JPH02160024A - 中空糸膜ろ過器の膜面洗浄方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 （産業上の利用分野） 本発明は、中空糸膜フィルタを用いた中空糸膜ろ過器の
膜面洗浄方法に関する。

（従来の技術） 一般に産業分野では１種々の廃液に対してその性状に最
も適した混濁固形分の分離処理技術が適用される。これ
らの中、最近経済的に低エネルギー消費で高い分離効率
が得られる点に注目されて限外ろ過膜、逆浸透膜等の高
分子膜分離技術が数多く使用されるようになってきた。

このような高分子膜分離技術のうち、中空糸膜モジュー
ルを使用したろ過器が膜モジュールがコンパクトで膜面
洗浄が容易なため今後多用されると予測される。この種
のろ過器の一例を第３図に示す。

第３図において、フィルタモジュール１は、内部に水が
流れるように中空とされた糸状のろ過膜をもつ中空糸５
を多数束ね、それらの両端部を上方で揃えて樹脂で固定
し、あたかもＵ字型をなすように吊下げたものである。

このフィルタモジュール１は１缶体３の上端に固定され
て缶体３の内部に収容されている。

廃液は缶体３の上端に近く設けられた入ロノズール４か
ら矢印２で示すように導入され、中空糸５の外面に接触
してその膜面によって混濁固形分が分離され１分離後の
処理液は中空糸５の内部を通過した後、缶体３の上端開
口を覆う蓋部７に設けられた出口ノズル８から矢印６で
示すように放出される。廃液はろ過処理される処理液の
数倍から数十倍の量が入口ノズル４から導入され、缶体
３の底部に設けられた循環ノズル９から矢印１０で示す
ように排出される。これはろ過方式のうち循環ろ過と称
されるもので、濃度・粘度が高い廃液の処理によく用い
られる。

このろ過器は、運転時間が経過すると、廃液からろ過さ
れて中空糸５の膜面に堆積した固形物によってろ過動率
が低下するため、定期的に運°転を停止して中空糸５の
膜面を洗浄している。このときは第４図に示すように、
缶体３の下端に近く設けられたバブリングノズル１１か
ら、缶体３とフィルタモジュール１の間のフィルタ室２
２に矢印２３で示すように空気を注入し、フィルタ室２
２内に発生した空気塊２４が浮力によって上昇する過程
で中空糸５と衝突し、これを揺動させでいる。これによ
って中空糸５と、その付近に存在する廃液または他の中
空糸５が激しく接触し、中空糸５の膜面に付着していた
固形物２１は膜面から分離される。

洗浄を終えた空気は、缶体３の上端に近く設けられたベ
ントノズル１２から矢印で示すように排出される。

（発明が解決しようとする課題） 上述したろ過器では廃液が高粘度である場合、中空糸５
の膜面に付着した固形物２１の粘性によって中空糸５同
士が付着する。このようになると空気塊２４は中空糸５
の束の中に侵入することができず、第５図に示すように
中空糸５の束の外表面に接触した状態で浮上し、中空糸
５に衝突してこれを十分に揺動させることができないた
め洗浄効果が得られなくなる。さらに分離された固形物
２１は中空糸５の膜面付近に浮遊したままでフィルタ室
２２から排出されないので、洗浄終了後に膜面に再付着
することもあった。

本発明の目的は、高濃度、高粘度の廃液を処理しても十
分な洗浄効果を発揮し、且つ経済的な中空糸膜ろ過器の
膜面洗浄方法を提供することにある。

〔発明の構成〕

（ｉｌｉ！題を解決するための手段） 本発明では、多数の中空糸膜フィルタを束ねたフィルタ
モジュールがほぼ鉛直に収納された缶体の上端部に設け
られた入口ノズルから缶体に導入され、缶体の下端部に
設けられた出口ノズルから導出されるように廃液を循環
しながら廃液のろ過を行なう中空糸膜ろ過器の中空糸膜
フィルタに堆積した固形物を、缶体の下端部に設けられ
たバブリングノズルから空気を注入し、この空気を缶体
の上端部に設けられたベントノズルから排出して中空糸
膜フィルタから分離除去する中空糸膜ろ過器の膜面洗浄
方法において、上記した廃液の循環を行ないながら同時
に上記した空気注入による固形物の中空糸膜フィルタか
らの分離除去を行なうようにした。

（作　用） 膜面洗浄時、入口ノズルから導入され缶体内部を下降し
た後出ロノズルから導出される廃液と、バブリングノズ
ルから注入され缶体内部を上昇した後ベントノズルから
導出される空気は、それぞれ対向してフィルタモジュー
ルを通過する際に、それらの液相流と空気塊が衝突して
激しい２相混合流を生じ、中空糸膜フィルタの膜面に接
してこれを揺動させる。この結果中空糸膜フィルタの膜
面に堆積していた固形物は分離され、廃液の流れに沿っ
て流出するので中空糸膜フィルタの膜面は効果的に洗浄
される。

（実施例） 以下本発明の一実施例を第１図および第２図を参照して
説明する。

第１図は本実施例が適用されるろ過器を示す断面図であ
り、第１図において１円筒状の缶体３の上部開口３１は
、シール部材３２を介してボルト３３で固定された蓋部
７によって閉塞されている１缶体３の内部には、ろ過膜
をもつ多数の中空糸５を束ね、それらの両端を上方で揃
えて樹脂で固定し、Ｕ字形に吊下げたものにサポート３
４が添えられたフィルタモジュールｌが、その上端でシ
ール部材３５を介して缶体３の上部に固定されている。

缶体３にはその上端に近い側面を水平方向に貫通して廃
液の入口となる入口ノズル４が取付けられ１缶体３の底
面には廃液の出口となる循環ノズル９が垂直方向に取付
けられている。蓋部７の頂部にはフィルタモジュール１
でろ過された処理液の出口となる出口ノズル８が設けら
れている。

また缶体３の下端部に近い側壁を水平に貫通してバブリ
ングノズル１１が挿設され、フィルタモジュール１の直
下に位置させたバブリングノズル１１の先端部には、下
方に向いたバブリング孔３６が設けられている。さらに
缶体３の上部開口３１に近い側壁を水平方向に貫通して
ベントノズル１２が取付けられている。

次にこれの作用について説明する。

入口ノズル４から矢印２で示すように缶体３内に導入さ
れた廃液は、フィルタモジュール１に接触しながら下降
し、矢印１０で示すように循環ノズル９を経て導出され
る。廃液は、ろ過器外の図示を省略した加圧手段によっ
て上記した経路を通過して循環するようにされている。

廃液の一部はフィルタモジュール１の中空糸の膜面でろ
過され、矢印６で示すように出口ノズル８から処理液と
して排出される。廃液中の固形物は中空糸の膜面で阻止
されて残る。

次に膜面洗浄時の作用を説明する。

ろ過器の運転時間が経過するにつれ、それらの一部は次
第に膜面付近に堆積してくる。この結果中空糸５のろ過
動率が甚だしく低下したとき、中空糸５の膜面を洗浄し
てろ過動率を回復させる。

このときはバブリングノズル１１から矢印２３で示すよ
うに空気注入を行なうと、注入された空気は空気塊２４
となって缶体３の中を中空糸５に接しながら上昇し、ベ
ントノズル１２から矢印３７で示すように排出される。

このとき中空糸５に接して下降する廃液の循環流はその
まま維持される。

さらにこれの作用を詳述する。

第１に、缶体３の内部を上昇する空気塊２４は、これと
対向して逆方向に流れる廃液の液相流と衝突し、激しい
２相混合流を生じさせる。

第２に、この２相混合流の内部で空気塊２４は破砕され
より小さな空気塊２４となる。このため空気塊２４は、
第２図に示すように、容易に束になった中空糸５の間隙
に侵入することが可能となり、高粘度の廃液乃至は廃液
から分離された固形物によって相互に付着した中空糸５
同士を引離し、同時にこれらを激しく揺動することによ
り、膜面洗浄効果を増大する。

第３に、２相混合流の内部で空気塊２４に衝突した廃液
は、局部的に流れの方向を曲げられ種々な角度で中空糸
５の膜面と接触する。これによって均一な膜面の洗浄効
果が得られる。

第４に、上記した作用によって中空糸５の膜面から分離
された固形物２１は、それぞれの中空糸５のまわりの間
隙を流れる廃液の下向流によって押洗され、フィルタモ
ジュール１から除去されるので、洗浄操作が終了した後
の中空糸５への再付着が防止される６ なお以上は、中空糸がＵ字形に懸垂されたフィルタモジ
ュールをもつろ過器の洗浄方法について述べたが、中空
糸を直線状に展開してそれらの両端部を保持部材で固定
した工形のフィルタモジュールをもつろ過器についても
同様に適用できる。

さらにプリーツ型の逆浸透膜あるいはセラミックフィル
タ等、膜面の洗浄が可能なフィルタであれば、これらに
適用して同等の効果がある。

〔発明の効果〕

本発明によれば、廃液循環方式を採用した中空糸膜ろ過
器の膜面洗浄効果が向上し、特に粘度が高い廃液をろ過
する場合に顕著な効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例が適用されるろ過器を示す断
面図、第２図は第１図の作用を説明するための要部を取
出して示す斜視図、第３図はろ過器の一例を示す断面図
、第４図は第３図の作用を説明するための断面図、第５
図は第４図の要部を取出して示す斜視図である。 １・・・フィルタモジュール ４・・・入口ノズル ９・・・出口ノズル １２・・・ベントノズル ３・・・缶体 ５・・・中空糸 １１・・・バブリングノズル ２１・・・固形物 代理人　弁理士　則　近　憲　佑 同　　　　第子丸　　　健 第 図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １、多数の中空糸膜フィルタを束ねたフィルタモジュー
   ルがほぼ鉛直に収納された缶体の上端部に設けられた、
   入口ノズルから前記缶体に導入され、前記缶体の下端部
   に設けられた出口ノズルから導出されるように廃液を循
   環しながら前記廃液のろ過を行なう中空糸膜ろ過器の前
   記中空糸膜フィルタに堆積した固形物を、前記缶体の下
   端部に設けられたバブリングノズルから空気を注入し、
   この空気を前記缶体の上端部に設けられたベントノズル
   から排出して前記中空糸膜フィルタから分離除去する中
   空糸膜ろ過器の膜面洗浄方法において、前記廃液の循環
   を行ないながら前記空気注入による前記固形物の前記中
   空糸膜フィルタからの分離除去を行なうことを特徴とす
   る中空糸膜ろ過器の膜面洗浄方法。