JPH018494Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、包装機械、とくに必要最少限の空
間を外気から遮断した無菌チヤンバを設置し、そ
のチヤンバ内で一連の包装作業を行なうようにし
た包装機械に関する。

従来の技術 食品を扱う包装機械では、充填、キヤツピング
等の本来の包装作業の完了した容器に、製造年月
日等の印字を施さなければならないことがある。
印字作業は必ずしも無菌チヤンバ内で行なう必要
がないが、あえて行なおうとすれば、その分無菌
チヤンバを大きくしなければならず、不経済であ
る。そこで、従来では、本来の包装作業の完了し
た容器を、コンベヤで容器をストツクさせておく
場所まで搬送する途中で人手により印字作業を行
なうようにしていた。

考案が解決しようとする課題 上記において、印字作業を人手により行うこと
は、はなはだ面倒で、効率的でなかつた。

この考案の目的は、印字作業を無菌チヤンバの
外で、人手によることなく、自動的に行なうこと
のできる包装機械を提供することにある。

課題を解決するための手段 この考案による包装機械は、容器搬送装置全体
が無菌チヤンバで取囲まれ、チヤンバの頂壁上に
充填装置およびキヤツピング装置が容器搬送経路
にそつて配置され、充填装置およびキヤツピング
装置の容器に対する作動部分は主チヤンバ内にの
びており、チヤンバの頂壁に、キヤツピング装置
より下流の容器搬送経路真上に位置するように容
器排出口が設けられている包装機械において、容
器搬送装置から容器排出口を通してチヤンバの外
まで容器を押上げる押上げ部材と、容器排出口の
前方に間隔をおいて配置されている左右方向にの
びた容器排出コンベヤと、容器排出口と容器排出
コンベヤの間に配置されている渡し板と、渡し板
の上方を前後方向に移動しかつ移動ストロークの
前進限と後退限で一時停止しうるように配された
往復動体と、往復動体に昇降自在に取付けられか
つ押上げ部材上で容器を吸着し渡し板上の前後両
端の中間位置にある印字ステーシヨンでその吸着
を解除する下向き吸着部材と、往復動体が、その
移動ストロークの後退限で停止しているときに、
昇降自在な印字ヘツドが印字ステーシヨンの容器
に印字を施しうるように往復動体に取付けられて
いる印字装置と、吸着部材による容器搬送経路に
対し出没しうるように、往復動体に左右方向に移
動自在に取付けられ押動部材とを備えていること
を特徴とするものである。

作 用 包装機械には、容器搬送装置から容器排出口を
通してチヤンバの外まで容器を押上げる押上げ部
材が備わつているから、内容物を充填しかつキヤ
ツプを施した容器が容器排出口の直下まで搬送さ
れてくると、押上げ部材で容器搬送装置から容器
排出口を通してチヤンバの外まで押上げられる。

容器排出口の前方に間隔をおいて容器排出コン
ベヤが配置され、容器排出口と容器排出コンベヤ
の間に渡し板が配置され、渡し板の上方を前後方
向に移動しかつ移動ストロークの前進限と後退限
で一時停止しうるように往復動体が配され、押上
げ部材上で容器を吸着し渡し板上の前後両端の中
間位置にある印字ステーシヨンでその吸着を解除
する下向き吸着部材が往復動体に昇降自在に取付
けられているから、吸着部材で押上げ部材上の容
器を吸着して吸着部材を上昇させ、往復動体を前
進させ、印字ステーシヨンで吸着部材を下降させ
てその吸着を解除することにより容器は押上げ部
材上から印字ステーシヨンまで搬送される。

往復動体が、その移動ストロークの後退限に停
止しているときに、昇降自在な印字ヘツドが印字
ステーシヨンの容器に印字を施しうるように印字
装置が往復動体に取付けられているから、印字装
置で印字ステーシヨンまで搬送された容器に印字
が施される。

押動部材が吸着部材による容器搬送経路に対し
出没しうるように往復動体に左右方向に移動自在
に取付けられているから、往復動体の前進により
吸着部材で容器を搬送する際に、押動部材を容器
搬送経路に出しておくと、往復動体とともに押動
部材が前進することにより、印字を施された容器
が押動部材で印字ステーシヨンからコンベヤ上ま
で渡し板上を滑りながら搬送される。

実施例 この考案の実施例を図面を参照してつぎに説明
する。

この明細書において、前後とは、第２図を基準
として、第２図の上方を前、その下方を後とい
い、左右とは、第２図の左右と左右というものと
定義する。

＜容器＞ 包装機械に用いられる容器１は、第５図に示す
ように、これにデザートなどの流動性食品を包装
するためのものであつて、合成樹脂によつてカツ
プ状に形成され、かつ口縁に外向きのつば２が設
けられている。

＜包装機械の概要＞ 包装機械は、主として、第１図〜第３図に示す
ように、容器搬送装置３と、容器搬送装置３を取
囲んでいる密閉状無菌チヤンバ７と、容器搬送装
置３に容器１を殺菌して供給する容器殺菌供給装
置９０と備えている。

＜容器搬送装置＞ 容器搬送装置３は、第５図および第６図に詳細
に示すように、ターンテーブル１３を有してい
る。ターンテーブル１３は、垂直回転軸１１の上
端に固定された水平円板１２Ａと、円板１２Ａの
周縁部にそれぞれボルトで止められた全体として
円環状をなす複数の扇状分割片１２Ｂとからな
る。垂直回転軸１１の軸心を中心とする円周状に
位置するように各分割片１２Ｂに容器保持孔１４
が４つずつ設けられている。容器保持孔１４に容
器１が挿入された状態でそのつば２が容器保持孔
１４の周縁部で受けられている。垂直回転軸１１
は、無菌チヤンバ７の底壁中央部を垂直案内筒１
５を介して貫通してその下方に突出し、その突出
端にインデツクスボツクス１６が連結されてい
る。このインデツクスボツクス１６により、２つ
の容器保持孔１４が同時につぎに説明する１２の
ステーシヨンに順次停止するようにホルダプレー
ト１３が間欠的に駆動される。これにより、２つ
の容器１に対して同時に各所要の包装作業が行な
われる。１２のステーシヨンとは、第６図に示す
ように、無菌チヤンバ７内右部を起点として、矢
印Ａで示すホルダプレート回転方向である反時計
方向順次並んだ容器搬入ステーシヨンＳ１、容器
検出ステーシヨンＳ２、第１次充填ステーシヨン
Ｓ３、処理なしステーシヨン、第２次充填ステー
シヨンＳ３、処理なしステーシヨン、キヤツピン
グステーシヨンＳ４、処理なしステーシヨン、加
圧冷却ステーシヨンＳ５、容器搬出ステーシヨン
Ｓ６、２つの処理なしステーシヨンである。

容器搬入ステーシヨンＳ１には無菌チヤンバ７
の内外にまたがつて昇降しうる図示しない搬入用
吸着部材が、容器検出ステーシヨンＳ２には図示
しない容器有無検出器が、第１次および第２次充
填ステーシヨンＳ３のそれぞれには充填装置４
が、キヤツピングステーシヨンＳ４にはキヤツピ
ング装置５が、加圧冷却ステーシヨンＳ５には加
圧冷却装置６が容器搬出ステーシヨンＳ６には容
器搬出装置２８がそれぞれ配置されている。

２つの充填装置４は、第４図に概略示すよう
に、容器１に内容物を一定量ずつ２回に分けて充
てんするためのもので、第１次および第２次充て
んステーシヨンＳ３において無菌チヤンバ７の頂
壁をそれぞれ貫通してその内部にのびた充填ノズ
ル２４などを備えている。キヤツピング装置５
は、第３図に概略示すように、ロール状に巻かれ
たヒートシールの可能なアルミニウム蒸着フイル
ム２５を巻き戻して、容器１の口縁にヒートシー
ルし、かつ容器１の外形にあわせてフイルム２５
を打ち抜くことにより、容器１の口を密閉するも
ので、キヤツピングステーシヨンＳ４に配置され
た昇降自在なシールヘツド２６と、シールヘツド
２６の下面と容器１の間を通過させてフイルム２
５を送るための各種ローラ２７などを備えてい
る。加圧冷却装置６は、図示しないが、ヒートシ
ール部を急速に冷却してシール強度を高めるため
の昇降加圧冷却パツドなどを有している。容器搬
出装置２８については後で詳しく説明する。

＜無菌チヤンバ＞ 無菌チヤンバ７は、第５図に詳しく示すよう
に、固定台３１上に設置された上向き開口有底筒
体の本体２９と、本体２９の上端にその開口を塞
ぐように固定された頂壁３０とからなる。無菌チ
ヤンバ７の内部は適当な滅菌処理が施されるとと
もに、実質的に有効な製品寿命を保証する程度に
滅菌された清浄空気で外気よりも陽圧に保たれて
いる。第１図および第７図に示すように、容器搬
出ステーシヨンＳ６で停止している容器保持孔１
４の真上に位置するように頂壁３０に容器排出口
３３が設けられている。

＜容器殺菌供給装置＞ 容器殺菌供給装置９０は、可動台１０と、可動
台１０に装備されている密閉状殺菌チヤンバ９
と、殺菌チヤンバ９内にそれぞれ設置されかつ容
器供給装置８０より容器を受取りこれを殺菌する
容器殺菌装置８および容器殺菌装置８より殺菌済
みの容器１を受取りこれを容器搬送装置３に渡す
容器受渡し装置８１とを備えている。

容器殺菌供給装置９０についての詳しい説明は
省略するが、可動台１０を移動させると、無菌チ
ヤンバ７から殺菌チヤンバ９が分離されるように
なされている。

＜容器搬出装置＞ 容器搬出装置２８は、第１図、第７図および第
８図に詳しく示すように、容器搬送装置３から容
器排出口３３を通して無菌チヤンバ７の外まで容
器１を押上げる押上げ部材３４と、容器排出口３
３の前方に間隔をおいて配置されている左右方向
にのびた容器排出コンベヤ３５と、容器排出口３
３と容器排出コンベヤ３５の間に配置されている
渡し板３６と、渡し板３６の上方を前後方向に移
動しかつ移動ストロークの前進限と後退限で一時
停止しうるように配された往復動体３７と、往復
動体３７に昇降自在に取付けられかつ押上げ部材
３４上で容器１を吸着し渡し板３６上の前後両端
の中間位置にある印字ステーシヨンＳでその吸着
を解除する下向き吸着部材３８と、往復動体３７
が、その移動ストロークの後退限で停止している
ときに、昇降自在な印字ヘツド５９が印字ステー
シヨンＳの容器１に印字を施しうるように往復動
体３７に取付けられている印字装置５８と、吸着
部材３８による容器搬送経路に対し出没しうるよ
うに、往復動体３７に左右方向に移動自在に取付
けられている押動部材３９とを備えている。

容器押し上げ部材３４は、垂直昇降棒４０の上
端に固定されている。昇降棒４０は無菌チヤンバ
７の底壁を貫通しかつ図示しない手段によつて作
動させられる。容器排出コンベヤ３５は、一般に
知られているベルトコンベアであつて、その左端
部を搬送経路始端としてそこから幹向きにのびて
いる。渡し板３６は、その後部を無菌チヤンバ７
の頂壁３０上に水平に固定しかつその前端部を容
器排出コンベア３５の左端寄りの部分に臨ませて
いる。渡し板３６の上方にはフレーム４１によつ
て支持された２本の水平案内棒４２が上下に所定
間隔をおいて平行に設けられており、これらに往
復動体３７が移動自在に支持されている。往復動
体３７は、両案内棒４２にそれぞれはめ被せられ
た一対の摺動筒４３と、これらを一体に連結した
箱形の可動フレーム４４とからなる。可動フレー
ム４４の両水平案内棒４２の間には、フレーム４
１に前向きに支持された流体圧シリンダ４５のロ
ツド４６が連結されている。下部摺動筒４３の後
端部には方形平板状の取付板４７が垂下状にねじ
止められている。そして取付板４７にはブラケツ
ト４８を介して下向きの薄形流体圧シリンダ４９
が取付けられるとともに、左右方向にのびたＬ形
アングル５０が取付けられている。流体圧シリン
ダ４９のロツド５１には水平板５２がねじ止めら
れ、その両端部に容器吸着部材３８がその吸着面
を下に向けるように、それぞれ固定されている。
一方、Ｌ形アングル５０の両端部には垂下状ブラ
ケツト５３を介して２つの流体圧シリンダ５４が
互いに向き合うように吊り下げられており、その
両シリンダ５４のロツド５５に容器押動部材３９
が固定されている。また吸着部材３８の直下後方
には、その上面にねじ止められた逆Ｌ形ブラケツ
ト５６を介して補助容器押動部材５７が吊り下げ
られている。これらの補助容器押動部材５７は、
容器１に蓋が被せられていなくて、容器吸着部材
３８を使用することができないときに用いられ
る。そして、これらの吸着部材３８および容器押
動部材３９の前方に、可動フレーム４４の下端に
吊り下げられることによつて印字装置５８がその
昇降自在な印字ヘツド５９を下に向けて配置され
ている。

ターンテーブル１３がその保持孔１４を容器排
出口３３の直下に位置させて停止すると、容器押
し上げ部材３４が上昇して同保持孔１４に保持さ
れていた容器１を無菌チヤンバ７の頂壁３０とほ
ぼ同じ高さまで押し上げる。このときに往復動体
３７は進退ストロークの後退限位置にあつて、容
器吸着部材３８は押し上げられた容器１の直上に
位置している。ついで薄形シリンダ４９および容
器吸着部材３８を作動させて容器押し上げ部材３
４にのせられた容器１を吸着上昇させ、かつ往復
動体３７を前方に移動させる。そして往復動体３
７が前進限位置に至ると、容器吸着部材３８を下
降させるとともに、吸着解除する。そうすると、
容器１は渡し板３６に受け止められるが、その位
置は容器押し上げ部材３４の直上から容器排出コ
ンベア３５の直上までの距離のほぼ半ばのところ
である。ついで往復動体３７を後退させるが、こ
のときに容器押動部材３９は容器移動空間から退
出させておく。そして往復動体３７が再び後退限
位置に至ると、押し上げ部材３４にはつぎの容器
１が待機している。一方、印字装置５８は渡し板
３６の中間にある容器１の直上にあり、印字装置
５８を作動させて同容器１に印字を行なう。そし
て容器押動部材３９を容器移動空間に進入させる
とともに、再び往復動体３７を前方に移動させる
と、押し上げ部材３４上の容器１が渡し板３６の
中間位置まで吸着部材３８で運ばれ、同時に容器
押動部材３９によつて渡し板３６の中間にあつた
容器１が渡し板３６上を滑りながら移動して排出
コンベア３５にのせられ、同コンベア３５によつ
て所定のところまで運ばれる。

考案の効果 この考案によれば、内容物を充填しかつキヤツ
プを施した容器が容器排出口の直下まで搬送され
てくると、押上げ部材で容器が容器搬送装置から
容器排出口を通してチヤンバの外まで押上げら
れ、吸着部材で押上げ部材上の容器が吸着されて
印字ステーシヨンまで搬送され、印字装置で印字
ステーシヨンの容器に印字が施され、印字ステー
シヨンまで吸着部材で容器が搬送されてくる前
に、すでに印字を施された容器が押動部材で印字
ステーシヨンからコンベヤ上まで搬送されるか
ら、人手によることなく、自動的に容器に印字を
施すことができる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示し、第１図はこの
考案の要部の概略説明図、第２図は包装機械全体
の平面図、第３図は第２図の−線にそう包装
機械の垂直縦断面図、第４図は包装機械の側面
図、第５図は容器搬送装置および無菌チヤンバの
垂直断面図、第６図は無菌チヤンバの内部を概略
示す平面図、第７図は容器搬出装置の詳細を示す
側面図、第８図は同正面図である。 ３……容器搬送装置、４……充填装置、５……
キヤツピング装置、７……無菌チヤンバ、３３…
…容器排出口、３４……押上げ部材、３５……容
器排出コンベヤ、３６……渡し板、３７……往復
動体、３８……吸着部材、３９……押動部材、５
８……印字装置、５９……印字ヘツド。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 容器搬送装置３全体が無菌チヤンバ７で取囲ま
   れ、無菌チヤンバ７の頂壁上に充填装置４および
   キヤツピング装置５が容器搬送経路にそつて配置
   され、充填装置４およびキヤツピング装置５の容
   器１に対する作動部分は無菌チヤンバ７内にのび
   ており、無菌チヤンバ７の頂壁に、キヤツピング
   装置５より下流の容器搬送経路真上に位置するよ
   うに容器排出口３３が設けられている包装機械に
   おいて、 容器搬送装置３から容器排出口３３を通して無
   菌チヤンバ７の外まで容器１を押上げる押上げ部
   材３４と、 容器排出口３３の前方に間隔をおいて配置され
   ている左右方向にのびた容器排出コンベヤ３５
   と、 容器排出口３３と容器排出コンベヤ３５の間に
   配置されている渡し板３６と、 渡し板３６の上方を前後方向に移動しかつ移動
   ストロークの前進限と後退限で一時停止しうるよ
   うに配された往復動体３７と、 往復動体３７に昇降自在に取付けられかつ押上
   げ部材３４上で容器１を吸着し渡し板３６上の前
   後両端の中間位置にある印字ステーシヨンＳでそ
   の吸着を解除する下向き吸着部材３８と、 往復動体３７が、その移動ストロークの後退限
   で停止しているときに、昇降自在な印字ヘツド５
   ９が印字ステーシヨンＳの容器１に印字を施しう
   るように往復動体３７に取付けられている印字装
   置５８と、 吸着部材３８による容器搬送経路に対し出没し
   うるように、往復動体３７に左右方向に移動自在
   に取付けられている押動部材３９と、 を備えていることを特徴とする包装機械。