JPH0210518Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、駒数計を備えたカメラ、特に、戻り
付勢を有するラチエツト部材と、ラチエツト部材
を戻り付勢に抗して送る送り爪と、ラチエツト部
材の付勢による戻りを阻止して送り爪による送り
を確保するストツプ爪とを備えた駒数計を備えた
カメラの改良に関する。

〔従来技術〕

上述のような駒数計を備えたカメラは、ストツ
プ爪が一定の軸位置でラチエツト部材に作用する
ものであるため、送り爪のストロークに変動が生
じると、ラチエツト部材に送り過ぎや送り不足が
生じて、表示送り駒数に誤差が生ずると云う問題
が発生する。この問題は、カメラの小型化や軽量
化のために、ラチエツト部材を小型化し、それに
伴つてラチエツトの歯を細かくしたような場合に
顕在化する。したがつて、カメラの小型化や軽量
化が妨げられると云う問題があつた。

〔考案の目的〕

本考案は、ラチエツト部材のラチエツトの歯を
細かくして、送り爪のストロークに変動があつて
も、ラチエツト部材に送り過ぎや送り不足が生ず
ることのない駒数計を備えたカメラを提供するた
めになされたものである。

〔考案の構成〕

本考案は、送り歯部を有し、戻り方向に付勢し
て設けたカウンタ表示部材と、前記送り歯部と噛
み合う送り爪を有し、カウンタ表示部材を付勢に
抗して移動させるためにフイルム巻き上げ動作に
より往復動する部材の往復に伴つてカウンタ送り
方向に移動する送り爪部材と、前記カウンタ表示
部材の戻り方向への移動を阻止するための前記送
り歯部と噛み合うストツプ爪と前記送り爪部材が
前記カウンタ表示部材に所定の移動量を与える量
以上カウンタ送り方向に移動したとき送り爪部材
の一部と係接する係接部を有し、前記送り爪部材
が前記所定の移動量を与える量以上移動したとき
は係接部を介して送り爪部材と一体的にカウンタ
送り方向に移動するストツプ爪部材とを備えたこ
とを特徴とし、この特徴によつて上述の目的を達
成したものである。

〔実施例〕

以下、本考案を図示例に基づいて詳細に説明す
る。

図は本考案に係わる駒数計の一例を示す構成概
要平面図であり、１はラチエツト１ａを有し、図
示せざるばねによつて反時計方向に戻り回動の付
勢がなされているラチエツト部材、２は送り爪２
ａを有する送り爪部材、３はストツプ爪３ａを有
するストツプ爪部材である。ラチエツト部材１に
は駒数表示部が設けられることは勿論である。送
り爪部材２は、その左右に長い摺動溝２ｂに、カ
メラフレームに固設した軸ピン４が係合してい
て、ばね５により、全体として右方に引かれ、か
つ、送り爪２ａがラチエツト部材１のラチエツト
１ａに係合するように付勢されている。ストツプ
爪部材３も、送り爪部材２と同様に、その摺動溝
３ｂに軸ピン４が係合し、ばね６によつて、全体
として右方に、そして、ストツプ爪３ａがラチエ
ツト１ａに係合するように引かれている。７はフ
イルムの巻上げ動作に伴つてばね８の付勢に抗し
時計方向に回動せしめられる送りレバーで、送り
レバー７が時計方向に回動すると、その作動端が
送り爪部材２の被動ピン２ｃに作用して送り爪部
材２をばね５の付勢に抗し左方に移動させること
によつて、従来の駒数計と同様に、ラチエツト部
材１の時計方向の送り回動が行われる。

しかし、従来の駒数計と異なる点は、送り爪部
材２が左方に距離Ｌだけ移動すると、それ以上は
送り爪部材２がストツプ爪部材３の被動部３ｃに
接触して、ストツプ爪部材３が送り爪部材２と一
体的に移動することになるから、送り爪部材２が
送りレバー７によつて距離Ｌ以上いくら移動させ
られても、ラチエツト部材１の時計方向の送り回
動は送り爪部材２の距離Ｌの移動に見合う分だけ
となることである。すなわち、送り爪部材２の距
離Ｌ以上の超過移動に伴つて一旦はラチエツト部
材１が時計方向に超過回動させられても、その超
過回動は送り爪部材２の復元移動に伴うストツプ
爪部材３の復元移動と共に反時計方向に戻される
ようになるから、結果として、ラチエツト部材１
は送り爪部材２の距離Ｌの移動に見合う分だけし
か送られない。

送り爪部材２がストツプ爪部材３に係接するよ
うになる距離Ｌの設定は、送りレバー７の回動量
を一定に維持することから較べると、極めて容易
に精確に行うことができる。これによつて送りレ
バー７を送り爪部材２に対し距離Ｌよりも大なる
移動を与えることができるものとしておけば、送
りレバー７の時計方向の回動量に多少の変動が生
じても、ラチエツト部材１には送り過ぎや送り不
足が生ずることはないと云う優れた効果を得るこ
とができる。

なお、９は駒数計のリセツト部材、１０はカメ
ラの裏蓋であり、裏蓋１０を開放すると、リセツ
ト部材９は裏蓋１０による押しを解放されてばね
１１の付勢により時計方向に回動し、その作用部
９ａが送り爪部材２およびストツプ爪部材３を押
してばね５および６の付勢に抗し軸ピン４の周り
に時計方向に回動させるから、送り爪２ａおよび
ストツプ爪３ａがラチエツト１ａへの係合から外
れ、したがつて、ラチエツト部材１はばね付勢に
よつて戻り回動することになり、すなわちリセツ
トが行われる。そこで裏蓋１０を閉じれば、裏蓋
１０がリセツト部材９を押して図示の位置に戻す
から、再び送り爪２ａとストツプ爪３ａがラチエ
ツト１ａに係合するようになつて、ラチエツト部
材１の送りがなされる状態となる。

〔考案の効果〕

以上述べたように、本考案によれば、送り爪の
ストロークに変動があつてもラチエツト部材の送
りを正確に行うことができ、したがつて、ラチエ
ツト部材を小型にして、それに伴つてラチエツト
の歯を細かくしても、表示送り駒数に誤差の生ず
ることがなくなり、カメラの小型、軽量化を達成
することができると云う優れた効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案に係わる駒数計の一例を示す構成概
要平面図である。 １……ラチエツト部材、１ａ……ラチエツト、
２……送り爪部材、２ａ……送り爪、２ｂ……摺
動溝、２ｃ……被動ピン、３……ストツプ爪部
材、３ａ……ストツプ爪、３ｂ……摺動溝、３ｃ
……被動部、４……軸ピン、５，６……ばね、７
……送りレバー、８……ばね、９……リセツト部
材、１０……裏蓋、１１……ばね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 送り歯部を有し、戻り方向に付勢して設けたカ
   ウンタ表示部材と、前記送り歯部と噛み合う送り
   爪を有し、カウンタ表示部材を付勢に抗して移動
   させるためにフイルム巻き上げ動作により往復動
   する部材の往復に伴つてカウンタ送り方向に移動
   する送り爪部材と、前記カウンタ表示部材の戻り
   方向への移動を阻止するための前記送り歯部と噛
   み合うストツプ爪と前記送り爪部材が前記カウン
   タ表示部材に所定の移動量を与える量以上カウン
   タ送り方向に移動したとき送り爪部材の一部と係
   接する係接部を有し、前記送り爪部材が前記所定
   の移動量を与える量以上移動したときは係接部を
   介して送り爪部材と一体的にカウンタ送り方向に
   移動するストツプ爪部材とを備えたことを特徴と
   する駒数計を備えたカメラ。