JPH0214676B2 - - Google Patents

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JPH0214676B2
JPH0214676B2 JP55065501A JP6550180A JPH0214676B2 JP H0214676 B2 JPH0214676 B2 JP H0214676B2 JP 55065501 A JP55065501 A JP 55065501A JP 6550180 A JP6550180 A JP 6550180A JP H0214676 B2 JPH0214676 B2 JP H0214676B2
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linear output
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は原子炉運転監視装置に係り、特に軽水
冷却型あるいは重水冷却型の原子炉に好適な原子
炉運転監視装置に関するものである。
以下、沸騰水型原子炉を例にとつて説明する。
第1図は沸騰水型原子炉システムを示す系統図で
ある。第1図において、原子炉炉心1の燃料集合
体2で発生する熱出力は、炉心1に挿入された制
御棒3および炉心冷却材流量によつて制御され
る。制御棒3は、制御棒駆動機構4により炉心1
に挿入あるいは炉心1から引抜きの操作が行われ
る。制御棒3の挿入深さは、制御棒位置検出器5
によつて検出される。一方、炉心冷却材は、再循
環ポンプ6およびジエツトポンプ7によつて炉心
部に供給されるように循環している。9は炉心冷
却材流量を制御するための再循環ポンプ制御装置
である。また、原子炉炉心1で発生した蒸気は、
主蒸気管10を通つてタービン11に導かれ、タ
ービン11に連結してある発電機12を回転させ
て発電する。タービン11を出た蒸気は、復水器
13で2次冷却水によつて冷却されて水となり、
原子炉給水系ポンプ14により給水管15を通つ
て原子炉圧力容器16内に戻される。
原子炉炉心1は、燃料棒を複数本規則的に配置
構成した燃料集合体2と十字型制御棒3とで構成
されていて、炉心1内の各所に中性子検出器17
が規則的に配置してある。第2図は炉心の水平断
面の概念図である。
第3図は燃料棒の縦断面図である。燃料棒21
は、被覆管22内に多数の燃料ペレツト23を積
み重ね、被覆管22の上下両端は端栓24,25
を溶接して密封構造としてある。燃料棒21の上
端部には、核分裂性ガスを蓄積するガスプレナム
26が設けてあつて、このガスプレナム26内に
設けたコイルバネ27により、燃料ペレツト23
を上部から押えつけている。
原子炉の出力を上昇させると、燃料棒21の燃
料ペレツト23内で発生する熱のため、燃料ペレ
ツト23の温度が上昇し、燃料ペレツト23の熱
膨張によつて製造時に設けられていた燃料ペレツ
ト23と被覆管22との間の空隙28が狭められ
る。燃料棒21の線出力密度がある値に達する
と、この空隙28がなくなり、燃料ペレツト23
と被覆管22との間に機械的相互作用(Pellet
Cladding Mechanical Interaction;以下PCMI
と略す。)が働き出す。さらに原子炉の出力を増
加させると、PCMIが強くなり、被覆管22に
PCMIによる応力が発生する。
沸騰水型原子炉では、被覆管22に過大な応力
および歪が発生するのを防止するため、第4図に
示すような運転法を採用している。すなわち、原
子炉炉心1内の燃料棒21の線出力がしきい線出
力(通常、8kW/ftを採用している。)に達する
までは、制御棒3の引抜き操作あるいは炉心流量
制御による原子炉の出力上昇には制限を設けずに
自由に行い、燃料棒21の線出力をしきい線出力
以上に上昇させるときは、炉心流量制御により、
例えば、0.06kW/ft/h以下の線出力上昇速度
で徐々に出力を上昇させ、定格出力に到達した
後、その出力を12時間以上保持するような原子炉
の運転法を実施している。以下、この運転をプレ
コンデイシヨニング運転と呼ぶことにする。な
お、第4図の矢印で示してある部分は、プレコン
デイシヨニング運転により出力上昇している部分
を示す。また、12時間以上定格出力に保持された
ときの燃料棒21の線出力をその燃料棒21のエ
ンベロープ線出力と呼ぶことにする。一旦、プレ
コンデイシヨンした燃料棒21(プレコンデイシ
ヨニング運転完了時点の燃料棒)では、エンベロ
ープ線出力以下での出力上昇は、制御棒3の操作
および流量制御による制限を設けず自由に行うこ
とができる。ただし、このエンベロープ線出力以
下での自由な出力上昇は、プレコンデイシヨンし
た燃料棒21の燃焼度増加量がある一定値(通
常、1GWd/t)以内のときのみ採用することが
でき、燃焼度増加量がある一定値を越える場合に
は、プレコンデイシヨニング運転により原子炉出
力を上昇させなければならないとされている。
沸騰水型原子炉では、炉心1内の燃料集合体2
を一様に燃焼させるため、一定期間毎に制御棒パ
ターンを変更する必要があり、その都度、プレコ
ンデイシヨニング運転を行なわなければならな
い。したがつて、現在実施している原子炉の運転
方法では、原子炉出力を定格出力まで上昇させる
のに約1週間の日数を要し、原子炉の稼動率の低
下を余儀なくされている。このような原子炉の運
転方法では非常に不経済であり、そのため、燃料
棒21の破損を防止しつつ原子炉の稼動率を向上
させる運転法が強く望まれており、そのための運
転監視装置の開発が要望されている。
本発明は上記に鑑みてなされたもので、その目
的とするところは、燃料棒の破損を防止し、か
つ、原子炉の稼動率を高めるように原子炉を運転
することを可能とする原子炉運転監視装置を提供
することにある。
本発明の第1の特徴は、制御棒および冷却材流
量により出力分布を制御する原子炉において、原
子炉炉心性能計算機の出力量である燃料集合体出
力分布および燃焼度分布のデータを使用して制御
棒操作によつて燃料棒に損傷を与えることなく線
出力を上昇させ得る範囲の上限である燃料棒出力
急昇許容上限線出力を算出する出力急昇許容上限
線出力計算装置と、前記燃料棒の線出力および出
力急昇許容上限線出力を表示する線出力表示装置
とよりなり、前記出力急昇許容上限線出力計算装
置が、燃料棒の出力急昇許容上限線出力Pcを該
Pcの初期値として設定したしきい線出力P1を用
い、前記燃料棒の線出力が直前に決定したPcよ
り大きいときは、時刻tにおける前記燃料棒の出
力急昇許容上限線出力Pc(t)を時刻(t−Δt)
における前記燃料棒の出力急昇許容上限線出力
Pc(t−Δt)と時刻(t−12)と時刻tの間の前
記燃料棒線出力の最小値P2のうちの大きい方の
値として決定し、前記燃料棒の線出力が直前に決
定したPcより小さいときは、前記Pcを低線出力で
の運転期間の燃料棒の燃焼度増加量ΔBに比例し
て低下させ、かつ該Pcの低下量を1.3ΔB以下とす
るような構成とした点にあり、第2の特徴は、制
御棒および冷却材流量により出力分布を制御する
原子炉において、原子炉炉心性能計算機の出力量
である燃料集合体出力分布および燃焼度分布のデ
ータを使用して制御棒操作によつて燃料棒に損傷
を与えることなく線出力を上昇させ得る範囲の上
限である燃料棒出力急昇許容上限線出力を算出す
る出力急昇許容上限線出力計算装置と、前記燃料
棒操作および冷却材流量変化等の出力制御変数の
変化に対する前記燃料集合体の出力分布の変化を
予測する原子炉出力分布予測装置と、該原子炉出
力分布予測装置により予測した前記燃料集合体の
線出力が前記出力急昇許容上限線出力計算装置で
算出した出力急昇許容上限線出力以下であるかど
うかを判定する線出力判定装置と、該線出力判定
装置での判定結果と前記燃料棒の線出力および出
力急昇許容上限線出力を表示する線出力表示装置
とよりなり、前記出力急昇許容上限線出力計算装
置が、燃料棒の出力急昇許容上限線出力Pcを該Pc
の初期値として設定したしきい線出力P1を用い、
前記燃料棒の線出力が直前に決定したPcより大き
いときは、時刻tにおける前記燃料棒の出力急昇
許容上限線出力Pc(t)を時刻(t−Δt)におけ
る前記燃料棒の出力急昇許容上限線出力Pc(t−
Δt)と時刻(t−12)と時刻tの間の前記燃料
棒線出力の最小値P2のうちの大きい方の値とし
て決定し、前記燃料棒の線出力が直前に決定した
Pcより小さいときは、前記Pcを低線出力での運転
期間の燃料棒の燃焼度増加量ΔBに比例して低下
させ、かつ該Pcの低下量を1.3ΔB以下とするよう
な構成とした点にある。
以下本発明を第8図、第9図、第12図に示し
た実施例および第5図ないし第7図、第10図、
第11図を用いて詳細に説明する。
本発明は従来技術について検討した結果得られ
たものであり、まず、従来技術の検討結果につい
て説明する。
軽水炉用燃料棒を種々の燃焼度時点で制御棒操
作によつて線出力を上昇させた場合、第5図に示
す線出力以下の出力上昇では、燃料棒に損傷が発
生しない。したがつて、出力急昇許容上限線出力
の下限値として第5図に図示したものをしきい線
出力として採用することができる。このしきい線
出力P1は、次式によつて表わされる。
B<10GWd/tのとき、 P1=12−0.4B ……(1) B≧10GWd/tのとき、 P1=8 ……(2) ここに、B;燃料棒の燃焼度(GWd/t)燃
料棒の線出力がしきい線出力P1以下では、制御
棒操作および炉心流量制御による出力上昇に対し
て特に制限を設ける必要がない。
次に、第6図に示すように、時刻Aでプレコン
デイシヨニング運転が完了した後、時刻Bにおい
て原子炉出力を低下させ、その直後の時刻Cにお
いて再び原子炉出力を上昇させた場合、燃料棒の
線出力がプレコンデイシヨニング運転完了時の線
出力レベル、すなわち、エンベロープ線出力まで
は、制御棒操作および流量制御に制限を設けるこ
となく自由に原子炉出力を上昇させることができ
る。したがつて、プレコンデイシヨニング運転が
完了した直後では、出力急昇許容上限線出力とし
てプレコンデイシヨニング運転完了時の線出力を
採用することができる。
従来の原子炉運転法では、すでに述べたよう
に、燃料棒のプレコンデイシヨニング運転の効果
は、プレコンデイシヨンした燃料棒の燃焼度増加
量がある一定値以下のときのみ有効であり、燃焼
度増加量がある一定値を越えると、有効性が消失
するとされていた。しかしながら、以下に述べる
理由により、燃料棒の出力急昇許容上限線出力
は、燃料棒の出力履歴および燃焼度の増加ととも
に徐々に変化する。
第7図bに示すように、燃料棒のプレコンデイ
シヨニング運転完了後、点Dにおいて燃料棒の線
出力が低下し、長期間にわたり低線出力を保持し
たときは、主に燃料ペレツトの照射スウエリング
および被覆管の冷却材圧力によるクリープ変形の
ため、もし、第7図bのE点において、燃料ペレ
ツトと被覆管との間に空隙が存在する場合には、
空隙の大きさが燃焼とともに減少し、それにとも
なつて、再び燃料棒の線出力を上昇させた場合
に、PCMIが働き始める線出力レベルが燃焼とと
もに低下し、場合によつては低線出力での燃焼期
間中にPCMIが働き始める。もし、E点において
すでにPCMIが働いている場合には、一般に
PCMIの強さが燃焼とともに増加する。このた
め、ある期間にわたり低線出力で運転した後、再
び燃料棒の線出力をD点における線出力レベルま
で制御棒操作により上昇させると、PCMIにより
被覆管に大きな応力および歪が発生する可能性が
ある。
第7図bに示すように、E点以降燃料棒の線出
力を低いレベルに保持して運転した後、再び線出
力を上昇させた場合のD点における被覆管の応力
と等価な応力が生じる燃料棒の線出力の燃焼にと
もなう変化を算出した結果を図示すると、第7図
aに示すようになる。すなわち、被覆管に等価応
力を発生する線出力は、低線出力での運転期間中
の燃料棒の燃焼度増加量が大きいほど低下し、同
じ燃焼度増加に対しては、第7図bのa1,b1にそ
れぞれ対応するa2,b2曲線の比較からわかるよう
に、低線出力での運転期間における線出力レベル
が低いほど低下する傾向がある。この被覆管等価
応力を発生する線出力の低下の大きさΔPcについ
て、軽水炉の燃料棒が経験する線出力の範囲内の
種々の出力履歴の場合を想定して検討した結果、
ΔPcは1.3ΔB以下であるとの結論を得た。なお、
ΔBは低線出力での運転期間の燃料棒の燃焼度増
加量である。したがつて、プレコンデイシヨニン
グ運転完了後、燃料棒の線出力がプレコンデイシ
ヨニング運転完了時の線出力レベルより低下した
場合は、次式で与えられる出力急昇許容上限線出
力Pc以下では、燃料棒の線出力を制御棒操作およ
び流量制御により変動させても、被覆管には大き
な応力および歪が発生せず、燃料棒に損傷を生じ
ることはない。
Pc=Pc,p−ΔPc ……(3) ΔPc=1.3ΔB ……(4) ここに、 Pc,p;線出力低下直前における出力急昇許容上限
線出力 Pc;線出力低下後ΔBだけ燃焼度が増加した時点
における出力急昇許容上限線出力 ΔPc;線出力低下後ΔBだけ燃焼度が増加する期
間中の出力急昇許容上限線出力の低下量 以上の検討結果から燃料棒の出力急昇許容上限
線出力を燃料棒の出力履歴および燃焼度の関数と
して決定することができることがわかる。
第8図は本発明の装置の一実施例を示すブロツ
ク図であり、第1図と同一部分は同じ符号で示
し、ここでは説明を省略する。第8図において、
30は原子力プラントの各測定信号を処理するプ
ロセス計算機、31は燃料棒の出力急昇許容上限
線出力を計算する計算装置、32は燃料棒の線出
力および出力急昇許容上限線出力を表示する線出
力表示装置である。
プロセス計算機30では、炉心1内に配置され
た中性子束検出器17の出力信号、制御棒3の炉
心1への挿入深さを検出する制御棒位置検出器5
の出力信号およびジエツトポンプ7入口と出口と
の間の差圧を利用して炉心冷却材流量を測定する
流量測定装置18の出力信号等を入力として処理
し、原子炉炉心1に装荷された燃料集合体2の出
力分布および燃焼度分布を算出する。
出力急昇許容上限線出力計算装置31は、電子
計算機により構成してあり、プロセス計算機30
のアウトプツトである燃料集合体2の出力分布お
よび燃焼度分布のデータを入力として、各燃料棒
21(第3図参照)の出力急昇許容上限出力を計
算する。
線出力表示装置32としては、タイプライター
や図形表示機能を有する装置を用いてある。
燃料棒21の出力急昇許容上限線出力は一定時
間経過する毎に周期的に計算する場合と、運転員
の要求により随時計算する場合とを考慮してあ
る。
第9図は時刻tにおける燃料棒21の出力急昇
許容上限線出力Pc,ijkl(t)の計算フローチヤート
である。ここに、iおよびjは燃料集合体2のx
座標およびy座標を、kは燃料集合体2の軸方向
座標を、lは燃料集合体2内の燃料棒21を指定
する座標を表わす。なお、燃料棒21のPc,ijkl
(t)の初期値Pc,ijkl(t=0)としては、(1)、(2)
式で決まるしきい線出力P1を用いる。以下、時
刻tにおけるPc,ijkl(t)の計算処理法を第9図を
用いて説明する。
まず、中性子束検出器17で測定された中性子
データを用いて、ステツプS1で燃料集合体2の
出力分布PB ijk、ボイド率分布VB ijkを反復計算によ
り計算する。また、ステツプS2で燃料集合体2
の燃焼度分布BB ijkを増分計算により計算し、ステ
ツプS3でボイド率と燃焼度によつて決まる燃料
集合体2内燃料棒出力分担率flを計算する。そし
てステツプS4で、燃料集合体2の出力分布PB ijk
燃料棒出力分担率flおよび燃料集合体出力から燃
料棒線出力への変換係数C2の積として与えられ
る燃料棒21の線出力Pijklを計算する。ステツプ
S5では、時刻tにおける燃料棒線出力が時刻
(t−Δt)におけるPc,ijkl(t−Δt)を越えたかど
うかを判定する。もし越えたらステツプS6で直
前の12時間の燃料棒線出力の最小値P′ijklを計算
し、Pc,ijkl(t)としてPc,ijkl(t−Δt)とP′ijkl
のう
ち大きい方を選ぶ。時刻tにおける燃料棒線出力
がPc,ijkl(t−Δt)より低下したときは、ステツプ
S7で、(3)、(4)式にしたがつてPc,ijkl(t)を燃焼度
の増加とともに低下させる。ただし、Pc,ijkl(t)
が(1)、(2)式で与えられるP1以下になつたときは、
Pc,ijkl(t)=P1と設定する。
以上の計算を全燃料棒の全軸方向ノードについ
て実行する。ただし、計算時間の短縮をはかるた
め、燃料集合体当り数本の代表燃料棒を選び、そ
の燃料棒に対してのみ上記の計算を実行し、その
結果を原子炉の運転監視に役立てるのが便利であ
る。
第9図のフローチヤートに基づいて計算した燃
料棒の一軸方向ノードの出力急昇許容上限線出力
の例を第10図に示す。第10図において、実線
cで示したのが燃料棒線出力、点線dで示したの
がしきい線出力、破線eで示したのが出力急昇許
容上限線出力である。
第11図は、上記した実施例の原子炉運転監視
装置を使用して出力上昇させた場合の燃料棒の線
出力上昇経過および出力急昇許容上限出力と、従
来の方法による燃料棒の線出力上昇経路との比較
を示した線図である。第11図において、実線
f、1点鎖線gはそれぞれ上記監視装置を使用し
た場合の燃料棒線出力上昇経路、燃料棒出力急昇
許容上限線出力、点線h、2点鎖線iはそれぞれ
従来の方法による場合の燃料棒線出力上昇経路、
燃料棒出力急昇が許される範囲である。これよ
り、上記した原子炉運転監視装置を使用して原子
炉出力を上昇させる方が、従来の方法にくらべ
て、制御棒操作および流量制御に制限を設けずに
線出力を上昇させ得る燃料棒出力急昇許容上限線
出力の範囲が大幅に拡大され、より短時間で定格
出力まで原子炉出力を上昇させ得ることがわか
る。したがつて、原子炉の稼動率の向上をはかる
ことができ、また、出力制御の自由度が拡大され
る。
第12図は本発明の装置の他の実施例を示すブ
ロツク図である。第12図において、30はプロ
セス計算機、31は燃料棒の出力急昇許容上限線
出力計算装置、33はプロセス計算機30からの
出力分布および燃焼度分布等のデータを使用して
制御棒操作や炉心冷却材流量変化等の種々の制御
変数の変化に対する炉心出力分布変化を予測する
原子炉出力分布予測装置、34は原子炉出力分布
予測装置33で予測した燃料集合体の出力分布を
計算装置31の入力として使用して算出した燃料
棒の線出力と燃料棒の出力急昇許容上限線出力と
の大小関係を判定する線出力判定装置、32は線
出力判定装置34での判定結果等をも表示する線
出力表示装置である。
第13図、第14図は第12図の原子炉出力分
布予測装置の一実施例を示すブロツク図である。
第13図はパラメータ設定手段35のブロツク図
で、第13図において、350はK∞分布計算手
段、351はカーネル分布計算手段、352は燃
焼度・制御棒位置検出手段、353はボイド分布
計算手段、354は反射率計算手段である。
K∞は、現状出力分布、燃焼度、制御棒位置、
ボイド分布により決定される。また、カーネルは
ボイド分布から計算される。出力分布、K∞、カ
ーネルが与えられると、次式から、 PK=K∞K{WV K-1PK-1+WV K+1PK+1 +〔1−2WV K−4(4−αK)WH K〕PK} ……(5) ここに、 PK;高さ方向ノードKの出力 K∞K;ノードKの中性子無限増倍係数 WV K;ノードKの中性子が上または下に隣接する
ノードで吸収される確率(カーネル) WH K;ノードKの中性子が水平方向に隣接するノ
ードで吸収される確率(カーネル) αK;ノードKの中性子反射率 反射率αKが下記の式より求まる。
αK=1/WHK{1/PK(PK/K∞K−WV K-1PK-1 −WV K+1PK+1)−1+2WV K+4WH K} ……(6) 以上の一連の計算により、モデルのパラメータ
である反射率αKが求まり、次の予測計算では、
このαKを用いる。
第14図は出力分布予測計算手段36と予測条
件指定手段37のブロツク図で、第14図におい
て、360はK∞分布計算手段、361はカーネ
ル分布計算手段、362は燃焼度、制御棒位置検
出手段、363はボイド分布計算手段、365は
出力分布計算手段、370はキセノン濃度設定手
段、371は炉心流量設定手段である。出力分布
計算手段365では、与えられたK∞、カーネ
ル、反射率に対する出力分布PKを計算する。予
測したい炉心のキセノン濃度、炉心流量はキセノ
ン濃度設定手段370、炉心流量設定手段371
から原子炉運転員により与えられ、K∞、ボイド
分布計算の入力情報となる。なお、ボイド分布と
出力分布は、互に影響しあうので、出力分布、ボ
イド分布の計算を予測出力分布が収れんするま
で、交互に繰り返す。結果は予測出力分布表示手
段38で運転員に示す。
第12図に示す原子炉運転監視装置を使用すれ
ば、原子炉出力上昇時に制御棒操作を行うとき
に、その操作を実行する前に、操作する制御棒に
近接する燃料集合体内の燃料棒の線出力の変動を
あらかじめ予測し、予測された燃料棒の線出力の
変動が、出力急昇許容上限線出力Pc以下の範囲に
入るかどうかを判定して表示することができる。
また、炉心冷却材流量変化により急激に出力上昇
させる場合にも、同様に燃料棒の線出力の変動が
Pc以下であるかどうかをあらかじめ予測して表示
することができる。運転員は、それらの表示値を
参照して出力上昇のための運転制御操作を合理的
に選定することができる。例えば、ある制御棒操
作に対して燃料棒の線出力がPcを越えると判定さ
れた場合には、その制御棒操作を禁止する。ま
た、冷却材流量による出力制御に対して、すべて
の燃料棒の線出力が各燃料棒の出力急昇許容上限
線出力Pc以下の範囲では、流量制御によつてプレ
コンデイシヨニング運転法で採用されている線出
力上昇速度を上まわる線出力上昇速度で出力を上
昇させることができる。燃料棒の線出力がPcを越
えた場合は、従来と同様、プレコンデイシヨニン
グ運転法を採用し、徐々に出力を上昇させること
により、燃料棒の健全性を保つことができる。こ
のような方法により、燃料棒の健全性を保持し、
かつ、最短時間で原子炉出力を定格出力まで上昇
させることができる。
以上説明したように、本発明によれば、原子炉
出力上昇時の制御棒操作および冷却材流量制御に
よる出力制御の自由度を最大限に拡大し、燃料棒
の破損を防止し、かつ、原子炉の稼動率を高める
ように原子炉を合理的に運転制御することが可能
になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は沸騰水型原子炉システムを示す系統
図、第2図は原子炉炉心水平断面の概念図、第3
図は燃料棒の縦断面図、第4図はプレコンデイシ
ヨニング運転法による場合の出力上昇線図、第5
図は燃料棒のしきい線出力と燃焼度との関係線
図、第6図はプレコンデイシヨニング運転後にお
ける出力変動の状態を説明するための線図、第7
図は燃料棒の線出力の履歴および被覆管の等価応
力が一定となる燃料棒の線出力と燃焼度増加との
関係線図、第8図は本発明の原子炉運転監視装置
の一実施例を示すブロツク図、第9図は第8図の
出力急昇許容上限線出力計算装置での計算処理の
一実施例を示す計算フローチヤート、第10図は
燃料棒の線出力の履歴、しきい線出力および出力
急昇許容上限線出力の関係の一例を示す線図、第
11図は燃料棒線出力上昇経路の一例を示す線
図、第12図は本発明の他の実施例を示すブロツ
ク図、第13図、第14図は第12図の原子炉出
力分布予測装置の一実施例を示すブロツク図であ
る。 1……原子炉炉心、2……燃料集合体、3……
制御棒、4……制御棒駆動機構、5……制御棒位
置検出器、16……原子炉圧力容器、17……中
性子検出器、18……炉心流量測定装置、21…
…燃料棒、30……プロセス計算機、31……出
力急昇許容上限線出力計算装置、32……線出力
表示装置、33……原子炉出力分布予測装置、3
4……線出力判定装置。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 制御棒および冷却材流量により出力分布を制
    御する原子炉において、原子炉炉心性能計算機の
    出力量である燃料集合体出力分布および燃焼度分
    布のデータを使用して制御棒操作によつて燃料棒
    に損傷を与えることなく線出力を上昇させ得る範
    囲の上限である燃料棒出力急昇許容上限線出力を
    算出する出力急昇許容上限線出力計算装置と、前
    記燃料棒の線出力および出力急昇許容上限線出力
    を表示する線出力表示装置とよりなり、前記出力
    急昇許容上限線出力計算装置が、燃料棒の出力急
    昇許容上限線出力Pcを該Pcの初期値として設定し
    たしきい線出力P1を用い、前記燃料棒の線出力
    が直前に決定したPcより大きいときは、時刻tに
    おける前記燃料棒の出力急昇許容上限線出力Pc
    (t)を時刻(t−Δt)における前記燃料棒の出
    力急昇許容上限線出力Pc(t−Δt)と時刻(t−
    12)と時刻tの間の前記燃料棒線出力の最小値
    P2のうちの大きい方の値として決定し、前記燃
    料棒の線出力が直前に決定したPcより小さいとき
    は、前記Pcを低線出力での運転期間の燃料棒の燃
    焼度増加量ΔBに比例して低下させ、かつ該Pc
    低下量を1.3ΔB以下とすることを特徴とする原子
    炉運転監視装置。 2 前記しきい線出力P1を燃料棒の燃焼度Bが、
    B<10GWd/tのときは、 P1=12−0.4B(kW/ft) により、B≧10GWd/tのときは、 P1=8 により決定するようにしてある特許請求の範囲第
    1項記載の原子炉運転監視装置。 3 制御棒および冷却材流量により出力分布を制
    御する原子炉において、原子炉炉心性能計算機の
    出力量である燃料集合体出力分布および燃焼度分
    布のデータを使用して制御棒操作によつて燃料棒
    に損傷を与えることなく線出力を上昇させ得る範
    囲の上限である燃料棒出力急昇許容上限線出力を
    算出する出力急昇許容上限線出力計算装置と、前
    記制御棒操作および冷却材流量変化等の出力制御
    変数の変化に対する前記燃料集合体の出力分布の
    変化を予測する原子炉出力分布予測装置と、該原
    子炉出力分布予測装置により予測した前記燃料集
    合体の線出力が前記出力急昇許容上限線出力計算
    装置で算出した出力急昇許容上限線出力以下であ
    るかどうかを判定する線出力判定装置と、該線出
    力判定装置での判定結果と前記燃料棒の線出力お
    よび出力急昇許容上限線出力を表示する線出力表
    示装置とよりなり、前記出力急昇許容上限線出力
    計算装置が、燃料棒の出力急昇許容上限線出力Pc
    を該Pcの初期値として設定したしきい線出力P1
    を用い、前記燃料棒の線出力が直前に決定したPc
    より大きいときは、時刻tにおける前記燃料棒の
    出力急昇許容上限線出力Pc(t)を時刻(t−
    Δt)における前記燃料棒の出力急昇許容上限線
    出力Pc(t−Δt)と時刻(t−12)と時刻tの間
    の前記燃料棒線出力の最小値P2のうちの大きい
    方の値として決定し、前記燃料棒の線出力が直前
    に決定したPcより小さいときは、前記Pcを低線出
    力での運転期間の燃料棒の燃焼度増加量ΔBに比
    例して低下させ、かつ該Pcの低下量を1.3ΔB以下
    とすることを特徴とする原子炉運転監視装置。
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JPS5447090A (en) * 1977-09-20 1979-04-13 Toshiba Corp Reacotr output controller
JPS5520404A (en) * 1978-07-31 1980-02-13 Nippon Atomic Ind Group Co Load following automatic device of nuclear power plant

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