JPH0154497B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (a) 発明の技術分野 本発明は、地下室のような通常、日の当たらな
い場所に外光を伝達して明るくする機能を持つた
給水槽に関するものである。

(b) 従来技術と問題点 近年、土地価格の上昇とともに一般の民家にも
地下室を設けることが増加し、地下室が注目を集
めているが、地下室への採光については人工光し
か考慮されていず、自然光の利用は設計段階にも
上つていない現状である。また、高層ビルの建設
によるビルの谷間の日の当たらない場所での採光
や日照権が以前から問題になつている。これら日
の当たらない場所では明りをとるために一日中電
灯をつけつぱなしにしなければならず、省資源、
省エネルギーの面からも経済的な側面からも何ら
かの方法で外光を採り入れることが熱望されてい
る。そのための従来技術として光フアイバーを使
用する方法があるが、光フアイバーは非常に高価
であり、しかも、外光を採り入れて照明を行うた
めには多量の光フアイバーが必要なため、とても
採算に合わなかつた。

(c) 発明の目的 本発明は上記の点に鑑み、ビルの谷間にある家
や地下室などの日の当たらない場所に経済的に外
光を採り入れることを目的とするものである。

(d) 発明の構成 この目的は本発明によれば、建物に設置される
給水槽に給水槽としての機能だけでなく、外光を
室内に導く光導路としての機能を持たせることに
よつて達成される。すなわち、給水槽の壁の内部
を鏡張りにし、壁に二つの窓を設ける。一つの窓
は空に向けて開けられ、もう一つの窓は室内に向
けて開けられる。空に面した窓から入つた光は給
水槽の壁を反射しながら進み、もう一つの窓に到
達して室内に入り、室内を明るくする。給水槽の
壁に設けられる窓は二つだけでなく、それ以上で
あつても良い。また、窓の形は円形、だ円形、方
形など、どのような形でも良い。給水槽の材質
は、水漏れせず、水の圧力に耐えられるものな
ら、金属、プラスチツク、ガラス、コンクリート
など何でも良い。ただし、窓は透明なものでなけ
ればならない。壁の内側の鏡の材質は反射率の高
いものなら何でも良い。

(e) 発明の実施例 以下、本発明を図面によつて説明する。第１図
は本発明の一実施例で、地上２階、地下１階の家
屋で地下室の採光を行つたものである。給水槽は
FRP製で壁の内側がアルミニウムの蒸着により
鏡になつている。この給水槽の上部と下部に透明
な窓２，３が設けられており、水道管４に接続さ
れ内部が水道水で満たされている。給水槽１の形
は上部の窓２から入つてきた外光６が給水槽の内
壁の鏡５に当たつて反射しながら進行し、下部の
窓３は地下室７の天井の天窓になつているので、
外光によつて地下室内が照明される。上部の窓２
は南に向けて傾けられており、その角度は90°か
ら夏至の太陽の南中高度の半分を引いた値になつ
ている。これによつて、太陽光を効率良く入射さ
せることができ、また、雨水によつて窓の表面を
洗うことができる。なお、給水槽１の形や窓２の
傾きを変えることによつて、特定の時刻あるいは
季節に入射光を最も多く採り入れることも可能で
ある。また、窓２の傾きを自由に変えられるよう
にして光量を調節することもできる。さらに、窓
２を凸形にすることもできるし、窓２の上部にフ
レネルレンズなどを設置し、太陽を追尾して強制
的に窓２に太陽光を入射させることも可能であ
る。給水槽の内部は水で一杯まで満たされる必要
があり、もし、上部に空間がある場合には水の蒸
発によつて窓２に水滴がついて入射光を散乱して
しまうことになる。なお、この給水槽は閉鎖系に
なつているので、圧力をかけなくても大気圧と水
道圧により給水槽の上まで水を満たすことができ
る。

第２図は本発明の他の実施例で、地上６階、地
下２階のビルの例を示したものである。この場
合、建物の高さが高く、給水槽１の中の上部にト
リチエリの真空ができるので、ポンプ８を用いて
水を押し上げ、給水槽を水で満たしている。この
例では地下室だけでなく、各階に窓が設けられ、
日当たりの悪い北側の室内や内部の窓のない部屋
の中に光を入れている。

第３図は、本発明のもう一つの実施例を示した
ものである。これは、ビルの地下室とビルができ
るために日の当たらなくなつてしまう家屋に外光
を供給したものである。

(f) 発明の効果 本発明は以上説明したように、建物の各部屋に
水道水を供給するため、あるいは非常の際の飲料
水を供給するために必要不可欠な給水槽に、外光
を室内に採り入れるための光導路としての機能を
持たせたものであり、これによつて経済的に外光
を室内に採り入れることを可能にしたものであ
る。光導路としての給水槽の内部は絶えず水道水
の流通によつて清掃されているため、メンテナン
スフリーであり、照明に電力を使わなくて済むこ
とから省エネルギーで経済的効果が非常に大き
い。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図、第３図は、本発明の給水槽の
実施例を示す縦断面図である。 １……給水槽、２……窓、３……窓、４……水
道管、５……鏡、６……外光、７……地下室、８
……ポンプ、９……家。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 給水槽の壁に複数の窓を設け、かつ窓以外の
   壁の内部を反射面にして、一方の窓から外光を入
   射させ、壁で反射させながら進行させて他方の窓
   まで到達させ、窓を通して室内を照明することを
   特徴とする給水槽。 ２ 給水槽の内部に水を満たして閉鎖系としたこ
   とを特徴とする特許請求範囲第１項記載の給水
   槽。