JPH02178393A - 炭素繊維紡糸用ピッチの品質評価方法 - Google Patents

炭素繊維紡糸用ピッチの品質評価方法

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JPH02178393A
JPH02178393A JP33164588A JP33164588A JPH02178393A JP H02178393 A JPH02178393 A JP H02178393A JP 33164588 A JP33164588 A JP 33164588A JP 33164588 A JP33164588 A JP 33164588A JP H02178393 A JPH02178393 A JP H02178393A
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ash
spinning
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carbon fiber
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JP33164588A
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Minoru Takeuchi
実 竹内
Toshio Noji
野地 敏夫
Hiroaki Shono
庄野 弘晃
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Nitto Boseki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、連続紡糸に適する炭素M&維紡糸用原料(プ
リカーサ−ともいう)としてのピッチ類の品質を、原料
段階で正確に且つ迅速に評価することのできる方法に関
する。
従来の技術とその問題点 昨今における量産炭素繊維の主流は、ポリアクリロニト
リル繊維を焼成し炭化させることによって得られるPA
N系炭素繊維であるといっても過言ではない。その主な
理由としては、PAN系炭素繊維は強度が高く、軽量且
つ高強度機能を有する素材であることが挙げられる。
しかしながら、最近では、石炭系或いは石油系のピッチ
類を原料とするピッチ系炭素繊維が、経済性の面でPA
N系炭素繊維より有利であることや、物性面でも高弾性
率のものが得られることなどのため、関連企業ならびに
技術者の関心が注がれ、様々の研究開発がなされている
。ピッチ系炭素繊維の利点としては、繊維機能について
断熱性、摺動性及び導電性に優れるといったことが挙げ
られるが、とに角その最大の利点は、製造コストの低廉
なことにある。即ち安価で炭化収率が高いコールタール
を原料とする故、これがら高品質のピッチ系炭素繊維を
製造することが可能になれば、製造コストの低減により
量産量販の低価格が実現し、ひいて飛躍的な需要拡大を
期待できるというものである。ところで、ピンチ系炭素
繊維製品の物性及びその製造コストは、その原料そのも
のの性状や物性により影響されることは言うまでもない
。ピッチ類は多成分からなる複雑な芳香族炭化水素の混
合物であり、その性状や組成は原料の種類や調製条件に
より変わるが、その性状や組成を正確に且つ迅速に把握
することは、炭素繊維紡糸用原料としての適否を迅速に
評価するうえで極めて重要なことである。こうした状況
のもとで、従来実施されている評価方法としては、元素
分析による方法、工業分析による方法、有機溶剤を使用
する溶剤分別による方法、及び核磁気共鳴スペクトル(
NMR)を使用する方法(特公昭62−19743号)
などがあり、さらに最近では高速液体クロマトグラフィ
ーを用いる方法(特願昭63−83425号)が提案さ
れている。
PAN系炭素炭素繊維比較においてピッチ系炭素繊維が
有する最大の利点は、−にも二にもその製造コストが安
価なことであるので、この利点を十分に生かすために、
安定して長時間にわたる連続紡糸プロセスに耐えうるよ
うな、特性ないし材質の優れたピッチを待望する声が高
まってきている。
高強度で且つ高弾性率を示す高性能品グレード(HPグ
レード)は、光学的等方性を有するピッチを不活性ガス
雰囲気下で適当な温度(350〜500°C)に加熱し
、光学的異方性の相を生長させてバルクメソフェーズピ
ッチを紡糸用ピッチとして製造する。しかしながらコー
ルタールから紡糸用メソフェーズピッチへの調製工程は
、そのプラント技術を確立することが難しく、しかもメ
ソフェーズピッチは等方性ピッチに比べて粘性が大きく
、発泡などの問題が伴うので、それの紡糸が困難である
。従って、低コスト実現には、紡糸用ピッチ調製技術を
比較的容易に確立できる、汎用グレード(GPグレード
)品の方がむしろ有利である。
HPグレード、GPグレードは、両者ともにその炭化収
率がPAN系炭素炭素繊維べて高く、したがってその経
済的利点は主としてこのことによりもたらされるが、他
方、ピッチ系炭素繊維の製造コストは各製造工程が円滑
に操業されるか否かに大きく左右される。ピンチ系炭素
繊維の製造工程は次の3つの工程に分類される。
(1)紡糸用ピッチから溶融紡糸しピッチ繊維を製造す
る工程。
(2)上記ピッチ繊維を不融化し、形状固定のための表
面酸化処理を施し不融化繊維を製造する工程。
(3)上記不融化繊維を窒素雰囲気下で炭化し、炭素繊
維を製造する工程。
従って、製造コストの低減を実現するには、上記の各工
程の操業を円滑に進めなければならず、特に(1)およ
び(2)の効率を上げることが不可欠である。(2)の
工程の容易性は、高軟化点が一つの指標として挙げられ
るが、高軟化点ピッチは、紡糸性が悪く、(1)に要求
される項目に矛盾するといった面もある。
しかしながら各工程に共通する安定操業妨害因子は、紡
糸原料中に含まれる灰分である。灰分が多量に含まれた
紡糸用ピンチを用いて炭素繊維を製造すると、物性低下
という悪影響をもたらすことは勿論のこと、上記(1)
の工程の安定操業を阻害する。即ち紡糸原料中に含まれ
る灰分は、溶融紡糸中に断糸を起こしたり、また断糸を
引き起こさないまでもピッチの品質劣化の原因となる。
灰分は紡糸温度近傍の熱履歴をうけても不溶であるので
、紡糸装置内のフィルターやノズルを閉塞させ、紡糸装
置内の急激な圧力上昇をもたらす。その圧力上昇は紡糸
操業の安全性を著しく損なわせ、作業者を危険な環境に
曝すものであり、またそのメンテナンスにも多大の注意
と努力を要求するから、必然的に作業効率を大きく低下
させることになる。
ところが前述のような従来の評価方法、すなわち元素分
析、工業分析、溶剤分別、核磁気共鳴あるいはガスクロ
マトグラフィー等を用いる方法では、紡糸原料中の灰分
濃度を原料段階で正確且つ迅速に評価判定することはで
きない。そのため灰分濃度測定には、JISで規定され
ているタールピッチの灰分定量方法(JIS K 25
24)に頼らざるを得ない。しかしこの方法で使用され
る試料は3gであり、粗原料のタールピッチそのものな
ら灰分濃度が高く問題にならないが、紡糸用に調製した
ピッチならば比較的その濃度は低く、充分精度あるデー
タが得られない。
また当該ピッチ少量を溶融ろ過し、その灰分を、採取し
測定するという実験では、溶融に相当の時間を要し、か
つ、評価実験をロフト毎に行わなければならないため、
迅速な評価はおよそ不可能なことである。
発明の課題 びその解決手段の特徴 かくして本発明の目的は、従来技術における前述の事情
にかんがみ、ピッチ系炭素繊維の紡糸原料中の灰分を、
原料ピッチの段階で正確に且つ迅速に測定評価すること
のできる、斬新にして有用性の高い技術を確立すること
にある。
本発明の品質評価方法の特徴は、ピッチ系炭素繊維の紡
糸用原料であるピッチ類に含有される灰分濃度を、当該
ピッチを完全に灰化させ、さらにテレビジョンのラスタ
走査を用いるディジ゛タル画像処理により灰分粒子の体
積を迅速に測定し、安定した連続紡糸に適する炭素繊維
紡糸用ピッチとしての品質評価をすることである。
公乳ユ(4)Aげ団D ピッチ系炭素繊維の安定した紡糸操業に要求される特性
項目を示すと、あらまし以下のとおりである。
(1)熱安定性がよいこと。即ち溶融紡糸工程での熱分
解によるガス発生がないこと。
溶融紡糸工程での熱履歴により、紡糸用ピッチからガス
もしくは揮発性成分が生成されると、ピッチがノズルを
通過する際にガスにより断糸を起こしたり、揮発性成分
がノズル周辺を被覆し新たな切断原因となったりする。
即ちこうしたガス及び揮発性成分が溶融温度或いは紡糸
温度付近で生成されないようなピッチを選択することが
望ましく、この要求を満たすことが安定した連続紡糸性
能に直接的に関与することになる。
(2)系が均一なこと。即ち溶融時にピッチが均一な相
となって流動すること。
紡糸装置内の熱履歴により、ピッチが熱分解や熱重合な
どの化学変化を起こし、ピッチ系中に低分子物質や難溶
性の高分子物質が生成され、これらの量がいずれかに偏
ると相分離を起こし、連続紡糸性を低下させるばかりで
なく、ピッチ繊維の品質を揃えることができない。
(3)固形分(灰分、非溶解成分)を含まないこと。
溶融紡糸では異物によるノズル閉塞や繊維の切断を避け
るため、フィルターを紡糸装置内に設置するが、上記物
質を多く含むとフィルター閉塞をもたらし紡糸装置内の
背圧上昇を引き起こし、連続運転に支障をきたす。
本発明は要するに、上記(3)に要求される紡糸用ピッ
チの特性を、当該ピッチそれ自体に関する測定でもって
正確に且つ迅速に評価できる技術を提供するものである
。コールタール類中の灰分は、鉄、シリカ、アルミナ、
カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、ニッケル、バ
ナジウムなどの無機化合物がその主成分である。そのた
め灰分の融点は、1200〜1500°Cである。紡糸
用ピッチ中の灰分粒子は、粗原料であるコールタール類
中に既に多く含まれるが、紡糸用ピッチ調製における精
製の段階でその大部分は除去される。しかし僅かにピッ
チ中に残余した灰分粒子は、ピッチそれ自体の溶融及び
紡糸温度である300°C付近では全くの不溶性を呈す
るから、灰分粒子の存在は、ピッチの流動性に少なから
ぬ影響を及ぼす。特にノズルのような細管を通過すると
きに、これが異物として働いてノズル閉塞の要因となる
のみならず、さらにはノズルの切断の原因にもなりかね
ない。また、できあがったピッチ繊維の品質がこの灰分
粒子の存在によって損なわれることはいうまでもない。
そこで断糸やノズル閉塞のトラブルを避けるため、通常
は紡糸装置内にフィルターを設置することが考えられる
。しかしながら炭素繊維の製造を安定して長時間連続し
て運転を継続しようとすると、ピッチ中の灰分粒子がフ
ィルター上に蓄積し遂にはピンチのフィルター通過を阻
害し紡糸装置内の背圧上昇を引き起こす。背圧上昇があ
まりに急激であったり、上昇が限界値に達すると運転を
中止し、フィルター上に堆積した灰分を除去しなければ
ならない。
従ってピッチ系炭素繊維の安定した連続紡糸には、この
灰分が無いもしくは限りなく少ないことが望ましく、こ
うしたフィルター閉塞の予測を迅速に立てることが可能
であるならば、フィルターの寿命を正確に予測すること
ができ、ひいては連続紡糸プロセスの生産管理を円滑に
行うことができる。
本発明は、紡糸用原料ピッチを完全に灰化させ、そのま
ま画像処理によりピッチ中に含有される微量灰分を迅速
定量することで、前記(3)の要求項目に適合できるか
どうかを評価するものである。
ところで、タールピッチ一般については、その灰分定量
方法の代表的なものがJIS(JIS K 2524)
に規定されている。このJISの定量方法では、試料3
gを磁器るつぼ(JIS R1301)にとり、試料が
飛散しないように注意して徐々に加熱し、揮発分を除い
た後750〜900°Cで灰化させ、放冷後桟量をはか
ることによって灰分量を決定する。しかしながら前述し
たように1.紡糸用ピッチの灰分濃度はその粗原料であ
るコールタールのそれと比較して少なく、上記の放冷後
における試料の残量からでは回収可能な灰分の重量が余
りにも小さいから、このような重量にもとづく定量方法
によっては、天秤の公差と比較して充分に精度の高い結
果が得られない。この打開策として、試験量を多くする
ということが考えられるが、そのためには磁器るつぼを
大きくしなければならず、また得られる回収灰分の重量
が風袋の重量に比べてあまりに小さいため、依然として
測定精度上の問題が残る。
そこで本発明者は、様々の実験と観察を試行錯誤的に行
った結果、紡糸用ピッチ中の灰分は無機化合物を主成分
として構成されているが、その灰分粒子−個の大きさは
小さく、大部分の粒子の球換算径はlpm以下であるこ
と、そのような大きさにも拘らず、この非溶解成分は粒
子自身が周囲のピッチの流動性を妨げ、フィルター通過
時にピッチをフィルター上に滞留させ大きな負荷を示す
こと、従ってフィルター閉塞には灰分の体積が大きく影
響し、その体積を測定することが正確に且つ迅速に実施
できれば、フィルター閉塞を予測することが可能となる
こと、という自然現象に対する新たなる認識を得ること
ができた。かくして、この新たな認識に立脚してさらに
その灰分体積を如何に迅速に測定すれば評価できるかを
鋭意検討した結果、本発明の評価方法を創作するに至っ
た次第である。以下にその具体的な技術内容を明らかに
する。
先ず、透明で且つ750〜900°C付近で耐熱性を有
する容器を準備する。この容器の形状は例えば円筒形で
、平滑な底面すなわち平行平面を有し、かつ、その高さ
がピッチを仕込んだ時の高さの約5倍程度であることが
望ましい。なぜならば、紡糸用ピッチが徐々に加熱され
ると、揮発性成分除去の進行に伴い、体積が膨らむので
、これによりピッチが外にこぼれるのを防ぐ必要がある
からである。また、本測定の試料は、前述のJISの試
験法に用いる3gより多い方が実験精度が大幅に向上す
るので、準備する容器についてはこの点をも考慮して、
試験量を可及的に多くすると共に、それに適した容積を
有するものを用意することが必要である。一定量の紡糸
用ピッチを上記容器に採取し、電気炉等で徐々に温度を
上昇させながら加熱していく。このようにして充分に揮
発性成分を除去した後、電気炉の温度を750〜900
°C範囲内の特定の温度に設定することによって灰化を
行わせる。この灰化の温度は極めて重要である。という
のは、灰の種類の如何によっては比較的低融点の灰分が
含まれており、それが900°C付近で粘結してしまう
ことがあって、好ましくないからである。
それゆえ、粘結の発生を可及的に回避するという目的か
らすれば、750 ’C付近が良いが、他方、測定の迅
速性向上のためには、より高温で灰化した方が高い効率
が得られるため、好都合である。
従って最適な灰化温度は、灰が粘結してしまわない程度
に高温である方がよい。
完全に灰化したら、室温付近まで冷却し、容器を取り出
す。灰分粒子が容器の底面に均一に分散した状態となっ
ており、これを実体顕微鏡で観察する。この実体顕微鏡
は、画像処理装置及びコンピューターにそれぞれ結合さ
れている。灰分は容器の底面上に均一に分散しているの
で、灰分粒子により占有された総面積を測定すれば、そ
の測定値から灰分量を推定することができる。すなわち
、灰分粒子は実体顕微鏡において光源からの光を吸収す
るため黒色像となって観察されるから、その黒色像部分
の面積値を画像処理によって算出しておき、全体の観察
面の面積で割ると、灰分濃度をある数値で表現すること
ができ、この数値により重量法によることなく、灰分を
定量することができる。従って連続多孔紡糸操業の生産
管理を行う場合、紡糸用ピッチそのものに対して本発明
の評価方法を実施することにより、灰分濃度の適否を正
確に且つ迅速に判断することが可能になる。以下、実施
例により説明する。
実施例 2種類A、Hの紡糸用ピッチをそれぞれ以下に示す通過
量試験を行ない流動性を評価した。
まず、ピッチを粗粉砕し、200 gを秤り、内径40
mm、高さ300mmの円筒状の濾過装置に入れた。
この装置には、目開き20pのメツシュタイプのフィル
ターが装着してあり、吐出部は内径D =2.7mm、
長さL=1.1mmの孔が開いている。
ピッチを濾過装置内に入れた後、装置中にアルゴンガス
を流通させた。内部の空気を完全にアルゴンガスで置換
させた後、開孔部を密閉し、真空ポンプで中のアルゴン
ガスを抜いた。1.5 torrになったら、昇温を開
始した。あらかじめ、粘性測定を行なっておき、300
 poiseを示す温度に達したらその状態で30分保
持した。
その後、アルゴンガスで加圧し4.6 kg / am
2に設定後、10分間保持した。
保持した後、密閉シールをはがし、温度、アルゴン加圧
をその状態に保ったまま、吐出したピッチの重量すなわ
ち吐出量を測定した。第1図は2つの原料ピッチA、B
の吐出量と吐出時間の関係を示す。ピッチA、Hの吐出
性にはかなりの差異が見られる。
一方、灰分濃度を調べるために、告該ピッチを50g精
秤し、500 cc石英ビーカーに入れ、電気炉で30
0°Cまで昇温しな。1時間この温度に保ったままピッ
チを徐々に燃焼させた。さらに、その後500°Cまで
昇温し、この温度で1時間保持する。この間ピッチ中の
揮発分は完全に除去される。さらに900°Cまで加熱
しピッチの黒い物質が完全に消失されるまで加熱し続け
た。
ピッチが完全に灰化した後放冷し、そのまま注意深く電
気炉から石英ビーカーを取りだした。これを第2図に示
すシステムで測定することにより定量評価した。本発明
に従う品質評価方法の手順を第3図のフローチャートに
示す。
石英ビーカー中に回収された灰分粒子は、石英ビーカー
の底に均一にばらまかれた状態で採取されており、この
粒子の占める面積を測定することにより、灰分量を数値
として算出することができる。
本発明の炭素繊維紡糸用原料ピッチの品質評価方法は、
第2図のブロック図に示す装置によって実施されるが、
この装置の各構成部分それ自体には公知の技術手段を適
用することができる。第2図において、前述のごとく石
英ビー力の底面上に分散し付着した状態で採取された灰
分粒子は実体顕微鏡1により観察されてその視野中の所
定面積の区域に光学的画像を形成し、ついでこの光学的
画像は例えばCODまたはビジコン等を含むTV左カメ
ラを通してラスタ走査されて、次々とその画素の輝度を
表わす画像データ信号をディジタル画像処理装置3に入
力する。画像処理装置3はそれ自体公知のものでよいの
で、その回路構成の具体的な説明は敢えて省略すること
にし、代りに本発明方法における主要な手順を示す第3
図のフローチャートをも参照しつつ説明することによっ
て、それの内容を明らかにする。ディジタル画像処理装
置3においては、第3図に(a)で示される画像データ
入力は、先ずS/N比を高くするために適宜の数のフィ
ールドにわたって反復し積算して入力される。次に(b
)に示すように、灰分粒子が3次元の形態であることや
、石英ビーカーの歪による光線の乱反射などに起因する
ゴースト、ならびに、石英ビーカーの底面に付着した微
粒子状の汚染物質等によって生じるノイズ成分を除去す
るとともに、画面全体にわたって階調を調整し、特にそ
の背景の階調を補正する。背景処理・ノイズ除去の後、
(C)において、画面を構成する画素の輝度を0〜25
5の256段階に分割し、それらの各段階に入る画素数
を積算することにより、いわゆる輝度ヒストグラムを作
成し、このヒストグラムが示す画素の輝度に関する頻度
分布に応じて、しきい値を決定する。このしきい値は、
よく知られているように、例えばヒストグラム全体を2
つのグループに分けた時、それらのグループ間の分散が
最大になるように決定すればよい。そこで、高速のA/
D変換器(2値化回路)を用いて、輝度ヒストグラム上
のしきい値により全画素を白と黒の2つのグループに仕
分liシ、各々の画素の輝度が白と黒のいずれのグルー
プに属するかに応じてOまたは1で表わされる2値画像
信号を得る。このようにして画像処理装置3の出力に現
われる2値画像信号は、順次に通常の小型計算機、例え
ばパーソナルコンピュータ5に入力される。
パーソナルコンピュータ5では、入力する2値画像信号
が0または1のいずれであるかに応じてそれぞれ累算さ
れ、前述の所定区域における白の部分の画素数の累算値
と、黒の部分の画素数の累算値がそれぞれ得られる。所
定区域全体に含まれる総画素数もまた、白黒各部分の画
素数の累算値の和として得られる。したがって、これら
の各累算値にもとづいて、白の画素数を所定区域全体の
総画素数で割算してその比を求めると、その面積比が灰
分濃度に対応することになる。
一方また、画像処理の終えた灰分粒子の重量を測定する
ことにより、重量法による灰分濃度ppmを求めた。
この結果を上述の画像処理により求めた灰分占有面積%
とともに第−表に示す。
第−表の結果と第1図の吐出試験の結果を比較すると、
次のことが判る。
A、Bの流動性は先の第1図に示したように大きな違い
がある。ところが回収重量法により求めた灰分濃度では
AとBの間に大きな違いがなかった。しかし、画像処理
により得た灰分占有面積パーセントには大きな違いがあ
られれ、流動性判定の差別化に成功した。このように、
フィルター閉塞等の流動性評価には、灰分粒子の重量よ
りも体積が大きく影響し、この体積それ自体を測定する
代りに2次元の面積を測定することによって、プリカー
サ−ピッチの品質を評価することができる。
兄里0紘釆 本発明は以上から構成され、プリカーサ−原料によって
当該ピッチの安定した紡糸性を正確且つ迅速に判断する
ことが可能となった。
即ち、実際の量産における製造段階でのフィルターある
いはノズルの閉塞を的確に予測することが可能となり、
紡糸装置の背圧上昇や断糸といった紡糸工程中のトラブ
ルを未然に防ぐことができる。
従って、ピッチ系炭素繊維の生産性向上並びに品質向上
に著しく寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、灰分粒子の総占有面積を異にする2つの炭素
繊維紡糸用の原料ピッチについて、その吐出時間と吐出
量の関係を示す実験データをグラフ表示した図面、第2
図は本発明の原料ピッチ品質評価方法を実施するのに使
用される装置の概略の構成を示すブロック図、第3図は
その手順を示すフローチャートである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)炭素繊維紡糸用の原料ピッチを、少くとも1つの
    平坦な面を有する耐熱容器内で灰化させることにより、
    該原料ピッチ中に含有される灰分を該面上に分散し付着
    した灰分粒子として採取し、次いで前記灰分粒子が分散
    し付着している前記面上の所定の区域の光学的画像を形
    成し、さらに前記光学的画像に対してテレビジョンのラ
    スタ走査を利用するディジタル画像処理をほどこすこと
    により前記所定の区域に含まれる前記灰分を定量して、
    前記原料ピッチの紡糸用原料としての適否を決定するこ
    と、を特徴とする炭素繊維紡糸用の原料ピッチの品質評
    価方法。
JP33164588A 1988-12-29 1988-12-29 炭素繊維紡糸用ピッチの品質評価方法 Pending JPH02178393A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106153491A (zh) * 2016-07-06 2016-11-23 南京航空航天大学 一种碳纤维束氧化后质量损失率与应力应变实时测量系统及测量方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106153491A (zh) * 2016-07-06 2016-11-23 南京航空航天大学 一种碳纤维束氧化后质量损失率与应力应变实时测量系统及测量方法

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