JPH0212033Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、立旋盤における回転テーブル上の切
削屑搬出装置に関する。

（従来の技術） 旋盤では扱いにくい工作物（被切削物）、すな
わち、軸方向の寸法に対して直径が大きく、大重
量のランナー、シエルリング等の切削は、立旋盤
が用いられている。

この立旋盤は、回転テーブル上に筒形の被切削
物を載置し、該テーブルを回転させながら正面刃
物台の刃物により、内筒壁面を切削するものであ
り、その切削にさいしての切削屑はテーブルを停
止し、人手によるスコツプ等を用いてテーブル外
に排出されていた。

（考案が解決しようとする問題点） 前述した従来の技術乃至手法にあつては、回転
テーブル上に飛散した切削屑は人手によつて排出
するものであるから、排出にさいしては回転テー
ブルを停止して行なう必要があり、効率が非常に
悪く、しかも、重筋労働となつて省力化の点で不
具合となつている。

本考案は、従来人手に頼つていた作業を省力化
をねらつて機械的に処理するにさいし、被切削物
の切削中に順次切削屑を受け止めて回転テーブル
上に落すことなくテーブル外に搬出するようにし
たことを目的とするものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案が前述の目的を達成せんために講じた技
術的手段の特徴とするところは、回転テーブル１
上に筒形の被切削物２が載置され、該被切削物２
の内筒壁面２Ａが立旋盤の刃物により切削される
ものにおいて、下端に排出口４Ｃを有する漏斗形
シユート４が回転テーブル１上に配置され、前記
排出口４Ｃから落下された切削屑２Ｂを受け入れ
る溝状の搬出路６が回転テーブル１の径方向に形
成され、該搬出路６の中に切削屑２Ｂを径方向外
方に搬出する搬出部材７が設けられ、切削屑２Ｂ
を漏斗形シユート４で集めるべく該シユート４が
被切削物２の内筒部に内挿状に配置されている点
にある。

（作用） 立旋盤の回転テーブル１上に載置された筒形の
被切削物２は、その内筒壁面２Ａが刃物により切
削されるが、これは回転テーブル１を縦軸回りに
回転させることによりなされる。

切削屑２Ｂは漏斗形のシユート４に順次集めら
れ、シユート４の排出口４Ｃを介して溝状の搬出
路６に導入され、切削中、すなわち、回転テーブ
ル１を回転させながら、該搬出路６の中に設けら
れた搬出部材７の作動を介して回転テーブル１上
に飛散させることなく、該回転テーブル１の外側
域に設けられた円形状のコンベヤ１５に搬出さ
れ、このコンベヤ１５を介してバツグ２７に集め
られることになる。

なお、本動作はテーブル停止中にも行なう事が
可能である。

（実施例） 図面を参照して本考案の実施例を詳述する。

第２図から第５図において、１は立旋盤の回転
テーブルであり、図外のベツドに縦軸回りの回転
駆動自在に設けられている。２はランナー、シエ
ルリング等の被切削物であり、筒形とされてお
り、回転テーブル１上に周方向複数個として配置
された台３を介して載置されている。

この被切削物２の内筒壁面２Ａは、回転テーブ
ル１の上方に設けられた図外の刃物を介して軸方
向（上下方向）及び周方向にわたつて切削される
ものであり、この切削要領は通常の立旋盤である
ことから詳細は割愛する。

４は漏斗形のシユートであり、上端が開放口４
Ａとされ、中央下端には傾斜壁４Ｂを介して排出
口４Ｃが形成され、回転テーブル１上に複数本の
支脚５を介して配置されている。

なお、シユート４の開放口４Ａは被切削物２の
内筒壁面２Ａの平面形状と相似又は同一形状とさ
れ、内筒壁面２Ａが円筒であるときは円形、角筒
であるときは角形とされるものである。

６は搬出路であり、排出口４Ｃと連通された溝
状とされ、回転テーブル１の径方向に形成されて
おり、第６図で示す如く左右に対称形状のガイド
部６Ａが下細り状に形成されている。

７は搬出部材であり、搬出路６の中に挿設され
ており、本例では第５図で示す如くブラケツト８
に横軸９を介して駆動源１０が枢着され、シリン
ダチユーブ１１Ａのピストンロツド１１において
該ロツド１１の軸心上に合致させてパイプ１２が
連設され、該パイプ１２上に、羽根１３を取付け
て構成されている。

羽根１３はパイプ１２に長手方向間隔をおいて
第７図で示す如く垂直面に取付けるとともに、上
向傾斜されて左右に取付けられ、第５図に示す如
く三角プレートとされている。

羽根１３を三角プレートとしたのは、第５図で
示す如く矢印１４の方向に伸長動作を介して前進
されて搬出路６中の切削屑２Ｂをコンベア１５に
向つて排出させ、矢印１４と反対方向に復動され
るとき、切削屑２Ｂが羽根１３に絡むのを少なく
するためである。

又、羽根１３を第７図に示す如く配向させたの
は、搬出路６の底面との間で、切削屑２Ｂが絡み
羽根１３の損傷がおこるのを防止するためであ
る。

駆動電源はテーブル１の中央直下のスリツプリ
ング１０Ａを介し駆動源１０に導く。

１６はガイド部材であり、搬出路６の底面に底
板１７が固設され、この底板１７に垂直レール１
８を搬出路６の長手方向に敷設し、該レール１８
の頂部にパイプ１９を固設してなり、このパイプ
１９上を羽根１３の取付パイプ１２が摺動自在に
套嵌され、垂直レール１８の立面部に取付パイプ
１２の切欠部１２Ａが対向されている（第７図参
照）。

従つて、搬出部材７はピストンの伸長により羽
根１３を介して切削屑２Ｂを搬出路６の送出端に
設けたシユート１５Ａ付のコンベア１５に排出
し、ピストンの縮少で復動され、これを繰返すこ
とにより、シユート４によつて集められた切削屑
２Ｂが順次排出され、この動作中に、ガイド部材
１６で直接案内が確保されている。

第５図において、２０はカバー部材であり、ピ
ストンロツド１１の接合部材２１にパイプ１２と
共締めされてロツド１１に飛散するおそれがある
切削屑２Ｂの飛散を上方から覆つて防止してお
り、箱形本体２２の左右に設けられたガイドロー
ラ２３を介して案内されるようにされている。

２４は点検部用の扉であり、シユート４の傾斜
壁４Ｂの一部に、点検用窓を形成し、これを開閉
自在にするものであつて、シユート４等のメンテ
ナンスを図るものである。

即ち、被切削物２は回転テーブル１上に台３を
介して載置されており、この被切削物２がシユー
ト４を囲繞していることから、シユート４のメン
テナンス４を行なうとき、扉２４を開いて実施で
きるようにされている。

２５は制御ボツクスで、搬出部材７の作動、停
止等を操作するものであり、被切削物２の外域に
位置されている。

２６は遠隔操作ボタンであり、機外で自由に
ON.OFF出来るものでスリツプリング１０Ａを
介しテーブルの外側に導いてある。２７は切削く
ず収集バツグである。

第８図の実施例は搬出部材７として無端ベルト
を採用したものであり、この無端ベルトの循環回
送により、切削屑２Ｂを回転テーブル１外に順次
排出するものである。

このように、搬出部材７は第１図〜第７図に示
した構成でも、第８図に示した構成でも、又、図
示しないがスクレパーやスクリユーフイダであつ
てもよく、切削屑２Ｂの性状、形状に即応したも
のが採用される。

なお、シユート４は被切削物２の高さ方向中間
（中央）以下の高さにあればよく、このシユート
４の高さの範囲、つまり、第２図、第３図、第８
図で示す高さＨについては、内筒壁面２Ａが切削
できないことになるが、これは、高さＨ以上の部
分をまず切削加工してから、被切削物２を天地お
きかえることで切削することができる。

又、支脚にジヤツキ機構で高さ方向調整自在に
することができる。

（考案の効果） 本考案は回転テーブル１上に筒形の被切削物２
が載置され、該被切削物２の内筒壁面２Ａが立旋
盤の刃物により切削されるものにおいて、下端に
排出口４Ｃを有する漏斗形シユート４が回転テー
ブル１上に配置され、前記排出口４Ｃから落下さ
れた切削屑２Ｂを受け入れる溝状の搬出路６が回
転テーブル１の径方向に形成され、該搬出路６の
中に切削屑２Ｂを径方向外方に搬出する搬出部材
７が設けられ、切削屑２Ｂを漏斗形シユート４で
集めるべく該シユート４が被切削物２の内筒部に
内挿状に配置されているので次の利点がある。

漏斗形シユート４が被切削物２の中で回転テー
ブル１上に配置されているから、内筒壁面２Ａの
切削屑２Ｂはシユート４で集め、回転テーブル１
上に飛散させることがない。

漏斗形シユート４の排出口４Ｃに連通して溝状
の搬出路６が回転テーブル１の径方向に設けら
れ、搬出路６には切削屑２Ｂを径外方向に搬出す
る搬出部材７が内挿されているから、回転テーブ
ル１に飛散させることなく、この外方に切削屑２
Ｂを排出できる。

従つて、本考案は立旋盤で筒形被切削物２を切
削する装置に適用して省力化の下で切削作業を停
止する事なく、効率よく切削屑２Ｂの処理をする
ものとして実益大である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は要部の
斜視略図、第２図は立面断面の正面図、第３図は
同じく側面図、第４図は平面図、第５図は要部の
詳細断面図、第６図は第５図Ａ−Ａ矢視図、第７
図は第５図Ｂ−Ｂ拡大断面図、第８図は他の実施
例の正面図である。 １……回転テーブル、２……被切削物、４……
シユート、６……搬出路、７……搬出部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 回転テーブル１上に筒形の被切削物２が載置さ
   れ、該被切削物２の内筒壁面２Ａが立旋盤の刃物
   により切削されるものにおいて、 下端に排出口４Ｃを有する漏斗形シユート４が
   回転テーブル１上に配置され、前記排出口４Ｃか
   ら落下された切削屑２Ｂを受け入れる溝状の搬出
   路６が回転テーブル１の径方向に形成され、該搬
   出路６の中に切削屑２Ｂを径方向外方に搬出する
   搬出部材７が設けられ、切削屑２Ｂを漏斗形シユ
   ート４で集めるべく該シユート４が被切削物２の
   内筒部に内挿状に配置されていることを特徴とす
   る立旋盤における回転テーブル上の切削屑搬出装
   置。