JPH017640Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の属する技術分野〕 本考案は、反物、帯等の呉服を販売のために搭
載し、かつ室内を店舗に利用する呉服販売車に関
する。

〔従来技術とその問題点〕

従来、呉服販売は小売店や百貨店などに設けた
店舗で行つていたが、需要者側の便宜を図り、ま
たシエア拡大を図るために自動車の車内に販売室
を形成し、移動性を高める方法がある。

かかる呉服販売車として車内を店舗形式に形成
してここに多数の呉服類を展示掲載できるように
したものがあるが、呉服は他の商品と異なつて選
択にじつくりと時間をかけるものであり、落ち着
いた雰囲気の中で商談を進めることが望まれる。

しかし自動車の車内は限られた狭い空間であり
従来の販売車ではこの要求をなかなか満たすまで
の有効利用ができなかつた。

〔考案の目的〕 本考案の目的は前記従来の不都合を解消し、自
動車に呉服や、その販売に必要な各種備品等を単
に搭載するだけでなく、車内に落ち着いて商談を
進められるような設備を設けて狭い車内を有効利
用し、その結果販売効果を促進させることができ
る呉服販売車を提供することにある。

〔考案の要点〕

しかしてこの目的は本考案によれば、車内を呉
服販売室に形成したワゴンタイプの呉服販売車に
おいて、該室の床に足を差入れられる凹部を形成
し、分割体で構成した伸縮自在な脚を着脱自在に
取付けるとともに裏面を畳面に形成した板を前記
凹部内に嵌め込んだことにより達成される。

〔考案の実施例〕

以下、図面について本考案の実施例を詳細に説
明する。

第１図は本考案の呉服販売車の実施例を示す一
部切欠いた側面図、第２図は同上横断平面図で、
図中１はワゴンタイプの自動車本体を示し、この
本体１の運転席２の直後に出入りのために開閉自
在な仕切体３を設けて車内を販売室Ａと運転室Ｂ
とに区画し、該運転室Ｂ内の空所、例えば助手席
４の背後に食器棚５を配設し、また天井には収納
ケース６を取付けた。

販売室Ａは、自動車本体１の側面の出入り用扉
７に続くステツプ部８を除いて床面上に畳９を敷
き、両側の窓１１には内障子１２を取付けた。

後方の床面は、前記ステツプ部８より一段高く
形成されているが、例えば後輪１０，１０間の軸
の直上あたりで該床面を矩形状に掘り下げ、足を
差入れられるような凹部１３を形成し、該凹部１
３内に板１５を嵌め込んで、掘りごたつ状のテー
ブルとする。

該テーブルは、固定すると邪魔になるので邪魔
にならないよう、上下に引出し可能とした。引出
し可能の構成としては、不使用時に畳９面と同一
平面となるように、板１５に伸縮自在な脚１４を
取付けるが、該脚１４は例えば第３図に示すよう
に脚杆１４ａ，１４ｂの分割体で構成し、両脚杆
１４ａ，１４ｂを着脱自在に結合、または一方の
脚杆１４ｂ内に他方の脚杆１４ａを摺動自在に収
納する。

また、上方の脚杆１４ａと板１５とを例えばネ
ジ１６で取外し可能に結合し、かつ、板１５の裏
面を畳面に形成しておく。

また、販売室Ａ内の最後部には、階段状の商品
陳列ケース１７を取付け、下段を小物類等を収納
する透明蓋付ケース１７ａとし、上段を反物の陳
列棚１７ｂとした。なお、この陳列棚１７ｂは走
行中の車体振動による商品の転落を防止するため
後方に傾斜角をつけた。

反物等をひろげて客に見せるために、内障子１
２の上方に反物掛け１８を取付け、また仕切体３
の背後に衣桁１９を設け、さらに前記ステツプ部
８の脇から仕切体３の背後にかけて等身大の鏡２
０を取付けたものである。

なお、反物掛け１８は別途掛け具を取付けても
よいが、内障子１２の鴨居の上面を凹部に形成し
ておき、ここに反物を載せるようにすることも可
能である。

さらに、内障子１２の下方の側壁に折畳み自在
なカウンターテーブル２１を取付け、また、ステ
ツプ部８と後輪１０との間の床下に、収納ケース
２２を設け、販売室Ａの側壁の適宜個所に冷暖房
機２３を取付けた。

次に使用法を説明すると、販売室Ａの後部に設
けた陳列ケース１７のうち、下方の収納ケース１
７ａに、帯〆、帯あげ、足袋等の小物類を収納
し、その上方の陳列棚１７ｂに反物、帯等を載置
し、顧客宅または特設会場等に自動車を移動させ
る。

客は扉７からステツプ部８を経て販売室Ａに入
り、ここで商品を選択する。

この際、床面として使用されていた板１５の脚
１４を伸長して畳９上にテーブルを形成すれば、
凹部１３内に足を差入れた状態で落ち着いて商談
を進めることができる。

なお、冬期には凹部１３内にヒーターを配設す
れば、テーブルを掘りごたつとして用いることが
可能である。

また、必要に応じてカウンターテーブル２１を
引起こして使用し、運転席Ｂ内の食器棚５内に収
納してある茶、茶器、ポツト等を用いて客を接待
する。

陳列ケース１７から取出した反物を反物掛け１
８に掛け、仕上がりの呉服は衣桁１９にかけ、ま
た身体に当てがつて鏡２０に写すなどして、商品
の見定めを行う。

このようにして商品の売買を進めるが、予備の
商品等は床下の収納ケース２２や運転室Ｂ内の収
納ケース６に納めておけば、さらに多くの商品を
持運べる。そして、不使用時などには、板１５か
ら脚１４を取外し板１５を裏返して裏面の畳面を
表にすれば、床面の全部を畳面として使用でき
る。

〔考案の効果〕

以上述べたように本考案の呉服販売車は、車内
の販売室の床に足を差入れられる凹部を形成し、
この上に設けたテーブルを用いて商談を行うこと
ができるようにしたので、落ち着いた雰囲気の中
でじつくりと商品の選択ができ、その結果売上げ
向上を図ることができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の呉服販売車の実施例を示す一
部切欠いた側面図、第２図は同上横断平面図、第
３図は要部の斜視図、第４図、第５図は車内の一
部斜視図である。 １……自動車本体、２……運転席、３……仕切
体、４……助手席、５……食器棚、６……収納ケ
ース、７……出入り用扉、８……ステツプ部、９
……畳、１０……後輪、１１……窓、１２……内
障子、１３……凹部、１４……脚、１４ａ，１４
ｂ……脚杆、１５……板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車内を呉服販売室に形成したワゴンタイプの呉
   服販売車において、該室の床に足を差入れられる
   凹部を形成し、分割体で構成した伸縮自在な脚を
   着脱自在に取付けるとともに裏面を畳面に形成し
   た板を前記凹部内に嵌め込んだことを特徴とする
   呉服販売車。