JPH0213859Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は主として温風暖房器に適用するエアフ
イルタに関する。

（従来の技術） 従来の温風暖房器のエアフイルタとして、一次
空気と二次空気を通過させる共通１個の窓を備え
る枠体と、該枠体の窓に施すフイルタ部材とで構
成されるものは知られる。

（考案が解決しようとする問題点） ところで、温風暖房器の一次空気は燃焼用空気
としてバーナに供給されるもので、埃が混ざつて
いると該バーナを不完全燃焼させるので、メツシ
ユの比較的細かいフイルタ部材を通過させて埃の
混入を可及的減少させることが好ましく、また温
風暖房器の二次空気は主に暖房用の温風として使
われるもので、少量だと十分な暖房ができなくな
るので、メツシユの比較的粗いフイルタ部材を通
過させて多量に得るのが好ましい。

しかしながら、前記従来のものは、枠体の窓全
体に同一フイルタ部材を施すもので、メツシユが
比較的細かい場合には二次空気が多量に得られ
ず、十分な暖房が得られなくなる不都合があり、
またメツシユが比較的粗い場合には一次空気に埃
が混入し、バーナが不完全燃焼する不都合があ
る。

そこで、上記不都合を解消するため、枠体の窓
の一次空気通過領域に比較的メツシユの細かい第
１フイルタ部材を施し、該枠体の窓の二次空気通
過領域に比較的メツシユの粗い第２フイルタ部材
を施すようにすることも考えられるが、この場
合、両フイルタ部材の境目にはこれらを支える部
材がないため、両フイルタ部材は弛んで境目に間
隙を生じ、或いは境目に指をいれることにより境
目に間隙を生じ、その間隙から埃が侵入して、バ
ーナが不完全燃焼する不都合がある。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記不都合を解消するエアフイルタを
提供せんとするものであつて、一次空気と二次空
気を通過させる共通１個の窓を備える枠体と、該
枠体の窓に施すフイルタ部材とで構成されるエア
フイルタにおいて、該フイルタ部材を、該枠体の
窓の一次空気通過領域に施す比較的メツシユの細
かい第１フイルタ部材と、該枠体の窓の二次空気
通過領域に施す比較的メツシユの粗い第２フイル
タ部材とで構成し、両フイルタ部材の境目の部分
を互いに重畳させ、その重畳部分に境目に沿つた
補強部を形成したことを特徴とする。

（作用） 本考案は上記構成によるもので、これによれ
ば、一次空気は比較的メツシユの細かい第１フイ
ルタ部材を通過し、十分に濾過されるので、例え
ば温風暖房器の熱源としてのバーナに供給する場
合、埃の混入がなくバーナを適正燃焼させるため
に有効に作用し、また二次空気は比較的メツシユ
の粗い第２フイルタ部材を通過し、多量に得られ
るので、例えば温風暖房器の暖房用の温風として
有効に作用する。この場合第１、第２フイルタ部
材の重畳部分に境目に沿つた補強部が形成されて
いるので、これにより重畳部分は補強され、弛む
ことがなく、また指を入れることもできないか
ら、重畳部分に間隙を生じることがなくなり、し
たがつて重畳部分からの埃の侵入がなく、一次空
気への埃の混入がない。

（実施例） 次に本考案を温風暖房器に適用した場合の実施
例を図面に基づいて説明する。

第１図乃至第３図において、１はその内部に、
バーナ２を備えた燃焼筐３と、該バーナ２に燃焼
用の一次空気を供給すると共に室内の二次空気を
吸引し温風を室内に吹出すためのフアン４とを備
える暖房器本体を示し、該暖房器本体１の裏面上
部には、補強網５が施された一次空気吸入口６と
二次空気吸入口７とが設けられ、さらに両吸込口
６，７の周縁には第４図に示すエアフイルタ８を
上方から第５図のように装着するためのガイド兼
固定部材９が設けられる。

該エアフイルタ８は一次空気と二次空気を通過
させる共通１個の窓１０を備える枠体１１と、該
枠体１１の窓１０の一次空気通過領域に施す比較
的メツシユの細かい第１フイルタ部材１２と、該
枠体１１の窓１０の二次空気通過領域に施す比較
的メツシユの粗い第２フイルタ部材１３とで構成
し、両フイルタ部材１２，１３の境目の部分を互
いに重畳させ、その重畳部分Ａを断面波状に形成
しこれを補強部Ｂとした。

上記エアフイルタ８の製作は具体的には次のよ
うに行なう。

先ず、１枚の方形のステンレス鋼板から一次空
気と二次空気を通過させる共通１個の窓１０に相
当する部分を打ち抜いて第６図のように枠体１１
を形成する。

次いで、該枠体１１の窓１０の一次空気通過領
域に50＃のステンレス鋼板製の第１フイルタ部材
１２を施し、さらにその上に該窓１０全面すなわ
ち一次空気通過領域及び二次空気通過領域の全て
に30＃のステンレス鋼板製の第２フイルタ部材１
３を施し、該枠体１１の３辺の周縁部を内側に折
曲げて、これにより第１、第２フイルタ部材１
２，１３を固定すると共に該枠体１１の残りの１
辺の周縁部を若干折曲げて、これによりエアフイ
ルタ８を脱着する際の把手を形成する。最後に、
第７図に示すようにプレスにより第１、第２フイ
ルタ部材１２，１３の一次空気通過領域と二次空
気通過領域の夫々に台形の突部１２ａ，１３ａを
形成して補強すると共にプレスにより両フイルタ
部材１２，１３の境目の重畳部分Ａを先端が尖つ
た断面波状に形成して補強し、両フイルタ部材１
２，１３が分離しないようにして両フイルタ部材
１２，１３間の隙間をなくし、埃りの侵入を防止
するようにした。

かくするときは、暖房器本体１内のフアン４を
駆動させると、室内の空気が吸引され、一次空気
吸入口６側の室内空気は比較的メツシユの細かい
第１、第２フイルタ部材１２，１３を重ねた部分
を通り、ここで濾過されて、埃のきわめて少ない
状態の一次空気として燃焼筐３内のバーナ２に導
かれて、該バーナ２の適正燃焼に有効に作用し、
また二次空気吸込口７側の室内空気は比較的メツ
シユの粗い第２フイルタ部材１３のみの部分を通
り、ここで濾過されて、十分な量の二次空気とし
て該燃焼筐３の周囲に導かれ、加熱され、再び室
内に吹出されて、暖房用の温風として有効に作用
する。

尚、図示のものでは両フイルタ部材１２，１３
の境目の重畳部分Ａに先端が尖つた断面波状の補
強部Ｂを形成したが、これに限るものではなく、
例えば正弦波状の補強部Ｂにする等、任意の波形
形状の補強部Ｂにすることができる。

また、図示のものでは第１フイルタ部材１２を
暖房器本体１側にしたが、第２フイルタ部材１３
を暖房器本体１側にしても良い。

（考案の効果） このように本考案によるときは、枠体に一次空
気と二次空気を通過させる共通１個の窓を設け、
該窓の一次空気通過領域に比較的メツシユの細か
い第１フイルタ部材を施し、該窓の二次空気通過
領域に比較的メツシユの粗い第２フイルタ部材を
施し、両フイルタ部材の境目の部分を互いに重畳
させ、その重畳部分に境目に沿つた補強部を形成
したので両フイルタ部材の境目の重畳部分が補強
され隙間ができないことから、この部分からの埃
の侵入がなく、特に一次空気を清浄に保つことが
できる効果を有する。さらに、該枠体を１枚の板
状部材から１つの窓部に相当する部分を打ち抜い
たもので構成することができ、抜きかすが大きく
他に利用することができて、省資源上有利となる
効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を温風暖房器に適用した場合の
実施の１例を示す温風暖房器の裏側の外観斜視
図、第２図は第１図の温風暖房器の表側の１部を
欠截して示す外観斜視図、第３図は第２図の−
線断面図、第４図は本考案のエアフイルタの実
施の１例を示す斜視図、第５図は第４図のエアフ
イルタを第１図の温風暖房器に装着したときの裏
側の外観斜視図、第６図は第４図のエアフイルタ
の枠体を示す斜視図、第７図は第４図の−線
截断平面図である。 ８……エアフイルタ、１０……窓、１１……枠
体、１２……第１フイルタ部材、１３……第２フ
イルタ部材、Ａ……重畳部分、Ｂ……補強部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一次空気と二次空気を通過させる共通１個の窓
   を備える枠体と、該枠体の窓に施すフイルタ部材
   とで構成されるエアフイルタにおいて、該フイル
   タ部材を、該枠体の窓の一次空気通過領域に施す
   比較的メツシユの細かい第１フイルタ部材と、該
   枠体の窓の二次空気通過領域に施す比較的メツシ
   ユの粗い第２フイルタ部材とで構成し、両フイル
   タ部材の境目の部分を互いに重畳させ、その重畳
   部分に境目に沿つた補強部を形成したことを特徴
   とするエアフイルタ。