JPH021496B2 - - Google Patents

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JPH021496B2
JPH021496B2 JP60189136A JP18913685A JPH021496B2 JP H021496 B2 JPH021496 B2 JP H021496B2 JP 60189136 A JP60189136 A JP 60189136A JP 18913685 A JP18913685 A JP 18913685A JP H021496 B2 JPH021496 B2 JP H021496B2
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JP
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blood
filter
water
collection container
air
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JP60189136A
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Hiroshi Kamogawa
Nobukazu Tanokura
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Terumo Corp
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Terumo Corp
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Publication date
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  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 技術分野 本発明は血液ガス分析と称される血液検査用に
用いるための血液採取器、特に空気の排除および
遮断を確実に行い、しかも血液中への不純物の混
入を防止することができる空気の排除および遮断
機構付血液採取器に関する。 先行技術 人体の循環機能、肺機能や酸塩基平衡の状態を
知るために、動脈血中の酸素および炭酸ガスの含
有量を測定したり、動脈血の酸素飽和度やPHを測
定したり、 血液中のHCO- 3、N+a、K+、Cl-等の電解質成
分を定量分析したりする血液ガス分析と称される
血液検査が行われる。 このような血液ガス分析では、空気や検査しよ
うとする血液試料中に混入していると、測定結果
に重大な影響を与えるので、血液採取後に空気が
残留しないようにすることが重要である。 このため、血液採取にあたつては、採取容器シ
リンジ内に血液抗凝固剤としてのヘパリン溶液を
吸引し、あるいは予めヘパリン溶液を充填した採
取容器(実公昭53−49268号公報、実公昭52−
42064号公報等参照)を使用し、採取容器および
採血針内に存在するデツドスペース内をヘパリン
溶液で満たし、血液を採取している。 さらに、ヘパリン溶液による血液希釈の弊害を
除去するため、抗凝固剤としてのヘパリンを乾燥
状態で採取容器シリンジ内に添加し、しかも血液
採取器自体に別途、採取容器内の空気の除去およ
び採取血液と空気の遮断を行う機構を設けること
が行われている。 本願出願人は、特開昭57−122847および特開昭
57−190567にて、採血容器や採血針内等に存在す
る空気が採血容器内に残留したり採血血液に混入
したりするのを確実に防止することができる空気
の排除および遮断機構付血液採取器を開示してい
る。 これらの発明では、管状採血容器の後端開口部
を閉鎖する閉鎖体の採取血液接触部に水膨潤性高
分子材料を含有するフイルター部材を該フイルタ
ー部材を介して採血容器の内部と外部が連通する
ように設けた空気排除・遮断機構を有している。
その作用を以下に説明する。 動脈からの血液が採血針を通つて採血容器内へ
流入すると、採血容器内の空気はフイルター部材
の連続通路を経て採血容器外に排出される。血液
が全ての空気を排除してフイルター部材と接触す
ると、フイルター部材中に含有されている水膨潤
性高分子材料が膨潤し、フイルター部材の連続通
路は遮断される。 上記フイルター部材は支持体(代表例としてポ
リエチレンがある)と水膨潤性高分子材料(代表
例としてでんぷんグラフト化物がある)を焼結成
形したものである。 このようなフイルターの場合血液がフイルター
部材に接触すると、水膨潤物質の一部が血液中に
遊離し、血中ガス分析の際に用いる血液通路をつ
まらせ、分析不能または分析結果に悪影響を及ぼ
すことがあるという問題点がある。 発明の目的 本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消
し、焼結フイルターに血液が接触した際、フイル
ター中の水膨潤物質が血液中に混入することを防
止することができる空気の排除および遮断機構付
血液採取器を提供することにある。 発明の開示 このような目的は、以下の本発明によつて達成
される。 すなわち本発明は、先端から血液が導入可能と
され、後端は開放された管体で構成された血液採
取容器と、この管状採血容器の後端開口部を閉鎖
するよう装着された閉鎖体とを有し、前記管状採
血容器内壁と前記閉鎖体の先端壁で形成された導
入された血液を貯える貯血室を有する血液採取器
であつて、前記閉鎖体に前記貯血室とその外部と
が連通する通路を設け、この通路に、水を吸収し
たときに膨潤する水膨潤物質と支持体とを焼結し
た気体通路を有するフイルター部材に、前記水膨
潤物質の吸水を妨げず、かつ水膨潤物質の粒子が
焼結フイルターから離脱するのを防ぐ皮膜を形成
する皮膜形成剤を含浸せしめたフイルターを設
け、血液採取時にこのフイルターを介して前記貯
血室の空気が外部へ逃げるようにするとともに、
前記貯血室内が血液で満たされて、フイルターと
血液とが接触することにより、水膨潤物質が膨潤
して、気体通路を遮断するよう構成したことを特
徴とする空気の排除および遮断機構付血液採取器
が提供される。 また、フイルター部材の支持体の構成材料はポ
リエチレンとするのがよい。 水膨潤物質はでんぷんグラフト化物とするのが
よい。 皮膜形成剤は架橋型シリコーンを含有するもの
がよい。 発明の具体的構成 以下、本発明の空気の排除および遮断機構付血
液採取器を添付図面に示す好適実施例につき詳細
に説明する。 本発明において、空気の排除および遮断機構を
具える血液採取器は、管体で構成される採取容器
1を有する。採取容器1は、第1図〜第3図に示
されるように、各種合成樹脂、ガラス等から形成
され、先端は血液が導入されるよう構成され後端
は開口した透明な管体から成る。そして、この採
取容器1内には、閉鎖体が挿入される。この閉鎖
体は管体内に挿入されて管体後端開口部を閉鎖す
るものであり、前記管状採血容器内壁と前記閉鎖
体の先端壁で導入された血液を貯える貯血室を形
成する。閉鎖体は以下に述べる2つの態様で構成
される。 第1の態様は、第1図および第2図に示すよう
に、閉鎖体を、管体後端開口を閉鎖するとともに
管体内部をその内周壁に沿つて密着摺動可能な操
作体2として構成する場合である。この場合には
採血量を可変とすることができる。 このような操作体2としては、後述するよう
に、操作体2の先端面と採取容器1の管体内周壁
とで構成される採取容器内部が、その操作体側の
外部と連通するように、後に詳述するフイルター
9を装着することができるものでありさえすれば
良く、操作体2の構造、形状として既知のいかな
るものであつても良い。ただ、通常は、操作体2
をプランジヤーのみから構成し、これを管体内を
摺動させるよりは、第1図や第2図に示されるよ
うに、採取容器1の管体内周壁に密着し、この内
周壁に沿つて摺動可能な柱状の弾性体で構成され
るガスケツト4と、プランジヤー3とを、例えば
ガスケツト4の後部にプランジヤーのヘツド35
を嵌着して作動的に連結したもの、あるいは第4
図に示されるように、例えばプランジヤー3に弾
性リング状体4′,4′(好ましくは2個のO−リ
ング)を装着して両者を連結し、この際弾性リン
グ状体4′,4′が採取容器1の管体内周壁に密着
し、しかもこの内周壁に沿つて摺動できるように
したもの等を用いることが好ましい。 また、第2の態様として、閉鎖体は、第3図に
示されるように、管状採取容器1内の所定の位置
に封栓2′を挿入固定して構成することができる。
この場合、封栓2′は所定の採血量が得られる位
置に固定されるものであり、種々の材料で構成す
ることができるが、通常は弾性体で構成される。 他方、管状の採血容器1の先端からは血液が導
入できるよう構成される。このため、通常は、管
体先端は採血針7または心臓カテーテル(図示せ
ず)を装着可能な構造とされる。そして、採血に
先立ち採血針7のハブ75をこの管体先端部に装
着するか、あるいは心臓カテーテルの後端を、例
えば活栓を介し装着して使用する。このように構
成するには、例えば、管体に第3図に示されるよ
うないわゆるルアーテーパを持つルアーチツプ形
状の先端部16を形成し、採血に先立ち先端部1
6に採血針7のハブ75やカテーテル後端を装着
しても良い。又、第1図に示されるように、管体
先端部15をラウンド・ロツク(テルモ(株)の登録
商標)ルアーチツプと称される形状等となし、ル
アー部外側に更に外周部を設けて採血針7のハブ
75やカテーテル後端が、その外壁において外周
部に螺着し、その内壁においてルアー部に嵌着す
るような構造としても良い。なお、このような場
合、使用前には、先端部15および16は、第1
図に示されるような弾性体栓19によつて滅菌状
態に保持されていることが好ましい。 この他、第3図に示されるように、採取容器1
の管体先端16に形成されたルアーチツプや、前
述したラウンド・ロツク(テルモ(株)の登録商標)
ルアーチツプなどと示されるルアーチツプ等を介
し、採血針7がハブ75を介し予め嵌着等により
装着されていても良い。 あるいは、第2図に示されるように、採血針
7′が別途ホルダー5に、例えばハブ77を介し
て螺着され、ホルダー5への採血容器1の装着に
より、採血針7が密栓状態にある採取容器1の管
体先端に刺通するように構成することもできる。
この場合、第2図に示される例では、管体採取容
器1の先端部には、採血針7′の後端針先が刺通
可能な弾性栓6(例えばゴム栓)が挿入され、封
止部材65で封止密栓されている。そして、管体
採取容器1をホルダー5に嵌合装着することによ
り、採血針7′は採取容器1内に刺通連通する。
採血終了後、採取容器1をホルダー5から取りは
ずせば、それ自身の弾性により弾性栓6の刺通孔
は完全に閉塞される。 なお、第2図に示されるような構成をとる場
合、採血針7′に代え、後端に刺通針を有する心
臓カテーテル用ルアーアダプターを、ホルダー5
に螺着して採取器を構成しても良い。 このような前提の下で、本発明においては、空
気の排除および遮断機構として、閉鎖体の少なく
とも採取血液接触部に、フイルター9を、該フイ
ルター9を介して採血容器1の内部と、その外部
とが連通するように装着する。 以下、フイルター9について詳細に説明する。 本発明で用いるフイルター9は、水を吸収した
ときに膨潤する水膨潤物質と支持体とを焼結した
フイルター部材に皮膜形成剤を含浸せしめてなる
ものである。 このフイルター9の支持体の構成材料として
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリ
ルニトリル、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹
脂、ポリメチルメタアクリレート、ポリ塩化ビニ
ル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、熱可塑性ポ
リウレタン、ポリアミド、ポリアセタール、塩素
化ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリビニル
アルコールなどを挙げることができるが、特に成
形加工性に優れるポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリアクリルニトリルを用いることが好まし
い。 またフイルター9は無数の通路を有し、空気が
透過するものであればよい。そして気孔率は、水
膨潤物質を乾燥状態で含有した状態で15〜60%、
好ましくは20〜40%であるのがよい。気孔率が15
%未満では、通気性が悪くなり、60%をこえる
と、空気および血液の漏れが生じシールが不充分
となるからである。 また気孔サイズは、平均空孔径が1〜20μm、
好ましくは5〜10μm程度とするのがよい。 平均空孔径が、1μm未満であると通気性が悪
くなり、20μmをこえるとシールが不充分となる
からである。 このようなフイルターには、水膨潤物質の粉粒
体が焼結によりその接触界面が支持体などに溶着
された状態で含有されている。 しかし水膨潤物質の粉粒体の焼結体は完全に焼
結により一体化されているものではないために上
述した粉粒体の遊離の問題が生じてくる。 水膨潤物質としては、高吸水性樹脂として知ら
れている種々のものを用いることができ、好適な
材料としては、でんぷん−アクリルニトリル、で
んぷん−アクリル酸、でんぷん−アクリルアミ
ド、でんぷん−ナトリウムアクリレート等の加水
分解物を含むアクリレート系のでんぷんグラフト
化物、例えば部分けん化したポリビニルアルコー
ル、ポリアクリル酸塩系やアクリル酸−ビニルア
ルコール等のアクリル系重合体、更にはポリエチ
レンオキサイド、セルロース系重合体、分子内架
橋を行つたアミロペクチン、天然のアルギン酸な
どを挙げることができる。 水膨潤物質の含有量は、10〜60重量%、より好
ましくは10〜40重量%であることがよい。 含有量が10重量%未満ではシールが不充分とな
り、60重量%をこえると成形が困難になるからで
ある。 また、フイルター9に含有される水膨潤物質の
膨潤度としては常温ないし体温程度にて、水と接
触して10分以内に自重の100〜1000倍に膨潤する
ものであることが好ましい。 膨潤度が100倍未満であると、シールが不充分
となり、1000倍をこえるとフイルターに割れが発
生するからである。 本発明では上記水膨潤物質を含有するフイルタ
ー9に、皮膜形成剤を含浸させて水膨潤物質の粒
子を被覆する皮膜を形成する。 この皮膜を形成することによつて、血液がフイ
ルター9に接触した際つまり貯血室10内に血液
で満たされた際水膨潤物質の粒子がフイルター9
から離脱し、これが血液中に混入することを防止
することができる。 なお、皮膜形成剤がフイルター9の内部全域に
わたつて浸透し、水膨潤物質の粒子が膨潤するこ
とによつて全ての通気孔を遮断し被覆するような
均質な皮膜が形成されることが好ましい。 このような皮膜形成剤としては皮膜が水膨潤物
質の吸水を妨げないものであれば何でもよく、代
表的に水蒸気架橋型シリコーン等を挙げることが
できる。 また皮膜形成剤(特に架橋型シリコーンを用い
る場合)の溶媒としては、揮発性が高く、残留し
ないものがよく、例えばフレオン、イソプロピル
アルコール(IPA)が好ましい。 このようなフイルター9の製造方法の好適例を
以下に示す。 フイルターの支持体構成材料である前述の熱可
塑性樹脂に、水膨潤物質を均一に分散混合し、こ
れを成形型に入れて加熱加圧等を施し、所望の形
状のフイルター部材を形成する。 次いで皮膜形成剤として、水蒸気架橋型シリコ
ーンをフレオン、イソプロピルアルコールまたは
その混合液に溶解した溶液に前記フイルター部材
を含漬した後、溶媒を除去するために熱風により
または自然に乾燥させる。 本発明における空気の排除および遮断機構で
は、閉鎖体(操作体2または封栓2′)の少なく
とも血液接触部に設けたフイルター9により、フ
イルター9と血液の接触前には、採取容器1の後
端の少なくとも一部が外部に開放導通するよう構
成されている。採取容器1の後端において操作体
2または封栓2′の少なくとも一部が外部と導通
するようにフイルター9を装着するに際しては、
操作体2および封栓の構造に応じ種々の態様があ
る。 まず、閉鎖体を採血量が可変の操作体2として
構成する場合について説明する。 このような代表的構成例としては、前述したよ
うに、プランジヤー3の先端部近傍周囲に弾性リ
ング状体4′(好ましくは、2個のO−リング)
を装着して操作体2を構成する場合、少なくとも
プランジヤー3の先端部であつて採取容器1の内
部および外部と対向する部分をフイルター9で構
成したり、あるいは第4図に示されるように、プ
ランジヤー3の先端部に採取容器1の内外を連通
する連通孔43を形成し、この連通孔43内にフ
イルター9を装着する場合がある。 また、操作体2を、プランジヤー3と柱状ガス
ケツト4を連結して構成する別の代表例において
は、この柱状ガスケツト4にその軸方向に連通孔
43を形成し、プランジヤー3の先端部またはヘ
ツド35がガスケツトの連通孔43に嵌着等によ
り取り付けられるよう構成し、その上でプランジ
ヤーの少なくとも先端部またはヘツド35をフイ
ルター9で構成するか、プランジヤーの先端部に
フイルター9を装着することもできる。しかし、
硬いプランジヤー先端部内に硬いフイルター9を
取り付けるには無理を生ずる場合があるので、よ
り簡易な組立構造とするには、ガスケツト4内に
軸線方向に形成した連通孔43内にフイルター9
を挿入して弾性的に支持するのが好ましい。 ガスケツト4は空気排除に適し、その周囲が採
血容器1の内周壁面に密着して血液の漏れを防止
しうるものであればいかなるものでもよく、好ま
しくは、閉鎖体のフイルター9を被包する構成部
分の先端部を、フイルター9の装着部からその肉
厚を徐々に薄くして先端に向けて軸線方向外方に
拡開するように延長するスカート45で構成し、
スカート45の先端部が採取容器1の内周壁面に
密着するよう構成したものがよい。 さらに、上記スカート45を、透明体(半透明
も含む)で構成すれば、血液液面付近の空気の動
きを目視できるので好ましい。 また上記スカート45を弾性体(より好ましく
は透明弾性体)で構成すればスカート先端部の密
着性が良好となるので好ましい。 このようなガスケツト4は、その後端部にてプ
ランジヤー3と作動的に連結される。 このプランジヤー3の形状は、特に限定されな
いが、プランジヤー3の先端部(ヘツド35)は
ガスケツト4の後部と嵌合可能な構造とされ、そ
の表面にはガスケツト4の連通孔43を採取容器
貯血室10の外部と連通させるための凹部を設け
ることが好ましい。 またプランジヤー3とガスケツト4をねじ込み
等の他の手段によつて作動的に連結することも可
能である。 次に閉鎖体を封栓2′で構成する場合について
説明する。 封栓2′は、第3図に示されるように管状採取
容器1の後端に係止して固定するか、あるいは、
管体内の所定位置に、例えば係止手段または固着
手段等により固定することができる。 この場合、封栓2′は水膨潤物質を含有するフ
イルター9で構成することもできる。また、第3
図に示されるように、封栓2′に軸方向に連通孔
43を設け、この連通孔43内にフイルター9を
挿入することもできる。封栓2′は前述のように
ゴム製不透明体または透明性を有する上記弾性材
料の透明成形体で構成することもできる。更に、
以上のような構成とは異なり、ガスケツト4全体
や封栓2′全体を水膨潤物質を含有するフイルタ
ーで構成することもできる。このような場合、ガ
スケツト4や封栓2′の形状としては、フイルタ
ー9を別途挿入するものではないので、上述した
ような連通孔43を設けない構造とする。 本発明の空気の排除および遮断機構付血液採取
器は以上説明したように構成されるが、貯血室1
0内には抗血液凝固剤8を乾燥状態で内蔵するこ
とが好ましい。抗血液凝固剤としてはヘパリンを
用いることが好ましく、その内蔵量としては採血
量に対して約0.05〜0.1重量%程度とすれば良い。
この場合、ヘパリンを内蔵させるには、第1図お
よび第3図に示されるように、貯血室10の採取
容器1の内壁にヘパリン8を乾燥状態でコートす
れば良い。あるいは、第2図に示されるように、
ステンレス等の球体からなる撹拌子80の表面に
ヘパリン8をコートすることもできる。ヘパリン
のコートは、ヘパリン溶液、特にその水溶液を塗
布乾燥すれば良いが、塗布後これを凍結して水分
を昇華させて行う凍結乾燥を行なうことが好まし
い。なお、撹拌子80は採血後採取器を振盪する
ことにより、血液とヘパリンとの接触を一層促進
する効果をもつものである。 発明の具体的作用 本発明による空気の排除および遮断機構付血液
採取器を用いて採血を行うには、通常以下のよう
にして行われる。 必要に応じ、採血針7やホルダー5等の装着と
いつた準備を行う。次いで、閉鎖体として操作体
2を用いる時には、操作体2を所定量の採血量と
なるよう所定位置にセツトする。次いで採血針7
を動脈に穿刺する。これにより、血液が採血針7
を通つて貯血室10内に流入する。血液の流入と
ともに、採血針7,7′および採血容器1内に存
在していた空気はフイルター9の無数の連続気孔
を経て貯血室10外に排出される。血液レベルが
しだいに上昇し血液が全ての空気を排除してフイ
ルター9と接触すると、フイルター9中に含有さ
れている水膨潤物質が皮膜形成剤を通して血液中
の水により膨潤し、フイルター9の連続気孔は自
動的に遮断される。このとき、フイルター9に含
有されている水膨潤物質の粒子は、皮膜形成剤に
より覆われているので、膨潤物質の粒子がフイル
ター9から遊離し、血液中に混入することはな
い。 ガスケツト4または封栓2′を透明体で構成す
る場合には、血液が空気を排除していく過程を目
視により観察でき、所要に応じ空気が完全に排除
されるよう採取容器を傾動調整しつつ、空気完全
排除後の採取血液の外気からの遮断も目視により
確認することができる。 この後採血針7を血管より抜く。この時針先か
ら血液がこぼれることはない。またフイルター9
から血液がにじみ出すこともない。次いで、血液
に空気が溶け込むのを防ぐため針先をゴム部材等
でシールするか、ホルダー5を用いる時には採取
容器1をホルダーから抜くことによつて採血は完
了する。なお、上述したように、ルアーチツプ、
ルアーアダプター等を心臓カテーテル後端と活栓
等を介し接続し、上記と同様に心臓カテーテルか
らの採血を行うこともできる。また、できるだけ
空気との接触を避けつつ採血したい時には、操作
体2を採取容器1の先端まで押し込んだ状態で動
脈に採血針7を穿刺することもできる。この場
合、採取血液が貯血室10内の空気をフイルター
9を経て排除してフイルター面に接触した後は、
動脈圧が操作体2を自動的に摺動させる。操作体
が所定の採血量位置まで押し上げられ、所定量の
採取後採血針を抜く。このようにしてもフイルタ
ー9の連続気孔は遮断され、採血が嫌気的に行わ
れる。 他の方法として、閉鎖体として封栓2′を用い
る時には、封栓2′は採取容器1内に予め所定採
血量が得られるようにセツトされているものであ
り、採血針の穿刺や心臓カテーテルとの接続を行
うと、上述したと同様に、血液流入とともに空気
の排除とフイルター9の連続気孔の遮断が自動的
に行われる。また、この封栓2′を不透明体では
なく、上述したような弾性材料製透明体で構成す
る場合には、血液が空気を排除していく過程を目
視により観察でき、必要に応じて空気が完全に排
除されるよう採血容器を傾けたりする調整を行う
ことができ、空気完全排除後の採取血液の外気か
らの遮断も目視により確認することができる。 発明の効果 本発明によれば、閉鎖体の少なくとも採取血液
接触部にフイルターを、該フイルターを介して貯
血室とその外部とが連通するように装着したこと
により、貯血室内に存在する空気を外部へ排除
し、しかもフイルターが膨潤して血液と外気とを
確実に遮断するため、採取血液への空気の混入を
防止することができる。 従つて、採取血液について血中ガス分析を行つ
た場合、その結果の信頼性が向上する。 さらに、上記空気の排除および血液と外気との
遮断は、確実かつ自動的に行われるため、従来の
採血手段に比べ、熟練を必要とせず作業を容易に
行うことができる。 本発明において、最も重大な効果は、以下に説
明するものであり、フイルターの構成を従来のそ
れに比べ改良したことに起因する。 即ち、フイルター部材中の水膨潤物質の粒子を
被覆する皮膜を形成したことにより、血液がフイ
ルターに接触した際、水膨潤物質の粒子がフイル
ター部材から遊離し血液中に混入することを防止
することができる。従つて血中ガス分析に使用す
る分析機の血液通路をつまらせて分析不能となる
ことを回避し、また分析結果に悪影響を及ぼすこ
ともない。 また架橋型シリコーンを含有する皮膜形成剤を
用いれば、フイルターの内部全域にわたつて均質
な皮膜を形成することができ、水膨潤物質の吸水
性、通気性およびシール性を低下させることもほ
とんどない。 発明の実施例 実施例 1 以下の条件の下で、フイルターを作成した。 支持体構成材料:ポリエチレン 水膨潤物質:デンプン−アクリル酸ナトリウム
グラフトポリマー 皮膜形成剤含有溶液:水蒸気架橋型シリコーン
3% フレオン 16.2% イソプロピルアルコール 80.8% サイズ:直径4mm、厚み3mmの円柱状 製造方法:支持体構成材料と水膨潤物質をブレ
ンドし、公知の手段で所定サイズ
に焼結成形したものを皮膜形成剤
含有溶液に10分間浸漬後、溶媒を
除去するため乾燥を行つた。 このフイルターの物性値は次の通りであつた。 気孔率 40% 平均空孔径 5μ 水膨潤物質含有量 20重量% 水膨潤物質膨潤度 常温で400倍 このフイルターを第1図に示す構成の血液採取
器に装着した。 実施例 2 皮膜形成剤を水蒸気架橋型シリコーン1%、フ
レオン16.2%、イソプロピルアルコール82.8%と
した以外は実施例1と同様とした。 実施例 3 皮膜形成剤を水蒸気架橋型シリコーン6%、フ
レオン16.2%、イソプロピルアルコール77.8%と
した以外は実施例1と同様とした。 実施例 4 皮膜形成剤を水蒸気架橋型シリコーン10%、フ
レオン16.2%、イソプロピルアルコール73.8%と
した以外は実施例1と同様とした。 実施例 5 浸漬時間を30分とした以外は実施例1と同様と
した。 実施例 6 浸漬時間を30分とした以外は実施例2と同様と
した。 実施例 7 浸漬時間を30分とした以外は実施例3と同様と
した。 実施例 8 浸漬時間を30分とした以外は実施例4と同様と
した。 実施例 9 浸漬時間を60分とした以外は実施例1と同様と
した。 実施例 10 浸漬時間を60分とした以外は実施例2と同様と
した。 実施例 11 浸漬時間を60分とした以外は実施例3と同様と
した。 実施例 12 浸漬時間を60分とした以外は実施例4と同様と
した。 比較例 1 皮膜を形成しない以外は実施例1と同様とし
た。 まず、実施例1および比較例1の血液採取器に
ついて水膨潤物質(でんぷん−アクリル酸ナトリ
ウムグラフトポリマー)の血液中への混入度合を
調べるため、以下の実験を行つた。 実施例1、比較例1の血液採取用シリンジ各10
本づつに牛血2mlを採取し、15分間放置した後、
シリンジ内の血液を0.8μのメンブランフイルター
で瀘過し、フイルターの重量変化より血液中に混
入した水膨潤物質の量を測定した。その結果を表
1に示す。
【表】 上記表1の結果より、実施例1は、比較例1に
比較して、水膨潤物質の血液中への混入量が著し
く少ないことが確認された。 次に、実施例および比較例に装着するフイルタ
ーの血中ガス分析結果への影響を調べるため、以
下の実験を行つた。 実施例1の血液採取器(容量2.5mlにセツト)
および比較例1の血液採取器(容量2.5mlにセツ
ト)を各30本づつ用意した。 PO2≒20mmHg、90mmHgおよび200mmHgに調整
した3種の血液サンプル(ヒト血液)A,Bおよ
びCを用意した。 実施例1に各々血液サンプルA,BおよびCを
注入したもの10本づつ、比較例1に各々血液サン
プルA,BおよびCを注入したもの10本づつ(合
計60本)について血中ガス分析を行つた。 その結果を表2に示す。なお分析装置はABL2
(ラジオメーター社製)であつた。
【表】 実施例1における血液A,B,CのPHでの変動
係数(バラツキ)は、約0.05〜0.09%、PCO2
約0.5〜1.2%、PO2は約0.8〜1.0%であつた。 一方、比較例1では、PHの変動係数は約0.04〜
0.09%、PCO2は約0.6〜2.0%、PO2は約0.6〜1.0
%であつた。 いづれもきわめてバラツキの少ない結果が得ら
れた。 分析結果を見る際、通常PHが小数第2位、
PCO2、PO2では、小数第1位までを有効桁とし
ているが、これより平均値を比較してみると、血
液A,BおよびCにわたりPH、PCO2、PO2いづ
れも、全く差がないと言える。 以上より本発明の血液採取器(実施例1)を使
用しても血中ガス分析結果に何ら悪影響を及ぼさ
ないことがわかつた。 また、本発明に装着したフイルターのシール性
(空気遮断特性)が不完全であつたとすればフイ
ルターを通してのガス透過により血中のPO2が上
昇(AのPO2≒20mmHgの場合)または下降(C
のPO2≒200mmHgの場合)するはずであるが、上
記結果よりそのような現象は見られず、従つて本
発明に装着したフイルターは従来の焼結フイルタ
ーに比べ、シール性の低下を生じないことが確認
された。 次に、本発明に装着したフイルターの通気性及
びシール性(空気遮断特性)を調べるために以下
の実験を行つた。 (1) 実施例1〜12の各血液採取器を容量を2.5ml
にセツトし、40mmHgの水圧をかけ、満水にな
るまでの時間を測定した。 その結果を第3に示す。 (2) 実施例1〜12の各血液採取器に、2.5mlの水
および牛血を採取した後、プランジヤーに1
Kg/cm2の圧力をかけ、これを30sec保持し、その
ときのフイルター部の漏れを調べた。 これらの結果を表4に示す。
【表】
【表】
【表】 ○:漏れなし
以上より、シリコーンコート処理によるフイル
ターの通気性およびシール性の低下はないことが
確認された。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図および第3図は本発明の種々の
実施態様を説明するための部分断面正面図であ
る。第4図は本発明における閉鎖体を操作体とし
て構成する例を示す断面図である。 符号の説明 1……採取容器、15,16……
先端部、19……弾性体栓、2……操作体、2′
……封栓、3……プランジヤー、35……ヘツ
ド、4……ガスケツト、4′……弾性リング状体、
43……連通孔、45……スカート、5……ホル
ダー、6……弾性栓、65……封止部材、7,
7′……採血針、75,77……ハブ、8……抗
血液凝固剤(ヘパリン)、80……撹拌子、9…
…フイルター、10……貯血室。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 先端から血液が導入可能とされ、後端は開放
    された管体で構成された血液採取容器と、この管
    状採血容器の後端開口部を閉鎖するよう装着され
    た閉鎖体とを有し、前記管状採血容器内壁と前記
    閉鎖体の先端壁で形成された導入された血液を貯
    える貯血室を有する血液採取器であつて、前記閉
    鎖体に前記貯血室とその外部とが連通する通路を
    設け、この通路に、水を吸収したときに膨潤する
    水膨潤物質と支持体とを焼結した気体通路を有す
    るフイルター部材に、前記水膨潤物質の吸水を妨
    げず、かつ水膨潤物質の粒子が焼結フイルターか
    ら離脱するのを防ぐ皮膜を形成する皮膜形成剤を
    含浸せしめたフイルターを設け、血液採取時にこ
    のフイルターを介して前記貯血室の空気が外部へ
    逃げるようにするとともに、前記貯血室内が血液
    で満たされて、フイルターと血液とが接触するこ
    とにより、水膨潤物質が膨潤して、気体通路を遮
    断するよう構成したことを特徴とする空気の排除
    および遮断機構付血液採取器。 2 前記支持体の構成材料がポリエチレンである
    特許請求の範囲第1項に記載の空気の排除および
    遮断機構付血液採取器。 3 前記水膨潤物質がでんぷんグラフト化物であ
    る特許請求の範囲第1項または第2項に記載の空
    気の排除および遮断機構付血液採取器。 4 前記皮膜形成剤は架橋型シリコーンを含有す
    る特許請求の範囲第1項ないし第3項のいずれか
    に記載の空気の排除および遮断機構付血液採取
    器。
JP60189136A 1985-08-28 1985-08-28 空気の排除および遮断機構付血液採取器 Granted JPS6247345A (ja)

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