JPH0217666Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、植毛パイル、粉体塗料等の粉粒体の
散布装置に関する。従来、植毛パイル、粉体塗料
等の粉粒体の散布装置は、網体により円筒状に形
成した回転ふるい或いは振動箱ふるい等がある
が、前者では落下量の偏りにより均一散布が困難
であり、後者では構造が複雑であり、かつ振動に
よる騒音の発生が避けられなかつた。

本考案は前記の問題点に鑑みてなされたもので
あり、底部を均一なふるい目とした円形容器状の
ホツパーの上方に支持部材を設け、該支持部材に
上部を枢着し下部をホツパー内に突出させるとと
もに、軸中心に貫通穴を設けた回動軸に撹拌翼を
設け、該撹拌翼の下縁とホツパー底部のふるい目
との〓間を回動中心から先端に向けて徐々に大き
くすることによりふるい目全体から粉粒体を均一
に散布できるようにした散布装置を提供するもの
である。

以下、本考案の一実施例について図面に基づい
て説明する。

１は、均一なふるい目を形成した底部となる円
板状の網体２と、該網体２の周縁に立設した円環
状の側壁３とからなる粉粒体である植毛パイル
（以下、パイルという）投入用のホツパーであり、
前記側壁３の上端に直径方向に支持部材１１を架
設する。

前記支持部材１１に、ホツパー１の中心を軸心
として回動軸９の上端付近を枢着してその下部を
ホツパー１の内部へ突出させ、該回動軸９の下端
は網体２と所定の隙間を有している。前記回動軸
９の支持部材１１の上部にはスラスト軸受１０を
介してベルト車４を該回動軸９と一体回動可能に
嵌着する。

前記側壁３の外面にモータ６を取付けるととも
にその駆動軸に結合したベルト車１３と前述のベ
ルト車４とにベルト５を巻掛ける。

前記回動軸９の下部に、先端がホツパー１の側
壁３内面に近接する複数の撹拌翼７を網体と直角
にかつ回動軸９を中心に放射状に固着し、該撹拌
翼７の下縁の網体２との隙間は、以下に詳述する
ように、該撹拌翼７の基端から先端に向けて徐々
に大きくなるよう傾斜させている。

すなわち、考案者が実験した結果によれば、撹
拌翼７の下縁と網体２との隙間を一定として撹拌
翼７を回動し、パイルを網体２から落下させた場
合には、撹拌翼７の回動中心から先端に離れるに
従つて落下量が直線的に増大すること、すなわ
ち、パイル落下量は撹拌翼７の周速度が大きくな
るのに比例して多くなることがわかつた。（第４
図のグラフイ）また、撹拌翼７の所定位置（周速
度を一定にして）におけるパイルの落下量は、撹
拌翼７の下縁と網体２との隙間が大きくなるほど
減少すること、すなわち、パイル落下量は撹拌翼
７と網体２との隙間量が大きくなるのに比例して
減少することがわかつた。

本考案では、前記実験結果に基づいて、パイル
を網体２のほぼ全面にわたり均一に落下させるよ
うに、撹拌翼７の回動中心から先端に向けて周速
度が大となることによるパイル落下量の増大の傾
向と、撹拌翼７の下縁と網体２との隙間量を大き
くすることによりパイル落下量が減少する傾向と
が相殺されてパイル落下量が一定となるように、
前記駆動軸９の回転速度および撹拌翼７の下縁の
傾斜の形状を決めている。すなわち、第５図のロ
線は、前記した撹拌翼７下縁と網体２との隙間量
と、パイル落下量との関係に基づいて、撹拌翼７
の長手方向の各地点における周速度が一定である
と想定したうえで、撹拌翼７の基端から先端に向
けて撹拌翼７の下縁の形状を上方に傾斜させて該
下縁と網体２との隙間量を増加し、結果として、
前記イ線で示した周速度の増加による落下量の増
加と、隙間量の増加による落下量の減少とが相殺
して落下量が一定となる（ハ線参照）ように隙間
量を変化させた状態を示す。（第５図のイ，ロ，
ハ線参照） 前記回動軸９の中心には貫通穴９ａを設け、回
動軸９の上端に、回動軸９の下端から下方の網体
２の部分にパイルを供給するためのカツプ１２を
取付ける。

本考案は以上のように構成されており、パイル
供給装置（図示せず）からパイルをホツパー１の
内部に投入し、同時にパイルをカツプ１２から貫
通穴９ａを経て網体２の中央部に供給することに
より中心の空白部にも行き渡る。

これと同時にモータ６を起動してベルト車１３
を回動すればＶベルト５によつてベルト車４は駆
動回転し、これに伴い撹拌翼７が回転して網体２
上のパイルは撹拌翼７の下縁によつて撹拌され、
網体２のふるい目から落下する。

この場合、撹拌翼７は、前述のように、その下
縁の網体２との隙間量が先端に向けて徐々に大き
くなるように傾斜する形状としたため、撹拌翼７
の回動中心からの各地点の周速度が異なることに
よつて生ずる散布の偏りがなく、全く均一に散布
される。

なお、本実施例では粉粒体として植毛パイルを
用いて場合を示したが、本考案の装置はこれに限
らず粉体塗料等いかなる粉粒体にも適用可能であ
る。

以上のように、本考案は、底部を網体としたホ
ツパーの中心にホツパーの上方の支持部材に枢着
した回動軸と、該回動軸のホツパー内への突出部
に固着された撹拌翼とを有し、該撹拌翼の下縁は
ホツパー底部との隙間量が回動中心から先端に向
けて徐々に大きくなる形状とした粉粒体の散布装
置であつて、撹拌翼の周速度の違いによる散布の
偏りはなく、粉粒体を均一に散布することがで
き、また、撹拌翼は比較的低回転で回動するため
振動、騒音が少ない等の利点がある。

また、回動軸の中心には貫通穴が設けられてお
り、該貫通穴を経て網体の中央部にも粉粒体を供
給し中心の空白部にも行き渡らせることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の散布装置を示す全体斜視図、
第２図は第１図の−線に沿う断面図、第３図
は第２図の部詳細図、第４図は撹拌翼の下縁と
網体との隙間量を一定にして回動（回動軸の回転
速度一定）した場合における「網体の中心からの
距離とパイル落下量の関係」を示すグラフイ、第
５図は撹拌翼の周速度を一定に想定して撹拌翼の
下縁と網体との隙間量を変化させた場合における
「網体の中心からの距離とパイル落下量の関係」
を示すグラフロ、前記第４図のグラフイ、およ
び、グラフイとグラフロを合成したグラフハを示
す。 １……ホツパー、２……網体、３……側壁、４
……ベルト車、５……Ｖベルト、６……モータ
ー、７……撹拌翼、９……回動軸、９ａ……貫通
穴、１０……スラスト軸受、１１……支持部材、
１２……カツプ、１３……ベルト車。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 均一なふるい目を形成した底部とその周縁に立
   設した側壁とからなる円形容器状のホツパーと、
   前記ホツパーの上方に設けた支持部材と、該支持
   部材にホツパーの中心を軸心として上部を枢着し
   下部をホツパーの内部へ突出させるとともに、軸
   中心に貫通穴を設けた回動軸と、該回動軸下部に
   基端を固着され、下縁とホツパーの底面との〓間
   量を回動中心から先端に向けて徐々に大きくした
   撹拌翼と、前記回動軸に連結した駆動装置とを備
   えた粉粒体の散布装置。