセルフテンパーを行なう方法を採用すれば
、一連の工程を効率良く遂行することができるので好ま
しい。
[実施例]
下記成分組成の鋼材を使用し、第1図に示す方法に準じ
て高強度高靭性の棒鋼を製造した。実験条件を第1表に
、また結果を第2表に一括して示す。
て高強度高靭性の棒鋼を製造した。実験条件を第1表に
、また結果を第2表に一括して示す。
(鋼材組成)
C: 0.54%、 S i :0.20%、Mn11
.80%。
.80%。
P : 0.012%、 S : 0.011%、C
u:0.01%、 N i :0.02%、Cr:0.
15%第1.2表の結果から次の様に考えることができ
る。
u:0.01%、 N i :0.02%、Cr:0.
15%第1.2表の結果から次の様に考えることができ
る。
実施例1.2は本発明の規定要件を充足する例であり、
内部は硬質で高強度を示すのに対し、表層部は比較的軟
質で靭性に優れたものであり、高強度と高靭性を兼備し
ている。またこの棒溺の遅れ破壊(折損率で測定)はい
ずれも0%であり、優れた耐遅れ破壊性を有しているこ
とが分かる。
内部は硬質で高強度を示すのに対し、表層部は比較的軟
質で靭性に優れたものであり、高強度と高靭性を兼備し
ている。またこの棒溺の遅れ破壊(折損率で測定)はい
ずれも0%であり、優れた耐遅れ破壊性を有しているこ
とが分かる。
比較例1.2は仕上げ圧延前における急冷時の温度が規
定範囲を外れる例であり、比較例1ではこのときの温度
がMs点未満であるため表層部までマルテンサイトに変
態し、また比較例2では、急冷時の温度が550℃を下
回らなかったため折角変態させた微細パーライト組織が
内部保有熱で再加熱されてオーステナイト組織に戻り、
最終的には表層部までマルテンサイト組織となり、表層
部の靭性が乏しく、また耐遅れ破壊性も悪い。
定範囲を外れる例であり、比較例1ではこのときの温度
がMs点未満であるため表層部までマルテンサイトに変
態し、また比較例2では、急冷時の温度が550℃を下
回らなかったため折角変態させた微細パーライト組織が
内部保有熱で再加熱されてオーステナイト組織に戻り、
最終的には表層部までマルテンサイト組織となり、表層
部の靭性が乏しく、また耐遅れ破壊性も悪い。
比較例3は、仕上げ圧延時の加工率が40%を超えた例
であり、加工率が高過ぎるため微細パーライト組織が分
断されて表層部の靭性が乏しくなり、本発明の目的にそ
ぐわない。これに対し比較例4は仕上げ圧延時の加工率
が10%未満の例であり、表層部の微細パーライト組織
が十分引き伸ばされず靭性の向上効果が少ない。
であり、加工率が高過ぎるため微細パーライト組織が分
断されて表層部の靭性が乏しくなり、本発明の目的にそ
ぐわない。これに対し比較例4は仕上げ圧延時の加工率
が10%未満の例であり、表層部の微細パーライト組織
が十分引き伸ばされず靭性の向上効果が少ない。
[発明の効果]
本発明は以上の様に構成されており、内部を硬質で高強
度のマルテンサイト組織、表層部を比較的軟質で高靭性
の微細パーライト組織よりなる複合組織とすることによ
り、高強度で且つ高靭性を示し且つ耐遅れ割れ性の優れ
た鋼材を提供し得ることになった。
度のマルテンサイト組織、表層部を比較的軟質で高靭性
の微細パーライト組織よりなる複合組織とすることによ
り、高強度で且つ高靭性を示し且つ耐遅れ割れ性の優れ
た鋼材を提供し得ることになった。
第1図は実施例で採用した圧延処理の工程説明図である
。
。
Claims (2)
- (1)表層部が微細パーライト組織を有し、内部がマル
テンサイト組織を有するものであることを特徴とする高
強度高靭性鋼材。 - (2)仕上げ圧延前の鋼材表面をMs点〜550℃に急
冷して表層部を微細パーライト組織とし、次いで10〜
40%の仕上げ圧延を施してから冷却し、内部の未変態
オーステナイトをマルテンサイトに変態させることを特
徴とする高強度高靭性鋼材の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP565389A JPH02185922A (ja) | 1989-01-12 | 1989-01-12 | 高強度高靭性鋼材及びその製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP565389A JPH02185922A (ja) | 1989-01-12 | 1989-01-12 | 高強度高靭性鋼材及びその製法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02185922A true JPH02185922A (ja) | 1990-07-20 |
Family
ID=11617089
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP565389A Pending JPH02185922A (ja) | 1989-01-12 | 1989-01-12 | 高強度高靭性鋼材及びその製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH02185922A (ja) |
-
1989
- 1989-01-12 JP JP565389A patent/JPH02185922A/ja active Pending
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