JPH0216987Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は真空脱ガス装置用浸漬管の構造に関す
るものである。

（従来技術、考案が解決しようとする問題点） 従来の真空脱ガス装置用浸漬管（以下、単に浸
漬管という）の構造を示せば第２図に示す如く、
金属製円筒（以下円筒という）１の内面にキヤス
タブル耐火物２を介して耐火れんが層３を設け、
かつ、該耐火れんが層３を支持するため、円筒１
の内面に支持金物４を突設されている。一方円筒
１の外面にはキヤスタブル耐火物が施工されてい
る。

この場合、該浸漬管の施工は円筒１を倒置して
耐火れんが層３を円筒上に構築し、次いで、耐火
れんが層３の逆Ｌ字型の切欠部５の短辺側に接す
る様円筒１の内面に支持金物４を溶接することに
よつて耐火れんが層３を支持する。従つて、支持
金物の取付けは容易である。しかしながら、耐火
れんが層３を背面で支持するため、耐火れんが層
３の最下段耐火れんが６の背面の周方向に亘つて
逆Ｌ字型の切欠部５を形成しているが使用中該切
欠部５に亀裂が入り脱落するという破損事故を招
いていた。

上記欠点を改良した浸漬管として、特公昭59−
25012号公報に開示されている（図示せず）が如
く、耐火れんが層のうち最下段れんがの背面に凹
部または下面に通じる凹溝を形成し、この凹部ま
たは凹溝に円筒の内面に突設した支持棒を当接
し、耐火れんが層を支持するものが公知である。

この場合、切欠部が凹部または凹溝の形状にな
ることによつて亀裂が生じ難い形状になり脱落に
よる破損は減少するが、しかしながら、予め凹部
または凹溝を形成した耐火れんがと円筒に支持棒
を突設させるために予め穿設した孔物とを位置決
めする必要がある。このため、耐火れんがの切削
加工、耐火モルタルの厚さ調整などによつて、該
凹部または凹溝と円筒の孔部との芯合せが必要と
なり、支持棒の取付に熟錬を要したり、耐火モル
タルの厚さが厚くなり過ぎるとその部分が早く損
耗する事もあり、さらに、円筒は数度の使用によ
り変形するが、この場合には前記の欠点がさらに
助長される等の欠点を有していた。

（問題点の解決手段） そこで本考案は上記欠点を改良するために耐火
れんが層の下端面を周方向に凹凸にし、凹の耐火
れんが層の下端面にのみ該円筒の内面に支持金物
を突設して耐火れんが層を支持し、該凹部にキヤ
スタブル耐火物を充填してなる浸漬管を提供しよ
うとするものである。

上記目的を達成するための本考案の特徴は、金
属製円筒の内側にキヤスタブル耐火物を介して耐
火れんが層を、該円筒の外側をキヤスタブル耐火
物で構成した浸漬管において、該耐火れんが層最
下段の下端面を周方向に高さの異なる耐火れんが
を交互に配置して凹凸にし、凹の耐火れんが層の
下端面にのみ該円筒の内面に支持金物を突設して
耐火れんが層を支持し、該凹部にキヤスタブル耐
火物を充填してなる真空脱ガス装置用浸漬管にあ
る。

（作用） 以下、本考案の詳細を第１図に示す実施例に基
いて述べる。

耐火れんが層３は耐火れんが複数段で形成して
おり、耐火れんが層３の最下段の下端面は周方向
で凹凸にしている。これは高さの異る２種類の耐
火れんが６ａ，６ｂを周方向に交互にならべて最
下段を構築することによつて形成される。この場
合、高さの比は、高さの低い耐火れんが６ａは高
さの高い耐火れんが６ｂの30％以上80％以下が良
い。下限については、高さの高い耐火れんが６ｂ
は耐火れんが層３のはりによつて保持されてお
り、30％以下になるとはりが少くなり不利とな
り、高さの高い耐火れんが６ｂが抜け落ちたりす
るためである。

一方、上限の80％については、耐火れんが６ａ
の下端面に位置する凹部７、および、耐火れんが
層３下部のキヤスタブルが剥離損耗が発生しやす
いためである。

また、支持金物４は高さの低い耐火れんが６ａ
の下端面にのみ取り付けた後に、該凹部７にはキ
ヤスタブル耐火物２を充填する。該キヤスタブル
耐火物２の脱落を防止するには、支持金物４にス
タツドを垂下し、保持するようにすれば良い。

次いで、本考案の浸漬管の施工順序について述
べる。

円筒１を倒置して内面にキヤスタブル耐火物２
を施工できるよう隙間を設けて、円筒状に耐火れ
んが層３を構築する。最下段れんが６は耐火れん
が層３の最後に構築することになるが、高さの異
る２種類の耐火れんが６ａ，６ｂを用いて円周方
向に交互に構築する。構築された耐火れんが層３
の最下段れんが６のうち高さの低い耐火れんが６
ａの下端面にのみ、円筒１の内面に支持金物４を
溶接することによつて支持可能となる。ついで、
円筒１の外面、円筒１と耐火れんが層３の隙間、
および、支持金物４を取り付けた凹部７にキヤス
タブル耐火物２を施工して完了する。

この浸漬管によれば耐火れんが層の最下段れん
がに切欠き部がなくなり、亀裂が入ることがなく
最下段れんがの脱落による破損が解消されるとと
もに、支持金物の取付けに熟錬が不要となり取り
付けが簡便となつた。

（実施例） 第１図に示す如く、鋼製の円筒１の内面に35mm
の隙間を設け、最下段れんが６の高さの低い耐火
れんが６ａは高さの高い耐火れんが６ａの50％と
なるよう耐火れんが層３を構築した後、高さの低
い耐火れんが６ａの下端面に接するよう鋼板製の
支持金物４を溶接でもつて円筒１内面に突設させ
た。該支持金物４には丸鋼よりなるスタツドを垂
設せしめている。その後、円筒１の外面、円筒１
と耐火れんが層３との隙間、および、該支持金物
４を突設した凹部７にキヤスタブル耐火物２，
２．２を充填してなる浸漬管を真空脱ガス装置に
連続使用したところ100回以上の使用にたえた。

（考案の効果） 以上の如く、本考案の浸漬管によれば最下段れ
んがに切欠部をなくしたことにより脱落による破
損が解消されたこと、支持金物の取り付けが簡便
になつたこと、長期間の使用が出来ることで実用
的に効果大なるものがある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の浸漬管の縦断面図、第２図は
従来の浸漬管の縦断面図である。 １……金属製円筒、２……キヤスタブル耐火
物、３……耐火れんが層、４……支持金物、５…
…切欠部、６……最下段耐火れんが、６ａ……高
さの低い耐火れんが、６ｂ……高さの高い耐火れ
んが、７……凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 金属製円筒の内側にキヤスタブル耐火物を介し
   て耐火れんが層を、該円筒の外側をキヤスタブル
   耐火物で構成した浸漬管において、該耐火れんが
   層最下段の下端面を周方向に高さの異なる耐火れ
   んがを交互に配置して凹凸にし凹の耐火れんが層
   の下端面にのみ該円筒の内面に支持金物を突設し
   て耐火れんが層を支持し、該凹部にキヤスタブル
   耐火物を充填してなる真空脱ガス装置用浸漬管。