JPH0195297A - 防弾衣用の耐弾織布 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は防弾衣用の耐弾織布に関するものであり、更に
詳しくは、防弾パッドを構成する織布として、高強度繊
維からなる４軸織物を含んで積層させることにより、高
耐弾性能を向上せしめると共に、＠！量化を可能にして
着用性音高め、その実用性を向上させた防弾衣用の耐弾
織布に関するものである。

（従来の技術） 高速で飛来する弾丸、又は砲弾の破片等を、高強度の繊
維からなる織布を積層してバット状とし身体の所要部に
あて、該弾丸等を阻止する防弾衣は、従来から高強度ナ
イロン繊維を素材とした織布で実用化されており、また
近年に至っては高々強度の芳香族ポリアミド繊維を用い
た織布が弾丸の阻止能力が高いことも知られており、軽
量な防弾衣として発展して来ている。

このような防弾衣は、一般に、高強度繊維からなる織布
を積層した防弾パッド部と、これを被う外被とから構成
される。防弾パッド部に、弾丸等の質量と速度の２乗に
比例する運動エネルギーを吸収して停弾するのに足ジる
強度を保持する必要がある。

また、弾丸等による貫通力は、衝突する弾丸等の先端形
状、エネルギー密度、硬さ等が影響するが、例えば尖頭
形のライフル弾等は、着弾面でのエネルギー密度がその
平均エネルギー密度より高いことから、より高い貫通力
を有することになる。

一方、尖頭形でない砲弾の破片の場合や、弾頭が丸く、
かつ着弾時の弾速の比較的遅い挙銃弾の場合等は、貫通
力は比較的小さいものとなる。しかしながら、かかる比
較的貫通力の低い場合の防弾であっても、防弾パッドを
構成する織布の積層枚数は多大のものであジ、高強度の
芳香族ポリアミド繊維（例えばデュポン社のＫｅｖｌａ
　ｒ［Ｆ］）の織布を用いても２０枚あるいはそれ以上
の積層枚数が必要であった。

これら従来の防弾衣に用いられる織布は、一般に千載組
織をとるが、この織組織では織布を形成する経糸、緯糸
の変形の目出度が少ない為に充分な停弾能力全発揮でき
ない結果、積層枚数が増大するとの考えのもとに、所梢
朱子繊組懺とすることが提案（％開昭６１−２７５４４
０号＠ｉ）されたが、８ＲＭ枚数を低減させるに足り得
る程の効果を発揮するものではなかった。

（発明が解決しようとする問題点） 本発明は、上述の従来の平ｃｔｆ１．＃）あるいは朱子
織組織の織布を積層してなる防弾パッドでは、光分に高
い停弾性能を発揮し得す、結局＠量化されて実用性に富
む防弾衣七得ることが６米ないことに鑑みなされたもの
である。

本発明者は、停弾性の向上検討の過程で、弾丸が織布に
着弾した場合の応力は、専ら織布を形成する糸方向にの
み集中してそのエネルギー全吸収することをつきとめた
。即ち、従来の織布においては、平織であっても朱子織
であっても、これら織布を形成する経糸及び緯糸の直文
する方向にのみ、着弾時の応力が伝播し、全方位への分
散が行なわれない結果、比較的容易に織布は破断買通す
るものである。従って、着弾時にそのエネルギーを特定
の方向のみでなく全面に均一に分散させ吸収させること
によって、この問題点は解決され、停弾性に優れた耐弾
材料を得られることとなる。

（問題全解決するための手段〉 本発明者は、上述の考えにもとづき着弾時のエネルギー
全効率よく分散して吸収する織布構造につき鋭意検討を
重ねた結果、特定の構造の４軸織物が−ネル杓分散性及
び吸収性に優れることを見いだし、該織布にもとづき防
弾パッドの構成を検討し本発明を完成したものである。

即ち本発明は、少くとも１５ｆｌ／ｄ以上の引張強度１
［する繊維からなる経糸、緯糸及び二方向の斜め糸より
構成される４軸織物構造であって、実質的に経糸と緯糸
及び一方向の斜め糸は交錯することなく、他の方向の斜
め糸が他の三方向の糸と父錯することにより一体に保持
された織布を、防弾パッドを構成する織布として少くと
も一層以上含んで積層したこと全特徴とする防弾衣用の
耐弾織布である。

そして、よシ好ましくは、４軸織物構造の織布を形成す
る経糸、緯糸及び二方向の斜糸の糸太さが６００〜１５
００デニールであり、織密度（各糸方向のインチ巾当り
の糸本数〕が５〜５０本である防弾衣用の耐弾織布であ
る。

本発明において用いられうる経糸、緯糸及び二方向の斜
め糸’ｔＴｈ成する繊維としては、少くとも１５９／ａ
以上の引張強［ｋ有する繊維であることが必要でおる。

引張強度が１５＆／ｄ未満であっても本発明の４軸織物
構造の織布を用いる防弾パッドは、従来の防弾パラげに
対して停弾性能は向上するものの、軽量化するまでには
至らない。

停弾性能全高め軽量化させる為には繊維それ自体の引張
強度はＴＬ要な因子であり上記の１５．？／ｄ以上の引
張強度を有する繊維を用いることによって、弾丸等の着
弾時のエネルギー吸収作用及び耐衝撃作用等が充分に発
揮され停弾性に極めて優れた耐弾織布を与える。

かかる繊維としては、高強度ナイロン繊維、パラ配向芳
香族ポリアミド繊維、芳香族ポリエステル繊維、ガラス
繊維、超高分子量のポリエチレン繊維、炭素繊維などが
あげられる。このうち、特に、パラ配向芳香族ポリアミ
ド繊維、光学異方性を示す融液から成形された芳香族ポ
リエステル繊維、超高分子量ポリエチレン繊維は、軽量
で高強度であること、及び汎用性の点で実用的であるこ
と等から好ましい。

ここでいうパラ配向芳香族ポリアミド繊維とは、アミド
結合が芳香族環のパラ位又はそれに準じた配向位（４、
４’−ビフェニレン、１，５−ナフタレン、２，６−ナ
フタレンなどのような反対方向に同軸又は平行位に延び
る配向位）で結合されるくり返し単位から実質的になる
もので、例えば、ポリ（ｐ−フェニレンテレフタルアミ
ド）（以下ＰＰＴＡと略称する。）、ポリ（ｐ−ベンズ
アミド）、ポリ（４、４’−ベンズアニリドテレ７タル
アミド）、＆！ｊ（ｐ−）ユニしン−４、４’−ビフェ
ニレンジカルボンアミド）、ポリ（ｐ−フェニレン−２
゜６；す７タレンジカルボンアミド）、ポリ（ｐ−フェ
ニレン−３、４’−オキシジフェニレンテレフタルアミ
ド）等々のパラ配向又はパラ配向に近い構造を有する芳
香族式リアミドからなる繊維を言う。

本発明に用いられる上述の繊維の太さ、即ち経糸、緯糸
及び斜め糸の太さは、後述される織密度との組合せによ
り詳細は異るが、好ましくは、３００〜１５００デニー
ルでおる。一般に糸太さについては、太い方が高い耐弾
性が得られるが、１５００デニールを超えると、糸が太
くなって、糸の絡り合い、が強くなりすぎる結果、自由
度が低下して局部荷重の回避が悪くなり耐弾性を低下さ
せる。一方３００デニールよりも細い場合には充分な耐
弾性が得られなくなるので好ましくない。

本発明においては上述の繊維からなる織布が、実質的に
経糸と緯糸及び一方向の斜め糸は交錯することなく、他
の方向の斜め糸が他の三方向の糸と交錯することにより
一体に保持された４軸絨物構造であることが必要である
。

即ち、防弾パッドにおいて織布に着弾した弾丸等の負荷
は、織布を構成する各々の糸（繊維）方向に分散され、
引張抵抗力を発生させて、これにより支持、停弾される
。負荷の分散は各々の糸の父錯点によってそれぞれの方
向に行われる為、高い耐弾性を得るには、分散の方向を
多くし均一に分散し、一方向当りの、即ち各県あたりの
負荷を低下ならしめるためである。本発明の耐弾織布に
おいては４軸懺物であることによって、従来の２軸織物
織布に対して、−枚当りの耐弾性は、約２倍近くまで尚
められ、結果として同じ弾丸等に対して積層枚数は低減
されることとなる。

又、本発明に用いられる織布は４方向の糸の組織からな
るが、上述の如く一体に保持されていることが１要であ
る。即ち、一体に保持されていない場合にあっては、負
荷の分散が均一に行われない結果、一方向当りの負荷が
増大し、耐弾性能を低下させる。このことは、従来の２
軸織物をそれぞれの織布の経糸、緯糸方向を例えば４５
°ずらせて（即ち一枚目の織布の経糸と２枚目織布の経
糸とが４５′の角度となる様に〕積層した防弾パッドに
おいて充分に耐弾性能が発揮されないことと同じである
。

かかる４軸織物構造の織布において、織密度、即ち各糸
方向の１インチ巾当シの糸本数は、５〜５０本であるこ
とが好ましい。５本以下の織密度では糸の太さにもよる
が空隙が大となり、着弾時の一本当りの負荷が増大し、
充分な耐弾性を上げる為には積層枚数を増やすことが必
要となり結果として軽量化を果たすことが出来ない。一
方５０本以上であっては、耐弾性能上は問題とはならな
いが、織布自体が地厚化、剛直化し、ひいては着弾時の
負荷の分散が不均一となって繊維強度を利用する効率が
低下する為好ましくない。織密度としては５〜５０本、
更に好ましくは８〜３０本であるのがよい。

本発明において、かかる織密度は、上記範囲であれば経
糸、緯糸又は二方向の斜め糸によって夫々異っていても
よい。

具体的に本発明に用いられる４軸織物構造の織布の一例
を第１図及び第２図によジ詳細に説明する。

第１図は本発明に用いられる４軸織物構造の織布の平面
図であり、第２図は第１図の線■−…方向の断面を示す
ものである。この例における４軸織物は下側より緯糸２
ａ、２ｂ、２ｃ＋２ｄ＋２ｅ＋２ｆｓ経糸３ａ＋　３ｂ
、３ｃ、３ｄ＊　３ｅ＊３ｆ、３ｇ、左斜め方向の糸４
　ａ　Ｉ　４　ｂｌ　４　ＣＩ４　ｄ　＊　４　ｅ　ｐ
　４　ｔが交叉することなく順次積層するように配置さ
れ、これら６種類の糸を左斜め方向の糸５ａ、５ｂ＋　
５ｃｔ　５ａ＊　５ｅ＋　５ｆがそれぞＩＬの又錯点毎
に交錯することにより一体に保持している。

したがって第２図により明らかに示されるように緯糸２
ａ〜２ｒ、経糸３ａ〜３ｇおよび左斜め方向の糸４ａ〜
４ｆｆｌ実質的に直線に延び、左斜め方向の糸５ａ〜５
ｆはそれぞれの交錯点だけで交錯のため湾曲するがその
他の部分では直線に延ひている。

第１図に示した例では左斜め方向の糸５ａ〜５ｆか交錯
点毎に他の６種類の糸と交錯しているが、４軸織物とし
ての一体性が保持される限り、１つ誼きに交錯する等、
交錯点の配置を任意に選定してもよい。又第１図に示し
た例では左斜め方向の糸が他の６種類の糸と交錯してい
るが、左斜め方向の糸を他の３種類の糸に交錯させても
よく、又左斜め方向の糸および左斜め方向の糸の両方の
糸を交錯する糸として用い、任意の配置の交錯点て経糸
、緯糸および他の斜め方向の糸に交錯させてもよい。さ
らに又複数本の左斜め方向の糸５ａ〜５ｆ中、例えば糸
５ａ、５ｃ、５ｅを交錯する糸とし、他の糸５ｂ＋　５
ｄ、５ｆｒ交錯しない糸として実質的に直線に配置して
用いてもよい。

本発明に用いる４軸織物構造の織布においては、上述の
ように経糸と緯糸とが直接互いに交錯しておらず、斜め
糸の交錯によって結合している為に比較的低伸度で高い
引張強展を有する繊維を用いても、その強度が充分に発
揮できる利点を有し、更に織布を構成する各県の変位自
由度が大きく、一体化されていることによって、耐弾性
能に極めて優れた織布となっているものである。

本発明の耐弾織布は、上述の４軸織物構造の織布の少く
とも一層以上含んで防弾パッドを構成してなる。一般に
は、耐弾性を高める為に、４軸織物構造の織布のみを積
層して防弾パッドが構成されるが、場合によっては、従
来の２軸織物の織布と組合わせて積層されることも本発
明に含まれム即ち、弾丸等は、防弾パッドを構成する織
布のうち上層（表９ＩＩＩ）の方が着弾時の吸収エネル
ギー負荷が大きく、通常はこの部分の織布は破断され弾
丸等は内層に達するものであるが、特に上層部のみを、
停弾特性に優れた４軸織物構造の織布として用いること
によっても従来の２軸織物の織布を積層してなる防弾衣
用の耐弾織布よジ少ない積層枚数で同等の停弾性能を示
すものとなる。

本発明の防弾衣用の耐弾織布における全積層枚数は４軸
織物構造の織布を少くとも一枚（層）以上含んで、通常
５〜２０枚（層）であり、使用目的、弾丸等の種類によ
って異るものである。

（本発明の効果） 本発明の防弾衣用の耐弾織布は、着弾時にそのエネルギ
ーを特定の方向のみでなく全面に均一に分散させ吸収さ
せることができるので、停弾性に優れた防弾衣を提供し
うる。

また、停弾性に優れている本発明の防弾衣用の耐弾織布
を用いることにより全積層枚数を少なくすることができ
るので、軽量で且つ着用性良好な防弾衣を提供できる。

（［流側） 以下に本発明全実施例によって更に詳細に説明するが、
本発明がこれらの実施例に限定されるものではない。

〈実施例１〜４及び比較例１〉 引張強度が２２　ｙ、、’ａでおるポリバラフェニレン
テレフタルアミドからなる芳香族ポリアミド繊維（デュ
ポン社製、Ｋｅｖｌａｒ　　Ｔ　−９６４，１０００デ
ニール６６７フイラメント）を使用して、第１表に示す
構造の４軸織物域布葡作成し、この織布を１５枚積層し
て耐弾織布とした。

一方、同じ繊維を用いて織密度が経、緯共に２４本／イ
ンチである２軸平織々布を作成し、同じように２０枚積
層して耐弾織布とした。

これらの耐弾織布に対して、重量が１．１ｇ、材質が硬
鋼、形状が円柱状の弾丸を、着速６００ｍ／Ｓ％汝弾時
の弾丸エネルギーが約２０ＩＫ９・ｍとなる条件で撃ち
、実際の看弾時の速度を測定して吸収エネルギーを算出
した。又、各資料毎の貫通した枚数を実測した。この一
連の実験によって得られた結果を第１表に示したが、吸
収エネルギー、貫通枚数共に、本発明の耐弾織布は極め
て優れたものでおることが認められた。

又、吸収エネルギー係数は、従来公知の平織構造の耐弾
織布に対して約２倍の値を示し、同重量の繊維量によっ
て約２倍のエネルギーを吸収することから、積層枚数は
１／２に低減されることを示唆するものであり、実際に
実施例乙においては、１／２の積層枚数で停弾じたもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の防弾衣用の耐弾織布を構成する４軸
織物構造の織布の拡大された平面図であシ、第２図は、
第１図中の線■−■方向の断面図でらシ、各部は以下の
通りである。 １・・・４軸織物構造の織布 ２・・・ヨコ方向繊維糸条、 ３・・・タテ方向繊維糸条、 ４・・・ナナメ方向繊維糸条、 ５・・・ナナメ方向繊維糸条 特許出願人　旭化成工業株式会社 第１図 第２図

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）少くとも１５ｇ／ｄ以上の引張強度を有する繊維
   からなる経糸、緯糸及び二方向の斜め糸より構成される
   ４軸織物構造であつて、実質的に経糸と緯糸及び一方向
   の斜め糸は交錯することなく、他の方向の斜め糸が他の
   三方向の糸と交錯することにより一体に保持された織布
   を、防弾パッドを構成する織布として少くとも一層以上
   含んで積層したことを特徴とする防弾衣用の耐弾織布。
2. （２）４軸織物構造の織布を形成する経糸、緯糸及び二
   方向の斜糸の糸太さが３００〜１５００デニールであり
   、織密度（各糸方向のインチ巾当りの糸本数）が５〜５
   ０本である特許請求の範囲第１項記載の防弾衣用の耐弾
   織布。
3. （３）１５ｇ／ｄ以上の引張強度を有する繊維が、パラ
   配向芳香族ポリアミド繊維、光学異方性を示す融液から
   成形された芳香族ポリエステル繊維、超高分子量ポリエ
   チレンからなる繊維の１種又は２種以上であることを特
   徴とする特許請求の範囲第１項記載の防弾衣用の耐弾織
   布。