JPH02175842A - 原子炉炉心機器用ステンレス鋼とその製造方法 - Google Patents

原子炉炉心機器用ステンレス鋼とその製造方法

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JPH02175842A JP63329443A JP32944388A JPH02175842A JP H02175842 A JPH02175842 A JP H02175842A JP 63329443 A JP63329443 A JP 63329443A JP 32944388 A JP32944388 A JP 32944388A JP H02175842 A JPH02175842 A JP H02175842A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、原子炉内にあって、高温水に接する機器にお
いて、材料中から溶出したニッケルが放射化されて生ず
るコバルト58の生成量を減少せしめるためニッケルを
合金組成上必要最少限に抑えた原子炉炉心機器材料およ
びその製造方法に関する。
〔従来の技術〕
従来の原子炉炉心機器材料には耐食性に優れた各種のオ
ーステナイト系ステンレス鋼が使用されている。一般に
原子炉用としては、オーステナイト系ステンレス鋼が多
く用いられている。
とくに、原子炉炉心機器材料の場合には、C含有量(%
)をはじめとして、Ni (%)、Cr(%)および微
量元素としてN(%)に注目せねばならない。
この中でニッケルは、オーステナイトの安定化元素であ
り、オーステナイト系ステンレス鋼の基本元素として例
えば、JIS規格G4304の5US304鋼では大略
6wt%〜lo、5wt%程度が含有されているのが通
例である。他のオーステナイト系ステンレス鋼では、ニ
ッケルを、16wし%あるいは22wt%も含むものさ
えある。更に、ニッケル基系ではNCF600のように
、Ni72wt%含有のものもある。
これらの合金材料から構成される機器においては、高温
水などの原子炉冷却材との接液部が、その冷却材によっ
て腐食されて、合金の組成元素の一部が冷却材中へ溶出
して腐食生成物として蓄積されることがある。
これらの腐食生成物が、原子炉炉心を通過すると、熱中
性子によって照射を受け、腐食生成物中に含まれている
コバルトやニッケルは、放射性のコバルト60及びコバ
ルト58にそれぞれ核変換される。これらの放射性元素
が原子炉炉心内各所や配管に沈着するγ線を長期間にわ
たって放出するため、原子炉機器の保守点検、修理等の
作業における従事者の放射線防護対策が必要となり、作
業効率が低下することがあった。
これに対処するため、半減期の長いコバルト60の低減
を主対象として、オーステナイト系ステンレス鋼中のコ
バルト含有量を通常の含有量0.2〜0.4wj%から
、0.01〜0.05wt%以下にまで制限するなどの
対策が採られていた。
(例えば、特願昭51−26756号公報などである。
)その結果、現在の原子炉内におけるコバルト60の発
生量は、大巾に低減されている。
しかし、ニッケルについては、オーステナイト系ステン
レス鋼の基本元素であるため低減が困難であった。この
ため、コバルト58の低減対策として、原子炉給水中に
微量の鉄イオンや鉄酸化物を注入し、炉内で生成したコ
バルト58を鉄の酸化物としてとりこんで、燃料棒の表
面に安定付着させる等の対策がとられつつある。しかし
、これらは、根本的にコバルト58を低減する方法とは
なり得ないので、燃料再処理などの工程では、放射能の
処理対策が必要となるという欠点を残していた。
一方、コバルト58を抜本的に低減する方法としては、
オーステナイト系ステンレス鋼の代りに、フェライト系
ステンレス鋼により、ニッケルを含まないステンレス鋼
で原子炉炉心用機器を構成しようとする動きもみられる
。しかし、フェライト系材料は、圧力容器用には用いら
れているものの、熱中性子被照射量の大きい原子炉炉心
部の機器に対しては、耐照射脆性の観点から一般的には
用いられていなかった。
また、不純物より以上のNを含有させることにより耐照
射性を改善する方法も検討されつつあるが、Nを0.0
8 w t%以上にすると、溶接性が低下するため、溶
接部のある機器には適用が這しいという欠点があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術は、オーステナイト系ステンレス鋼につい
ては、N1含有量が多いためコバルト58の低減に対し
て効果的な対策がなく、フェライト系ステンレス鋼の場
合は、溶接性などの施工性に問題があった。
本発明の目的は、原子炉炉心機器材料に、必要最小限の
ニッケル含有量に抑えた低ニツケル型ステンレス鋼を用
いることにより、冷却材中へのニッケルの溶出を抑制し
、放射化によるコバルト58の発生を抑制せしめた原子
炉炉心用機器材料とその製造方法を堤供することにある
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決するための本発明に係る原子炉炉心機器
用ステンレス鋼の構成は、 原子炉炉心機器を製造するに使用される材料であって、
Feを主成分とし、C,Si、Mn、P。
S、Ni、Cr、Mo、Cu、Alおよび不純物を含有
するオーステナイト系ステンレス鋼において、N1=1
〜6%、C<0.03%、Cr=12〜20%にし、N
を、C+N<0.05%になるように添加したものであ
り、高温高圧水中における1000時間の隙間付きUベ
ンド腐食試験に合格するようにしたものである。
また、その製造方法の構成は、原子炉炉心機器を製造す
るに使用される、Feを主成分とし、C1Si、Mn、
P、S、Ni、Cr、Mo、Cu。
Alおよび不純物を含有するオーステナイト系ステンレ
ス鋼の製造方法において、N1=1〜6%。
C<0.03%、Cr=12〜20%にし、Nを、C+
N<0.05%になるように添加して溶解鋳造し、この
鋳造品を、950±10℃で1〜3時間加熱し、急冷し
たのち、 600±10℃で3〜10時間の焼戻し熱処理を行なう
ようにしたものである。
〔作用〕
第7図に示すように、厚板にV型溶接を施こした供試材
の母材、溶着金属の夫々から、第8図に示す隙間付き曲
げ試験片、第9図に示す引張試験片を採取して、各々応
力腐食割れ試験に供した。
応力腐食試験は320℃および288℃の高温純水中に
、1000時間まで浸漬した。隙間付きUベンド試験で
は、U字曲げ試験片における背側(引張応力側)にのみ
通常、応力腐食割れが発生する。また、低歪速度引張り
試験においては、高温水中で浸漬しながら行うと破断後
の破面を観察することにより、粒界型応力腐食割れ感受
性の有無を知ることができる。
隙間付きUベンド試験では、溶接部材の応力腐食割れを
検知するなどの目的で実施するもので、最もシビャーな
判定方法といえる。一方、低歪速度引張試験は、一種の
引張試験であり、試験後の試験片破面をwA察するのに
は至便な方法である。
本発明では、オーステナイト鋼の最重要課題である応力
腐食割れの判定用として前者を採用した。
以下の説明においては、これらの試験片の割れの有無あ
るいは破面率の観察を行なって結論を導いた。
以下、詳細にこれらの結果を説明する。
Cは、ステンレス鋼の高温純水環境での応力腐食割れ感
受性を著しく高める元素である。ステンレス鋼において
はCO,03%以下とすることにより、応力腐食割れ感
受性を著しく低減できる。
なお、C含有量の低減技術は、最近の取鍋的精錬法の技
術の進歩により著しく向上し、上記は達成可能となった
Siは、製鋼時の脱酸剤として不可欠な元素であるが、
高温純水環境における応力腐食割れ改善に対する効果は
殆んどない。むしろ、0.75  %を超えるとσ相等
の金属間化合物の形成を加速して加工性、溶接性の低下
をもたらす。従って、上限を0.75 %とする。
Mnも製鋼時の脱酸剤として不可欠な元素であるが高温
純水環境での耐応力腐食割れ性には殆んど影響しない。
また、Mnはオーステナイト形成元素であり、約1%を
超えるとマルテンサイト組織やフェライト組織が不安定
となるので、約1%を上限とする。
その他の不純物として含まれるP、Sは溶接性。
加工性等に悪影響を及ぼすので、P約0.030%、S
約0.030%以下に抑制することが必要である。(更
に、中性子照射による不純物の偏析による粒界面近傍の
耐食性を向上させるためには、Pは、0.010wt%
以下、Sは、0.005wt%以下とすることが望しい
)。
Crは、ステンレス鋼における耐食性向上元素として不
可欠の合金成分であり、高温水環境中での耐食性を維持
するためには、少なくとも12%以上が必要である。原
子炉炉水のような高温純水中では、CQ−などを含む塩
はほとんど存在しないので、Crは少なくとも12%あ
れば、耐食性上は問題ない。また、Crは多い程、耐食
性は向上するが、一方では、Cr量が増加すると加工性
が劣化し、コストの上昇をまねくので、上限は、約20
%とする。
Moは、ステンレス鋼の使用時に形成される隙間部分で
生ずる局部腐食すなわち、隙間腐食を軽減するために極
めて有効な元素である。0.1tit%の微量な添加で
あっても、表面皮膜の再不働態化に有効であり、2.5
%の添加により、低温靭性を向上させることができる。
しかし、4.0%を超えると、カイ相等の金属間化合物
が生じやすくなり、加工性および溶接性を著しく劣化さ
せるので、4%以下とする必要があり、製造上の安定性
をもたらすため上限は2.5%とする。
Cuは、耐酸性を向上させるのに必要な成分であり、そ
の効果は0.05%以上で示される。また、Cuは格子
間原子として中性子照射時に寄与し、不純物の偏析の抑
制およびCrの枯渇作用を抑える効果がある。しかし、
1%を超えるとCuの金属間化合物が析出するため、か
えって耐酸性を悪化させるので、上限を1%とする。
Alは鋼の脱酸、結晶粒の微細化により、特に溶接部の
靭性を向上させるのに必要である。少なくとも0.05
%以上含有されないと結晶粒の微細化の効果がない。ま
た、0.2%程度から、溶接時の低温割れを防ぐ効果も
生ずる。しかし、1%を超えるとクリープ性を低下させ
るので、上限は1wt%とする。
特にNiの添加量の低減は、本発明の1つのねらいであ
る。Ni量の下限については、Niは低温靭性の向上に
有効でありその量は1.0%以上必要である。
また、高温水中で、ステンレス鋼の表面酸化物皮膜を安
定にち密に形成するために1.0%以上の添加が必要と
なる。一方、Ni添加量の上限は、可及的少量が望しく
、Ni量を多くすると、結晶構造をオーステナイト相に
して、熱処理による強度の向上が望めないので、その限
界値としてNi添加量の上限を6.0%にした。
Nは高温強度を高めるのに効果があるが、フェライト系
ステンレス鋼やマルテンサイト系ステンレス鋼にとって
は、応力腐食割れ性を低下せしめることが判っている。
第6図は、12Cr系鋼の(C+N)%と溶接割れ率(
%)との関係図である。(C+N)%が0.05 w 
t%以上になると、溶接性が急激に劣化することが明ら
かである。従って、C+ N ’< 0 、05% を
上限とする。
つぎに、本発明鋼の熱処理条件について説明する。
(a)焼入条件について 第4図は、本発明鋼Aの焼入温度と機械的性質(硬さお
よび吸収エネルギー)の特性曲線図である。
第4図かられかるように、焼入温度は900’C〜10
00℃で、硬す(H,)ii250〜2601?安定化
し、吸収エネルギーも16〜18(kgf・m)の値に
安定化する。ここで、作業現場における熱処理の均一化
の確保を考慮して950±10℃を好適な焼入温度とし
て選択した。保持時間は、50分以上で急激に硬さが低
下し、3時間から再び硬さが上昇する結果(図示せず)
から、1〜3時間を好適な焼入保持時間として選んだ。
(b)焼戻条件について 第5図は、本発明!p!Aの焼戻温度と機械的性質(硬
さおよび吸収エネルギー)の特性曲線図である。
第5図において、焼戻温度は、580℃〜590℃にか
けて硬さは低下し、吸収エネルギーは増加する。また、
610℃以上では、硬さは増加し、吸収エネルギーは低
下する。以上の結果から、好適な焼戻温度として、61
0±10℃を提案する。
さらに焼戻保持時間は、3時間以上で、硬さの低下およ
び吸収エネルギーの増加がみられる(図示せず)。8時
間以降20時間までは、はぼ一定の硬度と吸収エネルギ
ー値が得られるので、現場における熱処理費の節減を勘
案して、焼戻保持時間は、3〜10時間を提案すること
ができる。
〔実施例〕
以下、本発明に係る実施例を、第1表〜第3表および第
1図を用いて説明する9 第1表は、供試材の化学組成と溶接部の隙間付きUベン
ト試験による耐応力腐食割れ(SCC)性を一覧表にし
たものである。
第1表において、比較m(G、H,L J)は材料中の
化学組成は従来例のものである。に対して、発明鋼(A
、B、C,D、E、F)は化学組成C9Si・・・Al
等の含有量がいづれも制限範囲内の値を保持しつつ、本
発明の特徴であるNi量を、1.0〜6.0%範囲に制
限し、かつ、 (C+N)量を0.05%以下に制限さ
れたものである。以下の実施例は、発明鋼(A、B、C
,D、E、F)を用いて実施したものである。
その結果、発明鋼は、(1)結晶粒は細粒化し、(2)
良好な溶接性を示し、(3)高温高圧水中での溶接部試
験片は曲げ部に割れの発生がなく、良好な耐SCC性を
示した。これに反して、従来例の比較鋼は、すべての試
料について割れの発生をみた。
第2表は、発明mA (母材、溶接部)および比較鋼G
(溶接部)、H(母材)を用いて、320℃の高温高圧
水中(1000時間)で、隙間付きUベンド試験を行な
った結果である。第2表によれば、本発明鋼Aについて
は、母材部はもちろん第2表 第3表 のこと溶接部(採取位置り、M、N)共に割れは全く発
生しなかった。一方、比較鋼GおよびHでは、500時
間試験ですでに割れ発生の試験片もみられた。これらの
結果から推測すれば1本発明111(A−F)は、きわ
めてすぐれた耐SCC性を有することが実証された。
第3表は、発明fiAおよび比較鋼G、Iの水素添加水
中での低歪速度引張試験結果である。その破面amの結
果では、発明11Aは、母材および溶接部材共にSCC
破面は全くみられなかった。−方、比較鋼Gでは90%
の粒界型SCCが、またIでは20%粒界型SCCの発
生がwt察された。
以上の諸実験結果から推定して、高温高圧水。
水素添加の条件下においても、発明鋼は、SCC感受性
のきわめて低い材料であることが確認された。
第1図は、発明鋼Aと比較鋼Iの各温度レベルに相当し
た引張試験結果を示したものである。
本発明鋼Aは、高Ni基合金の比較鋼Iに比べても、引
張強さ、0.2%耐力共に高い値を保持し、高温強度も
充分に大きな値が得られている。
以上の諸結果を総括すると、本来放射化によるコバルト
58の発生を抑制するために、材料中のNi量を制限し
た低ニツケル型ステンレス鋼の開発を目標としたにも拘
らず、上記のように、高温水中の耐SCC性がすぐれ、
高温強度も充分に大きな炉心用機器材料を製造できる目
安がついた。
このことは、化学組成の制限はもちろん、本発明鋼に好
適な熱処理条件が確立されたことが大きな要素となって
いる。
本発明鋼(AおよびE)を使用して製作した原子炉炉心
機器の効果について、第2図および第3図を用いて説明
する。
第2図は1発明鋼Aを用いて製作した沸騰水型原子炉の
炉心シュラウドの部分斜視図である。
第2図の構成は、1は、シュラウド胴部、2は、上部シ
ュラウド、3は、下部シュラウド、4は、上部ガイド、
5は、炉心支持板である。すでに述べたように、母材部
および溶接部共に、耐SCC性は良好であり、機械的強
度も比較鋼(従来例のもの)よりも良好な特性を示し、
実機として運転中には、冷却水の放射化汚染を低減する
という、期待通りの有効な成果を挙げている。
また、第3図は、発明11Eを使用して製作した沸騰水
型原子炉用の制御棒の部分切断斜視図である。第3図の
構成は、11は、制御棒の被覆管、12は、制御棒用シ
ース、13は、制御棒タイロッド、14は、制御棒ハン
ドルである。
本発明鋼Eは、P、Sの含有量が少ないので高い中性子
照射を受けても、不純物の偏析は生じない。強度も高く
、伸び(%)も良好なので、板厚。
管厚を薄くすることができるので、機器の軽量化が達成
でき、耐震性の向上に寄与できる。また、Ni含有量が
従来例(比較111G)と比べて、8.75%から1.
0  %に低減されているので、照射後のコバルト58
の生成量は、約1/9に低減することができた。
この効果により、実機の機器の線量率は、大幅に低減す
ることができ、燃料被覆管へのコバルト58の付着量が
抑制できるので、燃料再処理時における環境放射能を低
減することが可能となった。
以上の実施例は、沸騰水型原子炉の炉心構造物について
述べたが、本発明鋼は、ドライヤ、気水分離器その他炉
内構漬物にももちろん適用できる。
また、加圧水型原子炉あるいは、圧力集合管型の重水炉
あるいは、自然循環式小型原子炉においても適用できる
のはもつろんである。
これらの炉に適用した場合でも、上述の効果が利用でき
ることはいうまでもない。
〔発明の効果〕
本発明によれば、従来のオーステナイト系ステンレスI
(比較鋼)よりもNi含有量を大幅に低減し、適切な熱
処理を施こした本発明鋼を用いて、炉心用機器を製作し
、実機に使用することにより、応力腐食割れの発生を防
止でき、かつコバルト58の生成量を大幅に低減できる
ので、プラント周辺の放射能が低減できることになり、
定検時における従業員の放射線被曝量の低減に寄与する
ことができる。
以上要するに、原子炉炉心機器材料に、必要最小限のN
i含有量に抑えた低ニツケル型ステンレス鋼を用い、こ
れに好適な熱処理を施こすことにより冷却材中へのNi
の溶出を抑制し、放射化によるコバルト58の発生を抑
制せしめた原子炉炉心機器用ステンレス鋼とその製造方
法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明鋼と比較鋼との機械的性質の比較図、第
2図は1本発明鋼(A)で製作した炉心シュラウドの部
分斜視図、第3図は、本発明鋼(E)で製作した制御棒
の部分切断斜視図、第4図は、本発明m (A)の焼入
温度と硬さ・吸収エネルギー関係図、第5図は、同上の
焼戻温度と硬さ・吸収エネルギー関係図、第6図は、鋼
中(C+N)含有量と溶接割れの相関図、第7図は、溶
接継手部材から応力腐食割れ試験片の取出し説明図、第
8図は、隙間付きUベンド試験片形状図、第9図は、低
歪速度引張試験片形状図である。 1・・・シュラウド胴部、2・・・上部シュラウド、3
・・・下部シュラウド、4・・・上部ガイド、5・・・
炉心支持板、11・・・制御棒被覆管、12・・・制御
棒シース、13・・・制御棒タイロッド、14・・・制
御棒ハンドル。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、原子炉炉心機器を製造するに使用される材料であつ
    て、 Feを主成分とし、C、Si、Mn、P、S、Ni、C
    r、Mo、Cu、Alおよび不純物を含有するオーステ
    ナイト系ステンレス鋼において、 Ni=1〜6%、C<0.03%、Cr=12〜20%
    にし、 Nを、C+N<0.05%になるように添加したもので
    あり、 高温高圧水中における1000時間の隙間付きUベンド
    腐食試験に合格する ことを特徴とする原子炉炉心機器用ステンレス鋼。 2、原子炉炉心機器を製造するに使用される、Feを主
    成分とし、C、Si、Mn、P、S、Ni、Cr、Mo
    、Cu、Alおよび不純物を含有するオーステナイト系
    ステンレス鋼の製造方法において、 Ni=1〜6%、C<0.03%、Cr=12〜20%
    にし、 Nを、C+N<0.05%になるように添加して溶解鋳
    造し、 この鋳造品を、 950±10℃で1〜3時間加熱し、急冷したのち、6
    00±10℃で3〜10時間の焼戻し熱処理を行なうよ
    うにした ことを特徴とする、原子炉炉心機器用ステンレス鋼の製
    造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006219743A (ja) * 2005-02-14 2006-08-24 Nisshin Steel Co Ltd 耐応力腐食割れ性に優れた低Niオーステナイト系ステンレス鋼材
CN102703828A (zh) * 2012-05-14 2012-10-03 江苏新华合金电器有限公司 新型核电站蒸汽发生器抗震条材料及其制备方法

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