JPH0196402A - タービン保護装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、タービン入口主蒸気温度に制限値を有するタ
ービン保護装置に係り、特に該制限値かタービンの運転
状態（負荷、回転数、入口主蒸気圧力等）に応じて変化
するタービンの保護装置に関する。

〔従来の技術〕

火力発電プラントを例としてその一般的な系校を第１図
に示す、第１図に於いて１はボイラであり、２はタービ
ン、３は再熱器、４は中・低圧タービン、５は発電機で
ある。１のボイラで発生した過熱蒸気を２の高圧タービ
ンに導き、ここで膨張した蒸気を３の再熱器に通して適
当な温度に再熱し４の中、低圧タービンでさらに膨張さ
せる。

これら２の高圧タービン、４の中・低圧タービンからな
るタービンの仕事が５の発電機の出力となる。

タービンに導かれた蒸気は、排圧までの断熱膨張の過程
で圧力、温度が降下し過熱度が低下して行くが、一般に
高圧タービンの蒸気が排気点で飽和蒸気に至り、飽和蒸
気の湿り度が大きくなるとタービン効率が悪くなるばか
りでなく、タービン羽根の侵食、メタル急冷等の問題を
もたらすためタービンの運転に対しては許容湿り限界値
が設けられている。

ボイラ不調によりタービン入口主蒸気温度降下が起ると
タービン内の蒸気は過熱度が下がり飽和蒸気となり、湿
り度が大きくなることから、従来蒸気圧力をボイラ出口
にて一定とする定圧運転プラントでは、タービン入口主
蒸気温度が規定値以下で警報或いはタービントリップを
行なったり、但し、この場合警報、トリップ制限値は定
圧運転ベースで固定設定で与えられることになるが、定
圧運転プラントの場合でも、起動時に於いては、後述す
る変圧運転と同様タービン入口主蒸気圧力はタービン起
動待圧力から通常運転時圧力まで変化することから、こ
の過程、すなわち起動警報、トリップ回路は除外してい
る。

又、同様にＦＣＢｉ転等の特殊運転に於いても前記で与
えられた制限値はタービンが許容する温度に対しては余
裕がありすぎ、一方では特殊運転では主蒸気温度が振れ
やすく、余裕がないということで警報、トリップ回路を
除外している。即ち起動時とかＦＣＢ時等の特殊運転は
主蒸気温度が一番乱れやすい時であるが、保護回路を除
外している。ボイラ不調時は圧力も低下するとの考えで
入口蒸気圧力調整装置と称してタービン入口圧力が規定
値以下に下がるに応じてタービンの蒸気加減弁を閉め込
み蒸気圧力を回復させる（圧力を下げることで過熱度の
低下を抑制する）装置が備えられていた。（この場合も
停止時通常運転時は良いが、起動時は変圧運転となるこ
とから本装置を除外している。） 一方、最近では低負荷時の熱効率を改善する目的で発電
機出力に応じてボイラ圧力を変える変圧運転が採用され
ているが、この変圧運転プラントに於いては起動停止時
のみでなく通常運転中の負荷増減に対しても主蒸気圧力
を変えて運用する性格上、（定圧運転プラントの場合は
起動時のみ変圧となる）定圧運転に使用されてきたよう
な主蒸気温度低下警報、トリップ方式あるいは入山蒸気
圧力調圧装置は全く使えない。したがって、蒸気の湿り
度は圧力と温度により決まることを考え、変圧運転プラ
ント用として、従来、タービン入口主蒸気圧力の関数と
して主蒸気温度制限値を与える方法が考案されている。

ただこの場合も保護範囲は負荷運転中のみとし起動待除
外しているのが通例である。（公表文献等が見当たらな
いが上記方式の実施例あり、尚、特開昭５４−１３７５
０７に定圧運転、変圧運転プラント用として主蒸気温度
を計測し、一定時間内での実温度降下量を計算してあら
かじめ決めた許容温度降下量と比較の上タービントリッ
プ又は警報出力するというものがある。しかし、タービ
ンの主蒸気温度低下に対する問題として、温度降下量も
熱応力発生によるタービン寿命消費という点で問題には
なるが、これはくり返し寿命であり一回の降下でトリッ
プさせるほどの問題にはならない。むしろ温度低下に対
する問題は、高圧タービンの排気温度湿り温度となりメ
タル急冷、羽根の侵食発生を起こす等が問題となる。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上記従来技術は、主蒸気圧力の変化に対して改善された
ものになっているが、同じ主蒸気圧力であっても蒸気流
量が異なる場合、通常変圧運転プラントの場合でもター
ビン起動から並列して発電機出力が２８〜３０％位まで
は低い圧力で一定圧力運転として居り、その後定格圧力
に向かって変圧を開始する。したがって、このような場
合では、同じ主蒸気圧力であっても蒸気流量が異なるこ
とになる。

又、ＦＣＢ時のような特殊運転に於いても圧力は変わら
ずむしろ上がり気味で発電機出力のみが現状の運転出力
より所内負荷相当の３〜７％出力に急減することから、
この場合も同じ主蒸気圧力で蒸気流量が異なるというケ
ースとなる。即ち各時点での発電機出力の違いによりタ
ービン内部効率が異なるので高圧タービン入口から高圧
タービン最終段に至った飽和蒸気の湿り度が異なること
から、最適警報或いはトリップ制限値が与えられないと
いう欠点がある。（一般的にボイラは低負荷程温度制御
が難しいのに対して、タービンにとって低負荷であまり
にも余裕の取りすぎに設定となりミストリップ警報を起
こしやすい。）すなわち、許容湿り限界値で警報或いは
トリップを行なうことが好ましく、この限界値に至らな
い時の不必要なトリップを避けるためには主蒸気圧力の
みで主蒸気温度制限値を設定するのは不十分な場合があ
った。

又、起動時即ち無負荷運転中は全く保護がないというも
のも勿論大きな欠点である。

本発明の目的は、定圧運転、変圧運転を問わず、ＰＣＢ
等を行なう特殊運転プラントに対しても起動、停止、通
常運転の全域に渡って、湿り域での運転を防止すること
のできるタービン保護装置を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的は、タービンが負荷運転中か無負荷運転中かを
判別する信号、即ち発電機出力か発電機しゃ断器の接点
（並列又は解列）と発電機出力、タービン回転数および
タービン主蒸気圧力を取り込み次の様にすることで達成
される。

即ち、第２図はタービン入口主蒸気圧力をパラメータと
してタービン回転数と主蒸気温度低下制限値の関係を示
した図、同様に主蒸気圧力をパラメータとして発電機出
力と主蒸気温度低下制限値の関係を示した図（実線）で
あるが、これはタービンの許容湿り限界値に適度の余裕
を取り作図した警報又はトリップの制限値であり、この
図をそのまま演算する装置を設置するか、又は上記制限
値カーブを直線等にして簡素化した装置を設置するかで
達成される。

尚、第２図中タービン回転数１発電機出力とタービン入
口主蒸気圧力の関係図は参考までに示した図で変圧運転
プラントの一般的な主蒸気の変圧特性である。

〔作用〕

第２図でもって、起動時及びＰＣＢ時の主蒸気温度低下
制限値の与え方について説明する。（通常運転時は省略
する。） まず起動時は８５にでタービンを起動することから、回
転数の上昇に対して８５にの主蒸気温度低下制限カーブ
上を推移する。（一般的に昇速過程は圧力が変化するこ
とがないので、８５にのカーブ−本でも良いが、タービ
ンとしては規定の過熱度が得られていれば他の圧力でも
起動することが出来るので他の圧力も考慮することが好
ましい、） 回転数が定格回転数に達すると、発電機を系統と同期し
て並列するが、負荷運転中となると３０％発電機出力ま
では主蒸気圧力が８５にであることから８５にの主蒸気
制限カーブ上を推移する。

出力が３０％を越えると圧力が定格の２４６Ｋに向って
変圧運転となることから、温度制限カーブは点線の如く
推移し、出力が９５％になると変圧運転を終了して、２
４６にとなることからこの点より２４６にの温度制限カ
ーブ上を推移することとなる。

次にＰＣＢの場合は、仮に主蒸気圧力１９０Ｋ、発電機
出力約７５％で運転していたとすれば、Ｆ　Ｃ’Ｂと共
に３〜７％出力まで出力が急減することから温度制限値
はＡからＡ′に自動的に変更することになる。こうする
ことによって、ＰＣＢの時は通常運転時に比べて主蒸気
温度が落ちやすいが、制限値を自動的に下げることによ
りミストリップ、警報を防止することが出来る。

〔実施例〕

以下本発明の一実施例を第３図により説明する。

まず、６のタービン入口主蒸気圧力と７の発電機出力を
入力して、負荷運転中の主蒸気温度低下制限値を得る８
の演算器の出力と、６の主蒸気圧力と９のタービン回転
数を入力して無負荷運転中の温度低下制限値を得る１０
の演算器の出力を。

１１の切替器で発電機しゃ断器の入・切（並列又は解列
）により切替え、タービン運転中の主蒸気温度低下制限
値を得る。次に１２のタービン入口主蒸気温度の実測値
を１３の信号変換器に入力して、レンジマツチングを計
り１４の減算器にて前記主蒸気温度低下制限値との偏差
を計算する。

最後に、１５のモンターリレーにて実測値が制限値を下
まわったことを検知したら警報或いはタービントリップ
を出力する。

〔発明の効果〕

本発明によれば、定圧運転、変圧運転プラントを問わず
、しかも運転状態によらず主蒸気温度低下制限値を自動
設定することができるので、タービンの湿り域での運転
を避けるためのより厳密な保護装置を提供することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、火力発電プラントの一般的な系統を示す図、
第２図は主蒸気温度低下制限値と変圧運転プラントの一
般的な主蒸気圧力変圧特性を示す図、第３図は本発明の
一実施例を示す主蒸気温度低下タービン保護装置の制御
ブロック図である。 １・・・ボイラ、２・・・高圧タービン、３・・・再熱
器、４・・中・低圧タービン、５・・・発電機、６・・
・主蒸気圧力検出器、７・・・発電機出力検出器、８・
・・負荷運転中の温度低下演算器、９・・・タービン回
転数検出器、１０・・・無負荷運転中の温度低下演算器
、１１・・・切替器、１２・・・主蒸器温度検出器、１
３・・・信号変換器、１４・・・演算器、１５・・・モ
ニターリレー。 高１図 率２図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １、タービン入口主蒸気温度が、タービンの許容する温
   度制限値以下になつた場合、警報又はタービントリップ
   を行なうタービン保護装置に於いて、該警報又はタービ
   ントリップ制限値をタービン負荷運転中は負荷とタービ
   ン入口蒸気圧力から与え又、タービン無負荷運転中はタ
   ービン回転数とタービン主蒸気圧力から与えることを特
   徴としたタービン保護装置。