JPH0197125A - 着氷雪防止装置および着氷雪防止方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、電線への着氷雪を防止するための着氷雪防止
装置およびそれを使用した電線への着氷雪防止方法に関
するものである。

［従来の技術と問題点］ 電線に着氷雪があると、そのときの気象条件や雪質によ
り、雪が筒状に成長したり、ウィング状に張り出しなり
して、電線の断線やギヤロッピングによる相間短絡、さ
らに最悪の場合には鉄塔の倒壊を招き、重大な事故につ
ながることはよく知られている。

このため、このような電線の雪害事故を防止しようとす
る試みは、古くから種々提案されてきた。

最近、第６図に示すように送電線Ｗに所定間隔をおいて
リングＲ，Ｒを取付け、電線Ｗに降着した雪２０が、自
重により電線Ｗの撚溝に沿って第６図中矢印をもって示
したように下方に向って滑りつつ移動する性質があるこ
とを利用し、その移動をリングＲ，Ｒにより阻止しよう
という提案が実用化されている。このリングＲ，Ｒによ
り雪２０の移動を阻止してやれば、雪２０は重量のアン
バランスを生じ、第６図２０′のように落下するという
知見に立つものである。

しかし、このリング装着方式は、特定の気象条件下での
特定の雪質の場合しか効果がなく、決して万能なもので
はない上、仮に具合よく落下したとしてもリングＲ，Ｒ
の装着間に付着した分が一度にブロック状になって落下
するところから、電線下に被害を与える場合があり、落
下する雪の細片化を求める声がある。

さらに、なとえ雪２０が上記のように電線Ｗ上を移動し
てリングＲにより強制的にその移動が阻止されたとして
も、そのときの雪の自重が電線Ｗに回転モーメントを与
える結果となることがあり、この場合は電線Ｗを捻るこ
とに上記雪２０の重力が消費され、２０′のように具合
よく落下してはくれず、結局筒雪に成長してしまって、
なんら効果はない。このため、リング装着方式の場合に
は、第５図に示すように、電線ＷにリングＲ，Ｒを装着
するほかに、重量ダンパーＤ、Ｄを取付け、このダンパ
ーＤ、Ｄにより電線Ｗの回転を抑止することを、工事上
仕様化しているのが通常である。

しかしながら、このように電線Ｗの回転を阻止すると、
電線Ｗの横方向から風雪となって雪が電線に叩き付けら
れるような気象条件下では、雪は電線の側方に氷雪とな
って翼状に成長し、電線に大きな揚力を与える結果とな
り、ギヤロッピング振動による相間短絡といった別な事
故につながるおそれがある。

このように、−口に電線への着氷雪防止といっても、決
して一筋縄のものではなく、関係者はこれに苦慮してい
るのが実情である。

電線に付着した氷雪をもっとも効果的に除去する方法は
、熱により雪を融かす方法であることは、何人も肯くと
ころである。そのための融雪装置もこれまでに数多く提
案されてきた。例えば、比較的可能性の高い方法と思わ
れるものに、低キユーリー点を利用する強磁性体を電線
に着合ないし巻き付けておき、降雪時の外気温近傍にお
いて磁性体のヒステリシス損による発熱を促し、この熱
により雪を融かそうという試みがある。しかし、現実に
そのような磁性体を電線に装着しても、熱容量が小さく
、極寒の吹き荒ぶ空中高いところに架線されている送電
線は、いわば天然のきびしい冷却装置の中にあるような
もので、到底雪を融かすなどということはおぼつかない
のである。

このため、直接電線に加熱ヒーターを巻いてやろうとい
う提案もある。しかし、本提案の場合、ヒーターにおけ
る無駄な発熱がきわめて大きく、雪を融かす以外に莫大
なエネルギーが無駄に放散されて、長距離にわたって大
電力が消費され、アイデアとしてはともかくこれの実現
の可能性は無いと考えられている。しかし、このことは
、なんらかの手段をもってこの無駄な放散エネルギーの
抑制ができ、電力を融雪にのみ利用できることになれば
、画期的着氷雪防止の開発に門戸を開くという大きな示
唆を与えていることも否定できない。

［発明の目的］ 本発明は、上記したような実情にかんがみてなされたも
のであり、上記既提案のうち確実にすぐれた効果は認め
られながらも、その目的以外での電力の浪費が余りにも
大きく、未だ実現の可能性をみていないヒーター加熱方
式に着目するものであり、これまで余りにも大きかった
熱の無意味な放散を抑止し、その融雪効率を大巾に充実
せしめることにより、真に電力に無駄のないヒーター加
熱方式着氷雪防止装置およびその使用方法を提供しよう
とするものである。

［発明の概要］ すなわち、本発明は、内部にヒーターを内蔵したスパイ
ラルロッドを必要に応じ電線の撚方向と逆方向に電線に
装暑可能とし、それにより第一に巻回したスパイラルロ
ッドに前記リング同様の雪に対するストッパー効果を与
え、併せて、内蔵したヒーターにより融雪せしめて、融
けた雪の、水膜による潤滑剤としての効果を発揮させ、
雪の自重による移動ならびに滑落を促進させて、余り気
象条件に左右されることなくしかも細片状態での落雷を
実現させるものである。

［実施例］ 以下に、本発明について実施例に基いて説明する。

第１図は、電線Ｗに本発明に係るスパイラルロッドＳを
着合した状態を示す説明図である。

スパイラルロッドＳは、例えば第２図にその具体例の断
面を示したように、中空パイプ３に形成され、当該パイ
プ３内には、絶縁体２を介してヒーター１が内蔵されて
いる。しかして、ヒーター１は従来提案にみられるよう
にそれのみによって雪を融かし去ろうというのではない
。電線Ｗとの間に水膜を形成できる程度に雪の一部を溶
かし、その水膜をいわば潤滑剤として、雪の電線上にお
ける自重による滑り移動を大巾に促進できる程度に融雪
できれば足れつとする。この移動が促進されれば、雪は
大きなブロックとなる前に早期に細片状で落下し、電線
下に被害を与えるおそれがない。そして、この落雷を一
層促進させるためには、本発明に係るスパイラルロッド
Ｓを、第１図に示すように電線Ｗの撚方向とは逆方向に
巻回し、第６図について説明したリングＲ同様のストッ
パー効果を当該スパイラルロッドＳに与え得るように構
成するのがよい。

スパイラルロッドＳに内蔵されるヒーター１は、通常の
ヒーターを用いてバイメタル制御等を行なわせ、前記水
膜形成程度に加熱する。そのような加熱であれば、従来
例のように大電力を消費し、かつ無駄な熱放散をさせる
おそれがなく、少い電力で加熱効率を大巾に向上できる
ため、着氷雪防止装置として十分に実用可能となる。

しかして、ヒーター１としては、自己制御型ヒーターを
用いれば尚−層本発明の趣旨に適合せしめ得る。

ここにいう自己制御型ヒーターとは、ヒーター自身の温
度が所定温度に到達するまでは加熱動作を継続するが、
所定温度よりヒーターの温度が高くなると、ヒーター自
身が自動的に加熱動作を低減させ、それによってヒータ
ーの温度が低下すると、再び自動的にヒーター自身が加
熱動作を増大させ、そのバランスにおいて動作するよう
に構成されたヒーターを指称するものである。このよう
な動作をするヒーターとしては、種々な構成が考えられ
るが、比較的安価であって製作も容易であり、形状の選
択も自由にできる上、すでに技術的にも確立されつつあ
るものに、自己制御型プラスチックヒーターがある。す
なわち、世にいうＰＴＣ（Ｐｏｓｉｔｉｖｅ　Ｔｅｍｐ
ｅｒａｔｕｒｅ　Ｃｏｅｆｆｉｃｉｅｎｔ）特性を有す
るものであり、第３図にその具体的構成例を示す。２本
の導体１ａ、ｌａの間に、例えばポリエチレン樹脂をベ
ースとし、これにカーボンブラックを混合せしめた発熱
素子１ｂを介在させ、全体を絶縁体ＩＣによって被覆し
てなる。発熱素子１ｂは、低温時にはカーボンブラック
の連鎖により導体１ａ、１８間に導電パスができ発熱す
るが、高温になるとベースのポリエチレン系樹脂が膨張
し、結果として前記カーボンブラックによる導電パスが
切断されて発熱量が小さくなり、前記したように導電パ
スのオン−オフが具合よくバランスを保ちつつ動作する
。従って、ベース材料の選択、カーボンブラックの形状
と混合率の選択により、上記バランス温度を選定できる
から、雪が具合よく融ける温度においてバランスするよ
うにそれらを選び、過剰な加熱に起因する無駄な熱放散
を阻止することができるのである。

電線にヒーターを巻き付けて融雪する方法は、すでに説
明したように電力の消費が余りにも大きく、実現させる
ことは無理と考えられてきたが、本発明により電力消費
を最少限に抑えることが可能となり、ヒータ一方式によ
る融雪としてその実現に向って明るい見通しが得られた
ことは、画期的というべきである。

なお、ヒーター１を加熱する電源としては、風力や太陽
熱発電による蓄電、あるいは通常のバッテリーなど選択
は自由であるが、第１図に示すように電線Ｗに取付けた
変流器ＣＴを電源とすれば、簡易でありかつ確実である
。しかして、変流器ＣＴなどその電源の動作を降雪状況
と連動せしめ得るよう、センサーないしは指令装置をセ
ットしてやれば、電力消費の無駄は一層節減できる。

一方、スパイラルロッドＳは、製造および装着の便宜上
、所定長の定尺物に造られる。従って、この定尺スパイ
ラルロッドの端部に、第４図に示すような栓端子１０と
栓受端子１１を形成しておき、スパイラルロッドＳを相
互に電気的に接続できるよう構成しておくのが便利であ
る。第４図において、２は絶縁体、４はリード線、１０
′は端部導通金具、ｌｌａは受金具である。

［発明の効果］ 以上詳記の通り、本発明によればつぎのようなすぐれた
効果を発揮することができる。

（１）電線と雪との間に水膜を形成する程度の加熱でよ
いから、長距離にわたって電線に装着しても、従来のよ
うに大電力を消費し、また無駄にエネルギー放散をする
ことがなく、電線表面の雪を効率よく落下せしめること
ができる。

（２）　　ヒータ一部分がスパイラルロッド内に保護さ
れる形となっているから、無理な取扱いをしてもこれを
損傷するおそれがない。

（３）スパイラルロッドは定尺物に製造できるから、装
着する場合の作業性がよい。

（４）スパイラルロッドの端部を電気的に接続可能に構
成すれば、一つの電源によって融雪できる区間を長くと
ることができる。

（５）スパイラルロッド自体は、風騒音防止効果を併せ
て発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る装置を電線に装着した状況を示す
説明図、第２図は本発明に係るスパイラルロッドの一例
を示す断面図、第３図は自己制御型ヒーターの構成例を
示す断面図、第４図はスパイラルロッドの端子構成例を
示す断面図、第５図はリング方式による難着雪化電線の
構成状況を示す説明図、第６図はリング方式における落
雷状況を示す説明図である。 １：ヒーター、 ＣＴ：変流器、 Ｓ：スパイラルロッド、 Ｗ：電線。 代理人　　弁理士　　佐　藤　不二雄 ７″１　ｍ ０丁 ｔ：ｂ−ｙ−７Ｚ　　ｎ　　　　　　　　　　Ｔ　　３
　０ＣＴ：ｌ’本番 ４ｍ

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. （１）中空パイプ内にヒーターを内臓せしめたスパイラ
   ルロッドよりなる着氷雪防止装置。
2. （２）スパイラルロッドを電線の撚方向とは逆方向に巻
   回できるよう構成してなる特許請求の範囲第１項記載の
   着氷雪防止装置。
3. （３）ヒーターが自己制御型ヒーターである特許請求の
   範囲第１または２項記載の着氷雪防止装置。
4. （４）ヒーターを内蔵したスパイラルロッドの端部を、
   当該ヒーターを電気的に接続可能な端子構造に構成して
   なる特許請求の範囲第１から３項のいずれかに記載の着
   氷雪防止装置。
5. （５）電線の外周に巻回したヒーターにより、電線に付
   着した雪の一部を融かして、電線と雪との間に水膜を形
   成せしめ、当該水膜を潤滑剤として雪の電線上における
   移動を促進させることにより、早期に雪を落下せしめる
   電線への着氷雪防止方法。