JPH019814Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、パイプへのテープの巻き付けに際し
テープをその張力を調整してパイプへ供給するこ
とができるパイプ外面へのテープ巻付装置におけ
るテープ供給装置に関するものである。

パイプへ防食等を目的としてテープを巻き付け
る場合、皺、空気の抱き込み等を防止するため、
テープをパイプの全長に亘つて一定張力でパイプ
へ供給することが要請される。そして、その際に
は、テープ繰り出し側の繰り出し径等による影響
を除去した状態においてテープを供給することが
要請される。又、異なる径のパイプに異なる供給
速度でテープを供給できるように、上記張力は容
易に調整できることも要請される。

本考案は、上述の要請に応えたパイプ外面への
テープ巻付装置におけるテープ供給装置、即ち、
テープを巻装したテープロールと、該テープロー
ルから引き出されるテープを順次巻掛け走行させ
るように配した複数個のテープ繰り出し調整ロー
ルと、該テープ繰り出し調整ロールを通過したテ
ープを接触走行させるように配したブレーキ付ロ
ールとを備え、該ブレーキ付ロールは、該ロール
の側部に固設したブレーキドラムが、シリンダー
圧の調整により締め付け力が調整される帯ドラム
により締め付けられてブレーキ作用を生じるよう
に構成してあり通過してパイプへ巻き付けされる
テープの張力を上記ブレーキ付ロールのブレーキ
作用により調整しうるようにしたことを特徴とす
るパイプ外面へのテープ巻付装置におけるテープ
供給装置を提供するものである。

以下、本考案のパイプ外面へのテープ巻付装置
におけるテープ供給装置の一実施例を、加熱され
た回転中のパイプへ熱収縮性テープを巻き付ける
テープ巻付装置に適用した場合について図面に基
づき説明する。

第１図は本考案のテープ供給装置１の内部機構
の概略図を示すもので、同図並びに第２図及び第
３図に示す如く、テープ３を巻装したテープロー
ル１１から半径変化による張力変化を殆どなくす
るため、フリーの状態でテープ３をパイプ４の回
転により引き出し、引き出されたテープ３を複数
個のテープ繰り出し調整ロール１２に順次巻掛け
走行させ、テープ３に曲がりによる調整ロール１
２への接触抵抗をもたせてテープ３にブレーキ効
果を与えることにより、最後の調整ロール１２を
テープ３が通過した位置でテープロール１１の半
径変化によるテープ３の張力の変化を極力小さく
させ、更にガイドロール１３を経て大きな巻付角
でブレーキ付ロール１４に接触走行させ、上記の
ブレーキ効果と相俟ち効果的に行われる上記ブレ
ーキ付ロール１４のブレーキ作用により、パイプ
４へ巻き付けされるテープ３の張力を調整してテ
ープ３を一定の張力をもつてパイプ４へ供給でき
るようになしてある。

実施例ついて更に詳述すると、上記テープ繰り
出し調整ロール１２は、小径のものの方がブレー
キ効果が高く、テープロール１１の側の影響がテ
ープ巻き付け側に伝達されるのを効果的に防止す
ることができる。又、１５は、テープ繰り出し調
整ロール１２、ガイドロール１３、ブレーキ付ロ
ール１４及びガイドロール１６間において、走行
するテープ３をそのテープ巾に適合させて両側か
ら規制しテープ３の巾方向への蛇行を防止する井
桁構造のテープ蛇行防止ユニツトである。該テー
プ蛇行防止ユニツト１５による蛇行防止は、テー
プ３の張力の最も弱いテープ繰り出し調整ロール
１２の部分で最も効果的に行われる。このように
蛇行防止を図るのは、テープ３がその巾方向にズ
レながらパイプ４に供給されると、テープ３の巻
ピツチの不整及びテープ３の皺発生等を招く惧れ
があるからである。

又、ブレーキ付ロール１４は、ネオプレンロー
ルの表面に摩擦抵抗の大きなシリコーンゴムシー
トを被着する一方、該ロールの側部にブレーキド
ラム１４ａを固設し、該ブレーキドラム１４ａを
帯ベルト１４ｂにより締め付け得るように構成し
てある。帯ベルト１４ｂの締め付けは、エアーシ
リンダー１４ｃによつて行うようになしてあり、
エアーシリンダー１４ｃのエアー圧をレギユレー
タで調整することにより帯ベルト１４ｂの締め付
け力を調整し、もつてテープ３の張力を例えば
0.1〜1.5Kg／cmの範囲で調整できるようになして
ある。

又、１７は、上下位置設定変更可能に配したテ
ープ進入角調整ロールで、異なるサイズのパイプ
対してもテープ３の供給方向を調整できるように
すると共に、パイプ４へのテープ３の進入角度を
パイプ４の回転速度に応じて可変できるようにな
してある。該テープ進入角調整ロール１７は、パ
イプ４の回転速度を大きくする必要のある場合に
は、通常下方に位置させパイプ４へのテープ３の
進入角を深くする。このようにパイプ４へのテー
プ３の進入角を深くすることによつて、後述のタ
ツチロール２０の位置とパイプ４へのテープ３の
接触開始位置との距離を長くし、加熱されたパイ
プ４によりテープ３をそれが上記タツチロール２
０の位置に到るまでに充分予熱し、パイプ４の回
転速度の増大に伴つて進行速度の大きくなるテー
プ３に対して不充分となりがちな後述の加熱ライ
ンバーナー４８，４９による予熱を補うことがで
きる。

又、１８はパイプ４に巻き付けるに先立つて熱
収縮性テープからなるテープ３の接着剤層を接着
効果を充分発揮できる流動温度まで予熱し、テー
プ３の巻き付け開始時点において特にテープ３の
オーバーラツプ部に接着不良が生じる惧れを防止
する加熱用ラインバーナーである。又１９は、テ
ープ３をパイプ４に巻き付ける先立つてテープ３
のテープ層を予熱し、パイプ４へのテープ３の巻
き付け開始時点においてテープ３をオーバーラツ
プ部端部における段差部に対応させて容易に変形
させる加熱用ラインバーナーである。上記両バー
ナー１８，１９により特に上記段差部の脱気を容
易且つ確実に行うことができる。

又、２０は、パイプ４に供給されたテープ３を
押圧し、上記両バーナー１８，１９と相俟つてテ
ープ巻き付け時の脱気を実施するとともにテープ
に均一な接触接着を付与するタツチロールであ
る。該タツチロール２０は、テープ３がパイプ４
に接触するいち配することが好ましい。又、該タ
ツチロール２０は、エアーシリンダー２１によ
り、その押圧力を調整可能となしてあり、且つエ
アーシリンダー２１の先端部に水平面内及び鉛直
面内において揺動可能に取付けてある。又、該タ
ツチロール２０による押圧は、理想的には第４図
の右方に示す如くパイプ４に供給されたテープ３
のオーバーラツプ部を除く部分、即ち同一平面部
について行えば脱気を充分行い得るが、オーバー
ラツプ部が左右５〜10mm程度移動した場合オーバ
ーラツプ部端部の段差部の完全な脱気を行い難い
ので、第４図の左方に示す如く、タツチロール２
０はテープ３巾全体を押圧するようにし、テープ
３の巾全体に亘つて上述の如く、脱気効果及び接
触接着効果を図ると共に、上記段差部の完全な脱
気は、補助タツチロール２２を付設し、これによ
つて行うのが好ましい。尚、タツチロール２０と
して比較的堅い所望の硬度を有するシリコーンゴ
ム製のものが、又補助タツチロール２２として
は、比較的軟らかい所望の硬度を有するシリコー
ンゴム製のものが好ましい。

次に、以上の構成からなる本考案のテープ供給
装置１を適用したパイプ外面へのテープ巻付装置
について説明すると、第５図は上記テープ巻付装
置の概略的な平面図を示すもので、同図におい
て、６はパイプ４の４隅を下方から支持し該パイ
プ４を図示位置において水平軸の回りに回転させ
る４個のアンダーロール、６１は該アンダーロー
ル６を駆動する駆動部、５２はそれぞれパイプ４
の長手方向に沿つて設置したレール５１上を上記
パイプ４の回転速度に電気的に同調して自走する
台車で、該台車５２には本考案のテープ供給装置
１及び加熱装置５を設けてある。尚、５７は台車
５２の走行時に加熱装置５の走行を補助する補助
レールである。

而して、上記テープ巻付装置によるパイプへの
熱収縮性テープ３の巻き付けは、上記アンダーロ
ール６によりパイプ４を定位置において回転さ
せ、且つ該パイプ４の一端部（右端部）から他端
部（左端部）に向けて上記台車５２を上記パイプ
４の回転速度に同調させて自走させながら、上記
加熱装置５により回転中の該パイプ４の外面を少
なくともテープ３の熱収縮温度になるまで順次充
分に加熱すると共に、テープ３を上記テープ供給
装置１から一定の張力を与えつつ加熱された回転
中の上記パイプ４の外面上に順次供給し、上記パ
イプ４の外面上に上記テープ３をオーバーラツプ
させてスパイラル状に巻き付けることにより、実
施される。この場合、一定の張力下にテープ３を
供給しないと、テープ３が緊張状態を保つてパイ
プ４の外面に密着され得ず、パイプ４が上述の如
く加熱装置５により加熱されているため、テープ
３がパイプ４へ接触した直後に熱収縮を開始し、
皺が発生して空気の抱き込みの原因となり、パイ
プ４の防食の目的を達成できないが、本考案のテ
ープ供給装置１によれば、前述の如くテープ３を
一定張力下にパイプ４へ供給できるから、このよ
うな問題を回避できる。

尚、異なる大きさのパイプ４に異なる巻き付け
態様で（オーバーラツプ巾等）テープ３を巻き付
けることができるように、パイプ４の回転速度及
び台車５２の移動速度は調整可能にしておくこと
が好ましい。

又、上記パイプ４の回転中において実施する加
熱装置５の移動によるパイプ４の加熱に際して
は、テープ３の熱収縮を一定とし、テープピツチ
の乱れ、テープの皺、テープ巻き込み時の空気の
抱き込み、テープ接着不良等を防止するため、パ
イプ４をその全長に亘つて均一且つ精度良く加熱
するのが好ましい。そのためには、加熱装置５に
よる単位時間当たりの発熱量を一定とした場合、
加熱装置５、換言すれば台車５２の移動速度をパ
イプ４の回転速度に同調させて調整可能にしてお
き、加熱装置５、換言すれば台車５２を、その移
動に際しパイプ４の両端部において遅く移動させ
るようにする。パイプ４の両端部においては放熱
量が多く時間をかけないとその部分が充分な温度
に達しないからである。加熱装置５によるパイプ
４の加熱にあたつては、使用するテープ３を熱収
縮させるのに充分な温度、好ましくは100〜250
℃、更に好ましくは120〜200℃までパイプ４の外
面を加熱する。又、加熱装置５としては、第３図
に示す如く、少なくともパイプ４の略上半円周部
分を囲繞するようにフード部５３を前記台車５２
に固設し、且つ該フード部５３の進行方向後端部
側内側に、パイプ４の略上半円周部分を外方から
加熱する燃焼炉部を具備させたものを使用するの
が好ましく、更に好ましくは、上記燃焼部を構成
する複数個のガイバーナー等のバーナー５５を鉛
直方向に対しフード部５３の進行方向に例えば15
度程度傾斜させて配設し、且つ仮想線で示す如く
パイプ４の下半円周部分を囲繞する保温部５６を
設けたものを使用する。このような構造を有する
加熱装置５を用いれば、バーナー５５による火焔
を加熱装置５の進行方向に向けて噴射し且つ導く
ことができるため、燃焼炉部の近傍を加熱できる
だけでなく加熱装置５の進行方向におけるパイプ
４の外面を予め効率良く予加熱できると同時に、
進行方向に対し加熱装置５よりも後方に位置する
本考案のテープ供給装置１からパイプ４の外面上
に供給されるテープ３に火焔を回らせる惧れを回
避できる。

又、上述の如くしてパイプ４の外面上にテープ
３をスパイラル状に巻き付けたら、テープ供給装
置１からのテープ３を切断し、しかる後該パイプ
４の両端部におけるテープ３を所定寸法カツトバ
ツク（除去）し、更に該パイプ４を冷却する。こ
の場合、冷却をカツトバツクに先行させても良
い。

又、以上のパイプ外面へのテープ巻付装置で
は、台車５２の一方向への移動時、いわば往動時
においてテープ３の巻き付けを実施しているが、
復動時においてもテープ３の巻き付けを実施する
場合は、テープ供給装置１を第５図に二点鎖線で
示す如く復動時にテープ繰り出し角度調整可能に
台車５２に取付け、加熱装置５とテープ供給装置
１とを、加熱装置５をテープ供給装置１に常に先
行させてそれぞれ別個に駆動するようにする等す
れば良い。

又、念のため付言するが、本考案のパイプ外面
へのテープ巻付装置におけるテープ供給装置は、
テープ３として上述の如き熱収縮性テープを供給
するものに限定されない。

叙上の如く、本考案のパイプ外面へのテープ巻
付装置におけるテープ供給装置は、テープ繰り出
し調整ロールによりテープ繰り出し側の繰り出し
径等による影響を除去しながら、ブレーキ付ロー
ルのブレーキ作用により、パイプへ巻き付けされ
るテープの張力を所望の張力に調整できるから、
テープロールに巻装されたテープの直径の変化に
かかわりなくパイプ全長に亘つて一定の張力でテ
ープをパイプへ供給することができる。また、異
なる径のパイプに異なるテープの供給速度でテー
プを巻き付ける場合でもブレーキ付ロールのブレ
ーキ作用によりテープの張力を調整できるから、
テープを一定張力下にパイプへ容易に供給するこ
とができる。しかも、本考案におけるブレーキ付
ロールは、該ロールの側部に固設したブレーキド
ラムが、シリンダー圧の調整により締め付け力が
調整される帯ベルトにより締め付けられてブレー
キ作用を生じるように構成してあるから、パイプ
外面へ供給するテープの張力をシリンダー圧の調
整により極めて容易に調整できる従つて皺及び空
気の抱き込み等を防止してパイプ４の防食を効果
的になし得る等の卓越した実用的効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の概略図、第２図は
その斜視図、第３図はパイプ外面へのテープ巻き
付け装置の要部の斜視図、第４図はタツチロール
の配設態様を説明する斜視図、第５図はパイプ外
面へのテープ巻き付け装置の概略的な平面図であ
る。 １……テープ供給装置、１１……テープロー
ル、１２……テープ繰り出し調整ロール、１４…
…ブレーキ付ロール、３……テープ、４……パイ
プ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. テープを巻装したテープロールと、該テープロ
   ールから引き出されるテープを順次巻掛け走行さ
   せるように配した複数個のテープ繰り出し調整ロ
   ールと、該テープ繰り出し調整ロールを通過した
   テープを接触走行させるように配したプレーキ付
   ロールとを備え、該ブレーキ付ロールは、該ロー
   ルの側部に固設したブレーキドラムが、シリンダ
   ー圧の調整により締め付け力が調整される帯ベル
   トにより締め付けられてブレーキ作用を生じるよ
   うに構成してあり、該ブレーキ付ロールを通過し
   てパイプへ巻き付けされるテープの張力を上記ブ
   レーキ付ロールのブレーキ作用により調整しうる
   ようにしたことを特徴とするパイプ外面へのテー
   プ巻付装置におけるテープ供給装置。