JPH0217519B2 - - Google Patents

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JPH0217519B2
JPH0217519B2 JP55030420A JP3042080A JPH0217519B2 JP H0217519 B2 JPH0217519 B2 JP H0217519B2 JP 55030420 A JP55030420 A JP 55030420A JP 3042080 A JP3042080 A JP 3042080A JP H0217519 B2 JPH0217519 B2 JP H0217519B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔説明の要約〕 リン含有基板からのリンの喪失が、その基板の
近傍のリンの分圧を基板の物質の上方の固有のリ
ンの分圧よりも高く維持することによつて、なく
される。そのより高いリンの分圧は、リンを含む
スズ又はアンチモンなどのような元素の溶液を基
板の近傍に配置することによつて得られる。その
溶媒金属は、基板物質中のリンの溶解度に比較し
てリンに対するより高い溶解度を持つように選ば
れる。その溶液は基板に対して接近並置されて露
出されるが、基板と物理的接触は行わない。溶液
の上方のリンの蒸気圧はその溶液中のリンの濃度
に比例する。その結果として、その溶液は基板の
元素から成る溶液に比較してリンに対するより高
い溶解度を持つように選ばれているから、その蒸
気圧はそれに比例してより高いものとなる。この
ようにして、露出された基板の上方の領域は、そ
の基板の物質の固有の蒸気圧よりも高い蒸気圧の
リンを含むことになり、リンの喪失がなくされ
る。
本発明は、特定の化学量論のリン含有化合物の
エピタキシヤル生長のための技術に関するもので
あり、詳しく言えば、エピタキシヤル生長系列の
間のリン含有化合物からのリンの喪失を防止する
技術に関するものである。
リン含有化合物は幾つかの電子光学、マイクロ
波及び光起電力の応用のための電子工学材料とし
て益々重要なものとなりつつある。このような化
合物には、リン化インジウム、リン化ガリウム、
リン化アルミニウム、並びに上記化合物を含む第
族及び第族合金がある。このような化合物の
エピタキシヤル生長のための標準技術には、液相
エピタキシ、並びに分子ビームエピタキシを含む
気相エピタキシがある。種々のエピタキシヤル生
長技術の場合に、基板若しくは少なくとも基板の
表面を600℃より高い実効温度に維持することが
必要である。これはエピタキシの間に可成りの生
長速度を得るために必要である。然しながら、こ
のような温度では、このようなリン含有化合物の
基板の上方のリンの分圧は、その基板から元素状
リンの著しい喪失を生ずるのに充分な程に高い。
エピタキシヤル生長のための実用的なシステムに
おいては、そのシステムを適切な生長温度に上昇
するために必要な有限時間と、そのシステムを冷
却するために必要な別の有限時間とがある。これ
らの時間の間においてリンを喪失する可能性はや
つかいである。このようなリンの喪失は、物質の
組成が正確に定められないとか、表面構造が劣化
し装置性能が損われるという結果を生ずる。
リン含有化合物に関連するエピタキシヤル生長
系列の間のリンの喪失を防止するために、幾つか
の技術が従来使用されて来た。1つの方法は、生
長の前の基板の上方に黒鉛のプラグを置くことで
ある。その黒鉛のプラグが基板の上方の領域を占
めるので、リンの分圧が維持されて基板からのリ
ンの移行が著しく少くなる。然しながら、リンの
一部は失われ、特に基板の縁端において失われ
る。別の一つの方法は、表面を或る深さまで溶解
し従つてきれいな表面があとに残るようにする金
属溶融体に、リン含有化合物の表面を露出するこ
とである。例えば基板がリン化インジウムである
時には、リン化インジウム液相エピタキシの直前
に、部分的に分解されたリン欠乏表面の上にイン
ジウム溶融体が掛けられて、その表面の最上部分
を除去する。この技術は結果的に物質を浪費する
ことになり、鏡のように平滑ではない表面を生ず
る。別の一技術は、基板と同一の物質の研磨され
たウエーフアを基板と密着並置して使用すること
である。その間に介在する小さい容積が同一の材
料で作られた2つの表面に露出されるので、リン
喪失は約半分に減少される。この方法も又費用が
かさみ、分解を完全になくすることはなく分解を
減少するだけである。これらの解決方法に共通の
結果は、リンが失われる速度を小さくするという
事であつて、リンの喪失を完全になくす事にはな
らない。その結果、欠陥のないエピタキシヤル層
を作る可能性は損われる。
リン含有基板の上のリンの分圧を増大するため
に、リン含有ガスが基板の上に流されたことがあ
る。例えば、H2の中におけるPH3の希釈溶液が
基板の表面上に流された。この技術は基板からの
リンの喪失を防止するには役立つが、ガス流の運
動性のために、エピタキシに使用されるべき溶液
の中に誤つてリンが導入されて、その溶液の組成
を変えてしまうことがある。この問題を解決する
ためには、隣接する溶融体を保護するために生長
反応器を区画化し且つ過度の露出を防止するため
に流れの条件を注意深く制御することが、少くと
も必要であろう。
それ故、本発明の一目的は、基板の物質に対す
るリンの分圧を越えるようなリンの蒸気圧を基板
の上方に発生することによつて、リン含有基板か
らのリンの喪失を防止することである。
本発明の他の一目的は、リンが基板の物質中で
有する溶解度よりも大きい溶解度をその中で有す
るような物質のリン含有溶液をリン含有基板の近
傍に配置することである。
本発明の他の一目的は、必然的にリンの喪失を
無くするために充分な蒸気圧を局部的に発生する
ことによつて、リン含有化合物からのリンの喪失
を防止することである。
リン含有基板からのリンの喪失は、基板の近傍
におけるリンの分圧をその基板の物質の固有のリ
ンの分圧よりも高く維持することによつて、無く
される。そのより高いリンの分圧は、リンが基板
の物質中におけるよりも高い溶解度をその中で持
つ処の、スズ又はアンチモンなどのような元素の
溶液を基板の近傍に配置することによつて得られ
る。その溶液は、溶質として溶解されたリン又は
リン含有化合物を含んでいる。その溶液は基板と
近接並置されて露出されているが、基板と物理的
接触は行つていない。その溶液の上方のリンの蒸
気圧は、溶液中のリンの濃度に比例する。その結
果として、その溶液は基板元素の溶液と比較して
より高いリンの溶解度を持つように選ばれている
から、蒸気圧はそれに比例してより高くなる。こ
のようにして、基板の露出された表面の上方の領
域は、その基板の物質の固有の蒸気圧よりも高い
蒸気圧でリンを含んでいる。
本発明の技術をより完全に理解するため、参考
用に本明細書に添付する図面を参照しながら、以
下に詳細な説明を行う。
或る元素を溶質として含む溶液の上方のその元
素の分圧は平衡状態においてその溶液中の溶質の
濃度に比例するということが熱力学の原理から知
られている。即ち、 PA=KXAPo A という関係が成立つが、ここでKは比例常数、
PAは元素Aの分圧、XAは溶液中における元素A
の濃度、Po Aは元素Aの塊体上の分圧である。例
えば、指定された濃度レベルのインジウム、スズ
又はアンチモンの溶液の上方にリンの分圧を設定
するためには、それら溶液の各々にリンと溶解し
てその比例常数を決定し、それから与えられた濃
度XAに対する分圧PAを計算することが必要であ
る。
第4図の図表を参照することにつて、与えられ
た温度に対してスズの中のリン化インジウムの溶
解度は例えば問題とする温度範囲内(600―750
℃)においてインジウムの中のリン化インジウム
の溶解度よりもほぼ一桁ほど大きさが大きいとい
う事が解る。その結果、上記の式に従つて、スズ
溶液の上方のリンの蒸気圧はインジウム溶液の上
方のスズの蒸気圧よりも遥かに高い。勿論、実際
の装置においては溶液中のリンの充分な供給源が
あることが必要であり、さもないとリンの連続的
な喪失のために高い分圧を維持することが出来な
い。この供給源の設定は第1図及び第2図に示さ
れた実施例では、その溶液に固体InPを完全な飽
和状態にするために必要な量よりも多量に加える
ことによつて実現され、その結果として、溶解さ
れない固体InPは失われたリンを補給するための
リン供給源として働く。別の方法としては、固体
の元素状リンを溶液に供給してもよく、それは真
空の周囲条件の下で実現し易い方法である。
本発明のリンの喪失を阻失する技術は、第1―
3図を参照することにより更に良く理解すること
が出来よう。液相エピタキシ反応器における加
熱、冷却若しくは待合わせモードでは、裸の基板
26又は基板26の表面上に成長されたエピタキ
シヤル層19が、分解しないように保護されなけ
ればならない。ボート列35の進行方向が第1図
及び第2図で見て右から左への方向であるなら
ば、ボート即ちルツボ33が加熱時間の間支持部
材20の上に基板26の上方に位置し、冷却時間
の間はルツボ22が基板26の上方に位置する。
上に記された原理に従つて、基板の物質よりも高
いリンに対する溶解度を持つ物質の溶融体が基板
の近傍に配置される。図示のようにこの溶融体は
基板若しくは生長されたエピタキシヤル層のすぐ
上のルツボ33又は22の中に容れられている。
リン化インジウム基板の場合には、スズの溶液が
ルツボ33又は22の中に容れられている。スズ
溶液の中に必要とするリンの量を維持するため
に、リン化インジウムのプラグ25又は30がそ
れぞれ溶融状態のスズ24又は31の上に浮かべ
られる。その溶融体の何の部分もリンが欠乏した
状態にならないように、このプラグ25又は30
は溶融体の全表面を覆うことが望ましい。このよ
うになるならば、リンを溶解する傾向を持つ溶液
は、源としてではなく吸込みとして働く。ルツボ
22の蓋28はプラグと溶融体との間の良好な接
触を保証する。黒鉛のボートは基板を完全に覆う
ような形状に作られ、基板の直上に配置されてい
る。第1図の切取り部分と第3図とに見られる小
さい孔34の配列が黒鉛ルツボの底面32に形成
され、従つて溶融スズの表面の一部は基板の直上
に露出される。これらの孔は、急速に圧力平衡に
達するように溶液の可成りの面積を露出するため
に出来るだけ大きく、然し溶液の表面張力が溶液
が基板と接触するようにならないよう防止するた
めに充分な程に小さいように、選ばれている。好
都合な一実施例では、直径0.508mm(0.020イン
チ)の孔を有する黒鉛ルツボが使用された。この
ような小さな孔を黒鉛ルツボの底にを設けると、
ルツボ内の溶液はその孔から流れ落ちることがな
いため、溶液とルツボの下に位置する基板との物
理的な接触を避けることができる。一方、それら
孔のそれぞれにはリン含有溶液の液面が画成され
るため、その液面と基板との間の領域(孔を介し
て液面と基板との間に形成される領域)には、リ
ンの喪失を無くするために十分なリンの蒸気圧が
生ずる。
液相エピタキシ反応器中での動作では、分解を
防止するための溶液を含むボートが、エピタキシ
ヤル生長を生ぜしめるための溶液を容れたボート
と共に並んで、基板を横切つて引かれる。このよ
うにして、加熱時間の間は第1図及び第2図に示
されたようなSn―InP溶液24を容れた黒鉛ルツ
ボ33が、基板の上方に位置される。このとき、
ルツボ33の孔34が基板の上に位置し、前に説
明したように溶液24は孔34を通つて基板へと
流れ落ちることなく、液面を形成し、基板からの
リンの喪失を無くするために十分なリンの蒸気圧
を生ずる。溶液の平衡化に続いて、種々の予め定
められた溶液27がルツボ36の中に容れられ
て、エピタキシヤル生長サイクルのために基板と
接触する状態にもたらされる。それからエピタキ
シヤル生長に続いて、ルツボ22の中のSn―InP
溶液31が、冷却サイクルの間、基板の上方に置
かれる。600乃至750℃の温度範囲のリンで飽和さ
れたスズ溶液を使用すると、リン化インジウムの
基板の分解が事実上無くされるという事が解つ
た。このようにして、基板表面の凹凸を無くする
ために溶融体を使用することも、その基板物質で
作られた協同動作するウエーフアを使用すること
も、リン含有ガスの流れを使用することも不必要
となる。
リンの飽和溶解度は、例えばスズの中又はイン
ジウムの中におけるように、異る溶液中では異つ
ているから、複合溶液中で金属の割合を変えるこ
とによつて、リンの分圧を注意深く制御すること
が可能である。このようにして、スズに附随する
リンの分圧とインジウムに附随するリンの分圧と
の間で、分圧のほぼ直線的な変化が得られる。固
体InPのプラグがSnの溶融液の上に浮いている前
述の実施例においては、リンの喪失はInPの源か
ら補給され、このリンの補給はInの濃度の増大を
伴ない、その結果、リンの分圧の減少を伴なう。
この過程は、リンの喪失の割合の如何によつて
は、溶液の有効寿命を制限することになる。
本発明の技術を特にリン化インジウムの基板の
場合の表面分解の防止に関連して説明したが、こ
の技術は如何なるリン含有化合物の分解の防止に
も適用できるという事が理解されよう。その技術
は液相エピタキシに関連して説明したが、基板か
らのリンの喪失を防止することが必要な如何なる
場合にも適用できる。例えば注入層のアニールの
間に、揮発性元素が失われることがある。典型的
例として、イオン注入されたInPのアニールの間
のリンの喪失を防止するために、二酸化シリコン
又は窒化シリコンが用いられる。本発明の技術は
アニール段階の間にリンの喪失を防止するために
使用され、それにより二酸化シリコン又は窒化シ
リコンでキヤツプをかぶせる段階が省略される。
そこで、本発明の技術は当該技術分野の範囲内に
入り特許請求の範囲内に入る上記のような技術領
域及びその他の技術領域に適用可能なものと考え
られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は液相エピタキシ反応器の中におけるボ
ート・キヤリアの平面図であつて本発明の技術と
共に使用する2つのボートを例示し、第2図は線
2―2に沿つて画かれた第1図の断面図であり、
第3図は本発明の技術と組合わせて使用されるボ
ートの底面斜面図であり、第4図は温度の関数と
してのスズ、カドミウム及びインジウムの中のリ
ン化インジウムの溶解度の比較を示すグラフ(J.
Crystal Growth,V.35,p.60〔1976〕参照)であ
る。 20…支持部材、22,33…ルツボ、24,
31…溶融スズ、26…基板、19…エピタキシ
ヤル層、28…蓋、34…小孔。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 リン含有基板の分解を防止する方法であつ
    て、 前記基板の物質中におけるリンの溶解度よりも
    高いリンに対する溶解度をもち、かつ前記基板の
    物質の上方の固有のリンの分圧よりも大きいリン
    の分圧を生じるために十分な量のリンがその中に
    溶解されているリン含有溶液を前記基板の近傍に
    配置することから成る方法。 2 特許請求の範囲第1項記載の方法であつて、 前記リン含有溶液は小さい孔の配列が形成され
    たルツボの中に配置され、 前記孔が前記基板に接近した位置に来るように
    前記ルツボは前記基板と並置され、 前記小さい孔は、前記溶液が前記基板に対して
    露出され得るようにするために十分な程に大きい
    が、表面張力によつて溶液が前記孔を通して流れ
    ないように拘束するために十分な程に小さい、と
    ころの方法。 3 特許請求の範囲第2項記載の方法であつて、 前記溶液へのリンの連続的供給を行うために、
    前記溶液と接触している固体リン化インジウムの
    プラグとを組み合わされる、ところの方法。 4 特許請求の範囲第2項記載の方法であつて、 前記溶液がスズから成る、ところの方法。 5 特許請求の範囲第3項記載の方法であつて、 前記溶液がアンチモンから成る、ところの方
    法。
JP3042080A 1979-03-12 1980-03-12 Art for preventing decomposition of phosphorusscontaining substrate Granted JPS55162498A (en)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US06/019,375 US4227962A (en) 1979-03-12 1979-03-12 Prevention of decomposition of phosphorous containing substrates during an epitaxial growth sequence

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS55162498A JPS55162498A (en) 1980-12-17
JPH0217519B2 true JPH0217519B2 (ja) 1990-04-20

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ID=21792860

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3042080A Granted JPS55162498A (en) 1979-03-12 1980-03-12 Art for preventing decomposition of phosphorusscontaining substrate

Country Status (5)

Country Link
US (1) US4227962A (ja)
JP (1) JPS55162498A (ja)
CA (1) CA1144453A (ja)
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