JPH0212596Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案はハンドル切れ角測定用ターンテーブル
装置に関し、更に詳細にはハンドル切れ角の測定
と併せてキヤスター角の調整をも行うことができ
るようになしたハンドル切れ角測定用ターンテー
ブル装置に係わる。

「従来の技術」 従来、ハンドル切れ角測定用ターンテーブル装
置としては種々のものが提案されており、その一
例としては実開昭54−180501号公報に開示されて
いるターンテーブル装置がある。該装置は被検査
車輌のタイヤを上置するターンテーブル本体を水
平方向に回転自在とし、該ターンテーブル本体の
外周部に表示した目盛をターンテーブル本体と別
体に固設した固定針によつて読みとるようにした
ものであり、従来のターンテーブル装置と異なる
点は、ターンテーブル本体上に取り付けた一対の
タイヤガイドのうちの少くとも一方を弾圧機構を
介してタイヤの幅方向に移動可能としている点に
ある。しかし、該装置にあつても従来のターンテ
ーブル装置と同様に、ターンテーブル本体にタイ
ヤを上置してハンドルを切ると、該ターンテーブ
ル本体がタイヤの水平方向の回転に伴つてある角
度まで回転し、この角度を目盛と指針によつて読
みとり、その後ハンドルを戻すとターンテーブル
本体も再び元の状態まで回転するという点につい
ては従来の一般的なターンテーブル装置と同様で
ある。

このように従来のターンテーブル装置は、ター
ンテーブル本体が水平方向に回転するという点に
おいて共通点がある。

また、一方従来においてはキヤスター角を調整
することが出来ない自動車が一般的であつたが、
近年ウイツシユボーン型懸架装置等でラヂアスロ
ツドを使用してキヤスター角の調整が可能な自動
車が生産されるようになつて来ている。

そして、このようにキヤスター角の調整が可能
な自動車が生産されるようになれば、必然的にキ
ヤスター角調整用の装置も必要となる。また、こ
のようにキヤスター角の調整可能な自動車も完成
時においては必ずハンドル切れ角測定が行われ
る。ところで、従来のターンテーブル装置は、前
記の通り一般的にターンテーブル本体が水平方向
に回転する構造ではあつても、ターンテーブル本
体が被検査車輌の進入方向に沿つた前後に移動自
在とはなされていないので、このターンテーブル
本体にタイヤを上置してキヤスター角の調整を行
おうとすると、タイヤが「ねじれ」を生じてしま
い、正確な調整は不可能である。

このためにハンドル切れ角測定用のターンテー
ブルとは別にキヤスター角調整用の装置を設置す
る必要がある。

しかし、前記したようにキヤスター角調整可能
な自動車も完成時にはハンドル切れ角測定用のタ
ーンテーブル装置上に必ず載せるものであるか
ら、この時にハンドルの切れ角測定と同時にキヤ
スター角の調整を併せて行うことができるように
すれば、別々に行う手間が省けると共に別々の装
置を設置する必要がなく経済的である。

「考案が解決しようとする問題点」 本考案は上記の点に鑑みなされたものであつ
て、単一のターンテーブル装置によつてハンドル
の切れ角測定とキヤスター角の調整を併せて行う
ことを可能となしたハンドル切れ角測定用ターン
テーブル装置を提供せんとするものである。

「問題点を解決するための手段」 而して本考案の要旨とするところは、ターンテ
ーブル本体をターンテーブル本体支持板上に水平
方向回転自在に設けると共に、該ターンテーブル
本体支持板を所要の摺動機構をもつて被検査車輌
の進入方向に沿つて摺動自在とし、更に前記ター
ンテーブル本体の被検査車輌の進入方向に沿つた
両側方に、該ターンテーブル本体を初期位置に復
帰せしめる復帰手段を配設したことを特徴とする
ハンドル切れ角測定用ターンテーブル装置にあ
る。

「実施例」 以下、本考案の実施例を図面を参照しつつ更に
詳細に説明する。第１図は一部省略して示した中
央縦断面図、第２図は一部省略して示した平面
図、第３図はターンテーブル本体に被検査車輌の
タイヤを上置した状態の一部省略して示した側面
図である。図中、１はハンドル切れ角測定用ター
ンテーブル装置である。尚、図面では片側だけを
示している。２はターンテーブル本体であり、そ
の上面には中心部に設けた中央部をタイヤの外形
に合わせて窪ませた板状のタイヤ受け３と、該タ
イヤ受け３の前後に設けた一対の板状のタイヤ受
け４，５と、前記タイヤ受け３を挾むようにして
車輌の進入方向と平行に且つ相互の間隔をタイヤ
の幅に合わせた一対のタイヤガイドプレート６，
７が設けられている。また該ターンテーブル本体
２には従来のターンテーブルと同様に周縁部に角
度指示用目盛８，９が設けられ、後記基台に固定
された指針１０，１１によつて測定値を読みとる
ようにされている。１２は基台であり、前記ター
ンテーブル本体２の下方において、該ターンテー
ブル本体を中心にして車輌の進入方向に沿つて配
設されている。尚、図面においては便宜上片側の
基台だけを示し、もう一方の片側の基台は省略し
ている。１３，１４は該基台１２上に固着された
支持台であり、両者はターンテーブル本体２を中
心として内外に設けられている。１５は前記内側
の支持台１３上に設けられたガイドレールであ
り、車輌の進入方向に沿つて設けられている。１
６は該ガイドレール１５に沿つて移動する移動部
材である。１７は該移動部材１６上にボルト１８
をもつて固着されたターンテーブル本体支持板で
ある。１９は該ターンテーブル本体支持板１７の
上面と前記ターンテーブル本体２の下面との間に
設けられたボールベアリングである。２０は前記
ターンテーブル本体２の下面に垂設したターンテ
ーブル本体の支軸であり、前記ターンテーブル本
体支持板１７の内端に固着した円筒状の部材１７
ａと該支軸２０間に設けたボールベアリング２
１，２１を介して回転自在に支承されている。２
２は前記外側の支持台１４上に固設された復帰手
段としてのシリンダーであり、そのピストンロツ
ド２２ａが被検査車輌の進入入向に沿うように設
けられている。また該シリンダー２２は、ターン
テーブル本体２を初期位置に復帰するときだけそ
のピストンロツド２２ａの先端部を該ターンテー
ブル本体２に接触させて側方から押圧するように
し、それ以外のときにはピストンロツド２２ａを
所定の距離をおいて離れているように引つ込ませ
ている。２３，２４は前記基台１２上に固着され
た車輌支持台であり、その上面は前記ターンテー
ブル２の上面と同一水平面となるように設けられ
ている。２５は前記車輌支持台の内の内側の車輌
支持台２３の上面に固着されたタイヤガイド用の
傾斜台であり、ターンテーブル本体２上のタイヤ
受け５へのタイヤの乗り上げを容易にするための
ものである。２６，２７はタイヤが進入してきた
ときに、該タイヤの向きをターンテーブル本体２
の中心に一致させるための一対のタイヤガイドロ
ーラであり、前記内側の車輌支持台２３の上面
に、内側に即ちターンテーブル本体２側に行くに
従つて相互の間隔が狭まるように設けられてい
る。２８，２９は前記外側の車輌支持台２４上に
車輌の進入方向に沿つて平行に設けられた一対の
タイヤガイドプレートであり、相互の間隔は被検
査車輌のタイヤの幅より僅かに広くしてある。

尚、その他図中３０は被検査車輌のフロントタ
イヤを示す。

「作用」 次に上記構成からなる本考案の作用態様につい
て説明する。被検査車輌のタイヤ３０が矢標方向
から進入してきてターンテーブル本体２上に乗つ
た状態において検査が開始される。ハンドル切れ
角の測定とキヤスター角の調整はいずれを先に行
つてもよいが、ここではハンドル切れ角の測定を
先に行う場合について説明する。

ハンドル切れ角の測定は、被検査車輌のハンド
ル（図示せず）を回転操作してタイヤ３０の向き
を変えることによつて行い、このタイヤ３０の向
きが変わることによつてこれを上置しているター
ンテーブル本体２も支軸２０とボールベアリング
１９等を介して水平方向に回動するから、それに
設けられている目盛８，９と固定状態の指針１
０，１１とによつてハンドルの切れ角を測定する
ものである。この点は従来のターンテーブル装置
と同様である。

而して、本考案の特徴とするところは、このよ
うにしてハンドル切れ角の測定を行つた後、続け
てキヤスター角の調整をも行うことができるよう
にした点にあり、次にこの点について説明する。
タイヤ３０がターンテーブル本体２に上置された
状態において図示しない測定具によつてキヤスタ
ー角を測定するが、キヤスター角が所定の角度よ
りずれていたときにはラヂアスロツドを使用して
キヤスター角を調整する。この調整時には必然的
にタイヤ３０の車輌の前後方向への移動と水平方
向の回動とを伴うが、ターンテーブル本体２はこ
れを支持するターンテーブル本体支持板１７がガ
イドレール１５に沿つて移動するため、前後に自
在に移動するようになつており、したがつてタイ
ヤの車輌の前後方向への移動に対応することがで
きるものである。またターンテーブル本体２は支
軸２０とボールベアリング１９等をもつて水平方
向に回転自在であるから、タイヤの水平方向の回
動にも対応することができるものである。

尚、従来のターンテーブル装置では、ターンテ
ーブル本体が車輌の前後方向に移動不可能なため
に、これを行おうとすればタイヤが「ねじれ」を
生じてしまい、正確に調整することは不可能であ
る。

また、前記の如くしてキヤスター角の調整を行
い、これが完了すれば被検査車輌を後進させて、
そのタイヤ３０をターンテーブル本体２から降ろ
すが、この時にはターンテーブル本体２を挾むよ
うにして設けたシリンダー２２，２２を同時作動
して、ターンテーブル本体２に側面の両方向から
圧力を加え、もつてターンテーブル本体２を初期
位置に戻すものである。

「考案の効果」 本考案は上記の如き構成、作用であるから、被
検査車輌のタイヤをターンテーブル本体上に載せ
れば、ここにおいて一度にハンドル切れ角測定と
併せてキヤスター角の調整をも行うことができる
ものである。したがつてハンドル切れ角測定とキ
ヤスター角の調整のために別個の装置を設置する
必要がないから経済的であると共に別々に行う手
間も省けるものであつて、実用に供し著効を奏す
るものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであり、第
１図は一部省略して示した中央縦断面図、第２図
は一部省略して示した平面図、第３図はターンテ
ーブル本体に被検査車輌のタイヤを上置した状態
の一部省略して示した側面図である。 １……ハンドル切れ角測定用ターンテーブル装
置、２……ターンテーブル本体、１７……ターン
テーブル本体支持板、２２……シリンダー（復帰
手段）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ターンテーブル本体をターンテーブル本体支持
   板上に水平方向回転自在に設けると共に、該ター
   ンテーブル本体支持板を所要の摺動機構をもつて
   被検査車輌の進入方向に沿つて摺動自在とし、更
   に前記ターンテーブル本体の被検査車輌の進入方
   向に沿つた両側方に、該ターンテーブル本体を初
   期位置に復帰せしめる復帰手段を配設したことを
   特徴とするハンドル切れ角測定用ターンテーブル
   装置。