JPH0216220Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は、熱源と蓄熱槽とが一体となつた熱源一
体形の太陽熱給湯機に関するものである。

従来、太陽熱給湯機としては蓄熱槽のみによる
構造のものが一般的であり、太陽熱ソーラシステ
ムとする場合には、別体として加熱装置を配置し
ていたものであつた。

従つて、設置スペース的にも蓄熱槽と加熱装置
とのスペースを要するという欠点を有するもので
あつたし、装置としても高価となるし、さらに加
熱装置の熱効率も低いものであつた。

そこで、これらの欠点を解消せんと、熱源であ
る加熱装置と蓄熱槽とを一体とした熱源一体形の
太陽熱給湯機が知られるようになつたものである
が、従来の太陽熱給湯機は加熱装置を蓄熱槽の上
部に配置した構造のものであつた。

従つて、水の対流がなく、加熱装置の熱が外部
へ放熱しやすいものであるために熱効率が低いも
のであつた。

本案は、上述のような従来構造の太陽熱給湯機
が有する欠点に鑑み研究し、従来にない新しい構
成による太陽熱給湯機を完成させたもので、本案
の目的とするところは、冬の日や雨の日等の太陽
からの受熱が十分でない時に使用する加熱構造を
部分加熱及び対流加熱構造とすることにより瞬間
給湯や湯温の下りがない給湯ができる等様々な長
所を有する太陽熱給湯機を提供することに存す
る。

次に、本案の太陽熱給湯機を図面に示す実施例
により以下詳細に説明する。

まず、第１図及び第２図は本案給湯機の実施一
例を示すもので、１は枠体２の内部に配置した断
熱閉鎖容器構造の蓄熱槽、３は同槽１に設けた低
温水を供給する給水管接続口、４，４は同槽１に
設けた太陽熱ソーラシステムからのコレクター配
管接続口、５は同槽１の上端に設けた高温湯を給
湯する給湯管接続口である。

また、加熱装置６は蓄熱槽１の下部に熱源とし
て配置したもので、６ａは燃焼室、６ｂは同室６
ａを囲繞する流通水路、６ｃは同室６ａ内に配置
した流通水管、６ｄは遮閉板、６ｅは燃焼器、６
ｆは外部放出形の排気筒である。

そして、７は加熱装置６から給湯管接続口５の
近傍へ臨ませて配管した誘導管、８は蓄熱槽１の
上部から加熱装置６へ配管した対流管であつて、
実施一例の対流管８は蓄熱槽１の側面上部から加
熱装置６の側面へ配管し、前記誘導管７と対流管
８とによつて蓄熱槽１の上部貯水域のみを加熱域
Ｈに形成したものである。

尚図中、９で示すものは加熱域Ｈに配置した温
度設定型サーモスタツト、１０はタイマー、１１
は電源、１２は配線であつて、同サーモスタツト
９とタイマー１０とを配線１２によつて燃焼器６
ｅに接続することで温度設定及び時間設定ができ
るように構成されている。

次に、外部装置類について説明すると、まず太
陽熱ソーラシステムは、熱媒体による強制循環形
の太陽熱コレクター１３を用いたもので、１４は
循環ポンプ、１５はシステム制御器、１６，１６
はコレクター配管、１７は前記コレクター１３の
出口側に設けた高温サーモセンサ、１８は低温サ
ーモセンサ、１９は熱交換器である。

また、２０は給水管、２１は減圧弁、２２は給
湯管、２３は温水栓である。

次に、第３図は本案給湯機の実施他例を示すも
ので、実施一例と相違する構成は、誘導管７と対
流管８とを二重管構造にした点と、水を媒体とす
る太陽熱ソーラシステム用としているために熱交
換器１９のない構成とした点と、燃焼器６ｅを取
外して薪による使用状態とした点とにおいて相違
するものである。

以上、本案の太陽熱給湯機を図面に示す実施例
により説明してきたが、各構成は図示通りに限定
されるものではなく、例えば加熱装置６は実施例
の如く燃焼器６ｅを着脱自在として薪やその他可
燃物も燃やすことができる兼用構造であれば家庭
ゴミ等の焼却ができ好ましいものであるが、その
他のガスや石油や電気等による加熱装置であつて
もよい。また、蓄熱槽１も閉鎖容器構造に限らず
開放容器構造としてもよい。また、蓄熱槽１に圧
力スイツチを設けたり、給湯管２２にフロースイ
ツチを設けたりし、これらのスイツチと燃焼器６
ｅとを連動させて加熱の入切動作を行なわさせる
構成であつてもよい。

従つて、本案給湯機を使用するに際しては、ま
ず、天気がよくて十分な太陽熱が得られる場合
は、太陽熱ソーラシステムからの受熱で蓄熱槽１
内の水温が上昇するために加熱装置６による加熱
を行なうことなく給湯ができるものである。

しかしながら、冬の日や雨の日等の十分な太陽
熱が得られない場合は、蓄熱槽１内の水温上昇が
少ないために加熱装置６を用いる必要があり、ま
た蓄熱槽１の容量以上の湯を使用した場合にも加
熱装置６を用いる必要がある。

この加熱装置を用いる場合において本案給湯機
は、誘導管７を加熱装置６から給湯管接続口５の
近傍へ臨ませているために温水が加熱装置６によ
る加熱直後から得られるという瞬間給湯を行なう
ことができるし、また前記誘導管７と対流管８と
によつて蓄熱槽１の上部貯水域のみを加熱域Ｈと
する部分加熱構造であるために加熱水量がきわめ
て少なく省エネルギーにつながる有効加熱効果を
有するし、また前記加熱域Ｈの温水が対流管８か
ら加熱装置６及び誘導管７へと流通する対流加熱
構造であるために加熱温度差が少なくて熱効率が
高いし、しかも温度が下ることなく連続して給湯
できるものである。

本案の太陽熱給湯機は、上述のように熱源一体
形構成であるために冬の日や雨の日等でも一台で
常時給湯ができる効果を有するし、また、誘導管
構成により瞬間給湯を行ない得る効果を有する
し、しかも、部分加熱構造により有効加熱効果を
有するし、さらに、対流加熱構造により高い熱効
率を発揮して省エネルギー効果を達成し得るし、
その上、湯温低下のない連続給湯効果により暖房
用の給湯機としての使用もできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案の太陽熱給湯機の実施一例を示す
縦断面図、第２図は第１図Ａ−Ａ線による横断面
図、第３図は同給湯機の実施他例を示す縦断面図
である。 １……蓄熱槽、３……給水管接続口、４……コ
レクター配管接続口、５……給湯管接続口、６…
…加熱装置、７……誘導管、８……対流管、Ｈ…
…加熱域。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 低温水を供給する給水管接続口３と、太陽熱ソ
   ーラシステムからのコレクター配管接続口４，４
   と、高温湯を給湯する給湯管接続口５とを蓄熱槽
   １に設けてなる太陽熱給湯機において、同蓄熱槽
   １の下部に熱源としての加熱装置６を配置すると
   共に同蓄熱槽１に同槽１の底部を貫通した誘導管
   ７を立設し、同管７の基端を加熱装置６と接続す
   ると共に同管７の先端を給湯管接続口５の近傍へ
   臨ませ、かつ蓄熱槽１の上部と加熱装置６とを対
   流管８を介して連通したことを特徴とする太陽熱
   給湯機。