JPH0160086B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は均斉な連続スライバーを形成するため
に使用されるカードへの給綿装置の改良に関する
ものである。

従来の技術 カードから出たスライバーの太さのむらは、そ
の後の製糸工程における糸の太さむらの発生原因
となる。

そこで、カードを出たスライバーの太さを目標
値と比較し、カード入口とカード出口における速
度比を少なくとも１個所で変化させてカード内に
おけるドラフトを変化させる方式が公知である。

しかし、カードは、すべての関連部品と共に最
良の作動条件に合わせてセツトされており、許容
変動範囲がきわめて小さいので、上記公知方式の
如く、カード入口とカード出口における速度比を
１個所で自由に変動させることが簡単に行えるも
のではないのみならず、設備コストが高価となる
欠点を有する。

この点を改良するものとして、カード入口側に
おける繊維供給装置の繊維供給量を変化させる調
整装置を使用するものが実公昭62−17498号公報
にて開示されている。

発明が解決しようとする問題点 上記公報に開示されている方式は、供給シユー
トの下部出口に設置された１対の引出しローラ回
転数を変化させるものであつて、この場合、上記
引出しローラは、通常、カードシリンダへのテー
カインローラの前方に設けられているフイードロ
ーラから連動駆動されているため、この連動駆動
部を、わざわざ２つの駆動機構に分けると共に、
フイードローラ側からの回転が引出しローラへ伝
わるようにし、かつ、引出しローラ側の駆動機構
には、サーボモータからの変速入力を導入可能と
し、しかしてサーボモータの変速入力はフイード
ローラ側の駆動機構には影響しないようにし、上
記サーボモータには、カード出口に設置されたス
ライバーの太さ測定手段の出力信号が変速入力と
して伝わるようにしている。

このように、上記方式は、サーボモータを変速
入力手段とする複雑高価な調整装置を使用しなけ
ればならず、不経済である。

問題点を解決するための手段 本発明は、従来装置の上記問題点に鑑みて提案
されたもので、供給シユート部分に付設されてい
る繊維供給ブロアを圧力差発生装置に改造し、か
つ、カード出口側のスライバーの太さむら又は、
カード入口側のフイードローラ部での厚さ変動に
応じて上記圧力差発生装置の発生圧力を変化させ
て供給シユート内の繊維の密度を変化させるよう
にしたもので、具体的には、供給シユートの下部
から空気を吸入し、上部へ吐出循環させる可変速
ブロアを具備し、供給シユート内の繊維の密度を
上下の圧力差で均一にさせるための圧力差発生装
置と、カード出口側のスライバー太さの計測値の
長周期変動又はカード入口側のフイードローラ部
での厚さ変動によつて上記圧力差発生装置の可変
速ブロアの回転数を増減制御させる圧力差制御装
置とを具備させたものである。

作 用 本発明に係る装置は、カードへの給綿装置を構
成する供給シユート内の貯蔵繊維の密度を、圧力
差発生装置によつて均一化させるものである。こ
のように、供給シユート内での貯蔵繊維の密度を
均一にしておけば、供給シユートの下部出口に設
置される１対の引き出しローラから引き出される
繊維の密度を均一化でき、スライバーの太さむら
をなくすことができる。また、スライバーの太さ
の長周期変動（むら）又は、カード入口側のフイ
ードローラ部での厚さ変動に対しては、圧力差制
御装置によつて圧力差発生装置の圧力差を変化さ
せ、供給シユート内の貯蔵繊維の密度を変化させ
ることによつて対処するものである。

実施例 図面は本発明装置の実施例を示す側面図であつ
て、１は繊維原料の貯溜部、２は貯溜部１に連接
した供給シユート、３，４は貯溜部１と供給シユ
ート２との境界部に設置したフイードローラとオ
ープニングシリンダであつて、供給シユート２内
の貯蔵繊維量を一定に保持させるための光電管等
のレベリング装置５によつて駆動制御されるもの
である。

６は供給シユート２の側部に設置した可変速ブ
ロアであつて、カードの運転中、常時駆動され、
その吸入ダクト７が供給シユート２の下方部の吸
入口８に接続してあり、その吐出ダクト９が供給
シユート２の上部（図面ではオープニングシリン
ダ４の後面側）に接続してあつて、これらの構成
によつて本発明における圧力差発生装置Ａを構成
している。

供給シユート２の後面側の側壁２ａは、その上
部をヒンジ２ｂで枢着して揺動可能としてあり、
回転カム等の振動付与装置１０で、カードの運転
中、常時駆動され、上記側壁２ａを揺動させて供
給シユート２内の貯蔵繊維の密度を一層均一にす
るものである。

供給シユート２の下部出口には、１対の引き出
しローラ１１，１１が設置され、その前方にフイ
ードローラ１２が設置され、その前方にテーカー
インローラ１３、カードシリンダ１４、ドツフア
１５が順次設置され、さらにその前方にはトラン
ペツト１６や、コイラー及びケンス等が設置され
るが、これらの図示は省略している。そして、カ
ードの出口側には、スライバーの太さを計測する
計測装置１７が設置してあり、この計測装置１７
は、１対のローラを含み、一方のローラにはスラ
イバー１８を案内する環状溝を形成し、この環状
溝に案内されつつ移動するスライバー１８を他方
のローラが環状溝に押し付けるように対応ずけら
れ、少なくとも一方のローラは他方のローラに向
けて相対的に軸線が接近離隔移動可能に支持さ
れ、常時、スプリング圧又は流体圧によつて接近
方向に圧接され、スライバー１８の太さの変化に
追従して可動側のローラが変位し得るように構成
され、かつ、この変位を電気的に検出して圧力差
制御装置１９へ電気信号を出力する構成とされ
る。

圧力差制御装置１９は、計測装置１７によるス
ライバー１８の太さの計測値データを記録可能と
すると共に、スライバー１８の太さの長周期変動
の傾向を自動的に監視させ、目標値より太くなつ
ている場合では、圧力差発生装置Ａの可変速ブロ
ア６の回転数を低くさせ、逆に、目標値より細く
なつている場合では、可変速ブロア６の回転数を
高くさせるような電気信号を出力させて、インバ
ータ（図示省略）を介して可変速ブロア６の回転
数を変化させるように構成される。

以上が全体の構成であつて、次に動作を説明す
る。貯溜部１にはフアンコンデンサ（図示省略）
等によつて繊維原料が供給され、供給シユート２
内のレベリング装置５によつてフイードローラ３
が制御駆動され、貯溜部１内の繊維原料をフイー
ドローラ３で送り出し、これをオープニングシリ
ンダ４で細かく開繊し乍ら供給シユート２へ供給
する。

供給シユート２内では、可変速ブロア６によつ
て、側壁２ａの下部の吸入口８から供給シユート
２内の空気が吸入され、オープニングシリンダ４
の後面から空気が吐出される。これによつて、オ
ープニングシリンダ４で開繊された繊維は、供給
シユート２へ確実に空気輸送されると共に、供給
シユート２内の上下には所定の圧力差が発生し、
該供給シユート２内の貯蔵繊維が上記圧力差に相
当した空気圧でその上面から略均等に押圧され、
密度が均一化される。これと併行して、振動付与
装置１０による側壁２ａの揺動によつて、横方向
から反復して圧縮され、上記圧力差発生装置Ａに
よる上下方向の圧縮作用と相俟つて供給シユート
２内の貯蔵繊維の密度を一層均一化させる。この
ように密度を均一化された繊維は、供給シユート
２の下部出口の１対の引き出しローラ１１，１１
によつて引き出され、フイードローラ１２、テー
カーインローラ１３を経てカードシリンダ１４に
供給され、、このカードシリンダ１４の部分で櫛
梳され、ドツフア１５で剥離されてトランペツト
１６で集束されて均斉な太さのスライバー１８と
される。

カードの出口側には上記スライバー１８の太さ
を計測する装置１７が設けてあり、ここでスライ
バー１８の太さが連続的に計測される。

スライバー１８の太さの長周期変動があれば、
圧力差制御装置１９が圧力差発生装置Ａの可変速
ブロア６の回転数を変化させるため、供給シユー
ト２内の上下の圧力差が変化し、該供給シユート
２内の貯蔵繊維の密度が変化する。

上記のように供給シユート２内の貯蔵繊維の密
度を変化させることによつてスライバー１８の太
さを変化させることができ、相互に関連駆動され
るカードの各ローラの駆動系とは全く無関係とで
きる。従つて、カード全体は、従前のものをその
まま利用できる。

前記圧力差発生装置Ａの可変速ブロア６は、取
り扱う繊維の種類によつて、適正な圧力差を発生
させ得るように適正回転数を選択可能とされ、か
つ、この適正回転数において、スライバー１８の
長周期の太さむらに対して圧力差制御装置１９と
回転数を変更可能としておくものである。尚、上
記実施例では、カード出口側でのスライバーの太
さの長周期変動のみを対象としたが、カード入口
側のフイードローラ１２部での厚さの変動を検出
させ、これによつて、圧力差発生装置Ａの可変速
ブロア６の回転数を変化させるようにしてもよ
い。

発明の効果 本発明によれば、カードの各ローラの駆動系と
は全く独立してスライバーの長周期むら又は、カ
ード入口側のフイードローラ部での厚さ変動に対
応させることができる利点がある。しかも、供給
シユート内の貯蔵繊維の密度を均一化できるた
め、カードの各ローラの駆動系に複雑な調整装置
を用いたりすることなく均斉なスライバーを生産
させることができる。さらに、スライバー太さの
計測値の長周期変動又は、カード入口側のフイー
ドローラ部での厚さ変動に応じて可変速ブロアの
回転数を増減制御させる圧力差制御装置を使用す
るだけでよいため、装置全体の構成を簡単化で
き、安価に提供できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明装置の実施例を示す側面図であ
る。 ２…供給シユート、６…可変速ブロア、Ａ…圧
力差発生装置、１７…計測装置、１８…スライバ
ー、１９…圧力差制御装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 供給シユートの下部から空気を吸入し、上部
   へ吐出循環させる可変速ブロアを具備し、供給シ
   ユート内の繊維の密度を上下の圧力差で均一にさ
   せるための圧力差発生装置と、カード出口側のス
   ライバー太さの計測値の長周期変動又はカード入
   口側のフイードローラ部での厚さ変動によつて上
   記圧力差発生装置の可変速ブロアの回転数を増減
   制御させる圧力差制御装置とを具備させたことを
   特徴とするカードへの給綿装置。