JPH02111485A - 高吸水性シートの製法 - Google Patents

高吸水性シートの製法

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JPH02111485A
JPH02111485A JP63262539A JP26253988A JPH02111485A JP H02111485 A JPH02111485 A JP H02111485A JP 63262539 A JP63262539 A JP 63262539A JP 26253988 A JP26253988 A JP 26253988A JP H02111485 A JPH02111485 A JP H02111485A
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JP
Japan
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sheet
water
irradiation
compsn
dose
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JP63262539A
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Yasufumi Doi
土井 保史
Sadao Fujii
藤井 貞雄
Hirokazu Yamamoto
裕和 山本
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Original Assignee
Dynic Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は高吸水性シートの製法、さらに詳しくは初期吸
水能に優れ、吸水能の経時変化が小さく、かつ残存単量
体が極めて少ない高吸水性シートの製法に関する。
従来の技術 水を多量に吸収し膨潤するいわゆる高吸水性物質は紙お
むつ、生理用品を始め、使い捨て雑巾、農園芸用等の保
水剤として使用されており、さらには汚泥の凝固剤ある
いは結露防止剤として土木、建築関係方面にもその用途
が拡大されつつある。
この高吸水性物質は種々の形態で使用し得るが、シート
として使用されることが最も多い。
従来、吸水性物質をシート化するための方法はいくつか
提案されている。これらの方法をシート化する時点で分
けると、吸水性物質を製造した後にこれをシート化する
方法、および吸水性物質の製造とシート化とを同時に行
う方法がある。また、吸水性物質の製造法で分けると、
化学的反応を用いる方法とエネルギー線照射による反応
を用いる方法とがある。従って、シート化時点と吸水性
物質の製造法とを種々に組み合せた方法が提案されてい
る訳である。
まず、吸水性物質を製造し、しかる後何らかの手段でこ
れをシート化する方法は2つに大別される。第1の方法
においては、基材と組み合せてシート化する。すなわち
、高分子吸水性物質を粉末状、粒子状等とし、これをシ
ート状の基材に付与して固着化処理を行う。第2の方法
においては、繊維状とした吸水性物質をシート化する。
第1の方法がより一般的であり、この方法では吸水性物
質を製造する工程とそれをシート上に固着させる工程と
を必要とする。固着方法としては、基材シートに粉末状
吸水性物質を散布し、これに別のシートを重ねてからエ
ンボス加工を施す方法、若干量の水分を与えて粉末状吸
水性物質をわずかにゲル化してからエンボス加工し、強
固な固着を実現しようとするいわゆる湿式法(特開昭5
4−125293号、特開昭51−40497号、特開
昭54−141099号、および特開昭58−3645
2号参照)、あるいは高吸水性物質、樹脂バインダーお
よび溶媒よりなる樹脂配合物を基材に塗布し、溶媒を連
数させて該基材上に皮膜を形成するコーティング方法(
特開昭58−101047号参照)などがある。しかし
ながら、シート状吸水性物質を得るためのこれらの方法
にはいくつか問題点があった。例えば、第1の方法にお
いては、粉末状や粒子状の吸水性物質の製造工程および
シートの製造工程と別個の工程を必要とするために工程
が複雑になること、あるいはシート化工程における加工
が意外に困難であること、また、第2の方法においては
、コスト高となることあるいは得られる吸水性シートの
吸水能が低いことなどが挙げられる。
次に、以上の方法とは異なり、シート状基材上で単量体
を直接重合することにより吸水性物質の製造とシート化
とを同時に行おうといる方法がいくつか提案されている
。例えば、アクリル酸塩系の単量体溶液を基材に含浸さ
せ、これにラジカル重合開始剤またはそれと還元剤との
混合物を霧状で添加して重合を行う方法がある(特開昭
60−149609号参照)。しかしながら、この方法
においては重合開始剤の均一分散が困難であって均一な
重合物が得られず、その結果単量体が多く残存すること
になり品質が劣る。その他に、単量体、重合開始剤およ
び還元剤等を均一に混合し、これを基材に霧状で付与し
て重合を行う方法(特開昭62−53309号参照)、
同様な方法において少量の架橋剤を用いる方法(特開昭
62−62829号参照)、同様な方法において還元剤
のみを後に添加する方法(特開昭62−97979号参
照)などが提案されている。しかしながら、これらの方
法はいずれも次のような欠点を有する。
すなわち、重合開始剤(触媒)を用いるので重合後に重
合開始剤が残存し、また、単量体も多く残存する可能性
がある。加えて、これらの方法で利用する化学的反応は
一般に反応の制御が難しい。従って、本発明における如
く反応の制御を精度よく行うことはできず、得られる吸
水性シートの吸水能を調節するのは困難である。
さらに、シート状基材上で単量体を化学的に重合した後
、放射線を照射することによって吸水性シートに残留す
る単量体を減少させようとする方法が提案されている(
特開昭63−10638号参照)。しかしながら、この
方法も用いる反応が化学的重合であるがゆえに触媒残存
等の欠点を有し、その上、放射線照射により単量体を減
少させることができても、放射線照射によって架橋反応
等が起こり化学的重合後の吸水能に変化が生じるなどし
て最終吸水性シートの品質をコントロールするのが困難
である。
化学的重合を用いる方法以外の方法としては、アクリル
酸塩とジビニル系化合物に光増感剤を添加し、紫外線を
照射して重合させるという方法が提案されている(特開
昭63−43912号参照)。
しかしながら、この方法では光増感剤が残存するという
難点があり、光増感剤の毒性が懸念される場合は、生理
用ナプキン、紙おむつなど身体に直接接触させて使用す
る用品への適用には大きな問題となる。
最後に、シート状基材上で単量体を重合させるために放
射線照射による反応を用いる方法がある。
特表昭57−500546号には、アクリル酸系単量体
水溶液を繊維基材上に付与し、放射線を十分に照射して
これを高吸水性ポリマーに変化させる方法が開示されて
いる。この方法は、残存すると害を及ぼすおそれがある
触媒等を用いていない点、放射線を用いる点等に前記諸
方法よりも進歩が認められる。しかしながら、「十分な
照射」を行うと一般に架橋反応が進んだものとなり、生
成する吸水性物質の膨潤を妨げることとなって結果的に
吸水能が著しく劣るものになり、いわゆる「高吸水性」
シートは得られない。ましてや、この方法では本発明に
おける如く吸水能を任意の所望レベルに調節することは
できない。また、この方法においては単量体が多く残存
することも考えられる。
以上述べた如く、高吸水性シート製造に関する従来法は
、いずれも、l)製造工程が複雑である、またはシート
化加工が困難である、2)吸水能が十分でない、3)重
合で使用した触媒・光増感剤等が残存する、4)未反応
単量体が残存する、あるいは5)吸水能の調節が困難で
あるといった問題点を1つまたはそれ以上宵していた。
かかる背景下、本発明者らは特定モル比範囲のアクリル
酸およびアクリル酸塩単量体を特定濃度範囲で含む該単
量体の水性組成物を、シート状の基材上で、特定線量範
囲の電子線照射によって重合・硬化させることよりなる
電子線照射を利用した高吸水性ソートの優れた製法発明
を完成するに至り、既に特許出願した(特開昭63−1
05044号参照)。この方法においては、選択した特
定範囲の単量体モル比、単量体の組成物中濃度および電
子線照射条件を組み合せることにより初めて高吸水能が
得られるものであり、この吸水能は前記した粉末状吸水
性物質のシート化方法等と同等かまたはそれを上まわる
。また、この方法はほとんど単π工程であるので工程的
にも同じく粉末状吸水性物質のシート化方法等より優れ
ている。
さらに、触媒・光増感剤を使用しないのでそれらが残存
するという問題も全くない。
しかしながら、特開昭63−105044号の製法は前
記4)および5)の問題点までも解決するものではなく
、また、該製法による高吸水性シートは吸水能がわずか
ではあるが経時的に変化するという問題点があった。そ
こで、本発明者らはかかる問題点をも解決すべく研究を
続行した結果、(線U”/(線量率)2なる制御因子を
用いて照射条件を規定することにより吸水能を所望のレ
ベルに調節でき、さらには電子線照射の後に特定エネル
ギー範囲の紫外線を照射することにより残存単量体の量
を減少しかつ吸水能の経時変化も小さくできることを見
い出し、これらの知見に基づ〈発明についても既に特許
出願した(特願昭63−202236号)。
発明が解決しようとする課題 前記の如く、本発明者らは基材上でアクリル酸およびア
クリル酸塩単量体に電子線を照射することをベースとす
る高吸水性シートの製法について一連の開発を行ってき
たが、特開昭63−105044号および特願昭63−
202236号の製法には共通する未解決課題が存在し
ていた。すなわち、両製法においては、主として水溶液
よりなる水性組成物を基材に付与し、その状態で電子線
を照射するので、■かなりの水分が含まれているため、
電子線照射時に水分が蒸発し、それが照射設備内の冷却
部等で結露して被照射体に水滴が付着する恐れかある、
■水分にも電子線が吸収されるので余分な照射電圧およ
び線量が必要になるといった工程的問題点、あるいは水
性組成物が、基材か形成する間隙を埋めて保持された状
態で電子線が照射される結果、硬化・生成した樹脂も基
材が形成していた間隙を埋めることとなり、もともと基
材が有していた毛細管現象による吸水能が損なわれ、吸
水性シートとして使用する場合に吸水初期の吸水能力が
劣るといった品質的問題点である。
課題を解決するための手段 かかる情況下、本発明者らはさらに鋭意研究を重ねた結
果、水性組成物を基材に付与した後、旦乾燥により溶媒
を除去することにより基材の間隙をある程度再生した形
態で組成物を固化せしめ、次いで特定範囲の相対湿度下
で調湿して改めて水分を与え、しかる後に電子線を照射
すると、間隙を喪失することなく硬化反応が起こり、し
かも比表面積の大きな樹脂が硬化生成することを見い出
し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(a)モル比50:50〜0:1
00のアクリル酸およびアクリル酸塩を主成分とする単
量体水性組成物を可撓性シートに付与し、 (b)該組成物の溶媒を実質的に除去して固化せしめ、 (c)相対湿度40〜98%の雰囲気中にて該固化物1
00重量部に対し3〜50重量部の水分を吸湿させ、 (d)該吸湿状態で(線量)3/(線量率)2が0.0
07〜5 、5 Mrad−see2である電子線を照
射し、次いで (e)波長が2000〜8000 であって照射エネル
ギーが0 、 l J /am”以上である紫外線を照
射することにより硬化させることを特徴とする高吸水性
シートの製法を提供するものである。
本発明における基材たる可撓性シートとしては、可撓性
であって、単量体水性組成物を付与した後乾燥して固化
させた場合にある程度の間隙が再生できるように本来的
に間隙を有するものであればいずれも使用できる。かか
る可撓性シートの例としては、繊維集合体、ゴムもしく
はプラスチックの多孔質シート、ゴムもしくはプラスチ
ックのネット、金属箔、金属のネット等が挙げられ、こ
とに良好な間隙性と可撓性や強度等より繊維集合体か好
ましい。繊維には親水性繊維、疎水性繊維があるが、吸
水速度の観点からは親水性繊維の方が、吸水時のシート
の強度の観点からは疎水性繊維の方がすぐれ、目的・用
途に応じて適宜選択できる。
本発明の製法により得られる高吸水性シートは前記の如
き可撓性シートと吸水性樹脂とが不可分的に一体となっ
たものであるか、かかる高吸水性シートを製造するに当
たっては、まず単量体水性組成物を調製する。ここに、
本明細書中にいう「単量体水性組成物」とは、特定の単
量体の水溶液あるいは所望によりこれに他の成分を加え
たものである。従って、水性組成物における溶媒は水が
主体ではあるか、後記する乾燥・固化工程で水と共に除
去できる低沸点非水溶媒も混合して使用できる。
単量体としてはアクリル酸とアクリル酸塩を用いる。ア
クリル酸塩としてはナトリウム塩、カリウム塩、リチウ
ム塩の如きアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグ不ソウ
ム塩の如きアルカリ土類金属塩等が挙げられるが、好ま
しくはアルカリ金属塩を用いる。単量体の水性組成物は
所定量のアクリル酸、アクリル酸塩および水を混合する
ことによって調製できる。あるいは所定量のアクリル酸
、塩基性金属水酸化物および水を混合し、アクリル酸の
一部を中和してアクリル酸塩に変換することによっても
調製できる。また、この水性組成物に別種の単量体を少
量添加して後の電子線照射時における硬化反応を調整す
ることも可能である。かかる調整用単量体としては、水
性組成物に対して混和適性を有するものであればよく、
とりわけ水溶性の二宮性単量体、例えばポリエチレング
リコルジアクリレート、N、N″−メチレンビスアクリ
ルアミド等が好適に用いられる。さらには、所望により
、着色剤や無機もしくは有機充填剤等を添加することも
できるし、水性組成物の液性を改善して基材への付与を
容易とす−る目的でポリビニルアルコール、ポリエチレ
ンオキサイドの如き増粘剤やあるいは界面活性剤を添加
することもできる。
水性組成物を調製するに当たっては、主として後記する
電子線照射時の反応性からの要請により、アクリル酸と
アクリル酸塩のモル比は50:50〜O:100の範囲
とする。アクリル酸の割合がこの範囲より大きいと、後
の乾燥工程にてアクリル酸の蒸発量が増加して不適当で
ある。なお、モル比が98〜100では反応性が相対的
に低下するので、かかるモル比は70〜98の範囲が好
ましい。
次に、かく調製した単量体水性組成物を基材たる可撓性
シートに付与する。付与方法としては、塗布法、含浸法
、スプレー法、プリンティング法等が挙げられるが、空
隙性の基材ゆえに殊に含浸法が好ましい。
かかる付与後、乾燥して実質的に溶媒を除去する。乾燥
は通常加熱法による。溶媒除去により固化が起こるが、
固化に際して組成物の体積が減少して基材が元来有して
いた間隙がある程度復元される。観察すると、例えば基
材が繊維である場合、固化物は1本1本の繊維に沿って
粒状の形状をなし、一部結晶状となっているのが認めら
れる。
固化に続いて、相対湿度40〜98%の雰囲気中で調湿
し、固化物に改めて水分を付与する。このように水分付
与は気相にて行ない、固化物の形態を損なう恐れがある
水中浸漬は適当でない。固化組成物に含有させるべき水
分量は該固化組成物100重量部に対して3〜50重量
部、好ましくは5〜40重量部の範囲とする。3重量部
未満だと電子線照射時の反応性が低下して目的を達成す
ることができなくなり、一方、50重量部を越えると潮
解現象により固化物の空隙を保持した形態が崩れて液状
に近い状態となり不適当である。
なお、調湿時間については、用いるアクリル酸塩の種類
により、乾燥後の吸湿能にかなりの差があるので注意を
要する。すなわち、アクリル酸カリウムの場合は吸湿能
が高いので、通常の雰囲気(20〜30°C1相対湿度
50〜70%)では数分〜士数分、高湿度雰囲気(30
〜40°C1相対湿度80〜95%)では数分以内の放
置で十分である。これに対し、アクリル酸ナトリウムの
場合は吸湿能が低く、単量体組成物に吸湿促進剤を添加
しておくのが好ましい。かかる吸湿促進剤としては、イ
オン性のものだと得られる吸水性シートの吸水能に影響
を与えるので非イオン性のものが好ましい。非イオン性
の吸湿促進剤の例としては、グリセリン、エチレングリ
コール、トリエチレングリコールまたはポリエチレング
リコール等のごとき有機物、シリカゲルまたは活性アル
ミナ等のごとき無機粉末が挙げられる。
調湿が終了すると、水分を保持させた状態で電子線を照
射する。照射条件は、(線量)3/(線量率)1が0.
007−5.5Mrad−sec2の範囲内で選択する
。特願昭63−202236号において詳細に述へられ
ている如く、(線量)3/(線量率)2の制御因子によ
り、硬化後に得られる吸水性シートの吸水能レベルを任
意に変更することができる。この場合、線量が同一でも
、線量率が高い場合より低い場合の方が重合および架橋
反応か起こり、吸水性は低くなるという関係にある。こ
こに、線量率は単位時間当たりの線量であり(連続照射
の場合は線量を被照射物か電子線帯を通過する時間、す
なわち照射時間で除した値で表す)、時間の単位として
秒を用いると、線量率=線量/時間[Mrad/sec
]であるから、(線量)3/(線量率)2[Mrad3
/(Mrad/5ee)2] −(線ff1)”/(線
量/時間)2=(線量)・(時間)”[Mrad−se
c”]と書き換えることかできる。従って、線量と照射
時間とで制御すると考えてもよい。
具体的な値との関係を言えば、(線fir ) 3./
 (線量率)2の値が0.007未満であると硬化が不
十分となり、一方、5.5を越えると架橋が進みすぎて
吸水能か低下してくるのみならず基材に損傷を与える恐
れがあるので不適当である。しかしながら、照射速度を
重視する場合は線量を少し高く設定してその分だけ線量
を高く、すなわち照射速度を高くしてやればよい。以上
より、電子線照射に当たっては、l)アクリル酸塩の種
類、2)アクリル酸とアクリル酸塩の比率、3)吸湿水
分率、4)架橋促進用添加剤の種類および量等の吸水能
に関与する要因を考慮して条件設定すべきである。
なお、照射電圧は特に限定されるものではないが、一般
には150〜3000KVの範囲とする。
基材を含めた被照射物の厚み等に応じ、それを十分に透
過するような電圧を前記範囲から選択すればよい。照射
雰囲気は大気中でもよいが、好ましくは不活性ガス、例
えば窒素雰囲気中で行う。
電子線照射により単量体の重合・架橋が起こる。
アクリル酸およびアクリル酸塩単量体は一官能性であり
、通常の重合反応では水可溶性の線状ポリマーしか得ら
れない。従って、水によって膨潤する程度の高吸水性ポ
リマーを得るには重合以外に架橋が必要であり、高吸水
性が実現されるにはかかる重合と架橋との間の適度なバ
ランスが必須である。本発明において高吸水性のシート
が得られるのは、比較的低線量における前記条件での電
子線照射により、この重合と架橋とがバランスよく起こ
っていること、および反応に発熱が伴わず、反応を制御
性よく行うことができるためであろう。
電子線照射に続いて紫外線照射を行う。本発明における
この紫外線照射には、触媒あるいは一般の紫外線照射で
は必須となっている光増感剤等を使用する必要は全くな
い。
紫外線の照射条件は、 波長、2000〜8000 、かつ 照射エネルギー; 0.I J/cm”以上好ましくは
0.5−5J/cm” とする(ここに、Jはジュールを意味する)が、紫外線
照射は複数回行ってもよい。このように紫外線の照射条
件はかなり広くとることができる。波長は2000〜8
000 と近紫外領域のものであれば単色光あるいは分
布をもったものいずれでもよい。照射エネルギーが0 
、1 J /Cm2未満であると残存単量体量を減少さ
せることができない。
なお、5J/am2を超えると基材の劣化等、悪影響を
及ぼすおそれがあるので注意すべきである。
紫外線の照射は一般に大気中で行う。照射に際しては、
シートは完全に乾燥した状態でもよいが、水分が若干含
んだ状態の方がより効果が認められる。
紫外線照射により単量体が大幅に減少し、その他年安定
成分も減少して品質の安定したものとなる。この現象は
次のように考えることができる。
すなわち、電子線照射の反応が重合と架橋の主反応であ
るのに対し、光増感剤を用いないこの紫外線照射の反応
は残存単量体、反応中間体や活性点に対する反応であろ
う。換言すれば、電子線照射で反応が開始して主反応が
起こるのに対し、紫外線照射では主反応は起こらず、電
子線照射がやり残した部分の反応を完結する役割を有す
ると考えられる。かかる反応により残存単量体、不安定
成分は減少する。なお、このように紫外線照射が主反応
に関与するものではないという考えは、前記した如く紫
外線照射が吸水能レベルを決める因子となっていないこ
とからも支持されるものである。
以上述べた如く、エネルギー線の照射に関しては、比較
的低線量の電子線を照射し、しかる後に紫外線を照射す
ることが必須であり、これにより反応か完全なものとな
る。照射の順かこの逆であるとかかる効果は得られない
。また、電子線を2段で照射することによっても残存単
量体を減少させ得るか、2回目の照射により架橋が進ん
で吸水能か変化するので、吸水能の制御ができなくなる
さらには、最初から多分の照射エネルギーを有する紫外
線を1回または複数回照射することも考えられるが、か
かる照射のみでは水可溶性の重合体しか得られない。
実際に照射を行うに際しては、照射設備を連結してオン
ラインで行ってもよいし、あるいは電子線照射の後−旦
巻き取り、あらためて別工程にて紫外線を照射してもよ
い。なお、紫外線照射後、場合によっては乾燥して水分
の除去を行うこともあるが、紫外線照射の工程後、通常
大部分の水分がすでに除去されているのでかかる乾燥処
理はほとんど不要である。
かくして紫外線照射後に得られる本発明の高吸水性シー
トは生成した吸水性物質が基材シートに強固に固着した
シートであり、有する特徴としては(1)使用に当たっ
ての初期吸水能にすぐれる、(2)乾燥時においては吸
水性物質の脱落は全くなく、吸水時においても吸水性物
質の脱落がおこらないケースが多い、(3)高い吸水能
を有する、(4)触媒、光増感剤を使用しないのでそれ
らが残存するという問題がない、(5)残存単量体は高
吸水性物質に対し0.3重量%以下と極めて少ない、お
よび(6)吸水能の経時変化も小さいといった点が挙げ
られる。
本発明の製法による高吸水性シートは空隙性基材の種類
を適宜選択することによって種々の形態のシートとする
ことができ、生理用品、おむつ、使い捨て雑巾を始め、
農園芸材料、建築関係材料、土木関係材料、保冷・蓄熱
材料等、幅広い分野に使用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
実施例 実施例1 アクリル酸72.09と水酸化カリウム53.2gを含
む水酸化カリウム水溶液144.2gとを混合すること
により単量体水溶液を調製した。この単量体水溶液にお
いては、アクリル酸とアクリル酸塩とのモル比は5:9
5、全単量体濃度は50重量%である。
次いで、繊維長56mm、3デニールの部分融着した目
付40g/m”のポリエステル繊維よりなる不織布の基
材に対し、調製した単量体水溶液を含浸して付着量41
g/m2とした。
含浸後、105°Cの乾燥器内で8分間乾燥して単量体
組成物を繊維基材上で固化せしめ、次いで20°C1相
対湿度65%の雰囲気中に10分間放置して吸湿させ、
その状態で直ちに日新ハイボルテージ(株)製エリアビ
ーム型電子線加速装置を用い、窒素雰囲気中にて、加速
電圧200KV、線量2Mrad1線量率12 、8 
Mrad/see、 (線量)3/(線量率)”= 0
.049 Mrad−see”の条件で電子線の照射を
行った。ひき続いて、日本電池(株)製紫外線照射装置
(高圧水銀灯、l 20 W/cm。
コンベア速度;10m/分)を用い、波長2000〜8
000 、照射エネルギー2.40J/cm2の条件下
で紫外線を照射して高吸水性シートを得た。
なお、電子線照射直前の固化物の水分量は乾燥した単量
体組成物の重量に対して41%であり、紫外線の照射エ
ネルギーは日本電池(株)製紫外線強度計(UV−36
5型)を使用し、3000〜3900 間のエネルギー
測定を行って決定した。
かくして得られた本発明の製法による高吸水性シートは
、吸水能がシート全体に対し280倍、高吸水性物質に
対し550倍、残存単量体量が高吸水性物質に対し0.
05重量%であり、しかも初期吸水能にすぐれた高品質
のものであった(吸水能における倍率は基準物重量に対
して吸水された水の量が何倍かを表わすものである)。
また、電子線照射時に結露は認められなかった。
対照として、本実施例の工程において紫外線照射を省略
した場合は、残存単量体量が高吸水性物質に対して0.
8重量%であった。
実施例2 アクリル酸72.0g、水酸化ナトリウム38゜0gを
含む水酸化ナトリウム水溶液138.3g、分子量60
0のポリエチレングリコールジアクリレート0.2gお
よびグリセリンlo、5gとを混合することにより単量
体水性組成物を調製した。この単量体水性組成物におい
ては、アクリル酸とアクリル酸ナトリウムとのモル比は
5:95、全単量体濃度は35重量%である。
この組成物を実施例1と同じ基材に付着量62g/m2
となるように含浸させ、105°Cの乾燥器内で10分
間乾燥して該組成物を繊維基材上で固化せしめ、次いで
20°C1相対湿度65%の雰囲気中で30分間吸湿さ
せ、その状態で直ちに日新ハイボルテージ(株)製エリ
アビーム型電子線加速装置を用い、窒素雰囲気中にて、
加速電圧200KV、線量5Mrad、線量率32.1
 M rad/ sec。
(線fix)’/(線量率)2= 0 、122 Mr
ad−sec”の条件にて電子線を照射した。ひき続い
て、日本電池(株)製紫外線照射装置(高圧水銀灯、1
20W/cm、コンベア速度;10m/分)を用い、波
長2000〜8000 、照射エネルギー2.40 J
/cm2の条件下で紫外線を照射して高吸水性シートを
得た。 なお、電子線照射直前の固化物の水分量は乾燥
した単量体組成物の重量に対して17゜6%であり、紫
外線の照射エネルギーは日本電池(株)製紫外線強度計
(U、V−365型)を使用し、3000〜3900 
間のエネルギー測定を行って決定した。
かくして得られた本発明の製法による高吸水性シートは
、吸水能がシート全体に対し120倍、高吸水性物質に
対し320倍、残存単量体量が高吸水性物質に対し0.
06重量%であり、しかも初期吸水能にすぐれた高品質
のものであった。また、電子線照射時に結露は認められ
なかった。
対照として、本実施例の工程において紫外線照射を省略
した場合は、残存単量体量が高吸水性物質に対して1.
2重量%であった。
比較例1(乾燥せずに溶液状で照射する場合)実施例2
と同一の不織布を用い、これに下記組成の単量体水溶液
を付着量が60g/m2となるように含浸させた。
成分      量 アクリル酸           72g水酸化ナトリ
ウム        32gポリエチレングリコールジ
アク   0.2gリレート(分子量600) 水                    110g
含浸後直ちに実施例1と同じ電子線照射装置を用い、窒
素雰囲気中で、加速電圧200KV、線量2Mrad、
線量率5 、38 Mrad/see、 (線量)3/
(線量率)2−0.27Mrad−sec2の条件下で
電子線を照射し、続いて実施例2と同じ紫外線照射装置
を用い、波長2000〜8000 、照射エネルギー2
.40J/cm2の条件下で紫外線を照射して高吸水性
シートを得た。このシートはシート全体に対し115倍
の吸水能を有していた。
本発明の製法によるシートと比較例のシートとはほぼ同
程度の吸水能を有する。しかしながら、添付図面の第1
図から明らかなごとく、本発明の製法による吸水性シー
トは、比較例1の対照シトよりも初期の吸水速度が大き
く、初期吸水能に優れることが判明した。
発明の効果 本発明の製法により、基材に対し高吸水性物質が粒状に
付着して間隙が多くなるため初期吸水能にすぐれ、かつ
残存単量体の量が少ない所望吸水能レベルの高吸水性シ
ートが得られるようになり、また、電子線照射時に設備
内における結露がなく、余分な水分の蒸発エネルギーが
不要となって照射効率が向上するという工程的改善もな
された。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の製法による実施例2の吸水性シートと
比較例1の対照シートについて、吸水量の時間変化を比
較したグラフである。 第1図 特許出願人 ダイニック株式会社 代理 人 弁理士青白 葆 はか1名 永宇−浸;を崎r扇  (分)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)(a)モル比50:50〜0:100のアクリル
    酸およびアクリル酸塩を主成分とする単量体水性組率物
    を可撓性シートに付与し、(b)該組成物の溶媒を実質
    的に除去して固化せしめ、(c)相対湿度40〜98%
    の雰囲気中にて該固化物100重量部に対し3〜50重
    量部の水分を吸湿させ、(d)該吸湿状態で(線量)^
    3/(線量率)^2が0.007〜5.5Mrad・s
    ec^2である電子線を照射し、次いで(e)波長が2
    000〜8000であって照射エネルギーが0.1J/
    cm^2以上である紫外線を照射することにより硬化さ
    せることを特徴とする高吸水性シートの製法。
  2. (2)該可撓性シートが繊維集合体であることを特徴と
    する特許請求の範囲第(1)項記載の製法。
  3. (3)該可撓性シートがゴム又はプラスチックの多孔質
    シートであることを特徴とする特許請求の範囲第(1)
    項記載の製法。
  4. (4)該可撓性シートがゴム又はプラスチックのネット
    であることを特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載
    の製法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0648800A2 (en) * 1993-10-19 1995-04-19 Nippon Shokubai Co., Ltd. Method for production of absorbent material and absorbent article
US6807702B2 (en) 1999-11-12 2004-10-26 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Cleaning system and apparatus

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