JPH0210108B2

JPH0210108B2 -

Info

Publication number: JPH0210108B2
Application number: JP15545586A
Authority: JP
Inventors: Shinichiro Ogata
Original assignee: Daiso Co Ltd
Current assignee: Osaka Soda Co Ltd
Priority date: 1986-07-02
Filing date: 1986-07-02
Publication date: 1990-03-06
Also published as: JPS6311556A

Description

【発明の詳細な説明】

（産業上の利用分野）本発明はセメント用急結剤に関する。（従来の技術と問題点）近年新しいトンネル工法であるナトム
（NATM）工法が定着し、吹付コンクリート施
工量が増加している。この吹付コンクリートに
は、セメント用急結剤の添加が不可欠であり、急
結剤としてはアルミン酸アルカリ塩や炭酸アルカ
リ塩等が知られている。例えばアルミン酸ソーダ
と炭酸ソーダとの粉末混合物を主成分とする粉末
急結剤や、アルミン酸カリウムと炭酸カリウムと
の混合水溶液を主成分とする液体急結剤等が市販
されている。前者の場合、モルタルやコンクリー
トを吹付施工する際、セメントと骨材との混合物
に急結剤を混入し、それを乾式吹付機で供給する
一方、ノズル先端付近で別系の圧送水と合流する
までは、粉流体の形で圧送されるので粉塵が発生
し作業環境を害したり、急結剤との混合が不均一
になつたり、さらには骨材の含有水分とセメント
と急結剤が反応して系路を閉塞する恐れがあるの
で、材料等の厳格な管理が必要である。後者の場
合は液体なので、上記のような欠点は免れるが、
急結性能を更に高めるのに有効な添加物が望まれ
ていた。しかしながら、アルミン酸アルカリの水溶液は
化学的に不安定で貯蔵中に水酸化アルミニウムの
結晶が析出しやすく、これを防止するための安定
剤としてグルコン酸又はその塩や酒石酸又はその
塩等の添加（USP 2345134号）が行われること
が多い。このような場合、他の急結薬剤を添加するとア
ルミン酸アルカリの安定剤としての性能あるいは
これに付随して急結剤としての性能の損われるこ
とが多いという問題点があつた。（発明の目的）本発明者らは液体急結剤の長所を生かしつつ、
なおその急結性能を高めるため、種々検討を行つ
た結果本発明に到達した。本発明の目的はアルミ
ン酸アルカリ―炭酸アルカリ系の液体急結剤にお
いて、さらに急結性能を高める配合薬剤を提供す
ることにある。（発明の構成）本発明はアルミン酸アルカリと炭酸アルカリと
を主成分とする水溶液に、ピロリン酸アルカリ塩
を配合したことを特徴とするセメント用急結剤で
ある。上記アルミン酸アルカリ、炭酸アルカリとして
は、リチウム塩，ナトリウム塩，カリウム塩が挙
げられるが、その溶解性や粘性の点からカリウム
塩が好ましい。アルミン酸アルカリと炭酸アルカ
リの水への配合割合は、例えばアルミン酸カリウ
ムを酸化カリウムとして10〜20重量％，酸化アル
ミニウムとして５〜15重量％，また炭酸カリウム
を15〜30重量％に調整することが急結性能及び作
業性向上のために望ましい。上記ピロリン酸アルカリ塩としてはナトリウム
塩，カリウム塩等があるが、急結剤が高濃度のア
ルカリ塩なので、そのいずれを配合しても効果は
変わらないが溶解性の面からカリウム塩が望まし
い。ピロリン酸アルカリ塩の配合割合は上記水溶液
に対して無水物として0.1〜10重量％，好ましく
は0.5〜５重量％がよい。10重量％を超えると急
結性能が低下する。本発明の急結剤は、長期間の保存を要する場合
等必要に応じて、前記のグルコン酸類や酒石酸類
等安定剤を急結性能を損うことなく添加すること
ができる。本発明品の使用方法は、吹付コンクリートの混
練水にあらかじめ溶解しておくか、ポンプ等を用
いて混練水で圧入混合するか、あるいは急結剤の
みをノズル先端に注入すればよい。使用量は通常
の吹付工事ではセメント量に対し１〜10重量％、
好ましくは４〜６重量％である。なお本発明に用
いられるセメントはポルトランドセメントが望ま
しいが、高炉セメント，シリカセメント，フライ
アツシユセメント等の混合セメントにも用いられ
る。以下実施例により本発明を具体的に説明する
が、配合％は重量基準である。実施例１アルミン酸カリウム（水溶液中のK₂O13％，
Al₂O₃ ９％），炭酸カリウム25％の水溶液をＡ液
とする。このＡ液に対し無水ピロリン酸カリウム０〜10
％添加して液体急結剤を作つた。この液体急結剤の急結性能を比較するため、普
通ポルトランドセメント2000ｇ，川砂6000ｇdl
（F.M.2.6，表面水率５％），水をセメントに対し
45％，液体急結剤をセメントに対し４〜６％配合
し約10秒間混合してから素早く型枠に詰め、１分
後からプロクター貫入抵抗試験（ASTM Ｃ
403―63T）を行い、始発（500PSI）と終結
（4000PSI）までの時間を測定した。その結果を
表１と表２に示す。なお試験は20℃で行つた。

【表】

【表】量％
実施例２実施例１におけるＡ液に、無水ピロリン酸カリ
ウムを２％添加して作成した液体急結剤の圧縮強
度への影響をみるため、JISR5201―９セメント
の強さ試験を行つた。普通ポルトランドセメント600ｇ，川砂1800ｇ
（F.M.2.6，表面水率５％），水をセメントに対し
45％、液体急結剤をセメントに対し６％配合し約
10秒間混合してから素早く４×４×16cmの三連型
枠に詰め、脱型後所定材令まで、温度20℃，湿度
90％で養生した。なおＡ液のみ、および急結剤無
添加の場合の試験をも併せて行つた。その結果を
表−３に示す。

【表】注）＊印は比較例を示す。
＊＊ A液に対するピロリン酸カリウム添
加量2％
以上のごとく本発明品は凝結試験においても強
度試験、特に急結効果上最も重要な初期強度（１
〜６時間）においても、Ａ液のみ配合の場合に比
較し明らかに顕著な急結性能を有している。なお実施例１，２の本発明急結剤を室温にて３
ケ月間放置したところ、水酸化アルミニウム等の
結晶の析出は全く認められなかつた。（発明の効果）本発明セメント用急結剤は従来の液体急結剤に
比較して急結性が高いので、セメントに対する添
加量を減少することが可能で経済的に有利であ
り、特に初期強度が高いので特にナトリウム工法
において有効に用いられる。また安定剤を含有す
るため長期間性能を変化することなく保存しう
る。

Claims

【特許請求の範囲】

１アルミン酸アルカリと炭酸アルカリとを主成
分とする水溶液に、ピロリン酸アルカリ塩を配合
したことを特徴とするセメント用急結剤。