JPH0211289Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、各種飲料物を充填して販売に供さ
れ、付設した開閉蓋付き注ぎ口から内容物を注出
可能とした包装用容器の注ぎ口の改良に関するも
のである。

［従来の技術］ この種包装用容器の注ぎ口としては、従来から
汎用されている山形状傾斜頭部を有するトツプシ
ール型の容器、所謂ゲーベルトツプ容器の注ぎ口
が知られている。

ゲーベルトツプ容器は、従来、トツプシール部
を切断ないし破断あるいは分離して注出口を形成
し、内容物を注出していたのであるが、近年山形
状頭部の傾斜面に開口部を形成し、この開口部に
開閉蓋付きの注ぎ口を取付けたタイプが好まれて
使用されている。

［考案が解決しようとする問題点］ この注ぎ口における問題点の一は、開閉蓋の保
持にある。すなわち、この開閉蓋は、薄肉部で切
離してヒンジ部で開閉可能とする構造であるが、
内容物注出時において、開閉蓋を開状態に保持す
る手段が必要となる。

そのため、例えば実開昭61−11520号において
はトツプシール部に係止可能な係止部を有する摘
み部を開閉蓋の上面に設ける構成としている。こ
のような係止構造とすれば、内容物注出時におい
て蓋が閉じることはないが、内容物の注出に当
り、その都度開閉蓋を開けて反転させ、係止部を
トツプシール部に係止し、またこの係止状態を解
除して再閉塞する手作業を必要とし、煩わしさが
あつた。

そこで、この考案の目的とするところは、この
ような包装用容器の注ぎ口において、開閉蓋の開
状態及び閉状態の保持が格別の操作を要せずワン
タツチで行い得る注ぎ口構造を提供するところに
ある。

［問題点を解決するための手段］ すなわち、この考案において対象とする包装用
容器の注ぎ口は、容器に形成した開口部周縁にヒ
ートシールなどで固着される鍔状周縁部と；この
鍔錠周縁部から立上がる周壁部と；この周壁部で
形成される注出口を閉塞する開閉蓋とからなり、
開閉蓋と周壁部は薄肉部で連設され、ヒンジ部以
外の薄肉部は上面に形成した摘み部で引張り切断
可能とした合成樹脂製の注ぎ口であり、上記問題
点を解消するため、このような注ぎ口構造におい
て、前記ヒンジ部を、中央部が凹み、両端部に向
つて高くなる凹状とし、一定限度の開度をもつて
開閉蓋に開方向あるいは閉方向の弾発性を持たせ
た構成としたものである。

［作用］ このように、ヒンジ部を、中央部が凹み、両端
部に向つて高くなる凹状とし、一定限度の開度を
もつて開閉蓋に開方向あるいは閉方向の弾発性を
持たせた構成としたので、摘み部をもつて開閉蓋
を引張り、薄肉部を破断してある程度開ければ、
弾発力によつて自動的に反転回動し、開状態が保
持される。また、内容物注出後は、閉塞方向にあ
る程度押してやれば、自動的に閉状態に復帰する
もので、従来のような操作の煩わしさがない。

［実施例］ 次に、添附図面に示した実施例に従つてさらに
詳細に説明する。

第１図は、この考案に係る包装用容器の注ぎ口
をゲーベルトツプ容器１の斜面に形成した開口部
２に取付けた状態を示す断面図で、一点鎖線状態
は、開状態を示している。この注ぎ口は、ポリエ
チレン樹脂等の熱可塑性樹脂を使用して射出成形
によつて一体成形されている。

他の図も参照して説明すると、図において、３
は、容器の開口部２の周縁にヒートシールなどに
よつて固着される鍔状周縁部、４は、この鍔状周
縁部から立上がる周壁部で、注出口５を形成して
いる。６は、注出口５を閉塞する開閉蓋で、開閉
蓋６と周壁部４は、薄肉部で連設され、ヒンジ部
７以外の薄肉部８（第３図参照）は、引張り切断
可能としている。９は、開閉蓋６の上面に形成し
た摘み部で、薄肉部８の切断時、また開蓋時の摘
みとなる。位置的には、ヒンジ部７と反対側で、
薄肉部８の形成位置の直近が好ましい。周壁部４
は、ゲーベルトツプ容器の傾斜面に取付けること
を考慮して、ヒンジ部７と対向して位置し、内容
物注出時の沿い面となる周壁部側を高く、ヒンジ
部側を低く形成している。

上記ヒンジ部７は、第４図から明らかな通り、
中央部が凹み、両端部に向つて高くなる凹状に形
成されている。これによつて、開閉蓋６も中央部
が凹む凹状となつている（第６図）。また、この
ヒンジ部７は、第３図のごとく、摘み部９方向に
も僅かに湾曲させているが、直線状であつても良
い。

その他の符号において、１０は、ヒンジ部７と
対向して位置し、内容物注出時の沿い面となる周
壁部上端に形成した液切り用の舌片で、先端部に
向つてテーパー状に形成されている。その平面形
状及び突出方向の傾斜状態等は、最適の液切り状
態が得られるものを選択する。１１は、摘み部９
の基部に形成した係止部で、開閉蓋６の閉塞時、
周壁部４の上端に当接して開閉蓋の落込みを防止
する。１２は、周壁部４において適当数形成した
突起で、鍔状周縁部３との間で容器の開口部周縁
を挟み込むようにしており、ヒートシール作業時
等の作業安定性を図つている。

使用時に当つては、先ず摘み部９を持つて引張
り、薄肉部８を破断する。ヒンジ部７が前述の通
り、中央部が凹み、両端部に向つて高くなる凹状
としているので、この差に差づくヒンジ部近傍の
凹面１３（第４図）が弾発力を発揮し、ある程度
開けると開方向に自動的に付勢され、第１図一点
斜線に示すように開状態となり、その状態を保持
される。従つて、内容物注出時において開閉蓋が
閉塞することはない。注出時には、液切り用舌片
１０が形成されているので、液垂れがなく、好ま
しい注ぎ状態となる。また注出後は、開閉蓋をあ
る程度閉塞方向に押してやれば、凹面１３の弾発
力によつて自動的に閉塞し、かつ、その状態が保
持される。この時係止部１１が周壁部４の上端部
に当接するので開閉蓋が落込むこともない。

なお、開閉蓋６の開き角度は、第１図における
角度αの調整によつて可能であり、また弾発力の
強さは、ヒンジ部７の凹み状態ないしこれに関連
した開閉蓋の凹み状態さらに換言すれば凹面１３
の大きさによつて調整できる。

なお、上記は、実施例に基づく説明であつて、
各部の形状、構造等については、これらのものに
限定されない。

［考案の効果］ 以上の通り、この考案に係る包装用容器の注ぎ
口は、ゲーベルトツプ容器等の開口部に取付けて
最適のものであり、開閉蓋の開閉操作、開状態・
閉状態の保持もワンタツチで行うことができ、極
めて使用勝手の良い注ぎ口となし得たものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案に係る包装用容器の注ぎ口
の一実施例を示す断面図で、ゲーベルトツプ容器
の斜面開口部に取付けた状態を示す。第２図は、
同注ぎ口の側面図、第３図は、同平面図、第４図
は、同背面図、第５図は、第３図−線断面
図、第６図は、第５図−線断面図である。 １……ゲーベルトツプ容器、２……開口部、３
……鍔状周縁部、４……周壁部、５……注出口、
６……開閉蓋、７……ヒンジ部、８……薄肉部、
９……摘み部、１０……舌片、１１……係止部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 容器に形成した開口部周縁にヒートシール等
   で固着される鍔状周縁部と；この鍔状周縁部か
   ら立上がる周壁部と；この周壁部で形成される
   注出口を閉塞する開閉蓋とからなり、開閉蓋と
   周壁部は薄肉部で連設され、ヒンジ部以外の薄
   肉部は上面に形成した摘み部で引張り切断可能
   とした合成樹脂製の注ぎ口において、前記ヒン
   ジ部を、中央部が凹み、両端部に向つて高くな
   る凹状とし、一定限度の開度をもつて開閉蓋に
   開方向あるいは閉方向の弾発性を持たせた包装
   用容器の注ぎ口。 (2) ヒンジ部と対向して位置し、内容物注出時の
   沿い面となる周壁部上端に先端に向つてテーパ
   ー状となる液切り用の舌片を形成した実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の包装用容器の注ぎ
   口。 (3) 摘み部の基部に、開閉蓋の閉塞時、周壁部上
   端に当接する係止部を形成した実用新案登録請
   求の範囲第１項または第２項記載の包装用容器
   の注ぎ口。