JPH0155122B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、主としてサンバイザ本体と、該サン
バイザ本体の長縁の範囲に支承された回動支承ケ
ーシングと、ほぼＬ字形に構成されたサンバイザ
軸とから成り、該サンバイザ軸の短い軸脚部が旋
回支承ケーシングによつて受容され、長い軸脚部
が回動支承ケーシングによつて受容されており、
前記サンバイザ本体が長い軸脚部の軸線方向に移
動可能である形式の車両用サンバイザに関する。

この形式のサンバイザは車両内部のフロントガ
ラスの上側に配置され、前方からの日差しをさえ
ぎるために、長い軸脚部が回動支承ケーシング内
に支承されていることによつてフロントガラスの
前へ旋回させることが可能である。さらに旋回支
承部によつては、サンバイザ本体を車両のサイド
ガラスに向かつて旋回させ、側方から車両内に差
込む光線をさえぎることができる。

一般的にサンバイザ本体はサンバイザ軸に対し
て回動可能であるが、サンバイザ軸に沿つては移
動しないように結合されている。従つてこの公知
のサンバイザでは、サンバイザ本体をフロントガ
ラスのところで車両中央に移動させたり又はサイ
ドガラスのところで後方へ移動させたりすること
は不可能である。

既に公知の車両用サンバイザにおいてもサンバ
イザ本体をサンバイザ軸上で軸方向に移動可能に
支承することは周知である。このような構造は米
国特許第3556585号明細書に開示されている。し
かしながら、この公知のサンバイザにおいては、
サンバイザ本体をサンバイザ軸の長い軸脚部上で
軸方向に移動させるために大きな調節力が必要と
されている。なぜならばこの場合には、サンバイ
ザ本体が締付けクランプによつてサンバイザ軸に
摩擦接続で固定されているからである。サンバイ
ザ本体を軸方向に調節可能にすると、車両の運転
手や同乗者のために日差しやその他の光をさえぎ
る可能性を著しく高めることができる。しかしこ
の利点は、サンバイザ本体をサンバイザ軸上で移
動することが構造的に困難であるために十分に活
性されていない。

本発明の課題は、冒頭に述べた形式のサンバイ
ザを改良して、サンバイザ本体が特別の力を必要
とせずにサンバイザ軸の長い軸脚部の軸線方向に
移動できるようにすることである。

この課題を解決するために本発明では、長い軸
脚部が、互いに前後して同軸的に配置されかつ互
いに回動不能に連結された２つの軸部分から構成
されており、これらの２つの軸部分が軸方向に互
いに分離可能であり、短い軸脚部とは反対側の軸
部分が回動支承ケーシング内に相対移動不能にか
つ半径方向に締付けられて配置されている。

本発明により構成されたサンバイザは、該サン
バイザの２つの部分から成る軸脚部が連結された
状態で、通常のように使用してさまざまな回動装
置でフロントガラスの前へ移動させることができ
る。しかし、両方の軸部分は互いに回動のみが不
可能な状態で互いに連結されているので、これら
らの軸部分は軸方向に互いに分離可能であり、ひ
いてはサンバイザ本体を適当に移動させることが
できるようになつている。すなわち、一方の軸部
分が回動支承ケーシング内に相対移動不能に配置
されているのに対して、他方の軸部分は回動支承
ケーシング内に半径方向で締め付けられずに配置
されており、従つて比較的わずかな力を加えれば
一方の軸部分と他方の軸部分との連結が解除され
ると同時に他方の軸部分上で回動支承ケーシング
を滑動させることができる。従つて軸部分の長さ
に相応してサンバイザ本体は大きい移動距離を動
くことができるので、サンバイザ本体を車両のサ
イドガラスの前に配置した場合にはサンバイザを
大きく後方に向かつて移動させることができる。
これによつてサンバイザはユーザの長い間の要求
に答えることができるようになつた。サンバイザ
本体をもとの位置に戻す場合に２つの軸部分は再
び連結させられる。その後でサンバイザ本体は水
平な回動軸を中心として従来のやり方で回動させ
ることができる。この場合には一方の軸部分が半
径方向で締付けられていることによつてサンバイ
ザ本体はあらゆる回動位置で固定することができ
る。もつとも、このようにサンバイザ本体を固定
することは、サンバイザ本体が車両のサイドガラ
スの範囲で遮光する場合には不必要である。なぜ
ならばこの場合は一般にサイドガラスに対してほ
ぼ平行にサンバイザ本体を配置することが望まし
いからである。

２つの部分から成る軸脚部は長い軸部分と該長
い軸部分に比して著しく短い軸部分とから成り、
該短い軸部分が移動不能に回動支承ケーシングに
配置されていると有利である。この短い軸部分
は、該短い軸部分に半径方向の負荷をかける係止
ばねと協働し、短い軸部分が長い軸部分と連結さ
れている場合にサンバイザ本体をあらゆる回動位
置で保持するのに役立つ。従つて短い軸部分は長
い軸部分に対して、例えば約１：５から１：10の
比で著しく短く構成することができる。この結
果、軸脚部はほぼ全長にわたつてサンバイザ本体
の移動路として自由に使えるという利点が得られ
る。

２つの軸部分を連結するためには軸部分の一方
が少なくとも１つの差込突出部を有し、他方の軸
部分が前記差込突出部を受容するための差込受容
を有している。連結を容易にする広い入口範囲を
得るためには、差込受容部の入口側は傾斜面又は
それに類したものによつて拡張されている。

本発明の別の有利な実施態様では長い軸部分
の、短い軸部分に隣合つている端部範囲に、該長
い軸部分から半径方向に突出し、有利にはばねに
よつて外向きに負荷された係止突起が配置されて
いる。この係止突起は回動支承ケーシングの他端
に設けられたスリツト開口又はそれに類したもの
の内部に係合させられることによつてサンバイザ
本体の移動距離を制限している。これによつてサ
ンバイザ本体がサンバイザ軸から完全に外れてし
まうことが防止されている。

さらに本発明の極めて有利な実施態様によれ
ば、長い軸部分の、短い軸部分に向かつている端
部範囲が、場合によつては長手方向のスリツトを
設けた、すべり特性の高いリングによつて把持さ
れている。該リングは有利にはプラスチツクから
成り、長い軸部分の環状みぞ内に移動不能に配置
されている。この実施態様によれば、長い軸部分
と回動支承ケーシングとの間にすべりリングが介
在していて両者の直接の接触摩擦がなく、従つ
て、一方ではサンバイザ本体が長い軸部分上で軽
く移動させられることを助成し、他方では騒音の
発生、特にすべり軸受の形式で互いに結合された
両部分が金属材料により構成されている場合に一
般に起こるがたつき音を防止する。サンバイザ本
体を軽く、がたつきやひつかかりなしで移動可能
にするためには、回動支承ケーシングの差込側の
端部範囲に、長い軸部分を同軸的に把持している
すべりスリーブが移動不可能に配置されていると
一層有利であつて、サンバイザ本体の移動時にこ
のすべりスリーブが長い軸部分上を滑動し、回動
支承ケーシングが前記すべリング上を滑動する。
要するに、回動支承ケーシングと長い軸部分との
間には直接の接触個所がなくて、すべりリングお
よびすべりスリーブを介しての間接的な接触個所
があるだけである。この場合には回動支承ケーシ
ングはすべりスリーブの受容範囲に、該すべりス
リーブを半径方向に締付けかつ軸方向に保持する
ばねを受容するためのケーシング開口を有してい
る。これによつてサンバイザ本体が長い軸部分上
で意図しないのにひとりでに移動することを防ぐ
ある程度の制動作用が得られる。

さらに、回動支承ケーシングは短い軸部分の受
容範囲に、短い軸部分を半径方向に締付けかつ軸
方向に保持するばねを受容するためのケーシング
開口を有していると有利である。この場合には短
い軸部分には軸方向に延びる少なくとも１つの平
面部が設けられており、この平面部で端部係止部
が構成されている。

次に図面につき本発明のサンバイザの実施例を
詳しく説明する。

本発明によるサンバイザのサンバイザ本体１は
上方の長縁の範囲にサンバイザ軸３を有する回動
支承ケーシング２と、図示されていない対向支承
軸のための軸４とを有している。サンバイザ軸３
はほぼＬ字形に構成され、その短い軸脚部５は旋
回支承ケーシング６によつて受容され、長い軸脚
部７は回動支承ケーシング２によつて受容されて
いる。サンバイザ本体１は通常の形式でサンバイ
ザ軸３の長い軸脚部７に第１図に示された状態で
配置されている。自動車の運転者や同乗者に対し
て差込んでくる日光やその他の光線をより適切に
さえぎるためには、サンバイザ本体１がサンバイ
ザ軸３の長い軸脚部７上で移動可能に配置されて
いる。

次いで、サンバイザ本体１を移動可能に支承す
るために採られている構成を第３図に基づいて詳
しく説明する。回動支承ケーシング２は管状に構
成されており、有利には打抜き金属薄板から製作
されている。回動支承ケーシング２は第３図では
一点鎖線でしか示されていないサンバイザ本体１
を補強する線材フレーム８に結合されており、長
い軸脚部７の差込側からほぼ軸４に至るまでの長
さを有している。回動支承ケーシング２の両端部
範囲には、窓枠のケーシング開口９及び１０が設
けられており、ケーシング開口１０にすぐ隣り合
つてスリツト開口１１がある。回動支承ケーシン
グ２は横断面で見てほぼＵ字形に構成されてい
る。この場合にはＵ字形に構成された回動支承ケ
ーシング２の２つの脚部を互いに結合するウエブ
は管状に曲げられていて、サンバイザ軸３の長い
軸脚部７のための回動支承兼すべり支承受容部と
して用いられる。

第３図ではサンバイザ軸３の長い軸脚部７は２
つの部分から構成されてい、短い軸部分１２と長
い軸部分１３とから成つている。短い軸部分１２
は一方の端部に差込受容部１４を有している。短
い軸部分１２の他方の端部は円すい状に構成され
かつ軸方向に延在する少なくとも１つの平面部１
５を備えている。長い軸部分１３の自由端部には
円形でない差込突出部１６が設けられている。こ
の差込突出部１６は導入斜面部を備えた差込受容
部１４内に差込まれる。従つて連結された状態で
は軸部分１２と１３との間には回動不能ではある
が軸方向には分離可能である結合が得られる。

長い軸部分１３は差込突出部１６に隣合う端部
範囲に環状みぞ１７と、該環状みぞ１７内に半径
方向に突出するように配置されたリング１８とを
有している。このリング１８はすべり特性を有す
るプラスチツク材料から成つていて、軸方向に貫
通するスリツトを備えており、サンバイザ本体と
長い軸部分との接触摩擦を避けてサンバイザ本体
の円滑な移動を助ける。環状みぞ１７のすぐ近く
には長い軸部分１３内に袋孔１９が設けられてお
り、この袋孔１９内には係止突起２０と該係止突
起２０を外向きに押すコイルばね２１とが挿入さ
れている。係止突起２０を取付けた後で、袋孔１
９の縁は、係止突起２０が失われることを避ける
ために軽くかしめられる。

結合された軸部分１２及び１３は矢印の方向で
回動支承ケーシング２内へ押込まれる。次いで短
い軸部分１２は回動支承ケーシング２内で、しか
も窓状のケーシング開口９のところで、回動支承
ケーシング２の上に押嵌められたＵ字形の係止ば
ね２２によつて保持される。この係止ばね２２の
自由な脚部端部はその上に被せ嵌められる係止部
材２３によつて軸部分１２から離れないように保
持される。

回動支承ケーシング２の差込口側の端部には、
長い軸部分１３を同軸に把持するすべりスリーブ
２４が配置されている。このすべりスリーブ２４
は一体に形成された付加部２５を備えており、こ
この付加部２５は回動支承ケーシング２の２つの
脚部の間に係合して回動不能に配置されており、
このすべりスリーブ２４はリング１８と同様にサ
ンバイザ本体１と長い軸部分１３との接触摩擦を
避けてサンバイザ本体１の移動時に長い軸部分１
３上を滑動する。軸方向に引抜かれることとを避
けるためにはＵ字形のクランプばね２６がすべり
スリーブ２４の端部突起２７と協働して作用して
いる。クランプばね２６の脚部は係止部材２３に
よつてすべりスリーブ２４から離れないように保
持される。クランプばね２６はすべりスリーブ２
４を圧着力によつて長い軸部分１３に対して締付
けている。この圧着力はサンバイザ本体１がひと
りでに移動することを防ぐのに十分な大きさであ
あるが、意図的な移動を妨げるほどは大きくな
い。

サンバイザ本体１は長い軸脚部７によつて形成
された水平な回動支承軸を中心としてフロントガ
ラスの前へ回動可能であり、あらゆる旋回位置に
係止ばね２２によつて保持される。少なくとも一
方の端部位置での付加的な保持作用は平面部１５
によつて与えられる。さらにサンバイザ本体１は
旋回支承ケーシング６内に受容されている短い軸
脚部５によつて形成されたほぼ垂直に延びる軸を
中心として車両のサイドガラスに向けて旋回させ
ることができる。この場合にはサンバイザ本体の
長さはたいていの場合、後方のサイドガラス範囲
をカバーするには十分ではない。しかしこの後方
のサイドガラス範囲は、側方から差込む光線に関
してまさに重要なものである。本発明によるサン
バイザではサンバイザ本体１は後方へも十分に移
動させることができる。サンバイザ本体１を後方
へ移動させるたためには特別な力は必要とされな
い。というのは係止ばね２２によつて半径方向に
締付け保持された軸部分１２は簡単に軸部分１３
から解離できるからであり、さらに付加的にすべ
り部材（リング１８及びすべりスリーブ２４）が
設けられているからである。平均的な大きさのサ
ンバイザでは、例えば150mmの移動を簡単に実施
することができる。移動距離の制限部材としては
スリツト開口１１内に係合する係止突起２０が用
いられている。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるサンバイザの正面図、第
２図は、サンバイザ軸に沿つて、サンバイザ本体
を移動させた状態で示したサンバイザの正面図、
第３図は、サンバイザ回動支承部と所属の構成部
材とを示す分解図である。 １……サンバイザ本体、２……回動支承ケーシ
ング、３……サンバイザ軸、４……軸、５……軸
脚部、６……旋回支承ケーシング、７……軸脚
部、８……線材フレーム、９，１０……ケーシン
グ開口、１１……スリツト開口、１２，１３……
軸部分、１４……差込受容部、１５……平面部、
１６……差込突出部、１７……環状みぞ、１８…
…リング、１９……袋孔、２０……係止突起、２
１……コイルばね、２２……係止ばね、２３……
係止部材、２４……すべりスリーブ、２５……付
加部、２６……クランプばね、２７……端部突
起。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 主としてサンバイザ本体１と、該サンバイザ
   本体１の長縁の範囲に支承された回動支承ケーシ
   ング２と、ほぼＬ字形に構成されたサンバイザ軸
   ３とから成り、該サンバイザ軸３の短い軸脚部５
   が旋回支承ケーシング６によつて受容され、長い
   軸脚部７が回動支承ケーシング２によつて受容さ
   れており、前記サンバイザ本体１が長い軸脚部７
   上でその軸線方向に移動可能である形式の車両用
   サンバイザにおいて、長い軸脚部７が、互いに前
   後して同軸的に配置され、相対的に回動不能に連
   結された２つの軸部分１２及び１３から構成され
   ていて、該２つの軸部分１２及び１３が軸線方向
   で互いに分離可能であり、２つの軸部分の内短い
   軸脚部５側とは反対側に位置する方の軸部分１２
   が、回動支承ケーシング２内に相対移動不能にか
   つ半径方向に締付け固定されていることを特徴と
   する、車両用サンバイザ。 ２ ２分割構造の軸脚部７が長い軸部分１３と該
   軸部分１３に比して著しく短い軸部分１２とから
   成り、該短い軸部分１２が回動支承ケーシング２
   内に相対移動不能に配置されている、特許請求の
   範囲第１項記載の車両用サンバイザ。 ３ 一方の軸部分１２又は１３が少なくとも１つ
   の差込突起部１６を有しており、他方の軸部分１
   ２又は１３が前記差込突起部１６を受容するため
   の差込受容部１４を有しており、該差込受容部１
   ４の入口端部が傾斜面等によつて拡張されてい
   る、特許請求の範囲第１項又は第２項記載の車両
   用サンバイザ。 ４ 長い軸部分１３が、短い軸部分１２に面する
   端部範囲に、前記軸部分１３から半径方向に突出
   しかつコイルばね２１によつて外向きに負荷され
   た係止突起２０を有しており、該係止突起２０
   が、回動支承ケーシング２の他端に設けられたス
   リツト開口１１等の内部に係合させられることに
   よつてサンバイザ本体１の移動距離を制限する、
   特許請求の範囲第１項から第３項までのいずれか
   １項に記載の車両用サンバイザ。 ５ 長い軸部分１３の、短い軸部分１２に面する
   端部範囲が、長手方向にスリツトを有する、すべ
   り特性の高いリング１８によつて同心的に把持さ
   れている、特許請求の範囲第１項から第４項まで
   のいずれか１項に記載の車両用サンバイザ。 ６ プラスチツクから成るリング１８が長い軸部
   分１３の環状みぞ１７に移動不能に配置されてい
   る、特許請求の範囲第５項記載の車両用サンバイ
   ザ。 ７ 回動支承ケーシング２の差込側の端部範囲
   に、長い軸部分１３を同心的に把持しているすべ
   りスリーブ２４が移動不能に配置されている、特
   許請求の範囲第１項から第６項までのいずれか１
   項に記載の車両用サンバイザ。 ８ 回動支承ケーシング２がすべりスリーブ２４
   の受容範囲に、該すべりスリーブ２４を半径方向
   に締付けかつ軸方向に保持するクランプばね２６
   を受容するためのケーシング開口１０を有してい
   る、特許請求の範囲第７項記載の車両用サンバイ
   ザ。 ９ 回動支承ケーシング２が短い軸部分１２の受
   容範囲に、短い軸部分１２を半径方向に締付けか
   つ軸方向に保持する係止ばね２２を受容するため
   のケーシング開口９を有しており、前記短い軸部
   分１２に、軸方向に延びかつ係止ばね２２によつ
   て負荷される少なくとも１つの平面部１５が設け
   られている、特許請求の範囲第１項から第８項ま
   でのいずれか１項に記載の車両用サンバイザ。