JPH0213745Y2

JPH0213745Y2 -

Info

Publication number: JPH0213745Y2
Application number: JP3726884U
Authority: JP
Priority date: 1984-03-15
Filing date: 1984-03-15
Publication date: 1990-04-16
Also published as: JPS60149874U

Description

【考案の詳細な説明】この考案は、デイーゼル機関を始めとする内燃
機関の燃料噴射装置に関するものである。

この種の燃料噴射装置は、一般に燃料噴射ポン
プ、噴射管及び噴射ノズルから成る燃料の噴射系
を有する。最近、この噴射系の燃料の圧力を高く
して、噴射ノズルから噴射される燃料の霧化をよ
くし、スモークや燃費を改善することが求められ
ている。しかしながら、噴射系の圧力は内燃機関
の回転数の上昇に伴つて増大するので、上記圧力
をむやみに高く設定すると、高速回転域では一定
の限度を越えることになり、噴射系の強度やキヤ
ビテーシヨンによる腐食が問題となる。しかし
て、従来においてもかかる問題を解決する手段そ
のものは、例えば特開昭57−129250号公報により
公知となつている。

しかしながら、上記従来例は、噴射管に逃がし
弁を設け、噴射管内の圧力が所定値以上のときに
燃料を逃がすように構成されている。したがつ
て、前記噴射系が複数となる多気筒型の内燃機関
にあつては、各噴射管ごとに逃がし弁を設けなけ
ればならず、一般に各逃がし弁の開弁圧を一定に
設定することは困難であるから、各気筒ごとに噴
射圧が異なり、所定の制御結果が得られないとい
う欠点があつた。

そこで、この考案は、上述したように各噴射系
ごとに圧力調整部を設けることに起因する従来の
欠点を解消し、各噴射系ごとに一定の噴射圧の変
化を得ることができる燃料噴射装置を提供するこ
とを課題とし、その要旨とするところは、複数の
噴射系を有する燃料噴射装置において、前記複数
の噴射系内の容積を変えうる容積可変装置を設
け、この容積可変装置は、各噴射系に対応した複
数のブロツク、該各ブロツクに形成されたシリン
ダ、該各シリンダに嵌挿されたピストン及び前記
シリンダ内に形成された容積変化室を具備し、前
記ブロツクが接合されてボデイが構成されている
と共に、前記ピストンが連結棒を介して連結され
てスプールが構成されている燃料噴射装置にあ
る。したがつて、上記容積可変装置により噴射系
内の容積を変えて圧力を調整することができるの
であるが、各噴射系に対応するピストンが同時に
動かされるので、噴射系内の容積の変化は一定と
なり、そのため、上記課題を達成することができ
るものである。

以下、この考案の実施例を図面により説明す
る。

第１図において、この考案の燃料噴射装置のシ
ステム構成が示され、燃料噴射ポンプ１は例えば
６気筒用の列型ポンプで、ポンプ本体２の一方に
タイマ３が、他方にガバナ４がそれぞれ装着され
ており、図示しない内燃機関からタイマ３を介し
て伝達された機械的動力によりポンプ本体２のカ
ムが回転し、このカムの回転によりポンプ本体２
のプランジヤが往復動し、内燃機関の油圧タンク
５から油圧ポンプ６を介して入つた燃料がポンプ
本体２の出口２ａから送出されようになつてい
る。また、該ポンプ本体２の出口２ａは、第１の
噴射管７を介して後述する容積可変装置８に接続
され、さらにこの容積可変装置８から第２の噴射
管９を介して噴射ノズル１０に接続されている。
そして、上記ポンプ本体２の出口２ａ、第１の噴
射管７、第２の噴射管９及び噴射ノズル１０は、
それぞれ内燃機関の気筒数に対応して６個あり、
６個の噴射系を構成している。

方向切換弁１１は、例えば２位置、３ポートの
電磁操作型のもので、一方の位置にあるときは、
プレツシヤポートとシリンダポートとを連通し、
他方の位置にあるときは、シリンダポートとタン
クポートとを連通する。この方向切換弁１１のシ
リンダポートは、制御油圧通路１２を介して容積
可変装置８の制御油圧入口８ａに接続されてお
り、また、容積可変装置８のリーク出口８ｂはリ
ーク通路１３を介して前記油圧タンク５に接続さ
れている。そして、この方向切換弁１１は、コン
トロールユニツト１４から出力されるパルス信号
で制御され、このコントロールユニツト１４は、
前記ガバナ４との間をリンクで接続されて内燃機
関の負荷を検出するロードセンサ１５からの負荷
信号、前記ポンプ本体２に設けられて内燃機関の
回転数とタイミングを検出する回転センサ１６か
らの回転数信号及びタイミング信号等が入力さ
れ、予め設定された目標噴射率となるよう前記パ
ルス信号のデユーテイ比を演算し、方向切換弁１
１を細かくオンオフせしめて下記する容積可変装
置８のスプールの位置を制御するようになつてい
る。

第２図において、容積可変装置８は、前記噴射
系に対応した複数の同一形状のブロツク１７を有
する。この実施例にあつては、ブロツク１７は方
形状で、下端面及び上端面にそれぞれコネクタ１
８，１９が形成され、該コネクタ１８，１９に前
記第１の噴射管と第２の噴射管とが接続される。
該コネクタ１８，１９の中心には、それぞれ燃料
入口通路２０、燃料出口通路２１が開口し、該燃
料入口通路２０と燃料出口通路２１とは、その他
端がブロツク１７の横方向に形成されたシリンダ
２２に接続されている。

シリンダ２２内には、該シリンダ２２と後述す
るピストン２７とに囲まれて容積変化室２３が形
成され、また、シリンダ２２の一端はブロツク１
７の右端面に開口し、該シリンダ２２の他端は軸
受孔２４を介してストツパ用孔２５に通じ、この
ストツパ用孔２５の他端がブロツク１７の左端面
に開口している。そして、該各ブロツク１７が互
いの右端面と左端面とで接合されてボデイ２６が
構成され、一つのブロツク１７のシリンダ２２と
隣合うブロツク１７のストツパ孔２５とが接続さ
れている。

ただし、ボデイ２６の左右端には、前記した中
央のブロツク１７とは形状の異なる入口用のブロ
ツク１７′と出口用のブロツク１７″とが接合され
ており、左端のブロツク１７のストツパ用孔２５
には、入口用のブロツク１７′に形成された受圧
用のシリンダ２２′が、右端のブロツク１７のシ
リンダ２２には、出口用のブロツク１７″に形成
されたリーク用のシリンダ２２″がそれぞれ接続
されている。

ピストン２７は、円柱部２７ａと該円柱部２７
ａに続く円錐部２７ｂとから構成され、該ピスト
ン２７の円柱部２７ａが前記シリンダ２２に嵌挿
されていると共に、前記ストツパ用孔２５に当接
して終端位置が定められるようになつている。ま
た、該ピストン２７の円錐部２７ｂが前記容積変
化室２３に臨んでいる。この円錐部２７は、容積
変化室２３の燃料の圧力をあまり受けないように
するためのものである。そして、該ピストン２７
の円錐部２７ｂと隣合うピストン２７の円柱部２
７ａとは、前記軸受孔２４に挿入された連結棒２
８を介して一体に連結され、該ピストン２７と連
結棒２８とによりスプール２９が構成されてい
る。

ただし、入口用のブロツク１７′のシリンダ２
２′に嵌挿された受圧用のピストン２７′は円板状
で入口用のブロツク１７′内の容積変化室２３′の
圧力を受け、出口用のブロツク１７″側のピスト
ン２７には同じく円板状のリーク用のピストン２
７″が固装されている。入口用のブロツク１７′の
容積変化室２３′は、油圧供給ジヨイント３０に
形成された前記制御油圧入口８ａに、出口用のブ
ロツク１７″の容積変化室２３″は、リークジヨイ
ント３１に形成された前記リーク出口８ｂにそれ
ぞれ通じている。また、出口用のブロツク１７″
の容積変化室２３″には、スプリング３２が配置
され、このスプリング３２の一端は、前記ピスト
ン２７″に、他端がシム３３にそれぞれ受けられ、
該スプリング３２のセツト力はシム３３の厚みを
変えることによつて調整できるようになつてい
る。

上記構成において、燃料噴射ポンプ１の噴射圧
は、通常のものよりも高く設定され、例えば低速
回転時にあつては、コントロールユニツト１４か
らは、高噴射率を指令する出力が出され、方向切
換弁１１は、シリンダポートとタンクポートを連
通する位置にあり、入口用のブロツク１７′の容
積変化室２３′の油圧は最も低くなつている。こ
のため、スプール２９がスプリング３２に押圧さ
れて最も左の位置に停止している状態となり、容
積変化室２３の容積が最も小さく、燃料噴射ポン
プ１の出口２ａから送出された燃料は、そのまま
の高圧力を維持しながら第１の噴射管７、容積可
変装置８の燃料入口通路２０、容積変化室２３、
燃料出口通路２１及び第２の噴射管９を通つて噴
射ノズル１０に至り、該噴射ノズル１０から内燃
機関の各気筒へ噴射される。

しかして、内燃機関の回転数が上昇すると、燃
料噴射ポンプ１の出口２ａから送出された燃料の
圧力も上昇するが、例えば内燃機関の回転数の上
昇に伴つてコントロールユニツト１４から出力さ
れるパルス信号のデユーテイ比が大きくなつて、
方向切換弁１１のプレツシヤポートとシリンダポ
ートとを連通する割合が高くなり、入口用のブロ
ツク１７′の容積変化室２３′の油圧が上昇し、ス
プール２９がスプリング３２に抗して右方向へ平
衡するまで移動する。したがつて、容積変化室２
３の容積が拡大するので、噴射系の圧力が下げら
れ、噴射系の強度やキヤビテーシヨンが問題とな
る過度の噴射圧の上昇が回避されるものである。

以上述べたように、この考案によれば、複数の
噴射系を有する燃料噴射装置において、各噴射系
に対応するブロツクとピストンとを連結して、各
ピストンを同時に動かすようにしたので、各噴射
系ごとの噴射圧の変化が同じになり、良好な噴射
圧の制御を行うことができるという効果を奏する
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例におけるシステム
を示す構成図、第２図は同上に用いた容積可変装
置の断面図である。８……容積可変装置、１７，１７′，１７″……
ブロツク、２２，２２′，２２″……シリンダ、２
３，２３′，２３″……容積変化室、２６……ボデ
イ、２７，２７′，２７″……ピストン、２８……
連結棒、２９……スプール。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

複数の噴射系を有する燃料噴射装置において、
前記複数の噴射系内の容積を変えうる容積可変装
置を設け、この容積可変装置は、各噴射系に対応
した複数のブロツク、該各ブロツクに形成された
シリンダ、該各シリンダに嵌挿されたピストン及
び前記シリンダ内に形成された容積変化室を具備
し、前記ブロツクが接合されてボデイが構成され
ていると共に、前記ピストンが連結棒を介して連
結されてスプールが構成されていることを特徴と
する燃料噴射装置。