JPH0158985B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、婦女子の経血処理に用いられる生
理用ナプキン、並びにその製造方法に関する。

〔従来の技術及び発明が解決しようとする問題点〕

生理用ナプキンとしては、人体の当接部分への
密着性、経血の吸収性を向上させるとともに、経
血の漏れ防止、生理用ナプキンの当接ずれの防止
を目的として種々改良されたものが案出されてい
る。

しかしながら、従来の生理用ナプキンは、その
多くが長方形の平面形状であるために、特に人体
の臀裂部にフイツトし難いことから、生理用ナプ
キンと臀裂部との間に隙間が形成され、この隙間
部分から後方漏れを生じたりする。このような後
方漏れは特に就寝時において著しい。このため、
近年では、シヨーツによつて生理用ナプキンを人
体に押し付けてフイツトさせる工夫がなされてい
るが、生理用ナプキン自体が平面的であるため
に、これを臀裂部にフイツトさせるためにはシヨ
ーツにかなりの弾性力が必要となり、これがため
下腹部が必要以上に圧迫されて逆に不快感を招来
するといつた欠点がある。そこで、生理用ナプキ
ンの中央部を部分的につまむような状態に屈曲さ
せて止着または圧着して臀裂部に入り込む隆起部
を形成したものも考えられているが、この隆起部
を形成するために生理用ナプキン使用時における
後部の幅が狭くなることから、屈曲部のみならず
後部全体が臀裂内に入り込んで不快感を増大する
のみでなく、後部両側部からの経血漏れを起こす
といつた欠点がある。

この発明は、このような従来の種々の問題点を
解消するような生理用ナプキンを提供し、併せて
そのような生理用ナプキンを製造する方法を提供
しようとしてなされたものである。

〔問題点を解決するための手段〕

まず第一の発明である生理用ナプキンは、液透
過材シートと液防漏材シートとの間に液吸収材を
介在させて一体に成形してなる生理用ナプキンに
おいて、長手方向における中央部付近から後縁に
向かつて徐々に幅を増大させるとともに、この幅
広とした後縁部を、前記液透過材シートと液防漏
材シートとの間に熱可塑性樹脂フイルム等の熱変
形した保形補助シートが介挿されて、長手方向に
沿つた中心線を稜線部として前記液透過材シート
側が徐々に隆起し、他方液防漏材シート側が凹ん
だ形状に成形したことを特徴とする生理用ナプキ
ンを要旨としている。

次に第二の発明である生理用ナプキンの製造方
法は、液通過材シートと液防漏材シートとの間に
これら両シートよりも相似的に小形の液吸収材を
挟んで重ね合わせ、前記両シートの周縁部同士を
接着もしくは溶着して生理用ナプキンを製造する
方法において、前記液透過材シートと液防漏材シ
ートとの周縁部同士を接着もしくは溶着する工程
に先立つて、熱可塑性樹脂フイルム等の熱変形可
能な保形補助シートを前記両シート間に介挿し、
前記透過材シートと液防漏材シートとの間に液吸
収材を挟んで重ね合わせる工程に続いて、前記液
透過材シートと液防漏材シートとの周縁部同士を
接着もしくは溶着した後に、またはそれら両シー
トの周縁部同士を溶着する際、一組の凹凸型間
に、前記液透過材シート、液防漏材シート等から
なる層状物を液透過材シート側が凹型に当接する
ように配置し、その層状物を加熱しながら加圧し
て成形することを特徴とする生理用ナプキンの製
造方法を要旨としている。

〔作用〕

上記した第一の発明である生理用ナプキンは、
長手方向中央部分を股間部局部に当接するととも
に、この中央部分からその幅が徐々に増大させら
れた後縁部を、その隆起部を臀裂部に沿わせて臀
部に当接するようにして使用することにより、幅
が徐々に増大することにより形成される縁部が股
間部の大腿部分付根に沿つて自然にするととも
に、熱変形により柔軟に隆起して変形した後縁部
も、臀裂部とその両側の臀部の膨らみに自然にフ
イツトするようになることから、生理用ナプキン
全体が身体股間部に密着され、違和感なく平均的
かつ全体的に経血吸収が行なわれて経血漏れが解
消されるようになる。そして、液透過材シートと
液防漏材シートとの間に介挿された保形補助シー
トは、生理用ナプキンの後縁部の隆起形態を維持
するように作用して、生理用ナプキンの股間部へ
の良好な密着状態を常に確保するようになる。

また、上記した生理用ナプキンの製造方法にお
いては、所定形状の液吸収材と保形補助シートと
を、液透過材シートと液防漏材シートとの間に配
設して、液透過材シートと液防漏材シートとの周
縁部同士を接着もしくは溶着することにより、液
吸収材部分を過度に圧迫することなく生理用ナプ
キンの層状体を形成するから、液吸収材部分の液
吸収性を阻害することなく、立体的な生理用ナプ
キンの製造が行なえるようになる。また、介挿さ
れた保形補助シートは、加熱された凸型と凹型間
に介在させて形成した際にその熱により成形凹凸
部の形状に変形するから、生理用ナプキン層状体
を立体的な形態に仕上げることができる。

〔実施例〕

この発明に係る生理用ナプキンの１実施例及び
その製造方法の工程を図を参照しながら詳説す
る。

第１図ないし第３図は、この発明に係る生理用
ナプキンの１実施例を示す図であり、第１図は生
理用ナプキンの斜視図、第２図は第１図を長手方
向に沿つて切断した中央断面図である。図に示す
ようにこの生理用ナプキンは、人体への当接面と
なる液透過材シート１と裏面となる液防漏材シー
ト２との間に液吸収材３を介在させるとともに、
臀部側に当接される後縁部４に熱可塑性樹脂フイ
ルム、例えばポリ塩化ビニル製フイルムからなる
保形補助シート５を液防漏材シート２と液吸収材
３との間に介在させて圧力、熱を加えるなどして
立体的に形成されている。この生理用ナプキンの
全体の平面形状は、長手方向の中央部付近が幅狭
となつた括れ状となつており、前記保形補助シー
ト５を介在させた後縁部４が扇状に広がつた形状
となつている。保形補助シート５の介在は、生理
用ナプキン全面であつてもよいが、第３図イに示
すように後縁部４のみの全面とするか、第３図
ロ，ハに示すように長手方向中心線を横切る帯形
状として介在させてもよい。

そして、第１図、第２図に示すように、長手方
向中央部付近から後縁部４に向かつて、液透過材
シート１側に長手方向中心線上を稜線部として
徐々に隆起する隆起部６が形成され、他方液防漏
材シート２側は凹ませてある。この隆起部６は保
形補助シート５を介在させた後縁部４を熱加工し
て保形補助シート５を熱変形させることにより形
成される。

このように、生理用ナプキンの長手方向中央部
付近を幅狭とし、臀部に当接される後縁部４を扇
状に幅を広くし、この部分に保形補助シート５を
介在させてこれの熱変形により柔軟な隆起部６を
形成することによつて、保形効果が高く、隆起部
６が幅広く展延されることなく臀裂部に自然にフ
イツトし、違和感や不快感を生じさせず、また、
後縁部からの経血漏れを招来することなく安心し
て使用ができる生理用ナプキンとすることができ
る。

尚、上記実施例においては、生理用ナプキンの
長手方向中央部を幅狭として形成したが、後縁部
の広がりに対して長手方向中央部が狭くなつてさ
えおればよいのであつて、前縁から長手方向中央
部に至る部分を両側縁が平行になるように形成し
てもよく、この部分の形態は限定されるものでは
ない。また、保形補助シートとしてポリ塩化ビニ
ル製フイルムを使用したが、他の熱可塑性樹脂フ
イルム、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等
のフイルム、あるいはこれらをラミネートした
紙、これらの素材を使用した不織布等、いずれで
もよく、更に、熱収縮性の材料であればそれ以外
の材料であつても使用できる。さらにまた、保形
補助シートとしてネツト状素材を使用する場合に
は、適当な強度と柔軟性があつて違和感なく着用
することができるとともに、水分を透過するため
に、液透過材シートと液防漏材シートの間であれ
ば、これを介挿する位置は限定されることがな
い。

第４図及び第５図はこの発明に係る生理用ナプ
キンの製造方法の工程を説明するための図であ
る。第４図に示したように、長手方向中央部を幅
狭とし後縁部４にかけてその幅を徐々に増大させ
た輪郭形状とした液吸収材３、及びこの液吸収材
３の後縁部４の輪郭形状と同形とした保形補助シ
ート５を重ね、さらに、液吸収材３の形状と相似
形に大きくした形状の液透過材シート１と液防漏
材シート２とを、前記重合物の両面に重ね合わせ
てその周縁を接着または溶着し、生理用ナプキン
展延体とする。ここで、液透過材シート１と液防
漏材シート２との周縁を熱溶着する場合には、
100〜200℃程度の温度をかける。その後、第５図
に示したように、凸型７と凹型８との間に、液透
過材シート１が凹型８の内表面に当接するように
生理用ナプキン展延体を配設する。凸型７には生
理用ナプキンの厚みに相当する深さを有する凹部
９と隆起部を形成するための隆起用凸部１０とが
形成されており、凹型８には前記隆起用凸部１０
の入り込む成形凹部１１が形成されている。この
両型間に配設した前記生理用ナプキン展延体を、
使用する保形補助シートの材料に応じて、80〜
150℃、５〜100Kg／cm²の範囲で適宜設定された温
度及び圧力で２〜30秒間閉型して成形し、保形補
助シート５に熱変形を付与することにより、立体
的な生理用ナプキンを得るのである。

〔効果〕

以上説明したこの発明の生理用ナプキンによれ
ば、長手方向中央部付近から後縁部に向かつて幅
を徐々に増大させて広げ、全面もしくはこの広が
つた後縁部分に保形補助シートを介挿し、長手方
向中央部付近から後縁部にかけての液透過材シー
ト側を長手方向中心を稜線として徐々に隆起させ
た構成としたことから、生理用ナプキンの成形立
体形態が前記保形補助シートの介挿による保形作
用により維持される。このように幅の増大による
周縁の変化及び後縁部の隆起の形態は、特に太腿
部の付け根から臀部にかけての体形にフイツトす
るとともに臀部の凹凸になじんで良好に密着する
ようになる。また、後縁部の面積が広くなること
から後部に偏りがちな経血を十分に吸収するよう
になり、就寝時に多い後漏れを確実に防止するこ
とができる。

また、この発明の生理用ナプキンの製造方法に
よれば、液透過材シート、液防漏材シート及び液
吸収材を損傷することなく介挿させた保形補助シ
ートを熱変形させ、長手方向中央部から後縁部に
かけて徐々に隆起した立体的形態を有し、人体に
自然にフイツトして違和感がなく後漏れの無い生
理用ナプキンが能率的に製造できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明に係る生理用ナプキンの１実
施例を示す斜視図、第２図はその長手方向の断面
図、第３図イ，ロ，ハは保形補助シートの介在状
態の各種例を示す部分平面図、第４図はこの発明
に係る生理用ナプキンの製作段階での重合状態分
解斜視図、第５図は凹凸型を用いて生理用ナプキ
ンを成形する状態を示す図である。 １……液透過材シート、２……液防漏材シー
ト、３……液吸収材、４……後縁部、５……保形
補助シート、６……隆起部、７……凸型、８……
凹型、９，９′……凹部、１０……隆起用凸部、
１１……成形凹部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 液透過材シートと液防漏材シートとの間に液
   吸収材を介在させて一体に成形してなる生理用ナ
   プキンにおいて、長手方向における中央部付近か
   ら後縁に向かつて徐々に幅を増大させるととも
   に、この幅広とした後縁部を、前記液透過材シー
   トと液防漏材シートとの間に熱可塑性樹脂フイル
   ム等の熱変形した保形補助シートが介挿されて、
   長手方向に沿つた中心線を稜線部として前記液透
   過材シート側が徐々に隆起し、他方液防漏材シー
   ト側が凹んだ形状に成形したことを特徴とする生
   理用ナプキン。 ２ 液透過材シートと液防漏材シートとの間にこ
   れら両シートよりも相似的に小形の液吸収材を挟
   んで重ね合わせ、前記両シートの周縁部同士を接
   着もしくは溶着して生理用ナプキンを製造する方
   法において、前記液透過材シートと液防漏材シー
   トとの周縁部同士を接着もしくは溶着する工程に
   先立つて、熱可塑性樹脂フイルム等の熱変形可能
   な保形補助シートを前記両シート間に介挿し、前
   記透過材シートと液防漏材シートとの間に液吸収
   材を挟んで重ね合わせる工程に続いて、前記液透
   過材シートと液防漏材シートとの周縁部同士を接
   着もしくは溶着した後に、またはそれら両シート
   の周縁部同士を溶着する際、一組の凹凸型間に、
   前記液透過材シート、液防漏材シート等からなる
   層状物を液透過材シート側が凹型に当接するよう
   に配置し、その層状物を加熱しながら加圧して成
   形することを特徴とする生理用ナプキンの製造方
   法。